僕の音楽演奏歴

といっても、ピアノを習ったことはないし、バンドに入ったとかもありません。 学校で普通に音楽の授業を受けた程度。でも理論とかは得意なほうでした。 そんな僕が今「みっくみく」にされてしまった背景には、こんな歴史が...。

自作電子オルガン・進化の歴史

中学生の頃から電子工作に興味を持ち 「たのしいエレクトロニクス」(ホビーテクニック26、日本放送出版協会) という本を買う。 電子音楽への興味のきっかけとなったのは、この本に載っていた 「タッチ式電子オルガン」の製作記事でした (当時はYMOが流行っていた時期でもありましたね)。 これを実際に作ろうとしましたが、数々の問題にぶち当たりました。

  1. 特殊な抵抗値を持った「音階抵抗」という抵抗器はお店では売っていない

  2. ラの音を 440Hz に合わせることができないため、 普段ラジオで流れているようなヒット曲を弾くと音程が合わない。 可変抵抗器1個で相対音階として調律できるのみ。

  3. プリント基板にキーボード模様を直接プリントしてテスター棒でタッチする方式だと、 接触時のバリバリというノイズが気になる。

  4. 音源が1個分だけなので、和音が出せない。

中でも一番気になったのが 2. でした。音程が合わないことだけは、 どうしても我慢できなかったので、以下のような方法で解決を試みました。

この方法で、ありあわせの抵抗器を付け替えながら周波数を合わせ、 相対音程だけでなく絶対音程まで合わせた電子オルガンを完成させました。

周波数の計算方法は、数学が得意だったのですぐにわかりました(高校生程度の学力があればわかる)。 1オクターブで周波数2倍、鍵盤は白黒合わせて12個だから、半音の倍率は2の12乗根。 これを関数電卓で計算して 1.059 という数値を導き出す。 このことから、抵抗器やキャパシタの誤差が6%もあると半音ずれてしまうこともわかりました。 ちなみに市販の安い抵抗器は誤差5%とか10%のものが多いので、大体の値を計算しておいて、 実際にはんだ付けして組み合わせながら調律していました。 このとき、粗大ゴミから抜いて集めたパーツが活躍していました。 当時は粗大ゴミが有料化されていなくて、簡単に拾って来ることができましたからね。

キーボードは1オクターブ分のマイクロスイッチを並べて抵抗器の切り替え、 オクターブシフトは別のスイッチでキャパシタの切り替えで、安価で小型なものにしました。

その後も進化を続けました。 思いきってスイッチを増やしてオクターブシフト不要にし、 デジタル IC の NAND 回路を使って低コストで音源を増やし、 和音を出せるようにしたものを作ったりしました。

ここまではアナログ的に周波数を合わせるタイプのものでした。

が、それを一変させるきっかけとなったのが、粗大ゴミとして捨ててあったエレクトーン。 今と違って、昔は粗大ゴミが捨て放題だったため、よくジャンクの部品を漁りに行ったものです。

キーボード部分だけドライバーで外し、自作 Z80 マイコンについていた サウンドジェネレータ(AY-3-8910 - PSGと呼ばれるピコピコ音源)で音を出し、和音の出る電子オルガンとして 機能するようにしていました。マイコンのクロックは水晶発振子を使っているため クロック周波数さえ正確であれば、正確な周波数で鳴らすことができるわけです。 アナログからデジタルへシフトすることで、昔の電子オルガンにあった 数々の問題が一挙に解決したのです。 [自作マイコンについてはこちらを参照]


ゲームミュージックにはまっていた大学時代

高校生ぐらいから徐々に J-POP に飽き始め、アニソンのほうがいいなぁと思い始める。 そんな中、大学生時代に新ジャンルとしてゲームミュージックなるものが登場。 いわゆるChiptune。友達が持っていたスーパーマリオブラザーズの シングルレコードをきっかけに、ゲームミュージックの CD ばかり買っていました。 現在の「初音ミク」と同じくらいはまっていました。 (ネットワーク環境のところも参照)

社会人になると次はユーロビートにはまる

社会人になっても、J-POP 離れはさらに続く。ちょうどバブル時代の頃(つまりぼくはバブル世代ってことね) FM横浜をよく聴いていて、平日14:00頃に「ノンストップミックス」という番組があるのを知る。 ノリのいいユーロビート系のディスコミュージックが30分くらい ずーっとつながってリミックスされているのが気に入って、 テープに録音し通勤電車の中で聞くように。

