2006年度 6B世界史 世界史演習

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テーマ2 イスラーム世界を知る その1

解法T 地域を知る

 7世紀はじめにアラビア半島に起こったイスラーム教が、1世紀もたたないうちにシリア・パレスチナ、メソポタミア、エジプト、イラン高原に広がり、西アジア(エジプトも含め)すべてを一つの宗教的権力のもとに統合された。そして、それ以後のイスラーム世界は、西アジアの範囲をはるかに超え、西はイベリア半島、北アフリカのマグリブ地方、北はバルカン半島、黒海北岸から中央アジア、東はインド、東南アジア、南はアフリカのサハラ以南までに及んでいく。

作業1 次の地図で上記の地域を確認し、イスラーム教圏の拡大の過程を理解する。


→ イスラーム世界の成立(8世紀)

解法 大きくとらえる (プリントでは省略)

T イスラーム世界の形成<7世紀〜9世紀> 流れをつかむ ←クリック

U イスラーム世界の展開<9世紀〜14世紀> 流れをつかむ ←クリック

V トルコ・イラン世界<14世紀〜17世紀> 流れをつかむ ←クリック …… 詳細は次回

解法U イスラーム各政権の詳細をつかむ

T イスラーム世界の形成 

1.イスラーム教の成立とアラビア半島統一
6世紀後半




 610年

 622 
 630年

 632年 
 ササン朝ペルシア とb ビザンツ帝国 の抗争のため、「絹の道」・紅海貿易が衰退。
 → アラビア半島西南部(ヒジャーズ地方)のルートか繁栄 →
 アラブ 人(アラビア半島の砂漠で活動したセム系の遊牧・商業民族)の活動。
 d メッカ  などの商業都市の繁栄。 
 ※イスラーム成立以前の時代を、e ジャーヒリーヤ という。
メッカの有力な商人f クライシュ族 のハーシム家のg ムハンマド 
 アッラー の啓示を受けi 預言者 として自覚し、j イスラーム教 を創始。
7月16日 l メディナ に移住=m ヒジュラ(聖遷)  →n イスラーム暦 元年とする。
ムハンマド、d メッカ 征服。o カーバ の偶像を破壊し神殿に造り替える。
 → アラブの諸部族、その支配下に入る。=p アラビア半島 を統一。
ムハンマド没。
2.イスラーム教のまとめ
意味   
特徴   


「a  アッラー への絶対的帰依」を意味する。
1.厳格なb 一神教 であること。
2.c 偶像崇拝を否認 していること。
3.d 祭政一致 であること(カリフによる統治)。 
4.e コーラン にもとづく厳格な信仰(f 六信 )と生活規範(g 五行 )の遵守義務。
 『コーラン』   

     ・ 六信 
     ・ 五行 
ムハンマドに下されたアッラーの啓示。i アラビア語 で書かれる。
 ムハンマドの死後、第3代カリフのウスマーンの時に成立。
 j アッラー ・天使 ・啓示(コーラン) ・預言者 ・来世 ・宿命   
 k 信迎告白 ・礼拝 ・断食 ・喜捨 ・巡礼             
3.イスラームの社会
 ムスリム     
 ウンマ      
 啓典の民    


 
イスラーム教の信者のこと。神に身を捧げたもの、の意味。
広くは人間すべての共同体を意味するが、特にイスラーム教徒の「共同体」のこと。
イスラーム世界のアラビア人以外で、d ユダヤ教徒  キリスト教徒 のこと。
 = ムハンマドは旧約聖書・新約聖書も神の啓示の書として認めたので、この両教徒は
   e ジズヤ(人頭税) を納めることを条件に、その信仰が認められた。
 → 正統カリフ時代には、ゾロアスター教徒・仏教徒にも拡大された。
 

U イスラーム世界の拡大 

1.正統カリフ時代
 632年




 642 





 661年
 
ムハンマドの後継者=a カリフ を選出。以後4代をb 正統カリフ時代 という。
 カリフの指導のもと、大規模なc 聖戦(ジハード) を行う。オリエント全域を支配。
 征服地に軍営都市(d ミスル )を建設。兵士と家族を入植させる。
 =イラク南部のe バスラ 、イラク中部のf クーファ 、エジプトのg フスタート など。
初代h アブー=バクル  ムハンマドの妻の父。
2代j ウマル  k ササン朝ペルシア をl ニハーヴァンドの戦い で破る。
  さらにm ビザンツ帝国 からシリア・エジプトを奪い、穀倉地帯を手に入れる。
3代n ウスマーン  ウマイヤ家出身。(シーア派はカリフと認めない)
  → 征服地の分配、力リフの選出などをめぐり、イスラーム共同体の内紛起こる。
4代o アリー  、ムハンマドの従弟で、娘ファーティマの夫。
  → シリア総督のウマイヤ家のp ムアーウィヤ と争う。
 暗殺される(q ハワーリジュ派 による)。シーア派は初代イマームとする。
 
2.ウマイヤ朝時代
 661 

 680年
ムアーウィヤ、b ウマイヤ朝 を創始。カリフは世襲制となる。都c ダマスクス 
 →d スンナ派 とe シーア派 の対立が始まる。
 カルバラーの戦い  シーア派のフセイン(アリーの子)、ウマイヤ朝と戦い敗死。
※イスラームの分裂
  ・d スンナ派 
  ・e シーア派 
  

