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私が去年(九四年)十一月二十一日から十二月九日までロ
スアンゼルスに滞在してキャラクター・チェックをしてきた
エッソのコマーシャルが放映されはじめましたので、その顛
末をレポートしておきます。
わざわざ私が呼ばれたのはそのコマーシャルの主役が今年
はルパン一行で、エッソのタイガー(実写)とガソリン・ス
タンド(実写)にルパン、次元、五右衛門、不二子、銭形が
絡むからです。
それなら何もわざわざアメリカでやらなくても ……と思う
のですが、このCMを企画したマッキャン・エリクソン社で
は実写と、たっぷり影をつけたアニメを複雑に合成する技術
はアメリカの方が進んでいるし、安いという考えがあったそ
うです。
CMはAタイプ(銭形のいないもの)とBタイプ(銭形が出
てくるもの)の2種類があって全部で十七カット、ワンカッ
トの長さはほとんどが一秒一寸くらいと短く、実写のカメラ
が微妙に動くのに合わせて作画しますからほとんど一コマ作
画です。
演出はCMの大手「葵プロモーション」所属の三木俊一郎
という人で、子供のころ「旧ルパン」を見て好きになったそ
うで、今回のCMもトコトン「旧ルパン」のタッチで行くと
いう方針のもとにキャラクターにも演技の端々にもこだわっ
て丁寧な演出をしていました。二十六才の若い監督です。
一方私の方は「旧ルパン」といわれても二〇年以上も昔の
話で「カリオストロ」でさえ十四〜五年も経っていますから
練習なしで急に描いてもやはりかなり違っています。監督が
「旧ルパン」のキャラクター集を片手に「いやぁ〜もう少し目
を大きく、あごはこうで、口はこう ……ポーズもw旧ルパン
xらしくもっと格好よく ……」と何度も何度も注文して私が
少しずつ思い出して描き直す、という作業になりました。


●描き方の微妙な違い


実は私はアメリカのスタッフがルパンを描くというのに大
変興味があって行く前からいろいろと予想していました。昔
「巨人の星」を、台湾に出来たばかりのアニメーション・スタ
ジオに発注したらキャラクターの目尻が全部つり上がってい
て修正に大変な時間がかかったことがあり、初期の韓国でも
同じことが起きたので、アメリカのアニメーターが描けば当

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