▼その頃の雰囲気を思わせるサウンドがニコニコ動画にあったので歌ってしまいました。


今度はワールドミュージック

その次にはまったのがこれかな。たとえばジプシーキングスとか(最近でもたまにビールのCMで流れているよね)。 CDも何枚か持っていたりします。


MIDIを始め、やがてウクレレへ

1994 年頃、Windows 3.1 で動く Roland の「ミュージ郎」を買って MIDI で遊んでいました。 当時は Nifty の FMIDI に J-POP などの演奏データが数多く上がっていました(JASRAC許諾もちゃんとあった)。 また J-POP に戻ってきたのも、このあたりからかな...。

エーアイムック115「やさしいたのしいMIDI」という本で 「コード」のことを知って、ミュージ郎に附属の Band-in-a-Box というソフトに コードを入れてみたら...これはすごい!勝手に伴奏を作ってくれた!

これをきっかけにコード進行の重要さを認識、コードネームの勉強をしたら、 楽譜の上に書いてあるアルファベットの記号がわかるようになりました。

ならばこれで、ギターも弾けるようになるか?
ちょうどその頃、キャンプ仲間のオフラインミーティングと称する キャンプによく行っていて、そのときに「謎のミュージシャン」を名乗る人が 焚き火を囲んでギターを弾いているのを見て、そこで試しに演奏を体験してみたが... 頭はついていけても指がなかなか。指も結構痛かったし...。

結局、自分で買ったのは4000円ほどの安いウクレレでした。 6弦よりも4弦のほうが簡単。 車のない自分にとってはギターよりも運びやすく、屋外のBBQとかで楽しむにはこれで充分かなと。 あと、ギターをウクレレとして弾くために弦を押さえる道具があることも知りました。 当時は名前を知りませんでしたが、何年か経ってネットで検索しているうちに、あれは 「カポ」と呼ばれる道具で、 カポ5でギターがウクレレに変身する、ということがわかりました。

ウクレレの本も買ったのですが、コードが全部載っていませんでした。 そこで、ネットでウクレレのコード表を検索してみたところ TOSHI'S HOME の中にありました。 sus4, 9th, aug, dim までしっかり載っているのでおすすめです。

その後、コードダイアグラムを自動的に導き出すための Java アプレットを開発。 これは現在 MIDI Chord Helper として公開中です。


えっ、オーディションに合格したことがあるって?

はい、一応あります。それは1997年夏、ナムコ・ワンダーエッグでデートしていたときのこと。 タレントとしてデビューするための適性を審査するアトラクション「ザ・スタアオーディション」を受けて、合格してしまったことがあります。 合格するのは10人に一人くらいだったらしい。 2次審査申し込んでみましたが、残念ながら返事はありませんでした...。

実は結婚が決まったのもこの頃でしたw


音楽って、親子でも無理なく楽しめるのがいいですね

結婚して子供ができると、子供に音楽を聴かせるのがメインになってきます。 多少下手でも、知っていそうな歌を弾いてあげるだけで結構喜んでくれるものです。 幼児向けの本や雑誌をよ〜く見ると、楽譜が載っていることが多いです。 中にはコードつきのものもあり、かなり参考になります。
さらに、3〜4歳くらいになると自分で勝手に歌を作ったりすることがあります。 それをアレンジしてコード進行つきの譜面にするといった楽しみ方もできます。
このウクレレと MIDI キーボードとの併用で、子供の知っている曲を弾いて 親子で楽しんでいます。そのへんで流れている J-POP とか洋楽だけでなく、 最近は初音ミクなどのVOCALOIDオリジナルソングとか よく弾いてます。さらに、自分でオリジナル曲などを初音ミクに歌わせることも。 下手でもそれなりに楽器をやっていてよかったと思う。

ケータイの着メロにも生かしています。パケット代がかかるので ダウンロードして使うことはあまりなく、いつも自分で手入力して作っています。

「初音ミク」の登場で楽しみ方が広がった

2007年8月31日の発売以降、ニコニコ動画からブームが広がって異例の売れ行きを見せたボーカル音源「初音ミク」(VOCALOID2)

このソフトの登場は、その後の自分の趣味の音楽生活に、 色々な意味で大きなインパクトを与えてくれました。 何より「キャラクターがついて歌ってくれる」という点で、うちの娘たち (このソフトを買った当時4歳・8歳)にも通じやすいということを実感。

