宝石鉱物小事典/クイズ第8回/身近な宝石鑑別道/初心者向き

第８回：身近な宝石鑑別道 / 初心者向き

ちょっとした知識を持っていると、陳列されている宝石が何であるかが分かって楽しいもの。今回は、そんな身近な宝石鑑別法を学べるクイズを作りました。

器具も何も使わず、知識と裸眼だけを頼りにする事を前提にしてます。海外の土産物屋などでの手軽な鑑別に役立てば思います。

問題1：

綺麗な緑色をした、エメラルドカットの透明な石がありました。石は３Ｘ１.５ｃｍ位。エメラルドにしては安すぎるし、グリーンの色目は飴玉のようでちょっと変。指でつまんで光に透かして見たところ、石全体に緑色の糸くずのような線が無数に見えます。さあ、この石の正体として最も可能性があるものは何でしょう？

Ａ	エメラルド
Ｂ	染色したクオーツ
Ｃ	照射したベリル
Ｄ	サボライト
	>> 解説とヒント

問題2：

メノウ（海外ならAgateなどとして）という説明書きのある、ドーム状にカットされた宝石を留めたシルバーリングがありました。石は青味がかった緑色です。この石の正体として最も可能性があるものは何でしょう？

Ａ	未処理のメノウ
Ｂ	染色したメノウ
Ｃ	翡翠
	>> ヒント１ / ヒント２ / メノウについて

問題3：

香港の怪しげな一角で、象牙だという置物を手に取りました。象牙の代用心としては象牙椰子や骨、また偽物としてはプラスチックがあるというので、注意が必要と聞いていました。そこで置物の手に取り表面をよく見たところ、少し湾曲した無数の平行な線が、うっすらと見えます。この線には２方向あり、それぞれが平行ですから、それぞれの交点でたくさんのバツ印のようなものがある状態です。さて、この置物の正体として最も可能性があるものは何でしょう？

Ａ	象牙
Ｂ	象牙椰子
Ｃ	骨
Ｄ	プラスチック
	>> ヒント１ / ヒント２

問題4：

サンディエゴのアンティークショップで、真っ赤な楕円形のカット石が留められた指輪を見つけました。指輪を手に取り、指先でリングの角度を少し傾けて、カット面（ファセット）で光が反射するようして観察したところ、その面は完全に平らではなく、少し内側にくぼんでいる様子が分かりました。この石の正体として最も可能性が高いものは、次の内どれでしょう？

Ａ	ルビー
Ｂ	ガーネット
Ｃ	ガラス
Ｄ	ダイアモンド
	>> ヒント

問題5：

キャッツアイが出ているドーム状にカット（カボションカット）された楕円形の石を留めたペンダントトップがありました。色は緑色です。ペンダントトップを手に取り、石を側面から（縦長とすれば、左右のどちらかから）光に透かして目を凝らしてよく見たところ、小さな蜂の巣のような模様が見えます。さて、この石は何だと考えられますか？

Ａ	ガラス
Ｂ	キャッツアイ　エメラルド
Ｃ	キャッツアイ　クリソベリル
	>> ヒント

問題6：

メキシコはティワナ（ティファナ）の土産物屋で、メキシカン　オパールとして販売されている裸石がありました。石はドーム状にカットされています。手に取って側面からよく見ると、平らな底から垂直方向に、真っ直ぐの筋が無数に見えます。この石は天然でしょうか？あるいは人が作った合成オパールの可能性もあるでしょうか？

Ａ	前述の筋が見えたので、天然に間違いない
Ｂ	前述の筋が見えたので、合成オパールの可能性がある。
	>> ヒント

問題7：

メキシコはティワナ（ティファナ）の土産物屋で、メキシカン　オパールとして販売されている裸石がありました。石はドーム状にカットされています。手に取って光に透かしてみると、無数のカラーセロファンのような薄片がたくさん見えます。さて、これは何だと考えられますか？

Ａ	オパール
Ｂ	合成オパール
Ｃ	ガラス
Ｄ	プラスチック
	>> ヒント

問題8：

祖母の宝石箱を開けてみると、直径４ｃｍ位のラウンドブリリアントカットの石を留めた、立て爪の指輪がでてきました。祖母に聞くと、３０年前に買った指輪で、石はアレキサンドライトだといいます。なるほど蛍光灯の下と白熱灯の下では色が変化します。蛍光灯の下では何ともハッキリしない色で、あえていれば薄く、鮮やかさに欠ける緑色、白熱灯の下では暗いパープルカラーです。立て爪なので、側面からも石全体がハッキリと見えますが、前後左右の対称性が素晴らしく整っています。また光に透かしてみると、肉眼で見る限り、割れや内包物は全くありません。さて、この石の正体として何が考えられるでしょう。

Ａ	３０年も前のものだし、間違いなく天然のアレキサンドライトである。
Ｂ	もし天然のアレキサンドライトならば、普通、原石からカット後の重量が増えるように、歪（いびつ）な形にカットさえることが普通だが、この石の対称性は素晴らしく、違和感を覚える。変色の色などを合わせて考えると、人が作ったカラーチェンジサファイアの可能性が高い。
Ｃ	変色の色から考えるに、天然のカラーチェンジサファイアである。

問題9：

１珠の直径が８ｍｍある養殖真珠のネックレスがあります。珠と珠を軽く擦り合わせると、かすかにザラザラする感じがしました。さて、このネックレスの正体は何である可能性が最も高いでしょうか？

Ａ	真珠（天然）
Ｂ	養殖真珠
Ｃ	模造真珠

問題10：

バンコクの土産物屋で、大きな赤い宝石が留められた指輪を手にしました。綺麗だなと思っていろいろな方向から見ていると、見る角度によって微妙に色が違うことに気がつきました。少しオレンジがかった赤に見えることもあれば、純粋な赤に見える角度もあります。さて、この赤い石正体として考えられるものを次の中から選んで下さい。

	ヒント見る角度によって色が変わって見える性質は多色性といい、これは、複屈折性の宝石からだけ観察される性質です。ガラスなど結晶構造を持たない物質と、等軸晶系（立方晶系）の宝石は単屈折性で、それ以外の結晶は複屈折性です。
Ａ	レッド　スピネル
Ｂ	ガーネット
Ｃ	ガラス
Ｄ	ルビーまたは合成ルビーのどちらか

お疲れさまでした。さあ、結果を見てみましょう！！

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