平面で有るべきファセットが内側に窪んだ[凹状ファセット]。パビリオン側から観察。光の反射から、内側に窪んでいることが分かる。

凹状ファセット(おうじょう--)
(concaved facet)

鋳型で制作されたファセット加工模造宝石から観察される可能性がある特徴。
 
観察されれば(人造)ガラス、あるいはプラスチック、またはガーネットとガラスの張り合わせ石を意味する。
 
ガラス、プラスチックでファセット加工模造宝石を制作する場合、多くは鋳型を用いる。溶融した素材が雌型中で成形されるが、固化に伴い体積が減少する為、宝石ならば平面であるべき各々のファセット(研磨された小さな平面)表面は内側に収縮する。この様子を凹状ファセットと呼ぶ。また、ファセット表面は収縮によりシワが出来、これはオレンジの皮に似る事から、[オレンジピール効果]と呼ばれ、やはり鋳型で制作されたことを意味する。
 
鋳型で制作後、上記の特徴を取り除く為に、研磨する場合もある。したがって、これらの特徴が全てのガラス、プラスチックから観察されるわけではない。ただ、研磨する場合でも手間を省くため、台に留めると見えないパビリオン側は研磨せず、クラウン側だけに作業を行う事が多い。故に、凹状ファセットとオレンジピール効果は、パビリオン側に観察されることが多い。
   
→ガラス
→ガーネットとガラスのダブレット


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