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新聞等で報じられているように、横浜フリューゲルスは横浜マリノスに吸収合併されます。 
引き金となったのは、出資企業である佐藤工業が、業績不振を理由に経営から撤退することでした。 
全日空単独では運営しきれないため、出資企業を新たに探したものの見つからなかったそうです。 
一方、マリノスの出資企業である日産自動車の経営も苦しく、また同一都市に複数のチームが存在することで、 スポンサーがつきにくいという問題点を鑑みた結果、急速に合併の話が持ち上がったということです。 
29日、“超法規的措置”によって、Jリーグ臨時理事会で合併が承認されました。 
同日、都内のホテルで横浜フリューゲルスの山田恒彦社長と横浜マリノスの高坂弘己社長が、 
川淵三郎Jリーグチェアマンとともに会見し、正式発表されました。 
経営は、マリノスが70%、フリューゲルスが30%出資する法人「株式会社横浜マリノス」に引き継がれます。 
愛称は「横浜F・マリノス」となり、フリューゲルスの頭文字は残るものの、事実上の吸収合併です。 
超法規的措置の主な内容は、以下の通り。 
 ・横浜・Fマリノスには、来年から適用されるプロA契約選手の25人枠は適用されない。 
 ・マリノスとフリューゲルスから移籍する選手には、移籍金がかからない。 
 ・選手を受け入れたチームは、25人枠に制限されず両チームの選手を保有できる。 
新チームの役員構成は、日産と全日空の出資比率に準じ、社長にはマリノスの高坂社長が就任します。 
なお、フリューゲルスのプロパー社員9人は、全員新チームに採用される見込みだということです。 
本社所在地は横浜市新子安で、新横浜のフリューゲルスの事務所は閉鎖されます。 
練習場は、マリノスの獅子ヶ谷グラウンドとフリューゲルスの東戸塚のトレセンが併用されるようです。 
この事態を受けて、Jリーグはチーム経営の監督機関となる経営委員会(仮称)の発足を決定しました。 
選手への説明 
29日9時半より、東戸塚のクラブハウスで、山田社長が選手たちに突然の吸収合併の事情を説明しました。 
事実は新聞で知らされ、それを裏付ける紙きれいちまい渡されただけ、という声もあがっていたようです。 
サポーターへの説明 
29日20時より、新横浜の事務所会議室において、山田社長からサポーターに対しての説明が行なわれました。 
話し合いは平行線を辿ったまま、2時間半で終了しました。 
なお、話し合いに進展が見られなくなった段階で、オーレの竹内さんが退席して、 
事務所のあるビルの前に集まった私たちファンに、説明と話し合いの内容を伝えて下さいました。 
その模様は、Ole! YOKOHAMAの今月のNEWSに詳しく記されています。 
選手の比率も7:3となるために、フリューゲルスから新チームに加われるのは7人程度という話でした。 
また、この場で翌30日11時に虎ノ門のJリーグ事務局に、嘆願書を出しに行くことが決まりました。 
マリノス側の対応 
獅子ヶ谷グラウンドで、高坂社長と谷口常務が選手たちに事情を説明しました。 
サポーターへの説明は、谷口常務と中村運営部長が出席して、神奈川区の事務所で行なわれました。 
20時から行なわれた話し合いは、深夜にまで及んだようです。 
 98.10.30 
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