第5章 イスラーム世界の形成と発展
2 イスラーム世界の発展
イスラーム勢力の進出の結果、次第にイスラーム化。(4章2節参照)
・9世紀頃 アッバース朝のカリフは、a
マムルーク ※と言われるb
トルコ人奴隷 を
親衛隊として用いる。その後、イスラーム各王朝で白人奴隷が軍事力の中心となる。
※主としてトルコ人、他にスラブ人やギリシア人、
チェルケス人、クルド人などを含む奴隷兵士。
9〜19世紀のイスラーム世界の各王朝で軍事力の中心となり、一時は王朝も建てる。
▼
▼
・セルジューク朝の西方進出
1071年 ▲a
マンジケルトの戦い でビザンツ帝国軍を破り小アジア進出。
さらにイェルサレムを含むシリア海岸地帯を征服。
→ ビザンツ皇帝の要請でキリスト教世界でb
十字軍運動 が始まる。
・中央アジアのトルコ系イスラーム王朝(10世紀)
10世紀 c
カラ=ハン朝 中央アジア最初のイスラーム王朝。
→ 999年 サーマーン朝を滅ぼし東西トルキスタンを併合し支配。11世紀に分裂し衰退。
962年 d
ガズナ朝 サーマーン朝のマムルークであった
アルプテギンが建国。
→ アフガニスタンから起こり、北インドに侵入を開始。12世紀にゴール朝に滅ぼされる。
・▲11世紀 セルジューク朝の分裂(内紛のため)
小アジアに一族がe
ルーム=セルジューク朝 を建国。都ニケーア。
→ 後にコンヤ。11世紀末、f
第1回十字軍 の攻撃を受け都をコンヤに移す。
アム川下流域ではトルコ系奴隷のd
ホラズム が自立。イラン、アフガニスタンを奪う。
・セルジューク朝などトルコ系王朝は13世紀にモンゴルの侵攻によりいずれも滅亡。
▼
▲1256年 北部イランのイスマイール派
暗殺教団、モンゴル軍に降伏。
・
1258年 モンゴルのa
フラグ 、バグダードに入城。
=b
アッバース朝 の滅亡。カリフ制度が消滅。カリフはエジプトのマムルーク朝に亡命。
→ イラク・イランを併せて、c
イル=ハン国 を建設。マムルーク朝と対立。
・13世紀末 d
ガザン=ハン イスラーム教を国教とし、自ら改宗。
→ モンゴル式税制からイスラーム式税制に改め、農村の復興させる。→イラン社会の安定。
イラン人宰相e
ラシード=アッディーン を登用。
▼

・1169年 エジプトに王朝を樹立。
1171年 ファーティマ朝を倒し、エジプトにb
スンナ派 を復興。
・1187年 ▲
ヒッティーンの戦いでキリスト教軍を破り、イェルサレムを奪回。
→ さらに聖地奪回を目ざしたc
第3回十字軍 を撃退しイスラーム側の英雄とされる。
→ イギリス王リチャード1世は講和に応じ、聖地回復できないまま帰国。
・この王朝もトルコ人奴隷を購入してd
マムルーク 軍団を組織。
▼
・1250年 クーデターによりアイユーブ朝を倒し、エジプト・シリアを支配。
・1260年 スルタンb
バイバルス 、シリアに侵入したc
イル=ハン国 軍を破る。
= ▲
アインジャールートの戦い
→ さらにアッバース朝カリフをd
カイロ に擁立、メッカ・メディナを保護下に置く。
= イスラーム国家としての権威を高め、イスラーム世界の中心となる。
・首都d
カイロ の繁栄。
ナイル川の順調な増水と政治の安定 → 小麦・大麦など主要作物の生産の向上。
→ さらに商品作物としてe
サトウキビ 栽培が普及し砂糖は重要な輸出品となる。
→ 首都を拠点としたf
カーリミー商人 を保護。地中海・インド洋貿易(紅海経由)を独占。
→ イスラーム世界の政治・経済・文化の中心地となる。
▲g
アズハル学院 (ファーティマ朝が建設)が新たなスンナ派イスラーム学の中心となる。
・1291年 シリアに残ったキリスト教徒の拠点、h
アッコン を攻略。十字軍時代終わる。
▼
16世紀 オスマン帝国が有力になる。さらにインド洋交易圏にポルトガルが進出。
→ 1517年 マムルーク朝、オスマン帝国に滅ぼされ、エジプトはその領土となる。

A
ベルベル人 のイスラーム化。北アフリカの先住民。
11世紀 熱狂的な宗教運動起こりイスラームへ改宗すすむ。
▼
・11世紀後半から12世紀前半 a
マグリブ 地方のモロッコを中心に
イスラーム教国を建設。都はb
マラケシュ 。イベリア半島に進出。
→ アフリカの黒人王国のガーナ王国を滅ぼす。アフリカ内陸部のイスラム化すすむ。
▼
C
ムワッヒド朝 12世紀中頃〜13世紀中頃 都マラケシュ。
・イベリア半島に進出し、キリスト教徒によるa
国土回復運動 と対抗。
▼
D
ナスル朝 13世紀中頃〜15世紀 イベリア半島最後のイスラーム教国。
・a
グラナダ のイスラーム文化栄える。代表例がb
アルハンブラ宮殿 (14世紀)。
・1492年 スペイン王国がグラナダを陥れる。→イスラーム教徒、北アフリカに移住。

1.a
貨幣経済 の発展 :ウマイヤ朝で、
ディーナール金貨、
ディルハム銀貨が鋳造される。
→ ウマイヤ朝、アッバース朝は、都市と農村から、貨幣と現物の二本立てで徴税。
→ 官僚・軍隊には現金で給与を支給(軍人への俸給を
アターという)。
9世紀 b
マムルーク 軍人の台頭 →地方政権の自立、カリフ権の衰退→国庫収入減少。
2.a
イクター制 :b
ブワイフ朝 に始まり、c
セルジューク朝 で発展。
軍人に俸給を支払うのではなく、俸給額に見合う金額を徴収できる土地(イクター)の
徴税権を与える制度。都市に住む軍人は代理人をイクターに派遣し徴税し、その収入で
軍備をととのえ、参戦した。
→ セルジューク朝以降も広く西アジアでこの制度がとられることになる。
3.a
ムスリム商人 の活動:地中海とインド洋のb
奴隷 ・c
香料 ・d
馬 などの交易。
→インド・東南アジア・アフリカへのイスラーム教の拡大。
