テーマ別 世界史

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テーマ別中国史 1 官制と官吏登用制度

解法 中国の各王朝ごとの政治の特徴と、その官制・官吏登用制度の違いを理解する。

中国史全体での政治の特徴 
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 官制T (殷周〜魏晋南北朝) 

1. 殷    確認できる最古の王朝国家 都 商(殷墟) 前1600年頃〜前1050年頃 
 中央政治殷王が甲骨文字を使用した占いによるa 神権政治 (祭政一致)。
 地方政治黄河中流域のb  邑  の(城郭を持った都市や村落)を支配。
2. 周王朝   世襲的・血縁的秩序の時代   都 鎬京   前1050年頃〜前770年
 中央政府周王のa 宗族 (男系血縁集団)を通した支配。祭礼による政治(礼政一致)。
 地方政治周王は渭水一帯のみを統治し、華北一帯に一族・功臣の諸国を置く。
  b 封建制   :周王→c 諸侯 →d  卿・大夫・士  という主君と家臣の関係
  説明=
3. 春秋戦国 時代(東周)  転換期 前403年までが春秋時代、それ以後が戦国時代  
 春秋時代周王の権威のもとに、有力諸侯がa 覇者 を唱える。(春秋の五覇) 
 戦国時代周王の権威は衰え、有力諸侯が王を称し、b 富国強兵 を競う。(戦国の七雄)
  ・西のc 秦 が有力となり、d 孝公 がe 商鞅 を登用して改革を実施。
 → 地方の隣保制度として、f 什伍の制 など、法治主義を採用。郡県制の基礎をつくる。
4. 秦  漢(前漢)   官僚制による中央集権体制の成立
 中央政治秦王政が初めてa 皇帝 となる。全国を統一的に支配。
 中央政治を行政、軍事、監察に分け、皇帝を補佐する体制ができる。
 行政 = b 丞相 、   軍事 = 大尉 、  監察 = 御史大夫  
 地方政治 郡県制  を全国に強行。
 説明=   
5. 漢   豪族連合政治。官僚制の整備始まる。  都 長安  前202〜後8年
 中央政治 秦に同じ。(丞相は秦では2人、漢では1人) 官吏は郷挙里選で選考(後出)。 
 地方政治劉邦(高祖)はa 郡国制  を採用。
 説明= 
   c 呉楚七国の乱  後、武帝時代に、実質的なd 郡県制 となる。
 前1世紀 e 宦官  とf  外戚  の政界進出
 新王莽による周礼の復活 → 前8年〜23年 民衆の反乱(赤眉の乱)で倒れる。
6. 後漢   豪族連合政治   都 洛陽  25年〜220年
 中央・地方前漢の統治を継承。a 豪族 との連合政治をすすめる。
宦官による官僚に対する弾圧(b 党錮の禁 )起こる。 → 社会不安強まる。 
7. 魏晋南北朝時代   豪族社会からa 貴族社会 への過渡期。  220〜581年 
 中央政治魏、北魏、西魏などで官僚機構の整備が進む。魏のb 九品中正 (後出) 
 地方政治北魏のc 孝文帝   土地制度の均田制とともに村落制度としてd 三長制 を実施。 
 軍事制度西魏でe 府兵制 が始まる。  → 均田制、租庸調制などとともに隋・唐に継承される。
  

 官制U (隋唐〜清) 

1. 隋  a 律令制度 の成立  都 大興城(長安郊外) 581年〜618年
 中央政治五省六部制を整備。官吏登用制度として選挙(b 科挙 )を開始。→後出
 地方政治 州県制 をしく。 → 唐に継承される。
2.  唐   律令国家の繁栄   都 長安  618年〜907年
 律令制度 律 =刑法 b 令 =行政法 c 格 =臨時法 d 式 =施行細則
 中央政治 e 三省 :f 中書省 (詔勅の草案作成) g 門下省 (審議) h 尚書省 (執行)
 i 六部 :j 吏部 =官吏任用・k 戸部 =戸籍、財政・l 礼部 =教育、祭祀、科挙実施
       ・m 兵部 =軍事・n 刑部 =司法・o 工部 =土木
 p 御史台 :官吏の監察
・玄宗の時から、重要詔勅は中書省ではなく翰林学士が諮問を受けるようになる。
 地方制度
 
