2006年度 6B世界史 世界史演習

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テーマ3 ギリシア文化とヘレニズム

解法T 西洋文明の大筋を理解する

 「西洋文明」の源流は、次のようにたどることができる。a 流れをつかむ ←クリック

   特にギリシア文明(ヘレニズム含む)とローマ文明を西洋文明のb 「古典古代」 と言う。

解法U ギリシア文明の大筋

 ・ギリシア文明はa エーゲ文明 と、暗黒時代を経て、ポリス社会成立後のb ギリシア文化 とに分ける。
  (a)は、前3000年紀のc クレタ文明 と前16〜12世紀のd ミケーネ文明 に分けられる。
  (b)は、前8〜6世紀のe アーカイック期 と、前5〜4世紀のf 古典期 に分けられる。

解法V ギリシア文明〜ヘレニズムの文化の内容、特色を理解する

T エーゲ文明

1.a エーゲ文明 の形成
前3000年紀
 
東地中海にオリエントの影響を受けてa エーゲ文明 栄える。
  =b 青銅器文明 の段階。
 クレタ文明 

 
クレタ島のd クノッソス 中心。伝説上の王名からミノス文明とも言う。
  壮大な宮殿建築をもつ。宮殿は城壁をもたず、開放的。民族系統は不明。
  強力な王による海上王国を形成か。 絵文字が用いられていたが、末解読。
     ・発見
 
 エヴァンス   イギリスの考古学者 
 1900年代 f クノッソス遺跡 の発掘。
2.エーゲ文明の繁栄
前2000年ごろ 北方からa ギリシア人 (インド・ヨーロッパ語族)南下。クレタ文明を征服。
前16世紀
 
ギリシア本土のb ミケーネ ・c ティリンス ・ピュロスなど小王国を建設。
 b ミケーネ 王国、小アジアのd トロイア  を征服。(トロイア戦争)
 ミケーネ文明 
前15世紀
 独自のf 線文字B(ミケーネ文字) を使用。巨石城塞を建造。
 専制的な国王が農民から貢納させる貢納王制。  
     ・発見


 
 シュリーマン   ドイツ人の実業家。『古代への情熱』を著す。
  1870年代 d トロイア 遺跡・b ミケーネ 遺跡などを発掘。
 ヴェントリス   イギリスの建築家。
  1952年 f 線文字B(ミケーネ文字) を解読。
3.エーゲ文明の消滅
 前1200年


 
このころミケーネ文明滅亡し、混乱期となる。理由は不明。
 系統不明の民族a 「海の民」 などの外敵の侵入を受けたことも考えられる。
 以後400年間はb 暗黒時代  といわれる。
 → この間、ギリシアはc 鉄器文化 の段階に移行した。
 ギリシア人の分化
  

 
ギリシア人が周辺に移住。→ 方言の違いから、いくつかに分化。
 d イオニア人   :本土の東部から小アジア西岸に定住。アテネを建設。
 e アイオリス人  :本土の中部から小アジア北部に定住。テーベを建設。
 f ドーリア人  :最も遅く南下し、先住民を征服。スパルタを建設。
前8世紀ごろ
 
その過程で、集住(シノイキスモス)が進行し、g ポリス が成立。
並行して地中海各地に植民活動を展開。貨幣経済の発展に伴い、市民が成長。
 

U ギリシア文化

1.文化の共通性
・民族的自覚 ・自らをa ヘレネス 、異民族をb バルバロイ として区別。
・宗教

 
・多神教 c オリンポス12神  ※の信仰。
 ギリシアの神々は人間と同じ姿を持ち、喜怒哀楽をともにすると考えられた。
 その宗教も現世肯定的であった。



 
※ゼウス(主神) ヘラ(ゼウスの妻) ポセイドン(海と大地の神) アレス(軍神)
 アポロン (太陽神)  ヘファイストス(火の神) ヘルメス(商業の神)
 アテナ(知恵の女神)  アルテミス(月の神) アフロディテ(美の女神)
 ヘスティア(かまどの女神)  デメテル(農業の女神)
・行事