ウマイヤ朝のカリフを認める多数派。ムハンマドの言行(スンナ)を守り統一を重視。
第4代カリフのアリーの子孫のみを指導者(イマーム)とする少数派。
 → 穏健派のf 十二イマーム派 、過激派のg イスマイール派 などに分裂。
※領土の拡大


 711年
 732年
ウマイヤ朝のもとで、イスラームの勢力圏、東西に広がる。
・東方:h ソグディアナ (アム川とシル川の間)とインダス流域に広がる。
・西方:北アフリカ(i マグリブ 地方)のベルベル人を征服。
    さらにj イベリア半島 に進出。→ k 西ゴート王国 を滅ぼす。
 → l フランク王国  に侵入。m トゥール=ポワティエ間の戦い で敗れる。
※征服地の支配
 ・o マワーリー 

 ・r ズィンミー 

※非アラブ人の不満


※ウマイヤ朝の社会


 
アラブ人が帝国の支配者として特権を持つ。 → n アラブ帝国 と言われる。
・アラブ人以外の被征服民で改宗した人々をという。ウマイヤ朝では改宗者に対しても、
  p ハラージュ(地租) とq ジズヤ(人頭税) の負担が義務づけられた。
・改宗しなくともp ハラージュ(地租) とq ジズヤ(人頭税) を納めることで、
 その信仰と自治的な社会生活が認められた。庇護されるもの、の意味。
アラブ人以外のイスラーム教徒(イラン人、トルコ人など)の不満強まる。
 → ムハンマドの叔父の子孫s アッバース家 の勢力が強まる。
  t ホラーサーン 地方(イラン北東部)を拠点に、ウマイヤ朝打倒運動を始める。
695年 貨幣を発行 → u 貨幣経済 の発達
 → v アター :官僚・軍人に、征服地の租税から現金で支給される俸給。
・w ムスリム商人 の活動 →x ダウ船 を操り、アフリカ・インド・中国と交易。
3.アッバース朝
 750 

 751年
 756年

 762年

 8世紀末〜
  9世紀
※アッバース朝の
 特質

 
 アブー=アルアッバース 、力リフを称しc アッバース朝 成立。
 d シーア派 と非アラブのイスラーム教徒らが協力。成立後はe スンナ派 を保護。
中央アジアに進出、f タラス河畔 の戦いでg 唐 と戦う。→領土最大となる。
ウマイヤ朝の一族、h イベリア半島 に逃れi 後ウマイヤ朝 を建国。
 首都j コルドバ 。 → アッバース朝に対抗。
アッバース朝 第2代k マンスール が首都l バグダード を建設。(現イラクの首都)
 円形の都市計画(「平安の都」と言われる)。イスラーム世界の中心として繁栄。
第5代カリフm ハールーン=アッラシード の時にアッバース朝全盛期となる。
 → 学問、芸術を保護し、イスラーム文化の黄金時代と言われる。
・n イラン人 などの改宗者を要職に登用、官僚制度を整える。
 税制の平等化 アラブ人以外のイスラーム教徒のo ジズヤ を廃止し、征服地に
           土地を持つアラブ人にはp ハラージュ を課すようになる。
・「アラブ人の国家」から「イスラーム教徒の国家」=q イスラーム帝国 となる。
・r マムルーク の始まり。s トルコ人 の奴隷を軍人として使用する。
 

V イスラーム世界の変質 

1.アッバース朝の衰退
9世紀後半

 各地の独立政権   
   
   


カリフの権威が衰え、軍隊の地方司令官が独立してa アミール を称し、
 軍事政権を各地につくる。
・エジプト:b トゥールーン朝 (868〜905) トルコ系軍人のアミールが独立。
・イラン:c サッファール朝  (867〜903) イラン系。サーマーン朝に滅ぼされる。
・中央アジア:d サーマーン朝 (875〜999) イラン系。西トルキスタンに建国。都ブハラ
  →中央アジアのトルコ人のイスラーム化すすむ。 カラ=ハン朝に滅ぼされる。
南イラクでの黒人奴隷の反アッバース朝暴動e ザンジュの乱 が起こる。
2.三カリフ分立時代
 909年


 929年

 946 



 969年

 972年
 
北アフリカ:a ファーティマ朝  チュニジアに成立。シチリア島なども支配。
 過激シーア派のb イスマイール派 を信奉。
 = アッバース朝のカリフの権威を否定。カリフを称す。
イベリア半島:c 後ウマイヤ朝 のd アブド=アッラフマーン3世  
 = ファーティマ朝に対抗して、力リフを称す。
イラン人の軍事政権がf バグダード に入城、g ブワイフ朝 の成立。
 = シーア派。アッバース朝力リフからh 大アミール に任命されイスラーム法を
   施行する権限を与えられる。
 → i バグダード のアッバース朝カリフは名目的な存在となる。
 ファーティマ朝  エジプト・シリアを征服。首都j カイロ を建設。
 → バグダードに代わるイスラーム世界の文化、経済の中心となる。
  j カイロ にk アズハル学院 (モスク)を建設。

→ イスラーム世界の成立(8世紀)

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