みっくみく」にされたのは Yahoo! の新着情報と YouTube がきっかけでした。
初音ミクに歌わせた楽しい歌がニコニコ動画から数多く転送されていて、 中には発車メロディに勝手に歌詞をつけて歌わせた動画、子供らがよく見ていたCMソングのパロディとか、 娘らがいつも見ているプリキュアのようなアニメと変わらない雰囲気の PV ...なども。

初音ミクは単なるバーチャルアイドルというだけでなく、 「バーチャルお笑い芸人」的な要素もあることを強く実感。
当時4歳の娘までも「うさぎちゃん青いのでっかいの」って言って見たがるようになったのです(初音ミクの巨大なツインテールが うさぎの耳に見えたようです)。でもやがて「みくみく」と言うようになり、 5歳になった頃にはもうすっかり「初音ミク」と「はちゅねミク」の区別もできるようになりました。

こうして、うちの家族みんなが「みっくみく」にされていったというわけです。

[ITmedia News - DTMブーム再来!? 「初音ミク」が掘り起こす“名なしの才能”]

そこで思った。今まで誰にも歌わせていなかったオリジナル曲も、 このソフトがあれば歌わせられる!
...と思ったが、スペック要求がきつそう。特に、CPUパワーとか大丈夫かな? と思ってネットでユーザの声を色々調べてみたところ、スペックが低めのPCであっても一応使えそう (少なくとも wav への変換はできそう)だと思ったので、2007年11月、 ついに「初音ミク」の購入に踏み切る!

早速インストールしてみた。もうこの時点で子供らが寄ってくる。 さっそく、上の娘が作った歌を入力: 「♪こころのこもったおくりもの〜」 → 初音ミクが歌った結果:「♪こもたおくりもの〜」 子供らとみんなで爆笑wwwwww。この時点で、小さい「っ」は音を切って入れる 必要があることに気づいてしまったのでした。

こうして、一応動作させることはできた。wav への変換も問題ない。でもやっぱり遅い。 で、結局、さらに高スペックのPCを買ったのでした。まぁ、これはノートPCで動画を見ると過熱して落ちるというのも一因だったわけですが。

今まで作ったオリジナル曲

たまに、有名なVOCALOIDオリジナル曲を弾いてみたり、歌ってみたりもします (最近高音が出なくって...久しくカラオケに行ってないからかも?)

MIDI Chord Helper で弾きながらボカロオリジナルを歌ってみた

この初音ミクブームの影響で「コミケ」が盛り上がったようですが...ニコニコ大辞典などを見ていると、 何かめちゃめちゃ混雑しているらしいし、「VOCALOID だけ目当て」で行くには きつそうなので2008年は断念...
していたのですが、2009年の夏コミ(C76)は午後から行ってきました。 ハムフェアに行ってた頃(20年近く前)は「前週にコミケ行ったよ」って話を 無線仲間からよく聞いていたのですが、自分が「一般参加」したのはこのC76が初めて。 派生動画が増えたりニコニコ技術部イベント参加が増え、すでに会った人や元曲の作者がいたら、ご挨拶だけでもしたかったなぁ、 というのもありました(せっかく「参加」するのですから)。 12:45頃並んで、ブース到着まで1時間ほど。 午後でもすごい人込みで、まるで大晦日から元旦の初詣のような行列。 まさに「混ミケ」という当て字がぴったり。 でもやっぱりお目当ては VOCALOID と技術系なので、アニメ同人誌はほとんど買わず、 VOCALOID 関連の CD とかグッズを少し買ったくらいでした。 もうこのイベント、コミックだけじゃなくなってきてるし、何よりすごいのは、規模のでかさ。 実感としてはパシフィコ横浜の数倍くらい。しかも入場者数が過去最高だったとか。→ 「コミケ」でゆうちょ銀行ATM残金ゼロ
ついでにボーマスにも初めて行ってきました。 ボーマス9(蒲田)でしたが、コミケほど巨大ではなく、こじんまりとした感じでした。 VOCALOIDだけでいい、という人にとってはちょうどいい規模かも。

