Gregorianish-Hiroko  
   
           グレゴリオ聖歌とは

   グレゴリオ聖歌はキリスト教の典礼音楽です。キリスト教の典礼が整え
   られるのにしたがい、ともに発展し、 8世紀後半には、現在も歌われる
   大半の曲ができていたとされます。それ以来、教会、修道院で、正統な伝統
   として歌い継がれてきました。
   一方、西洋音楽という観点からは、西洋音楽の発展の土台でありながら、
   単なる素材として使われたり、plane chant と軽くあつかわれてきたのも
   事実です。
   1000年以上経て、19世紀から20世紀にかけて、本来の典礼音楽として、
   復興運動がおこりました。
   この運動を最も活発にリードしたのが、フランスのベネディクト会
   ソレム修道院でした。
   ソレムの古文書研究所を中心とした研究が進み、バチカンの宗教音楽大学、
   またイタリア、ドイツ他の学者たちによる研究も続き、中世の写本の分析から、
   原初の歌いぶりが復元されてきつつあります。
   単なる4角譜からは読み取れないニュアンスが立ちのぼるのです。
   この魅力ある音楽を、私は神様からのプレゼントだと思うのですが、
   それをお伝えしたいと心から願うものです。

                                                          
                        ベネディクト会ソレム修道院


  降誕・日中のミサ・入祭唱






            オーナーの自己紹介・渡辺宏子


   大学のグリークラブの学生指揮者として準備した「音」が、木下保先生の
   棒であっという間に「音楽」に昇華するのを体験した驚き。それが、私の
   合唱人生のはじまりでした。よい仲間にかこまれ、合唱指揮者として少しずつ
   前進し、また佐々金治先生のご指導と五人の会という勉強仲間もいました。
   宗教音楽を歌う機会も多く、聖書やグレゴリアンにも触れる機会がありました。
   日本合唱指揮者協会にいれていただき、「知られざる名曲コンサート」を通じて
   皆川達夫先生との出会いがありました。指揮者仲間と、先生にご無理を
   願って、月1回の古楽の勉強会を3年近くしていただきました。
   そこで、先生に手の内に入れるようにと紹介された本がグレゴリオ聖歌の
   『Greduale Triplex』でした。ラテン語もままならない身で辞書を引き引き、
   中身を検証するのに2ヶ月近くかかったと思います。
   私にとって大変な作業でしたが、その過程で、2000年というキリスト教の、
   また1500年近いグレゴリオ聖歌の経た時間、時間の積み重ねというものを
   味わうことができました。すると、どういうわけか受け入れがたかった棘の
   ようなキリスト教のあれこれが氷解したのです。
   それが後の受洗につながりました。 受洗を考えて過ごした日々、何よりの
   友はグレゴリオ聖歌でした。グレゴリオ聖歌のBGMのもとで、深く自分の
   内奥を覗くことができたように思います。
   受洗の翌年、CANTATE DOMINO というグレゴリアン専門のグループを
   たちあげました。私自身が多くの経験を持つものではなく、手探りの
   スタートでした。よくメンバーがついてきてくれたものと思います。鎌倉にも、
   グレゴリオ聖歌を歌うグループができ、今日にいたっています。
   聖グレゴリオの家の夏期講習に参加させていただき、東京純心のSr.石川
   の押しかけの弟子にしていただきました。そして 1999年から、ソレムの
   合唱長(後、バチカン音楽大学グレゴリアン教授)の夏期講習にかよい、
   またWATOU(ベルギー)のGregorlian Festival に参加、ブラッシュアップを
   (特に耳の)怠らないようにしています。
   グレゴリオ聖歌は、単なる音楽ではありません。
   人知を超えた存在を想起させる力をもちます。
   歌うに当たっては、もちろん美しく、訓練されているべきです。  
   しかしなにより、そのまえに神様と、聞いてくださる人とをつなぐ糸に
   なろうという意識があるべきだと思っています。


   聖心女子大学歴史社会学科卒。 
   学生時代、合唱指導を木下保、オーケストラの指揮を呉泰次郎の
   両氏に師事。
   1975年合唱指揮者として活動をはじめ、かたわら、指揮法を佐々金治、
   黒岩英臣、声楽を中村浩子、ルネサンス、バロック音楽などを、皆川達夫、
   有村祐輔の各氏に師事する。
   1985年ごろよりグレゴリオ聖歌に心惹かれ勉強を始める。
   グレゴリオ聖歌の師は、ソレムのソルニエ師、Sr. 石川和子先生。 
   1990年グレゴリオ聖歌をもっぱらとするグループ
   “CANTATE DOMINO” を立ち上げ主宰する。
   また1994年“由比ヶ浜グレゴリアンを歌う会”の指導もはじめる。 
   ほかに一般合唱団の指揮者としても仕事をしている。 
   聖心女子大学グリークラブOG会、 聖心女子大学聖歌隊、
   Filles du Sacre Coeur、 女声合唱 かまくらの風、 女声合唱団・虹、
   L’echo Charmant、 鎌倉桜友会合唱団。
   2008年 ソルニエ師の著作を「グレゴリオ聖歌入門」として翻訳
   サンパウロより上梓。
   日本合唱指揮者協会員 ・ 日本グレゴリオ聖歌学会 理事