 州県制 :後に、地方監察区として州を管轄する道を置き道州県制とする。
 ・征服地にはr 都護府 を置く(六ヶ所)。 ・広州にs 市舶司 をおく。
 軍事制度・t 府兵制   西魏に始まる。農民から徴兵。折衝府に勤務させる。(税制を参照)
   8世紀 → 均田法の崩壊に伴い、u 募兵制 に切り替え、各地にv 節度使 を置く。
3. 五代十国  = 分裂期   907年〜960年 
 背景貴族社会(荘園制が基盤)の衰退と新興地主(佃戸制が基盤)の登場
 各地の節度使がa 藩鎮 として自立し、国を建てる。
 各国が武力を背景としたb 武断政治 を行う。
4. 宋(北宋)   皇帝権力の強化  都 開封(べん州)
 中央政治 文治主義 :b 節度使(藩鎮) の勢力を抑え、文官による官僚政治を行う。
  行政 = 門下省を廃止し中書省と合併(c 中書門下省 )、その下に六部。
 監察 = 審刑院。詔勅には翰林学士が関わる。科挙制を強化(殿試) →後出 
 地方政治路・府・州・県(長官を複数とする)。 開港場に市舶司をおく。
 軍事制度皇帝直属軍のd 禁軍 をe 枢密院 が管轄。軍政全般を統括。
強兵策としてはf 保甲法 、g 保馬法 を採用(王安石の改革) 
5. 征服王朝 の統治  遼・金・元・清に共通するa 二重統治体制
  b 遼 
 遊牧民族には地方でc 部族制 、中央ではd 北面官 が対応。
 農耕民には地方ではe 州県制 、中央ではf 南面官 が対応。
  g 金   遊牧族にはh 猛安・謀克制  を採用、農耕民にはi 州県制 を適用。
6.  元  a モンゴル人至上主義 をとる征服王朝。 都 大都 1271年〜1368年
  モンゴル人の下にb 色目人 ・c 漢人 ・d 南人 の身分制を設ける。 
 中央政治 中書省 (行政)、枢密院(軍事)、御史台(監察)が置かれる。 
 地方統治中書省に直結するf 行中書省 (行省)がいくつかの路をまとめて管理。
征服地にはg ダルガチ という役職を置き戸口調査、徴税、駅伝業務などを管轄。
7. 明  皇帝専制政治の確立  都 初め南京 後に北京  1368年〜1644年
 中央政治
 
洪武帝(太祖) 丞相とa 中書省を廃止 し、六部を皇帝に直属させる。
 行政=六部 、 軍事=b 五軍都督府   、 監察=c 都察院 
  永楽帝(成祖)、 d 内閣大学士 を設置して皇帝の補佐とする。内閣の始まり。
 一方でe 宦官 を重用。 → 明末に官僚(f 東林派 )との抗争起こる。 
 地方統治 道・州(府)・県制(唐に同じ) 
 地方行政
 里甲制  h 民戸 (農民、商人など税を負担する戸)を里と甲に編成。
  110戸を1里とし、その中の富戸10戸をi 里長戸 、残りをj 甲首戸 とする。
 軍政  衛所制  l 軍戸 を112人で百戸所、10百戸所で千戸所、5千戸所で1衛に編成。 
8. 清    征服王朝だが基本的には明の制度を受け継ぐ
 中央政治
  1732年
 内閣大学士 が皇帝を補佐。要職の定員をb 満・漢同数  とした。 
雍正帝c 軍機処 を設置。軍機大臣が行政・軍事・外交の最高権力機関となる。 
 地方統治省・道・州(府)・県制。征服地(藩部)支配のため、d 理藩院 をおく。
 軍制 八旗 (満州・・、蒙古・・、漢人・・)とf 緑営  (漢人の常備軍)
 → のちに、団練、郷勇が軍事力の中枢となる。
 

 官吏登用制度の変遷 

1.官僚制の以前
 殷周時代
 戦国時代   
氏族社会で「王・諸侯・卿・大夫・士」は世襲され、官僚は存在せず。
 富国強兵 策の中で、事務官僚=文官、 軍事官僚=武官が生まれる。
 戦国時代
 秦 
前4世紀中頃 秦の孝公 b 商鞅 を登用。郡県制、爵位制度など。
始皇帝、 c 李斯 を登用 → 統一国家を支える官僚制の整備を進める。
2.漢のa 郷挙里選 
 前2世紀漢の武帝 a 郷挙里選 を採用(察挙ともいう)
 意味=
 ・c 董仲舒 の建言により儒教的に徳のある人物の採用を目指した。
 ・実際には地方の有力なd 豪族 の子弟が推薦されることが多かった。  
3.三国時代 魏のa 九品中正  
 三国時代魏の文帝(曹丕) a 九品中正  を採用。(九品官人法とも云う)
 意味=
 ・c 「上品に寒門無く、下品に勢族なし」  と云われた。
 ・地方豪族が中央官僚として固定され、d 門閥貴族 を生んだ。
4.隋・唐 a 科挙  の成立
   587年隋の文帝(楊堅) b 選挙 を実施。 意味=  
 7世紀唐 「科目による選挙」に改められ、d 科挙  と云われるようになる。
 ・e 進士科 (詩文能力)、f 明経科 (経学の暗記力)の2科目に集中。
 ・学科試験はg 礼部 が実施、官吏の採用はh 吏部 の面接試験。
 ・貴族は父の地位により子が任官できる特権i 蔭位の制 があった。
5.宋 a 科挙  制度の完成
  973年
 
宋の太祖(趙匡胤)、b 殿試 を実施。意味=
→ d 州試(解試) (州)、e 省試 (中央)、b 殿試 (最終試験)の三段階選抜。
  1069年・明経科などを廃止して、f 進士科 に一本化。(g 王安石  の改革)
 ・新興地主層のh 形勢戸 官戸)が進出。 →i 士大夫 と言われる。  
 元 科挙の一時廃止   その後、1315年に再開。k 朱子学  が基準学説となる。 
6.明・清 科挙制の維持
 明
  15世紀
 郷試 (州の試験)→b 会試 (中央の試験)→c 殿試 (最終試験)の三段階。
 ・d 『永楽大典』 ・『四書大全』・『五経大全』を編纂。科挙の基準とする。
 ・答案形式の固定化 = 八股文:論文を八節に分けて論述する。
 清
 1905 
科挙制度の複雑化  ・e 『儒林外史』 は科挙受験生を描いた小説。
 袁世凱らの意見によって、前年の試験を最後に、廃止を決定。
 


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