2001年秋の時点で Linux の標準ブラウザと言えば Netscape 4.7x ではないでしょうか。私も Netscape Communicator 4.76 の Navigator で Web ページの閲覧に、Composer でホームページの作成に、と Netscape を活用しています。また、Messanger というメーラ兼ニュースリーダも付いていて、便利でよくできた統合ソフトです。2. Netscape 6 のアンインストール私は、Netscape Communicator で概ね満足していますが、最大の不満は時々何の前触れもなく突然落ちることです。ブラウザとして使っているときは、まだ我慢できますが、ホームページ作成中に突然死されると「あぁっー!ば、ばかたれ。あほー。くっそっ〜」のあと「しくしく。どうして〜?」となってしまいます。最近 Netscape 6.1 をインストールしてみたのですが、Netscape の伝統とも言える(?)この傾向は相変わらず残っているようでした。
Mozilla は、少し前の雑誌に「開発中のベータ版なので安定したものを使いたい人は Netscape 6がお勧め」といったようなことが書いてあったので試してみなかったのですが、ある人から最近出た Mozilla 0.9.5 は、
● なかなか優秀です。Netscape Navigator みたいにコア吐いて死んでしまうってのにまだ一度もならないです。
● Netscape 6.1 は Mozilla 0.92 あたりからのブランチなのと、改版のスピードから Mozilla をおすすめします。
● タブブラウザ機能もいいですよ。
と勧められたので試してみることにしました。
早速ダウンロード&インストール!と思ったのですが、その前に Netscape 6.1 (先日インストールしたばかり) はアンインストールした方がよいとのこと。3. 入手もじら組の WEB ページ http://www.mozilla.gr.jp/ にある「はじめてのモジラ - Mozilla 0.6 編」というドキュメントの「mozilla をインストールする前に」→「Netscape 6 は Netscape 社の Netscape 6リリースノートを参照してください」→「Netscape 6 のアンインストール」で
● Netscape 6 をインストールした「/package」ディレクトリを削除します。
● プロファイル情報が保存されている「~/.mozilla」ディレクトリを削除します。
と書いてあるのですが、「/package」ディレクトリというのが見当たりません。私は Netscape 6 を /usr/local/netscape にインストールしていたので# cd /usr/local/netscape
# rm -f -r *
# cd /home/kawa/.mozilla
# rm -f -r *のように強引に削除してしまいました。
この rm コマンドの -f -r * というのはサブディレクトリだろうが何だろうが全て一発で削除してくれるので大変便利な反面、 非常に危ない!!ので、使用する場合はディレクトリの位置と中身のファイルをよく確認するなど、充分に気をつけて下さい。
Mozilla の日本語版および Mozilla に関する日本語の情報は 「もじら組」4. インストールは、チョー簡単!の Webページにあります。ここにはダウンロードも含むさまざまな情報が集中的に集められているようです。WEB のあちこちをさまよい歩かなくてよいので便利です。
もじら組のトップページの[Download:Mozilla本体]→[ダウンロード]のページ → さらに「Mozilla日本語パック(JLP)」のページ http://www.mozilla.gr.jp/jlp/ にはさまざまなパッケージがあります。
私は「Linux 用日本語化 Mozilla 0.9.5 フルパッケージ 」mozilla-i686-pc-linux-gnu-0.9.5-ja-JP.tar.gz というのを選択しました。サイズは 11MB と巨大です。56kモデムだと1時間近くかかると思いますが最近導入した ADSL で 2分ぐらいでダウンロードできました。
私は、英語版に日本語パッチをあてて、さらに色々設定したり、再起動したり・・といった、面倒な作業を想像していたのですが、実際にはものすごく簡単でした。tar コマンドで展開して、起動するだけです。5. 問題点$ suこれだけで、いきなり全てが日本語でした (^_^)! 再起動も必要ありません。なんじゃ、こら?何にもすることがないぞ!
