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60倍の顕微鏡写真。クリックで拡大

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スピネルからしばしば観察される八面体のインクルージョン
(X60:暗視野照明)

モゴク産レッドスピネル

コバルトスピネル

通常のブルースピネルは鉄が色因だが、希にコバルトを色因とする場合がある。これをコバルトスピネルと呼び、収集家に人気がある。

スピネル(尖晶石・せんしょうせき)
(spinel)

  • 結晶系:等軸晶系
  • 化学組成:MgAl2O4
  • 屈折率:1.718(青、緑の暗い明度の石は屈折率は高め。通常最大1.735まで)
  • モース硬度:8
  • 比重:3.60(沃化メチレンに沈む)
     
  • 着用時の注意:特になし
  • 変種・流通名:
    フレームスピネル:オレンジ レッドのスピネル
    ローズスピネル:淡いレッド、パープルのスピネル
    セイロナイト、プレオナスト:ほぼブラックのスピネル。スピネルとヘルシナイトの中間組成を持つ。
  • 語源:正確には不明であるが、次の2説が有力。spina(ラテン語)。棘の意。結晶の先が尖っていることから(和名の尖晶石にも通じる)。あるいはspark(閃光)を意味するギリシャ語より。赤や橙の結晶の色に起因。
  • 処理:長く処理の報告はなかったが、2005年以来、レッドやピンク スピネルを中心に熱処理の事例が報告されている。当初はタンザニア産のレッドおよびピンク スピネルで報告された。熱処理の識別は可能。
  • 誕生石:なし
  • 類似石・鑑別時留意すべき石:合成スピネル、合成スピネルトリプレット。
    宝飾用合成石:あり。フレームフュージョン法は紫以外のあらゆる色。フラックス法は赤、青。
  • 産地:ミャンマー(特にレッドスピネル)、スリランカ、タイなど
     
  • その他:原石にスピネル双晶(ダイアモンドでいうところの、いわゆるマクル)は一般的。これは平たい形状であり、平たくカットされたスピネルをしばしば見るのはこの為。
 
→スピネルグループ
→合成スピネル

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