第5章 イスラーム世界の形成と発展
1 イスラーム帝国の成立
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ラクダ・羊などを飼育する遊牧生活と共に商業・交易活動を行う。▲b
ベドゥイン ともいう。
・6世紀後半 c
ササン朝ペルシア とd
ビザンツ帝国 の抗争のため、
「絹の道」がとだえ、紅海貿易も衰退 → アラビア半島西部のルートか繁栄 →
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e
メッカ などのアラブ人の商業都市が中継地として栄える。
▲イスラーム成立以前の時代をf
ジャーヒリーヤ という。部族神を崇拝する多神教の時代。
▼
・610年 唯一神b
アッラー の啓示を受け
預言者として自覚しc
イスラーム教 を創始。
アッラーへの服従、厳格なd
一神教 、e
偶像崇拝の否定 をとなえる。
・急速に信者を増やす。
理由:f
有力氏族の富の独占を批判。血統や貧富の差を否定して、万民の平等を説いた。
→ 従来の部族制と多神教を守ろうとする大商人たちによる迫害を受ける。
▼
・ムハンマド、b
メディナ に移住し、信者の共同体を建設=c
ヒジュラ (聖遷)。
→ イスラーム教徒(d
ムスリム )は、ムハンマドを信仰指導者かつ政治指導者と仰ぐ、
共同体(e
ウンマ )を結成。
▼
D
アラビア半島の統一
・630年 ムハンマド、ムスリムを率いa
メッカ 征服。
→ 多神教の神殿であったb
力ーバ を破壊しイスラームの聖殿に造り直す。
→ アラブの諸部族、その支配下に入り、アラビア半島の統一が実現。
★イスラーム教の特徴
1.厳格なa
一神教 であること。アッラーへの絶対服従(イスラームの意味)が求められる。
2.b
偶像崇拝の否定 。アッラーやムハンマドの像を崇拝することはない。
3.c
政教一致 であること。カリフが宗教・政治の両面で最高指導者となる。
4.d
『コーラン』 ※に基づき、六信と五行を信者の義務※※とすること。
※ムハンマドに下されたアッラーの啓示の書。アラビア語で書かれる。
→ 旧約聖書・新約聖書も神の啓示の書として認める。
→ ユダヤ教徒・キリスト教徒はともにe
「啓典の民」 として、その信仰が認められた。
※※信者の義務
六信:f
アッラー・天使・啓示(コーラン)・預言者・来世・宿命
五行:g
信迎告白・礼拝・断食・喜捨・巡礼

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▼
▼
・ウマイヤ朝の成立に伴い、イスラーム教団が分裂。
a
スンナ派 :ウマイヤ朝のカリフを認めたb
多数派 。
主張:c
ムハンマドの言行(スンナ)を生活の規範とし、共同体の統一を重視する。
d
シーア派 :ウマイヤ朝のカリフを認めず独自の指導者(
イマーム)をたてたe
少数派 。
主張:f
4代目カリフのアリーの子孫のみを正当な指導者としウマイヤ朝のカリフを否定。
= ”アリーを支持する”という意味の”シーア・アリー”からきた。イスラーム教徒の約1割だが、
イスラーム教徒と結びつく。
▼
・ウマイヤ朝のもとで、イスラームに改宗した非アラブ人(e
マワーリー )の不満が強まり、
またスンナ派とシーア派の対立も始まる。
→ ムハンマドの叔父の子孫 f
アッバース家 の勢力が強まる。
イランの東北部
ホラーサーン地方を拠点にウマイヤ朝に抵抗続ける。
→ イスラーム世界の拡散

Text p.113
・
750年 アブー=アルアッバース、力リフを称し独立。
シーア派、アラブ以外のイスラーム教徒らが協力し、革命を成功させる。
→ 751年 中央アジアに進出し、唐と戦う(
タラス河畔の戦い=前出)
・第2代a
マンスール 首都b
バグダード を建設。(現イラク)円形の都市計画。
→ c
イラン人 などの改宗者を要職に登用、官僚制度を整える。
→ 権力を握ってからはスンナ派を保護し、シーア派は弾圧。
・
アッバース朝の税制改革
イスラーム教徒であれば、アラブ人以外でもd
人頭税 を免除。
征服地で土地を所有するアラブ人にからはe
地租 を課す。
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→ イスラーム教徒であれば、アラブ・非アラブの区別を無くし、平等になる。
・f
イスラーム法 :民族差別を無くした統一的な支配。→アラブ人の特権を無くす。
→ g
イスラーム帝国 となる。
=意味:h
「アラブ人の国家」から「イスラーム教徒の国家」に変質した。
▼

・756年 ウマイヤ朝の一族、a
イベリア半島 に逃れ建国。
首都b
コルドバ 。 → バグダードのアッバース朝に対抗。
▼
・5代カリフ a
ハールーン=アッラシード (在位786〜809年) 全盛期となる。
→ 学問、芸術を保護し、イスラーム文化の黄金時代と言われる。
ギリシア語の文献の収集と翻訳が行われる。(第7代カリフのマームーンも継承)
▼
・a
ハールーン=アッラシード の死後、カリフの権威が次第に弱まる。
→ 軍隊の地方司令官が、独立して▲b
アミール を称し、地方政権を各地につくる。
▲地方政権としてイラン東部の
ターヒル朝(821-873)、
サッファール朝(862-903)
・9世紀 独立王朝の出現
b
トゥールーン朝 (868〜905)アッバース朝のトルコ系軍人がエジプトで独立。
c
サーマーン朝 (875〜999)イラン系。西トルキスタンから東部イランに建国。都
ブハラ。
= トルコ人を軍人奴隷(マムルーク)とする。トルコ人のイスラーム化すすむ。
・アッバース朝の弱体化
869〜883年 ▲
ザンジュの乱 :現在のイラク南部のバスラを中心とした黒人奴隷が反乱を起こす。
▼
・909年 北アフリカのチュニジアに成立した王朝。
アリーとムハンマドの娘のファーディマの子孫であると称し、過激シーア派の
▲a
イスマイール派 を信奉。 → カリフを称し、アッバース朝のカリフの権威を否定。
・969年 エジプトを征服し、首都b
カイロ を建設。
▼
▼
F
ブワイフ朝 の成立
・
946年、イラン人の軍事政権がa
バグダード に入城。
力リフから
大アミールに任命され、イスラーム法を施行する権限を与えられる。
→ アッバース朝のカリフは名目上の存在となる。
