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茶の湯において湯を沸かす釜は、風炉の季節(夏)と、炉の季節(冬)では、釜の種類も意味合いも異なります。
●夏の季節
5月(立夏のころ)から11月(立冬のころ)までは風炉に釜をかけます。
暑い盛りの茶事なので、お客様が少しでも涼しく過せるように炭の火を遠ざける心配りだそうです。
風炉…鉄や土でつくったものもあり、床(畳)の上に置けるようになっています。
●冬の季節
11月立冬がすぎてから4月までは炉に釜をかけ茶の湯を楽しみます。
夏とは逆に、寒い(昔は暖房もほとんどありませんから)冬の茶事にお客様が少しでも暖かく過せるよう炭の火を近づける心配りだそうです。
炉 …床(畳)の一部を四角く切り、掘って作られています。
茶事(ちゃじ)をすることを象徴とした言葉として使われていますので「釜をかけますから、どうぞお越しください」などと言われたら茶事に招かれたと思って、先ず間違いはないでしょう。
日本の歴史においても古く、実際に「茶釜」ができたのは、鎌倉末期から室町初期と言われています。
茶の湯の釜の発生は、芦屋釜と天明釜の2つに大別されます。
1.全体の形
肩から胴にかけての量感、口から肩にかけての広がりや美しい曲線。
尊ばれる釜とは「雄大さを感じさせ、力強さがあり、品格の高いもの」とされています。
代表的な形として、真形(しんなり)釜・四方(よほう)釜・丸(まる)釜・尻張(しりばり)釜 などがあります。
2.口造り
釜の形が良くても、口造りが悪くては良さを失うと言われるほど釜の作者は口造りに変化を与え味わいを出す工夫を凝らすようです。

* 上図の訂正:鐶ではなく → 鐶付です。(2001.12.6)
3.肌合い
酸化した鉄の素朴な深い味わいが「わび、さび」につながり、釜師は工夫をこらし、独自の肌を研究し作り上げるようです。
絹肌・砂肌・荒れ肌・岩肌・ひき肌・みぞれ肌・あられ 等。
4.地紋
肌の味わいとともに、釜の風格をあらわします。
5.鐶付
釜を持ち上げるときに鐶を通すもので、形も様々で釜の装飾のひとつです。
6.蓋
唐唐胴・鉄などでできています。
蓋によって釜全体の形を整えるため、蓋の良否が釜の良否を左右するとも言われているようです。
茶の湯を行っている最中の、釜の蓋のツマミは大変熱くなっていますが、男点前(男性のお点前)は素手でツマミを持ち、女点前は袱紗(ふくさ)をたたみ、袱紗ごとツマミを持って蓋の開け閉めをいたします。
どんなに熱くても、顔色ひとつ変えずに穏やかなひと時の流れを楽しむようです。熱いものは皆、熱いと思うのですが…お作法なのでいたしかたないですね?
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