# cd /usr/local
# tar zxvf mozilla-i686-pc-linux-gnu-0.9.5-ja-JP.tar.gz
# exit$ /usr/local/mozilla/mozilla &
起動のたびに上記のコマンドを入力するのも面倒なので起動用アイコンをデスクトップ上に作りました。
GNOME のデスクトップ上の何も無いところで右クリックして「新規」→「ランチャ...」で名前: mozilla 0.9.5のように設定しました。
説明: mozilla 0.9.5
命令: /usr/local/mozilla/mozilla
アイコン:/usr/local/mozilla/icons/mojicon50.xpm
バグジラ には、バグ報告と対策の現状が公開されています。以下は mozilla 0.9.5 で私が気が付いたことです。6. 他のブラウザとの共存(1)フォント
最初に気になったのが、ホームページを表示するときに、文字のサイズ指定が大きくなっている行で、いわゆる半角英数字だけが極端に小さく表示されるという現象がでました。全角文字は正しく表示されます。例えば私のホームページで言えば、トップのページの「Linuxアプリと Free Solaris のページ」というのが大きなサイズに指定してますが Linux」と「Free Solaris」が読めないほど小さいのです。(2)日本語入力(ATOKのフォーカス)とりあえずの対策として、[表示] メニューの [文字の大きさ] を50%, 75%, 90% の何れかにすると正しく表示されました。100%, 120%, 150%, 200%, 300% だとだめです。
この現象は Netscape 6.1 のときも同じでしたが、他の人は正常に表示されるとのことなので、どうも私の環境での固有の問題(フォントの設定?)のような気がします。
私は ATOK12SE を使っているのですが、検索文字列の入力とか Composer でホームページを編集する際に Shift + Space キーで「あ連R漢」の小さいウィンドウがブラウザの外側に現れます。続いて文字を入力しようとすると、文字が入らない。ありゃ? Composer にカーソルが点滅していないぞ。フォーカスが「あ連R漢」窓に移っているんですね。Composer の文字を入力したいところでマウスをクリックしたらフォーカスが戻って入力できました。うーむ、ちょっと使いにくいけど、これはたぶんその内改善されるだろうと期待します。
って、第1版で書いたのですが、中津井さんという方から親切にも以下のようなメールを頂きました。
初めまして、中津井と申します。
GNOME を使用されているとのことですが、ウィンドウマネージャ は Sawfish でしょうか。Sawfish なら、GNOME コントロールセンターにてウィンドウフォーカスの挙動を設定することで、この問題を回避できます。具体的には、(1) Mozilla にて Mozilla IM Status ウィンドウ(「あ連R漢」の小さいウィンドウ)を表示させた状態にしておきます。これで日本語入力時に自動的にフォーカスが移動することはなくなります。
(2) GNOMEコントロールセンターの「Sawfishウィンドウマネージャ」の「一致ウィンドウ」で、「追加」(Insert...)を選択し、ウィンドウのプロパティ設定を表示させます。
(3)「一致ウィンドウ」の左側のプルダウンメニューから「名前」(Name)を選択し「取り込み」(Grab...)をクリックした後に Mozilla IM Status ウィンドウ、すなわち「あ連R漢」のバーをクリックします。
(4) 「動作」(Actions)欄の「フォーカス」タブ内で「フォーカスしない」(Never focus)を選択します。
VineLinux 2.1.5 に Sawfish 1.0 (VineSeed のもの)をインストールした環境で、ATOK Xにて確認していますが、ほかの環境でも大丈夫だと思います。
私は、LASER 5 Linux 6.4 で上記を試したところうまくいきました。 中津井さん、有り難うございます。
(1) Netscape 4.76 と Netscape 6.1 の共存 ----- OK7.プラグイン、カスタマイズ
(2) Netscape 4.76 と Mozilla 0.9.5 の共存 ----- OKこの2つは、私の環境で確認してます。何れも2種類のブラウザを同時に立ち上げても問題なく動作しますが、
