第11章 欧米における近代社会の成長

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 フランス革命とナポレオン(1)

Text p.226

ア.フランス革命の構造
 旧制度(アンシャン=レジーム) 
 絶対王政 のもとでの身分制と領主制の社会
・特権身分 聖職者=b 第一身分 と貴族=c 第二身分 からなる。
  封建領主として土地を支配し、官職を独占し、特権を持つ支配階級。
  特権の内容: 国王への租税を課せられないd 免税 特権。
・平民=e 第三身分  人口の90%以上を占める。

Text p.227

  f 農民 =人口の85%であるが全耕地の30〜40%を保有するのみ。
    領主への地代、国王への租税、教会へのg 十分の一税 を負担。
    → 少数の富裕な大農経営農民と多数の貧農、小作農に分裂。
  商工業者など富裕なh 有産市民(ブルジョワ) が成長。不満を強める※。
  都市民衆は富裕者に反発、革命派民衆はi サン=キュロット といわれる。
 ※有産市民の不満の背景
  j 産業革命 進行中のイギリスの商品が流入し国内産業の発展が阻害されていた。
  ▲1786年 英仏通商条約締結 →イギリス工業製品の流入 →国内産業を圧迫。
 旧制度への不満の増大   
・商工業の発展 → a 有産市民(ブルジョワ) の成長 
  → 自由な経済活動を圧迫する旧制度と絶対王政への反発強まる。
 ブルボン朝・貴族による市民・農民への課税強化 → 農民暴動、都市の暴動起こる。
・ヴォルテール、ルソーらb 啓蒙思想   ┐
                     │
・c イギリス革命 で立憲政治の確立   ┼─→ 市民の自由への欲求が強まる。
                     │
・d アメリカ独立革命 での共和政の成立 ┘     
C. フランス革命 の勃発へ
・1789年 a シェイエス が、b 「第三身分とはなにか」  を発表。
 国民の意思は第三身分が代表すると主張。 ”第三身分とは何か。それはすべてである。”
・革命のうごきと4つの社会階層
 王権に対するc 貴族(第二身分) の反抗をきっかけに始まる。→ 王政から立憲君主制へ
 貴族にかわりd 有産市民(ブルジョワ) が台頭し、旧制度を廃棄し、権力を握る。
   → 立憲君主制から共和制へ。
 e 農民 と都市の革命派民衆(f サン=キュロット )革命の進展に大きな役割を果たす。
   → 同時に有産市民層とは利害が対立。資本主義化に反対し、次第に保守化する。
   → 共和制の動揺と、ナポレオンの帝政へ。

イ.立憲君主政の成立
 ルイ16世  の財政破綻
・ルイ14世以来のa 宮廷の奢侈生活   ┐
                     │
・b イギリスとの植民地戦争の敗北    ┼─→ 財政難 → 増税策の必要
                     │
・c アメリカ独立戦争への援助      ┘
・ブルボン朝の財政改革の試み
  財務総監 d テュルゴー  重農主義による改革をめざすも、貴族の反対で失脚。
   〃   e ネッケル   銀行家。特権身分への課税を主張。
1788年 国王、特権身分への課税を計画 → 特権身分、三部会の開催を要求。
革命の第1段階 <1789〜1791>=絶対王政から立憲君主政へ
 三部会開催  ルイ16世が召集。
1789年5月 175年ぶりにa ヴェルサイユ宮殿 で開催。
  第一・第二身分各約300名、第三身分約600名の議員を召集。
 → b 議決方法 で対立。第一・第二身分は身分別、第三身分は一人一票を主張。

Text p.228

 国民議会  の成立
・1789年6月 第三身分の代表、C 国民議会 の成立を宣言。
    a 球戯場(テニスコート)の誓い  憲法の制定までは解散しないことを誓う。
 → 国王、武力による議会弾圧をはかり、さらにネッケルを罷免。反発強まる。
国民議会の党派:王党派、立憲王政派、三頭派、共和派などが存在。立憲王政派が優勢。
 バスティーユ牢獄 襲撃事件
・a 1789年7月14日  :パリの民衆が蜂起、b バスティーユ牢獄 を襲撃。
 → 三色旗の始まり。
 → 暴動が全国のc 農民 にも拡大。各地の貴族領主の館が襲撃される。(大恐怖)
・ 同  年8月4日 国民議会、d 封建的特権の廃止 の決議。
   = 領主裁判権や教会e 十分の一税 は無償廃止。
     しかし、封建地代はf 有償廃止 (農民が地代の20年分で買い戻す)とされた。
フランス人権宣言 の採択
・1789年8月26日、国民議会で採択される。a ラ=ファイエット  の起草。
 ┌────────────────────────────────────────────┐
 │                                            │
 │  ┌1.人間はb 自由 かつ権利においてc 平等 なものとして生まれ、また存在する。 │
 │  │                                         │
 │ 要│2.国家の目的は、d 権利 (自由・所有・安全・圧政に対する抵抗)の保全である。 │
 │  │                                         │
 │ 点│3.あらゆる主権の原理(根源)は、本質的にe 国民 のうちに存する。       │
 │  │                                         │
 │  └17.f 所有 権は神聖かつ不可侵の権利である。                 │
 │                                            │
 └────────────────────────────────────────────┘
意義:g
ヴェルサイユ行進 
・同年10月5日 食料の高騰に怒ったパリの主婦たちがa ヴェルサイユ宮殿 に押しかける。
 → 国王一族をパリに連行。国民議会もパリに移され、政局の中心がパリになる。 

