========================================================================= gcombust の簡単な使用法 第0.2版 2001年8月13日 R.川岸 ========================================================================= はじめに gcombust は、CD-R/RW 書き込みをするための mkisofs, mkhybrid, cdrecord, cdlabelgen, cdda2wav, cdparanoia といったコマンドライン型プログラム群の ための GUI フロントエンドです。gcombust を使うことにより初心者でも簡単に 且つ確実に CD-R/RW を焼くことができます。 また、I18N(国際化)対応していて、インストールするだけで日本語表示されるのは 大きな特徴です。 この文書は、CD-R/RW 書き込みソフト gcombust version 0.1.46 を Linux で使う ための方法を簡単にまとめたものです。これと異なるバージョンでは、以下の内容 が若干合わない場合があるかもしれません。 この文書は Linux での使い方という視点で書いていますが、その他の OS でも この文書は役に立つと思います。 また、gcombust が持つ全ての機能を網羅的に解説したものではない!ことに注意 して下さい。この文書を読んで基本的な使い方が分かったら、色々なオプションを 試して有効に活用して下さい。 ToDo: (1) この文書は未完です。 私は全機能を試してないし、使い方が分からないところもあるからです。 どなたかこの文書を更新してくださる方いませんか? (2) 英訳 gcombust のドキュメントは 2001年8月現在、まだあまり整備されてなくて 作者のホームページには誰か書いてくれ〜といったよーなことが書いて あります。この文書を英語に翻訳して作者に送ろうかと思っているのですが どなたか訳していただけないでしょうか? ----------------------------------------------------------------------- 目次 ----------------------------------------------------------------------- 1.gcombust の入手 2.他に必要なソフト 3.インストール 3.1 SRPM の場合 3.2 .deb 形式 (Debian) の場合 3.3 .tar.gz 形式の場合 4.起動と設定 5.操作方法【音楽 CD 編】 5.1 音楽 CD を丸ごとコピー(バックアップ)する ----- 通常の方法 5.2 音楽 CD を「オンザフライ」方式で丸ごとコピー(バックアップ)する 5.3 複数の音楽 CD から曲を選択して 1枚の CD-R に焼く 6.操作方法【データ CD 編 】 6.1 データ CD を丸ごとコピー(バックアップ)する 6.2 ハードディスクのファイルを CD-R に焼く 6.3 既存のイメージファイルを CD-R に焼く 6.4 マルチセッション CD の作成 7.操作方法【マルチセッション CD 編】 8.操作方法【ミックスモード CD 編】 9.操作方法【CD ケースのラベル作成編】 ----------------------------------------------------------------------- 1.gcombust の入手 ----------------------------------------------------------------------- gcombust の最新版は以下からダウンロードできます。 .deb 形式および .tar.gz 形式のファイルは作者のホームページ http://www.abo.fi/~jmunsin/gcombust SRPM (ソース形式の RPM パッケージ)ファイルは、上記からリンクされている ftp://ftp.falesehope.com/pub/gcombust にあります。 ----------------------------------------------------------------------- 2.他に必要なソフト ----------------------------------------------------------------------- (1) GTK+ 1.2.x (2) gcombust は、以下のようなコマンドライン型プログラムを呼び出します。 cdda2wav ----- オーディオ CD からデータを取り出し wav ファイルを作成 cdparanoia --- オーディオ CD からトラックを読み出す mkisofs ----- CD-R に 書き込むデータ CD 用イメージを作成 mkhybridq ---- ハイブリッド・ファイルシステムを作成 cdrecord ----- CD-R にイメージを書き込む cdlabelgen --- CD ケースのラベル作成 gv ----------- cdlabelgen のプレビューで使用 ghostscript -- cdlabelgen のプレビューで使用 最近の Linux ディストリビューションには、これらのプログラムが最初から インストールされている場合が多いと思います。 但し gcombust をインストール前に、それらのバージョンが gcombust の要求 する条件にあうものか確かめておく必要があります。 cdrtools というアーカイブに、cdrecord, cdda2wav, mkisofs といくつかの テストプログラムが入っています。cdrtools は下記にあります。 