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フラクチャー(割れ口)から得る宝石鑑別上のヒント

lesothoレソト

一部が欠けているブラック カルセドニー。

割れの形状は貝殻状となっているが、その表面には凹凸があり、ガラスの割れ口のように滑らかではない。下の写真は割れ口の拡大写真。微妙な凹凸が潜晶質の宝石が示す特徴であり、類似石(カルセドニーの場合には、ガラスオパール、あるいはムーンストーンなど)との識別に有益な情報となる。

ある種の宝石は、細かな宝石の粒子が結合した構造をしている。このような構造を集合体というが、鉱物ショップなどで必ずお目にかかるカルセドニーメノウなど)やトルコ石などがこれにあたる。

集合体の宝石とは、繰り返すが細かな粒が結合しているから、欠けたり、割れたりすると、結合力の弱い粒と粒の間で割れる事となる。この為に割れ口はガラスの割れ口のように滑らかではなく、ツブツブやゴツゴツとした感じに成ることが一般的だ。故に、割れ口を光に反射させて良く見ると、鑑別上のヒントが得られることが多い。

例えばムーンストーンとカルセドニー。両者の外観は似ていることがある。屈折率も近似値を示すから、鑑別の際には偏光器反応などによる確認検査を実施することが望ましいが、割れ口もヒントを与えてくれる。劈開性を持つ単結晶のムーンストーンの割れ口は一般に不規則で階段状を示すこともあるが、カルセドニーの割れ口は内窪みの貝殻のようになり、その表面はロウソクのような光沢を示す。写真左のように大きな割れ口のある石は少ないだろうが、小さな欠けであっても、10倍のルーペがあれば十分なヒントを与えてくれる。


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