テーマ別 世界史

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テーマ別中国史 2 産業・経済・貨幣

解法Ⅰ 中国の産業・経済の発展を大きくとらえ、通貨制度との関連を理解する。

 産業と経済の変遷Ⅰ(殷周~宋) 

1.農耕文明の発生
 前6000年頃a 黄河流域 ではb 雑穀(アワなど) 中心、
c 長江流域  ではd 稲 中心の粗放な農耕始まる。
 前5000年頃e 仰韶文化   黄河中流域で粟の栽培、豚・犬・鶏の飼育などの農村集落成立。
  f 彩文士器(彩陶)    ・他に半坡遺跡。 
 前3000年頃
 殷・周
 竜山文化  h 黒陶  が黄河下流域中心・長江流域に広がる。 灰陶も使用。
 青銅器 文明 都市(邑)の形成、氏族社会、周のj 封建制 の形成。
2.春秋戦国時代  華北を中心に、氏族社会から統一国家の形成へ
 前6世紀頃からa 鉄製農具 の使用 b 牛耕 、c 灌漑農業 の普及 → 農業生産力の向上
 → 余剰生産物の増加 → 商工業の発展 → d 青銅貨幣 の出現(後出)
 ・都市の発達  斉の首都e 臨湽 などの繁栄。
 ・家族の自立 →世襲的・血縁的社会の転換 →周のj 封建制 の解体。
 前4世紀 秦 の孝公、法家の商鞅を登用し富国強兵策を進める。鄭国渠(運河)の建設など。 
3.秦・漢帝国の成立  統一国家の産業政策
 秦始皇帝:全国統一。各地の富豪を咸陽に集める。a 度量衡 、b 貨幣 の統一。
 漢武帝 :貨幣の発行。外征の展開 → 財政難。 
 ・財政安定策:c 塩・鉄・酒 のd 専売制 。 e 均輪法 とf 平準法
 ・一方で増税と策と売官、売位による収入増をはかる。
 漢~後漢西域の開発、東西交通路の開拓 →g ローマ帝国 との交易など東西貿易始まる。
 ・h シルクロード(絹の道) 、i 海の道 による東西交易。
 ・中央アジアの遊牧民とのj 絹馬貿易 
  → 匈奴などの周辺民族との間に、「合市」という市も開かれる。
4.魏晋南北朝~隋・唐 a 江南の開発 が始まり、商業も発展
 北魏
 南朝
実用的な農書  b 『斉民要術』 、  地理書 c  『水経注』 
東晋時代、華北から江南に移住する人が増え、a 江南の開発 が始まる。
  → 南朝のもとで、大規模な水田開発進む。
 隋
煬帝によるd 大運河 の開削 → 江南の物資を都に運ぶ。
 大興城 - 黄河 =e 広通渠       黄河(汴州) - 淮河 = f 通済渠 
 淮河 - 長江(揚州) = g 山陽瀆   長江(揚州) - 杭州 = h 江南河 
 黄河(洛陽) - たく(タク→拡大)郡(北京周辺) = 永済渠は高句麗遠征のため建設した。
 唐中期 江南の繁栄続く。(i 安史の乱 は江南地方に及ばなかった。)
 ・貿易の発達  絹の道・海の道での活発な交易。
 ・j 広州 などに、東南アジア諸国の船、8世紀以降はイスラーム商人の船が入港。
 → k 市舶司 をおいて外国貿易を管理。
都l 長安 で唐後半から、住宅地の坊と商業地の市を区分。市で夜間営業始まる。
 唐末~宋商業都市:定期市のm 草市 が発展し、n 市 ・o 鎮 が生まれる。
 → 商業の発達に伴い、p 飛銭 と言われる為替が用いられるようになる。
4.貨幣経済の発展  五代~宋
 都市の発展 開封  後唐を除く五代の都、べん(ベン→拡大)州。宋代には人口百万。『清明上河図』を見よ。
   江蘇省のb 揚州 、c 建康 、  浙江省のd 杭州 (南宋の都臨安)
   福建省のe 泉州 、  広東省のf 広州 、  四川省のg 成都 など。
 商工業の発達
  産業の発展

  外国貿易
商業組合のh 行    手工業組合のi 作  が発達。 →紙幣j 交子・会子 の発行。
 ・k 茶 の栽培の普及、     ・l 絹織物 の発展。
 ・m 窯業(陶磁器) =1004年、n 景徳鎮 創業。宋磁とも言う。
広州の他に、明州・泉州にもo 市舶司  を置く。
  11世紀後半 王安石の改革  経済発展に伴う財政・軍事体制の転換を図る。
  1127年
  南宋
宋王朝、華北を遼・金に奪われ、江南に逃れる。
・p 江南の開発 進む。長江下流(揚子江流域)で低湿地の開拓。
  q 囲田  :湿地帯を堤防で囲い干拓した田地。
  r 圩田  :河の一部や池を堤防で囲い干拓した田地。湖田もある。
  s チャンパー米(占城稲) の導入により二期作が普及  → 米の増産。
・長江下流が穀倉地帯となり、t「 蘇湖(江浙) 熟すれば天下足る」 と言われる。
・中国人の東南アジアへの移住始まる。 → u 華僑 の始まり。  

 産業と経済の変遷Ⅱ(元以降) 

