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大塚康生氏インタビュー掲載について

このインタビューは、昨年(九五年)五月にキネマ旬報社の依頼で叶が行った大塚さんのインタ

ビューテープ原稿を基に、大塚さんご自身が大幅に加筆・改稿されたものです。

インタビューの主な内容は、「代々木アニメーション学院での講義内容」と「日本のアニメーショ

ンとアメリカのアニメーションの様々な差異について」という、大塚さんの現在のご活動に焦点をあ

てた二点でした。しかし、「高畑・宮崎両氏の関わった作品関連のエピソードを」というキネマ旬報

側の編集方針との違いもあり、ほとんどの内容が没になってしまいました。

計約三時間にわたるインタビューは、様々な示唆と魅力に満ちており、このままお蔵入りでは余り

にもったいないと考えました。「自費出版の同人誌で大塚さんのインタビュー全文を開示したい!」

本誌の企画はこうして膨らんだのです。

それから約一年間、大塚さんは講師のお仕事と各地での講演や原稿など、ご多忙のスケジュール

の合間を縫って原稿の校正と改稿に応じて下さいました。

稿を重ねるごとに、こちらも図々しく「あれも」「これも」とお願いしてしまい、結局かなりタイム

リーな内容を含む仕上がりとなりました。一年前のオウム真理教についての考察や、日米自動車経

済摩擦や都知事選挙の話題は「時節柄」お蔵入りとなりましたが、枝葉が払われたことで、当初の

インタビューテーマにより深く突っ込んだ内容に発展したと思います。

大塚さんの、アニメーター志望者やアニメファンに向けた、厳しくも真摯な提言と教唆をここに掲

載できたことは、まさに編集者・発行者としての本望です。

大塚さん本当にありがとうございました。

(インタビュー・構成/叶精二)