LinuxでCD-Rを焼こう
第1版:2001年8月13日
CD-R/RW ドライブのインタフェース(接続方式)には、SCSI、IDE(EIDEまたはATAPI)、USB、IEEE1394 があります。この内、Linuxで扱えるのは2001年8月時点で SCSI または IDE 接続のものだけです。CD-R 書き込みソフトが対応していないためです。

LinuxでCD-Rを焼くには、

(1) LinuxがCD-R/RW ドライブを認識できるようにする
(2) CD-R書き込みソフトのインストール
の2つのステップが必要です。


1. CD-R/RW ドライブの認識
SCSI 接続のドライブを認識させるのは簡単なようです。IDE/ATAPI 接続の場合は、このドライブをSCSI機器であるかのように見せる「SCSIエミュレーション」の設定をする必要があります。これは CD-R 書き込みソフトが SCSI 機器のみを対象にしているため、仕方がないので SCSI ドライブのふりをして騙す、というわけです。

私は TEAC の CD-W58E というATAPI 接続のドライブ(8/8/32倍速、バーンプルーフ機能無し)を EIDE の Secondary, Slave に接続しています。CD-ROM ドライブは Secondary, Master です。

ここでは設定方法等について詳しくは触れません。以下の参考文献をご覧ください。

(1) CD-Writing-HOWTO の翻訳

CD-R書き込み全般について書かれています。バイブル的なドキュメントです。ざっとでもいいので一度は目を通しておくことをお勧めします。

http://www.linux.or.jp/JF/JFdocs/CD-Writing-HOWTO.html

(2) ATAPI 接続 CD-R(W) の設定に関しては、シノバーさんのホームページが参考になります。

(3) Linux Magazine (ASCII) 2000年11月号50頁「動く?動かない?周辺機器バトルロイヤル」

この記事の中で「RedHat Linux 6.2J では、SCSI CD-ROM 用ドライバが無かったのでカーネルソースをインストールして sr_mod.o のみを作成、インストールした」との記述があり、私のLASER5 Linux 6.4 の場合どうしたものかと悩んだが、結果的にはその必要はありませんでした。


2.  CD-R/RW 書き込みソフト(コマンドライン型)
以下のようなコマンドライン型のツールがあります。

cdda2wav ----- オーディオ CD からデータを取り出し wav ファイルを作成
cdparanoia --- オーディオ CD からトラックを読み出す
mkisofs  ----- CD-R に 書き込むデータ CD 用イメージを作成
mkhybridq ---- ハイブリッド・ファイルシステムを作成
cdrecord ----- CD-R にイメージを書き込む
cdlabelgen --- CD ケースのラベル作成

最近の Linux ディストリビューションには、これらのプログラムが最初からインストールされている場合が多いと思います。

cdrtools というアーカイブに、cdrecord, cdda2wav, mkisofs といくつかの テストプログラムが入っています。cdrtools の最新版は下記から入手できます。

http://www.fokus.gmd.de/research/cc/glone/employees/joerg.schilling/private/cdrecord.html
ftp://ftp.fokus.gmd.de/pub/unix/cdrecord/cdrtools-1.10.tar.gz
cdlabelgen (CD ケースのラベル作成)  は下記から入手できます。
http://www.red-bean.com/~bwf/software/cdlabelgen/


3.  GUI で CD-R/RW を焼くソフト
コマンドライン型の CD-R/RW 書き込みソフトには、ものすごく沢山のオプションがあり、とても覚えきれるものではありません。調べてみると世の中には GUI で CD-R/RW を焼くソフトが一杯存在します。下記のWebページで、様々なCD-R用ツールのフロントエンドを比較しているので、どれを使うか選択の検討材料になります。
http://sites.inka.de/~W1752/cdrecord/frontend.html
これを見ると、なんと 20種類ほどあってどれが良いのか迷ってしまいます。GTK+を使ったもの、Qt/KDE が必要なもの、Tcl/Tk や Java で書かれたものと様々ですが、何れも mkisofs、cdrecord といったコマンドライン型のツールを呼び出すようになっているようです。

私は日本語で表示できるものの中から X-CD-Roast と gcombust を試してみました。また CDR-Toaster という Tcl/Tk で書かれたソフトを日本語化してみました。
Gnome-Toaster  http://gnometoaster.rulez.org/  というのも良さそうですが、まだ試していません。

(1) X-CD-Roast    (スクリーンショット:55KB)

インストールするだけで日本語で表示されます。嬉しいですね〜。シノバーさんのホームページが参考になります。
(2) gcombust    (スクリーンショット:45KB)
これもインストールするだけで日本語表示されます。有り難いことです。下記でダウンロードできます。

.deb 形式および .tar.gz 形式のファイルは作者のホームページ
http://www.abo.fi/~jmunsin/gcombust

SRPM (ソース形式の RPM パッケージ)ファイルは、上記からリンクされている
ftp://ftp.falesehope.com/pub/gcombust
にあります。

gcombust のドキュメントは 2001年8月現在、まだあまり整備されてなくて作者のホームページには誰か書いてくれ〜といったよーなことが書いてあります。

[参考文献]

Personal UNIX No.4 (2000年3月) という、毎日コミュニケーションズが出している雑誌(ムック)に「gcombust でCD-R自由自在」という、非常に詳しく分かり易い解説記事があります。バックナンバーをお持ちの方は是非お読み下さい。

そんなの持ってないよ〜という方、ご安心下さい。上記の記事を参考にしながら操作方法に関する説明書を作成しました。

gcombust の使い方(第0.2版)  [how2use-gcombust.txt]
(3) CDR-Toaster    (スクリーンショット:25KB)
Tcl/Tk で書かれたソフトです。オリジナルは英語表示のみで、ドキュメントも無く、Tcl/Tk のスクリプトのみが配布されています。

これを日本語化し、且つ説明書を作成しました。これは、CDR Toaster のホームページ:
 http://www.jump.net/~brooke/cdrtoast/
に書かれている内容を引用・翻訳し、詳細な使用方法の解説を加えたものです。

CDR-Toaster日本語版プログラム cdrtoaster-1.12j

CDR-Toaster Version 1.12J の説明書

RPMパッケージを作成してもよいのですが、面倒(といっても大した手間ではないが)なのでテキストのままです。ファイルが2つしかないのにパッケージというのもどーかなぁと思ったり。

説明書にインストール方法が書いてあります。プログラムは、Tcl/Tk のスクリプト、すなわち単なるテキストファイルです。chmod +x コマンドで実行属性を与えないと動きません。



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