http://www.fokus.gmd.de/research/cc/glone/employees/joerg.schilling/ private/cdrecord.html ftp://ftp.fokus.gmd.de/pub/unix/cdrecord/cdrtools-1.10.tar.gz cdlabelgen は下記から入手できますが、必須ではないので必要なければインスト ールしなくても構いません。 http://www.red-bean.com/~bwf/software/cdlabelgen/ ----------------------------------------------------------------------- 3.インストール ----------------------------------------------------------------------- 3.1 SRPM の場合 (RedHat, LASER5, Vine, Turbo 等 RedHat系 Linux ディストリビューション) ソース RPM ファイルをリビルドします。 # rpm --build gcombust-x.x.xx-1.src.rpm リビルドが終わるとバイナリ形式の RPM パッケージが下記に作成されます。 /usr/src/redhat/RPMS/i386/gcombust-x.x.xx-x.i386.rpm できたバイナリ形式の RPM パッケージをインストールします。 # rpm -Uvh gcombust-x.x.xx-x.i386.rpm 3.2 .deb 形式 (Debian) の場合 3.3 .tar.gz 形式の場合 # tar zxvf gcombust-x.x.xx-x.tar.gz ----------------------------------------------------------------------- 4.起動と設定 ----------------------------------------------------------------------- インストール後、kterm などから # gcombust & と入力して、gcombust を起動すると設定ウィンドウが表示されます。 2回目以降に起動した場合は「ファイル」メニューの「設定...」で表示されます。 (1) 「プログラムのパス」タブ gcombust が使用するコマンドのパスを以下の例のように設定します。 mkisofs ------ /usr/bin/mkisofs mkhybrid ------ /usr/bin/mkhybrid cdrecord ------ /usr/bin/cdrecord cdlabelgen ---- /usr/bin/cdlabelgen diff ---------- /usr/bin/diff cdda2wav ------ /usr/bin/cdda2wav cdparanoia ---- /usr/bin/cdparanoia lpr ----------- /usr/bin/lpr cdlabelgen はラベル作成ソフトですが、必須ではないので「NOT_FOUND」の ままでも構いません。 (2) 「デバイス」タブ CD-R/RW ドライブが接続されている SCSIバス、ターゲット、LUN の番号 などを設定します。 「SCSIバス」は SCSI インタフェースカードが1枚だけなら 0 です。 「ターゲット」は、いわゆる SCSI ID のことです。 「LUN」 はロジカルユニット番号の略で、通常は 0 です。 SCSI インタフェースカードは無く、IDE の CD-R/RW ドライブを SCSI エミ ュレーションで使用するように設定し、かつそれが1台だけの場合、これらの 番号は 0, 0, 0 でよいでしょう。 「SCSI設定の確認」をクリックして「設定完了!」と表示されれば OK です。 他の部分は、とりあえずデフォルトの空白のままでよいでしょう。 CD-R/RW ドライブ以外に CD-ROM ドライブもある場合は、 「CDDデバイス」「CD-ROMデバイス」に、IDE の CD-ROM ドライブなら例えば /dev/cdrom とか、SCSIのドライブであれば 0,6,0 のように SCSIバス、SCSI ID、LUN 番号を設定します。 (3) 「その他」タブ とりあえずデフォルトのままでよいでしょう。 (3) 「保存領域のパス」タブ 「ISO」は、データ CD 作成用の ISO イメージファイル格納するファイル名、 またはディレクトリを指定します。 「WAV」は、オーディオ CD 作成用のイメージファイル格納するファイル名、 またはディレクトリを指定します。 「ファイルリスト」は、? 音楽CDの場合700MBを越えるものもあるので余裕をみて 800MB 以上の空き領域 があるディレクトリを指定するとよいでしょう。 ディレクトリを指定する場合、最後に / を付けることを忘れないように。 私は「ISO」「WAV」「ファイルリスト」の何れも /opt/work/ としました。 ----------------------------------------------------------------------- 5.操作方法【音楽 CD 編】 ----------------------------------------------------------------------- 5.1 音楽 CD を丸ごとコピー(バックアップ)する ----- 通常の方法 概要: 音楽 CD からイメージファイルをハードディスク上に作成し、次に それを CD-R に書き込みます。 最初はダミーのテスト書き込みをしてエラーが出ないことを確認して から本番の書き込みをします。 (1) 「オーディオ・ファイル」タブの「オーディオの吸い出し」をクリック。 (2) 「保存するディレクトリ」「デバイス」は設定した内容が表示されるので そのままでよければ「Start」ボタンをクリックします。 「Speed」はデフォルトの空白のままでよいでしょう。 (3) オーディオの吸い出し、イメージファイルの作成が終了したら 「書き込み」タブをクリックし、「データ元」の「オーディオ・ファイル」 を選択します。 (4) 「その他の設定」 「スピードの設定」は欲張らずに遅めにする方が失敗が少なくてよいと思 いますが、最初は最高速度でテスト書き込みをしてエラーが出るようなら 少しづつ速度を下げていくという実験をするとよいでしょう。 「ダミー・テストを実行」をチェックします。これは、レーザ光を発射し ないこと以外は本番の書き込みと同じ動作をします。 「Eject target when done」をチェックしておくと、書き込み終了時に CD-R が自動的にイジェクトされます。 「ディスクアットワンス」をチェックします。 Disk_At_Once とは、CD-R にイメージを書き込んだ後、クロージング (または Fixate : 固着)処理をし追加書き込みはできなくなるモードです。 Windows 用の CD-R 書き込みソフトなどでは「閉じる」といった呼び方を してますが、これをしないと CD プレーヤで再生できません。 (5) その他の項目は、デフォルトの空白のままでよいでしょう。 「書き込み開始!」をクリックします。 (6) 何らかのエラーが出るようなら、書き込み速度を下げたり「その他の設定」 の「FIFOサイズ」を設定してみましょう。 FIFO サイズ(デフォルトで4MB)欄は、例えば「32M」と指定します。 「32MB」ではありません。 (7) エラーが出ないで正常に終了することが確認できたら、「その他の設定」の 「ダミー・テストを実行」のチェックを外して、本番の書き込みをします。 5.2 音楽 CD を「オンザフライ」方式で丸ごとコピー(バックアップ)する 概要: 音楽 CD を別の CD-ROM ドライブで読み込みながら、同時に CD-R/RW ドライブで CD-R に書き込みます。 ハードディスク上にイメージファイルを作成しないので、操作が簡単 ですが、動作の安定性に問題がある(=書き込みに失敗することがある) とか、同じものを何枚も作成することはできないという欠点もあります。 現バージョンの gcombust のオンザフライ方式による書き込みは、 試験的なものです。 (1) 「書き込み」タブをクリックし「データ元」の「オーディオCDの複製」を 選択します。 (2) 「その他の設定」 「スピードの設定」「ダミー・テストを実行」「Eject target when done」 「ディスクアットワンス」は、前項の通常の方法と同様です。 (3) その他の項目は、デフォルトの空白のままでよいでしょう。 「書き込み開始!」をクリックします。 (4) 何らかのエラーが出るようなら、書き込み速度を下げたり「その他の設定」 の「FIFOサイズ」を設定してみましょう。 FIFO サイズ(デフォルトで4MB)欄は、例えば「32M」と指定します。 「32MB」ではありません。 (5) エラーが出ないで正常に終了することが確認できたら、「その他の設定」の 「ダミー・テストを実行」のチェックを外して、本番の書き込みをします。 5.3 複数の音楽 CD から曲を選択して 1枚の CD-R に焼く (1) 1枚目の音楽 CD を読み込みドライブにセットし、「オーディオ・ファイル」 タブの「オーディオの吸い出し」をクリック。 吸い出しが終わるとトラックの一覧が表示されます。ハードディスクの空き に余裕が無いようならば、ここで不要なトラックを指定して削除すると良い。 空きが充分あるならそのまま続行してもよい。 (2) 2枚目以降の音楽 CD も上記と同様に吸い出し、不要な曲は削除し、曲を 書き込む順番を好みに合わせて並べ替える。 (3) 「書き込み」タブの「データ元」で「オーディオ・ファイル」を選択する。 (4) 「その他の設定」および、その他の項目については、前項の丸ごとコピー と同様です。 (5) 「書き込み開始!」をクリックします。 (6) テスト書き込みと本番の書き込み、エラーの対処も前項と同様です。 ----------------------------------------------------------------------- 6.操作方法【データCD 編】 ----------------------------------------------------------------------- 6.1 データ CD を丸ごとコピー(バックアップ)する (1) 「書き込み」タブをクリックし「データ元」の「ISO-9660 CD の複製」を 選択し、その右側に CD 読み込み用のデバイス名を、例えば /dev/cdrom のように入力します。 (2) 「その他の設定」というグループの「スピードの設定」「ダミー・テスト を実行」「Eject target when done」「ディスクアットワンス」は、前項 の音楽 CD の場合と同様に設定します。 (3) その他の項目は、デフォルトの空白のままでよいでしょう。 「書き込み開始!」をクリックします。 (4) テスト書き込み、本番の書き込み、エラーの対処は音楽 CD の場合と同様 です。 6.2 ハードディスクのファイルを CD-R に焼く 以下のように文章で書くと、難しそうですが実際にはマウスでチョン、チョン とクリックしていくだけです。 (1) 「オプション」タブの「ISOイメージ作成プログラム」 ハイブリッド CD を作成する場合は mkhybrid を選択します。 ハイブリッド CD とは、同じ内容を ISO-9660 形式と Macintosh 用の形式 の両方のイメージで書き込んだものです。 mkhybrid を選択した場合は、さらに「mkhybrid オプション」を指定する 必要があります。 