(3) Netscape 6.1 と Mozilla 0.9.5 の共存
これは問題があるとのことです。
7.1 プラグイン8.感想私はまだ試していませんが Netscape のプラグインが使えるようです。[ヘルプ]→[Plug-ins について]の中で Netscap Netcenter のリンクをクリックすると Netscape のプラグインにジャンプします。Apple QuickTime (Linux 用は、ありません)
Adobe Acrobat Reader
Macromedia Flash Player
Shockwave by Macromedia (Linux 用は、ありません)
RealPlayer by RealNetworksこの他、Mozilla の「検索プラグイン」というのが「もじら組」の Download のところにありますが、Mozilla の日本語パックをインストールすると自動的に組み込まれていました。7.2 カスタマイズTheme.org http://x.themes.org/ のページで、skins か resources のボタンをクリックすると色々なテーマがあります。その中から mozilla 0.9.5 で使えるものを選択すればよいのですが、まだ試してません。7.3 失敗Netscape の WEB ページで Netscape 6.1用のテーマをオンラインでインストールしたところ、Mozilla をということで、この件は mozilla の問題ではなくて GNOME の設定で解決したのでした。起動しようとしても Error creating browser instance と表示され、確認ボタンを押すと終了してしまい起動できなくなってしまいました。仕方がないので Mozilla を再インストールしました。これは Mozilla が悪いのではなく Netscape 6.1用のテーマを入れた私のミスだと思います。
まだ充分に使い込んではいませんが、Netscape 4.76 と比べると色々新しい機能が取り込まれたり、従来の機能の使い勝手が改良されていたりして、なかなかよくできていると思います例えば、ホイール付きマウスのホイールをグリグリするとスクロールする機能は、Netscape 4.76の場合ブラウザではできたけど Composer ではできませんでした。これが Mozilla 0.9.5では Composer でもできるようになったのは嬉しいです。
また、カットアンドペーストのキー操作が、Alt+C(コピー)、Alt+X(カット)、ALt+V(ペースト)だったのが Windows で一般的な Ctrl+C、Ctrl+X)、Cttrl+V になったのも小さいことかもしれませんが嬉しいことです。
開発中のベータ版ではあるけど、バージョン 1.0 に近づいてきたせいか安定度の面でも常用ブラウザとして使用しても問題ないレベルになっているという印象を持ちました。但し、念のため Netscape 4.76 はいざというときのために消さずにとっておいて、当分のあいだ併用するつもりです。
9.このページの履歴
第1版:2001年11月19日
第2版:2001年11月25日 ATOK使用時のウィンドウフォーカスの問題の回避
1.GUIでパソコン通信しよう。Seyonの使い方
2.Linuxでスキャナを使おう 3.GUIのメールソフト、Nmail
4. Mozilla を使おう! 5.SoundBlaster AWE64 をLinuxで使う
6.ホームページ作成ソフト 7.翻訳ソフト、辞書
8.ワープロ、表計算、その他
9. ゲーム 10.ウィンドウマネージャ等
11.付箋ソフト
12.Linuxアプリ関連のリンク 13.困ったときは、どーするか?
14.ABOUT-NLSの翻訳 15.ブートマネージャ
16.Linmodem ドライバでWinmodemを動かそう
17.Linuxで FAXを使おう
18.ホイール付きマウスを活用しよう
19.LinuxでCD-Rを焼こう 20.Linux で DV(デジタルビデオ)編集しよう
21.Linux で ADSL に接続しよう
22.NTP で時計をピッタリ合わせよう!
gtkfind 1.1 の日本語化パッチ Tk付箋
Tk カラー・ブラウザ conv2nmail4
翻訳魂のGUI クライアント『Tk翻訳』 翻訳の王様のGUI『Tk翻訳王』
Tcl/Tk による I18N(国際化) プログラミングの試み