Text p.229

・1790年 国民議会の諸改革
  行政区画、教会財産の国有化、ギルドの廃止、度量衡の統一などを決定。
・中心勢力=b  ミラボー 、c ラ=ファイエット ら立憲君主政派。
      c ジャコバン=クラブ (1789年11月結成)が運動の中心となる。
 ヴァレンヌ逃亡事件  
1791年6月 国王、王妃a マリー=アントワネット と国外逃亡を企て、
        国境で捕らえられる。→ 国王への不信強まる。
 同 年8月 神聖ローマ皇帝レオポルト2世 b ピルニッツ宣言  ルイ16世支援を声明。
 1791年憲法   同年9月14日 国民議会で制定。フランス最初の憲法。
  内容=a
  → 国民議会、役割を終え解散。

ウ.戦争と共和政
革命の第2段階<1791〜92> =立憲君主政から共和政へ
 立法議会  
1791年10月 91年憲法による制限選挙実施により召集。
 ジャコバン=クラブの中が二派に分裂し、対立。
 a 立憲君主派 :自由主義貴族、上層市民など。b フイヤン派 という。
 c ジロンド派 :商工業市民の利害を代表。王政廃止と穏健な共和政を主張。
  → 1792年3月 穏健共和派のジロンド派が権力を握り、内閣ができる。
1792年4月 内閣、d オーストリアに宣戦  → フランス軍、連敗。
 民衆がe 義勇兵 を組織(f ラ=マルセイエーズ  歌われる。)国王、承認を拒否。
同 年▲g 8月10日事件  義勇兵と民衆、テュイルリー宮殿を襲撃、国王を幽閉。
 → 議会、王権停止を決議。フイヤン派追放。男子普通選挙実施を決定し、解散。
 国民公会  
1792年9月 a 男子普通選挙 により選出。共和派が多数をしめる。
   一方で、オーストリア・プロイセン連合軍、パリに迫る。→
 同 年9月20日 b ヴァルミーの戦い  フランス義勇軍、初めて勝利する。
  ▲ゲーテのことば c
 同 年9月21日 d 王政廃止 、共和政の樹立を宣言。=e 第一共和政  の成立。
 ジャコバン派  の台頭
・メンバー a マラー 、b ロベスピエール 、c ダントン ら、
 ジャコバン=クラブの中に、都市民衆・農民の支持を受けたd 急進共和派 が台頭。
 彼らは国民公会で最左翼の高い議席をしめたので山岳(モンターニュ)派とも言われる。
  → ジャコバンは急進派を意味するようになる。

Text p.230

 ルイ16世 処刑 
1793年1月21日 a ジャコバン派  の主張により実行される。
 →  3月 反発したイギリスの首相b ピット の主唱によりc 第1回対仏大同盟 結成。
 同 年3月 王党派の指導する農民反乱=d 反革命 の反乱(ヴァンデーの乱など)起こる。
 → 革命の進行を恐れるe ジロンド派 との対立深まる。
革命の第3段階<1793.1〜94.7>=急進的共和政
 ジャコバン派の独裁  
1793年6月 国民公会からa ジロンド派 を追放。
 同  年同月 国民公会、b 1793年憲法 (ジャコバン憲法ともいわれる)を採決。
  内容=c
  → 人民投票でも支持されたが、対外的な危機を理由に延期され、結局施行されなかった。
・国民公会の諸決議
 d 封建地代の無償廃止  農奴制を撤廃し、小土地所有農民の形成をめざす。
 e 亡命貴族(エミグレ) から没収した土地(国有財産)を競売にする。
 f 最高価格令 の制定、買占めの禁止など。
 g 徴兵制 の実施。18歳から35歳までの男性を徴用。国民軍の創設。
 h 革命暦 の制定。グレゴリウス暦を否定、共和暦ともいう。
 i メートル法 の制定(実施は99年)。
 j 理性の崇拝  エベールらによる非キリスト教化運動。(ロベスピエールは反対する)
・機関 k 公安委員会 :国民公会の中の委員会で内政、軍事上の最高指導機関となる。
   ▲l 保安委員会 :警察機関。▲m 革命裁判所 :反革命の政治犯を裁く。
・n 恐怖政治  マリー=アントワネットや王党派・ジロンド派をo ギロチン で処刑。
  支持層=p サン=キュロット といわれる議会外の革命派の民衆。
・内紛 エベール(急進派)、ダントン(穏健派)らを粛清。
  → 厳しい戦時統制と独裁に反発強まる(背景:土地を獲得した農民の保守化)
・1784年6月 最高存在の祭典 挙行。理性の祭典を収束させ、革命への忠誠強化を図る。
 テルミドールのクーデタ  
 1794 年7月27日(革命暦熱月9日) b ロベスピエール  捕らえられ処刑さる。
 = テルミドール9日の反動。
 → ジャコバン派勢力を無くし、恐怖政治終わる。穏健共和派が政権握る。
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