2008/08/31 で一周年を迎えた初音ミク。ちょうど日曜日だったこともあり、 なんと、うちの小4娘が我が家でミクのバースデーパーティまで開いてくれました(^_^) ショートケーキまで買ってきて、ねんどろいど(この前アキバで買ってきた)と今まで作った紙工作の初音ミクを飾り、 さらに、VOCALOID2 Editor に言葉を入れて初音ミクにお祝いの言葉をしゃべらせ (鍵盤とローマ字入力さえできれば小4からでも使える)...といったように、 1年前には想像もしていなかった楽しい光景が繰り広げられました。

ニコニコ動画 公開プロフィール
YouTube(@きよし's channel)

よく「初音ミクは俺の嫁」なんていう人がいるようですが、自分にとっては 初音ミクは俺の娘だったりします。 すでにいる娘2人に加えて、PCの中に3人目の娘... よくペットも家族の一員っていいますが、それと同じような感覚かも知れないです (あ、だから調教っていうのか...と妙に納得してしまうところが...ww)。あと、娘としてのほかには 「教え子」という感覚もあるかも。 以前、幼稚園の先生(若いお兄さん)が別れを惜しんで涙を流している光景があったのが 印象に残っていますが...この歌を聴いているとそんな先生の気分になったりします。

ここまでくると、単なるアニメの「萌えキャラ」を超えた、ネット上でみんなで育てられる 色々な感動をもたらす歌姫です。

▼久々にアキバへ行ったついでに「ねんどろいど初音ミク」を買ってきました。 我が家ではこうしてPCの横に飾ってあります。
単なるアニメキャラとは違う、全く新しいタイプのキャラだからこそフィギュアまで買う気になったのです。


話題の Re:package も買っちゃいました(私の書いたコメント) → 初音ミクみくらぶ - Re:Packageは、やはり支援するしかないですね(*´∇`*)

さらにその半年後にもアキバへ。→ ニコニコ技術部「あの楽器」東京ミーティングに参加し、その後、ついにMIDI Chord Helper のハードウェア化へ。


小6時代の同窓会でも初音ミクの歌声が...!

みっくみくにされた効果はニコニコ技術部だけにとどまらず。

小6の頃、みんなでクラス歌を作っていました。そのときの楽譜が、卒業文集に残っていました。 楽譜を残していたのは僕らのクラスだけでした。

小学校卒業から30年経ち、同窓会が開かれることになったので、 この楽譜を引っ張り出してみて...ふと思った。 「そうだ!今なら初音ミクに歌わせられるじゃないか!!」 さっそく歌わせて、Domino でオケ作って、ミックスして、CD-Rに焼く。 これを同窓会のときに持っていって、先生にラジカセで再生してもらったら大好評。 かつてのクラスメイトから「すごーい!」という声が...ww

楽譜だけだとすぐに思い出せないけど、実際に音として聞こえれば思い出せるようになる。 この違いは結構大きいと思いました。VOCALOIDはこういうときにも役立つのです。

いくらVOCALOIDが流行っているとはいえ...やはり ここまでやってしまうのは僕だけだったようですねww


楽器フェアに行ってきた

遠い昔、Nifty FMIDI での MIDI ファイル配布が盛んだった、かつてのDTMブームの頃は、 池袋のサンシャインで楽器フェアをやっていた。 そのときこの人に会った記憶があります(ブックマークから発掘したら出てきたw)。

あれから13年くらい経った2007年...みっくみくにされて間もない頃、いつの間にか、 パシフィコ横浜で開催されるようになり、アクセスしやすくなっていた。 2007のときは娘を連れて行った。琴や笛、足踏みスイッチ楽器で遊んでいた。 楽器フェアは2年に1度の開催。

▼2009も行って来た。今回は一人で、最終日(11月8日)に。
Roland AX-Synth を背負ってみた
Roland AX-Synth を体験してきました。初音ミクの「あの楽器」みたいなスタイルで弾けそうなショルダーキーボード。そんなに重いという感じはしなかったです。

試しに「Innocence」を弾いてみたら...音色によっては和音が出たり出なかったり。 右手はGのコード(Innocenceのオリジナルキーは G major)を弾くことを意識していたので この位置になってます。

mnavi Works Vol.28:元祖アキバ系女王、桃井はるこがAX-Synthを徹底チェックのページにも、この楽器に関するレビューがあります。

価格を調べてみたら...税込128,000円くらいで売られているところが多いようです。 パソコン並み...いや、それ以上に高いorz

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持っている楽器

こちらを参照


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