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交差したルチルの針状(ニードル)インクルージョン。隣り合うニードルは60度で交わり、ガーネットの110度X70度と異なる。天然サファイアの指標。ただし、京セラ製合成スター石からも交差したニードルが拡大検査で観察できるので注意が必要(スリランカ産)。

スターサファイア

サファイア
(sapphire)

コランダム種の内、赤色(ルビー)以外のものを呼ぶ。一般にサファイアと言えばブルー、バイオレットカラーのコランダムを指し、他色はファンシーサファイアと一括して呼ぶが、通常オレンジサファイア、イエローサファイアのように色相名を冠して呼ぶことが多い。
  • 結晶系::六方晶系
     
  • 化学組成:Al2O3
     
  • 屈折率:1.762-1.770
     
  • モース硬度:9
     
  • 比重:4.00
     
  • 着用時の注意:特になし
     
  • 誤称・流通名・鉱物学名・商標:産地名を冠して、例えばセイロンサファイアと呼ばれる事がある。
     
  • 語源:sapphirus(ラテン語)→sappheiros(ギリシャ語)。青を意味する。ただし、古代に於いてこの用語はラピスラズリなど、青い石全般に用いられていた。
     
  • 処理:熱処理(一般的)、拡散処理、ベリリウム拡散処理
     
  • 誕生石:9月
     
  • 類似石・鑑別時留意すべき石:サファイアと合成サファイアのダブレット。
     
  • 宝飾用合成石:有り。流通している合成結晶の大部分はフレームフュージョン法に因る。他、結晶引き上げ法、水熱法、フラックス法もある。
     
  • 産地:オーストラリア、タイ、スリランカ、アメリカ(モンタナ州)、ミャンマー、タンザニアなど
     
  • その他:
パキスタンとの係争地域、インドのカシミール産のブルーサファイアが最も高い評価を受けるが、現在商業ベースでの採掘は行われておらず、散発的に採掘されるに留まる。これらの石に過去に採掘された石を加え、同地域産サファイアの主たる流通経路はオークション。
 
拡散処理
合成サファイア
コランダム
サファイアと合成サファイアのダブレット
スターサファイア
ディープレッドサファイア
パパラチャ
熱処理を経たサファイアと未処理石、識別のヒント
ベリリウム拡散ブルー サファイアに関するAGTAの新しいポリシーを発表(2006/04/19)
最高のサファイアの色 - コーンフラワー ブルー
ガラス充填処理サファイア

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