1.元の時代   大都の繁栄 東西交易の活発化 江南の開発の継続
 13~14世紀 大運河 の改修 → 江南の物資を首都の大都に運ぶ。
 モンゴル帝国全範囲に及ぶb 駅伝制(ジャムチ) の発達。
 → 東西交易の活発化 → 経済の発展 → 金に続き、紙幣c 交鈔 の発行。
2.明の時代  中華文明の最盛期 江南を基盤とした最初の王朝
 生産力の発展
 15~16世紀
長江下流域のa 綿織物 ・b 絹織物 など家内制手工業が発達。
 → 原料のc 綿花 と、養蚕に必要なd 桑 の栽培が長江下流で盛んになる。
 ・穀物生産の中心は長江中流域に移り「e 湖広 熟すれば天下足る」と言われる。
 手工業の発達・陶磁器 f 景徳鎮 のg 染付 とh 赤絵 。  ・絹織物 蘇州が有名。
 外国貿易1405年~ 永楽帝、i 鄭和 をインド洋に派遣。→ i 朝貢貿易 の拡大。
 日本とのk 勘合貿易 (朝貢貿易)。1404年~1551年。
 16世紀 1517年~ ポルトガルとの交易 輸出品:l 茶 ・m 生糸 ・n 陶磁器 
 16世紀後半スペインとの交易 →大量の スペイン銀貨  (ポトシ銀山などの新大陸産)の流入。
 ・p 日本銀 (丁銀と言われる) の流入 → 税制の変化(一条鞭法)へ
 特権商人
 山西商人 (金融業中心)とr 徽州(新安)商人 (塩商資本中心)。
 →s 会館・公所 の成立:都市における同郷者または同業者の互助組織の拠点。
3.清の時代  貨幣経済の発展、人口の増加、西欧との交易開始 → 矛盾の表面化
 17世紀
  外国貿易
  1684年
スペイン商人によってもたらされるa メキシコ銀 が増える。
康煕帝、明の遺臣の活動を抑えるため、b 海禁政策(遷界令) をしく。
 → c 台湾 平定後に外国貿易を認める。(海禁を解除
 18世紀 イギリス 商人が進出。 → 自由貿易を要求。
  乾隆帝 外国貿易をe 広州  1港にかぎり、f 公行 に管理させる。公行貿易。
 産業の発展 銀 の流通の増大 → 税制の変化(地丁銀制)→ テーマ史 税制へ。
 → 茶、陶磁器、絹織物、綿織物などで、 h 工場制手工業 が始まる。
 タバコ・藍・甘蔗・とうもろこし・落花生などのi 商品作物 の生産増大。
 19世紀 
  1840年
イギリスのj アヘン密貿易 始まる。 → g 銀 の海外流出始まる。
 k アヘン戦争 の勃発。 → 列強による侵略により、中国の半植民地化始まる。
 

 通貨制度の歴史 

1.貨幣発行の始まり
 殷 貝貨  などが使用される。
 春秋・戦国時代
戦国の各国がb 青銅貨幣 の鋳造を始める。
 c 刀銭  :華北・山東地方のd 斉 ・e 燕 で流通。
 f 布銭 :農具の形を模した。山西・河南のg 趙 ・h 魏 ・i 韓 で流通。
 j  蟻鼻銭 :文字らしき模様があるが未解読。南方のk 楚 で発行された。
 l 円銭(環銭) :円形で丸穴(後に四角穴)。戦国末期にm 秦 で鋳造された。   
2.統一貨幣の発行
 秦
 漢
始皇帝のa 半両銭 の鋳造。青銅貨幣の統一。
武帝のb 五銖銭 発行。私鋳銭の禁止。
 → 後漢、魏晋南北朝、隋までの基準通貨となる。
 魏晋南北朝江南の開発進む → 交易の活発化。
 → c 絹  が通貨の役割を果たす。
 唐

 唐末
 開元通宝 の発行。 → 以後の貨幣の基準となる。
 → 日本ではe 和同開珎 (708年)以後、皇朝十二銭が鋳造される。
都市経済の発展 → f 飛銭  手形として用いられ始める。
3.紙幣の発行始まる
 宋
  1023年
 交子  :世界で初めて発行された紙幣。
 b 四川省 成都の富商組合の手形に発する。それを扱う商人を交子鋪という。
 政府経営に移管。
 南宋
  1160年 
江南の開発進み、経済発展が続く。
 会子  :北宋以来民間で発行されていた手形を政府発行の兌換券とした。
 まもなく不換券となり、四川を除く全土で流通。
 金
 元
 交鈔 :約束手形としてではなく、紙幣として発行。 → 元が継承。
 交鈔 (または宝鈔):銅版で印刷し発行。金・銀・銅銭の流通は禁止。
 =銀と兌換でき、実際には銀が基本通貨であり、紙幣は補助通貨であった。
 → e 紙幣の濫発 がインフレをもたらすし、元の崩壊の一因となる。
4. 銀の流通 が基本となる
 明銅銭 a 洪武通宝  、b 永楽通宝 などを発行。日本にも大量に輸入される。
 16世紀後半   銀 の流通 d スペイン銀貨  とe 日本銀 (丁銀)がもたらされる。
 f 馬蹄銀 という形で秤量貨幣として流通。
 → アジアの国際通貨として広く流通。 →銀が通貨の主役となる。
 明末税制、g 一条鞭法 へ。
 清
 中華民国
銅銭も鋳造されたが、銀が主要通貨として流通。 → 税制、h 地丁銀制 
辛亥革命後、軍閥が抗争し、政治が混乱。 → 欧米、日本の資本主義列強の侵略。
 → 銀とともに地方発行の様々な貨幣・紙幣が流通し、混乱。
 1935年  国民政府によるi 幣制改革 
 → 国民政府主管の銀行の発行した紙幣を通貨とする。
 


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