Macintosh からは読めなくてもよい場合は、mkisofs (デフォルト)です。 (2) 「一般オプション」は、作成した CD を Unix で読む(Rock Ridge 拡張) のか Windows で読む(Joliet 拡張)のか、といった指定です。 デフォルトでは、どれでも読めるように Rock Ridge、匿名 Rock Ridge、 Joliet, 32文字ファイル名許可 にチェックが入っています。 通常は、このデフォルトのままで良いでしょう。 (3) ブータブル CD を作成する場合は、「ブート・イメージ」「ブート・カタ ログ」のオプションを指定します。 (4) 「データファイル」タブをクリックし、書き込むファイルとディレクトリ を指定します。 (5) 「見積もり計算」をクリックすると総容量が表示されるので CD-R/RW に 収まるかどうかを判断します。 (6) 「書き込み」タブをクリックし「データ元」の「データのみ、イメージを 作成しない」または「ISO-9660イメージ」をチェックします。 「データのみ、イメージを作成しない」は、オンザフライ方式です。 同じ CD-R を複数作成するときは、「ISO-9660イメージ」をチェックし、 その右側の「イメージ選択」ボタンでハードディスク上に書き込むイメー ジファイルを指定してから「イメージ作成」ボタンをクリックします。 (7) 「その他の設定」というグループの「スピードの設定」「ダミー・テスト を実行」「Eject target when done」「ディスクアットワンス」は、音楽 CD の場合と同様に設定します。 (8) その他の項目は、デフォルトの空白のままでよいでしょう。 「書き込み開始!」をクリックします。 (9) テスト書き込み、本番の書き込み、エラーがの対処は音楽 CD の場合と同様 です。 6.3 既存のイメージファイルを CD-R に焼く (1) 「書き込み」タブをクリックし「データ元」の「ISO-9660イメージ」を チェックし、その右側の「イメージ選択」ボタンでイメージファイルを 指定します。 (2) 「その他の設定」というグループの「スピードの設定」「ダミー・テスト を実行」「Eject target when done」「ディスクアットワンス」は、音楽 CD の場合と同様に設定します。 (3) その他の項目は、デフォルトの空白のままでよいでしょう。 「書き込み開始!」をクリックします。 (4) テスト書き込み、本番の書き込み、エラーの対処は音楽 CD の場合と同様 です。 ----------------------------------------------------------------------- 7.操作方法【マルチセッション CD の作成】 ----------------------------------------------------------------------- マルチセッション CD とは、 ----------------------------------------------------------------------- 8.操作方法【ミックスド・モード CD 編】 ----------------------------------------------------------------------- データファイルと音楽の混合した CD を作成する方法です。 最初にデータファイル用のイメージファイルを作成します。 既に書き込み用イメージファイルがある場合は下記(1)〜(3)は不要です。 (1) 「オプション」タブで、ファイルシステムのオプションを指定する。 (2) 「データファイル」タブで、書き込むファイルとディレクトリを指定する。 (3) 「書き込み」タブで、「データ元」の「ISO-9660イメージ」をチェックし、 その右側の「イメージ選択」ボタンでハードディスク上に書き込むイメー ジファイルを指定してから「イメージ作成」ボタンをクリックする。 次にオーディオ用の設定をします。 (4) 「オーディオ・ファイル」タブの「オーディオ・トラック追加」ボタンで 音声ファイルを指定し、「オーディオ・トラック追加」ボタンで、先程 作成した、または既にあるイメージファイルを指定します。 これで、書き込む内容の準備ができたので以下の手順で書き込みます。 (5) 「書き込み」タブの「データ元」で「オーディオ・ファイル」を選択する。 (6) 「その他の設定」でスピード等を設定する。 (7) 「書き込み開始!」をクリックする。 ----------------------------------------------------------------------- 9.操作方法【CD ケースのラベル作成編】 ----------------------------------------------------------------------- (1) 「ファイル」メニューから「表紙の印刷」を選択すると「cdlabelgen 設定」 というダイアログが現れます。 (2) 「印刷項目」タブ 曲名一覧やファイル名一覧などの文字列をテキストボックスに入力します。 「データトラック一覧」「オーディオトラック一覧」「ディレクトリ一覧」 の各ボタンをクリックすると、それらの内容が挿入されますが、それ以前に 表示されていた内容は消えてしまうので、先にこれらを挿入しておき、次に 編集するという手順になります。 (3) 「印刷」タブ 各項目に必要事項を入力して下さい。 「EPS表紙ファイル」「EPSトレイカード・ファイル」というのは、CDケース の正面または裏面のラベルに挿入されるファイルです。 (4) 「プレビュー」ボタンをクリックすると gv が起動し、作成されるラベルの 画像が表示されます。 これで確認した内容でよければ「印刷」ボタンをクリックすると、lpr コマ ンドでプリンタに印刷されます。