ロンドン 花巡りの旅 C


2001.8.1

今日はこの旅行の最大の目的、キュー・ガーデンへ行ってきました。

◇スリリングな地下鉄
ロンドンの鉄道は、日本と違って乗り越し清算ができない(うっかりやると罰金モノ)。駅の路線図も日本と違って「○○駅までいくら」とひと目で分かるわけではなく、目的地がどこのゾーンにあるか確認してから切符を買わなくてはならない。かなりスリリングである。
Cちゃんは普段ゾーン1か2の範囲しか買わないので、今日のように遠出(キュー・ガーデンはゾーン4)をするときには遠距離の切符を買わなくてはならないのを忘れていたらしい。しっかり地下鉄に乗って、そのことに気が付いたのは到着まであと2駅というところ。慌ててゾーン2の駅まで戻って足りない分の切符を買い、何とか事なきを得る。キュー・ガーデンはロンドンの街外れだから、電車がなかなか来なくて焦ったね〜、Cちゃん。

注※ Piccadilly Circusを中心に、6段階の同心円で分けられた範囲

◇憧れのThe Royal Botanic Gardens, Kew
キュー・ガーデンは、王立植物園です。121ヘクタールという広大な土地に、19世紀半ばに大英帝国が世界に送り出したプランツ・ハンターたちが集めてきた世界中の植物が一同に集められています。地球上で花を咲かせる植物の1/10以上、25万種もの植物が集められているとか。日本でもしょっちゅう植物園に行く私にとって、憧れの地なのでした。

地下鉄Kew Gardens駅を出て、徒歩10分。高級住宅街らしくて、街中が植物園のように花でいっぱい。ロンドンに来てからというもの、毎日お天気には恵まれていたけど、今日は今までにもまして好い天気。植物園日和です。折しも日本文化をテーマとした「JAPAN 2001」というイベントをやっていて、ナゼか入り口に始まって庭園や温室まで、ヒラヒラと鯉のぼりが泳いでいる。なんだか長閑だなぁ…

Palm House そう、長閑なんです。入園してまず目に入るのが、Palm Houseというヴィクトリア朝時代に建てられた優美なデザインの巨大温室。骨組みが全部白塗りなんですよ〜。気分は100年前にトリップ。もう「若草物語」とか「南の虹のルーシー」っていう気分です(意味不明)。
中も広くて、アジアやオセアニアなどなど、熱帯の植物が所狭しと植えられています。

温室はほかにも色々あります。中央に池を配し、睡蓮や蓮などの水生植物を展示したWaterliliy House。温帯地方の植物も展示したTemperate House。この二つも100年前にトリップしてしまうようなデザイン。一方、近代的な温室もあります。故ダイアナ妃を記念して作られた、多肉植物がメインのPrincess of Wales Conservatory。学術目的の植物園だから建物の統一感とかにはこだわらないんだなぁ、と懐の深さを感じました。
温室に関連して驚いたのは、「日本」のエリアが温室内に展示されていたこと。確かにロンドンは温帯(最近は亜熱帯?)の日本よりも寒いですもんねぇ。温室内のサルスベリを見て改めて感心してしまいました。

Waterliliy House
見上げるほど大きな朝顔と、優美な天井に注目!
Temperate House 入り口と、2階から撮った屋根
Waterliliy HouseTemperate HouseTemperate House

さて、園内は広いのでとても1日では見きれません。炎天下の中、午前11時〜閉園の18時まで、延々歩いてもまだ半分見たぐらい。幸か不幸か花の時季を外れていたので、森のようなところはずんずん歩いて通り過ぎてしまいました。もし花が満開の時季だったら、とても見切れなくて大変なことになったでしょう^^;
でも、日本の植物園と違ってよいところは、日曜写真家がいないこと。みんな花を見るというより、のんびり散歩するって感じです。園内にはベンチがたくさんあって、子供も年配の方もたくさん来ていて、本当にのんびりリフレッシュするところ、という感じです。
このあとは、印象に残ったものを少しずつご紹介します。

◆JAPAN 2001

↑日本をイメージした庭。「A-UN」がどうの、と書かれていました…

園内のあちこちで泳いでいる鯉のぼりには笑ったけど、日本人庭師(?)が作った、日本をイメージした庭というのも展示されていました(ちゃんとした日本庭園は別のエリアにあって、こちらはイベント用の作品)。でも、よく分かんない…
あと、温室内にも日本の植物を紹介するコーナーがあって、紫陽花と朝顔とコスモスが咲き乱れていました。咲き乱れていなくて分からなかったのが「rice」。まだ出穂していなくて、ただの細い葉の植物にしか見えず、Cちゃんは「絶対アヤメだ」と言い張っている。私も確信が持てないでいたら、通りかかった女性に英語で「これはrice flowerか?」と聞かれた。Cちゃんが「違う」と答えたら、彼女は満足そうに去って行ったのだけど、後でその植物を見たらちゃんと大きく「Rice」って書いてあるじゃないですか〜!! うわーん、日本のみなさんゴメンなさい!! そして日本人を信じて聞いてくれた海外のみなさん、ごめんなさい〜。Temperate House内で泳ぐ鯉のぼり

◆Marianne North Gallery
花の絵を描く私にはウットリの植物・風景画のギャラリー。1000枚近くの極彩色の花の絵が壁中に展示されているのだけど、19世紀後半に一人の女性が描いたものらしい。数にも圧倒されるけど、描かれている花だってスゴイ。中南米や東南アジア、日本だって、京都や神戸の神社仏閣、開港当時の横浜の港の絵もある。それも本人がちゃんと行って描いたらしい。とにかくすごい、の一言!

敷地の片側はテムズ川に面している樫や杉、松などの道。木は枝打ちもされず、際限なく伸びていて気持ちいい街中でもよく見かけた赤い実。何の木だろう?

遠目には子供がクレヨンで描いたみたいなMonkey puzzle近付くと、とってもunfriendly…
(葉が鱗状でカタくて痛い)
スゴイ不気味な花…

あまりの好天に日焼けをしながらもひたすら歩き続けた私たち。閉店間際まで売店でお土産を買い、後ろ髪引かれつつもKew Gardensを後にしたのでした。

◇ナイトドライブ
今回は平日だけ滞在する日程になってしまったので、Cちゃんのダンナさまはずっと会社。しかも結構帰宅が遅い。けれども今日は定退日(ロンドンにもあるらしい)なので、3人でCovent Gardenのフレンチでお食事をしました。
帰りは地下鉄でセントポール大聖堂まで移動した後、ダンナさんがタクシーを呼んでくれて、ロンドンの名所を案内してくれました。
セントポール大聖堂は10年前の卒業旅行で来たときに「なんてきれいなんだろう」と感動したものだけど、今回もやっぱり美しい建物だなぁと思いました。タクシーからはビッグベン、ロンドン・アイ(800人乗れる巨大観覧車)、バッキンガム宮殿などを見せてもらいました。ダンナさん、色々ありがとうございます。とっても綺麗でした!

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