福本修の宝石・鉱物小事典ホームへ

  

 


反射光で石表面を観察。


写真中と同じ部分だが、暗視野照明で撮影。写真をクリックすると拡大。

ガラス充填処理(--じゅうてんしょり)
(glass filling)

高価な宝石であるルビーサファイアをカットする際には、原石の無駄を最小限に抑えたいのが人情。アメシストトパーズと比べてカットが悪いルビー、サファイアが多いのはこの為だが、原石に穴が有った場合、その穴を避けると大幅に無駄が増える事もあるだろう。そんな際、カット後の石に穴が残されることを覚悟で加工を進めることもあろう事は容易に想像が付く。残された穴にはしばしばガラスが充填され、穴は隠蔽される。これをガラス充填処理という。
 
【問題点】
  • ガラスにもルビーやサファイアと同じ代金を払うことになる(多くの場合、宝石の取引は1石いくらではなく、1ctあたりいくらで取り引きされる)。
  • ガラスの融点はコランダム(ルビーやサファイア)より低い。加工時直接バーナーの熱が加われば、充填部分が溶融する可能性がある。
  • 加工時直接バーナーの熱が加われば、ガラス中の気泡が膨張し、充填箇所が破損する可能性がある。
  • ガラスの耐久性はコランダムより大幅に低いので、着用中に破損し易い。
 
【検知法】
  • 光沢の差(反射光で観察する。写真中)
  • 充填されたガラス中の気泡(暗視野照明。写真下)

>> 宝石への処理・トリートメント


(C)Copyright 2000 by Osamu FUKUMOTO. All Rights Reserved.


戻る  戻る