 
・d デルフォイの神託  :重要問題の解決をアポロン神殿の神託に求めた。
・e オリンピアの祭典 :前776年から4年ごとにアポロン神に献げる競技を行う。
 → 393年、ローマ皇帝の勅令で中止される。
   
2.文学・歴史
・叙事詩

 
 ホメロス(ホーマー)   前9〜8世紀、口承叙事詩を伝承した盲目の吟唱詩人。
 b 『イリアス』 ・ 『オデュッセイア』   トロイア戦争での英雄たちの物語。
 ヘシオドス  前8〜7世紀『神統記』。『労働と日々』労働の楽しさを唱う。
・叙情詩
 
 サッフォー  前6世紀 レスボス島出身の女流叙情詩人。
 他に、アナクレオン、ピンダロスら。神話から脱し、個性の自覚が始まる。
・演劇  ギリシア演劇  ディオニュソス祭典において、円形劇場で競演された。
    悲劇

 
 f アイスキュロス  『アガメムノン』、『縛られたプロメテウス』など
 g ソフォクレス   『オイディプス王』、『アンティゴネー』
 h エウリピデス   『メディア』、『バッカスの女たち』
    喜劇   i アリストファネス  『女の平和』『女の議会』などで世相を風刺。
・歴史


 
 ヘロドトス    物語風歴史書『歴史』でk ペルシア戦争 の歴史を記述。
  → "歴史学の父”といわれる。
 トゥキディデス  『戦史』でm ペロポネソス戦争 の歴史を記述。
  事実を重視した、実証的記述。
   
3.哲学のはじまり
 イオニア自然哲学 
    前6世紀はじめ
    前6〜5世紀

    前5〜4世紀
 
エーゲ海東岸、ミレトスを中心に、事物の根源を考察する人々が現れる。
 b タレース (万物の根元は水である)   
 c ピタゴラス (万物の根元は数である)  
 d ヘラクレイトス  (万物は流転する) 
 e デモクリトス  (原子の存在を主張) 
 f ヒポクラテス  (医学の父)     
 ソフィスト  たち

    前5世紀
 
アテネを中心に市民に弁論術を教える職業的教師たちが活動。「知恵ある者」
の意味。客観的・普遍的真理の存在を否定、相対主義的・主観的な考え。
・代表的人物 h プロタゴラス  “人間は万物の尺度である”
 → 次第に詭弁に陥る。
4.ギリシア哲学の展開
 ソクラテス 
  前5世紀後半
 
ソフィストに対し、絶対的真理の存在と知徳一致を説く。
 対話的方法による“b 無知の知 ”を説く。
 若者を惑わすものとして裁判にかけられ、刑死。“悪法もまた法なり”
 プラトン 
  前4世紀前半
 
aの弟子。『ソクラテスの弁明』など。経験的事物を越えたd イデア  の存在を
 説く。ポリスの民主政の再建をめざし『国家論』を著す。
 アテネにe アカデメイア を建設。後に、シラクサで政治にあたる。
 アリストテレス 
  前4世紀後半
 
cの弟子。『形而上学』 『政治学』など多数。g アレクサンドロス を教育。
 現実の中に真実があると主張し、実証的な諸科学を研究、体系化する。
 “諸学の父”といわれる。→ イスラームを通じ、ヨーロッパに伝えられる。
   
5.美術
・彫刻

 
・a フェイディアス :(前5C)ペリクレスに協力し、アテネのアクロポリス
  の神殿建築に従事、女神像など。
・プラクシテレス(前4C):神像彫刻。ヘルメス像など。
・建築

 
前期 b ドーリア式  = 荘厳 例:アテネのc パルテノン神殿 
中期 d イオニア式  = 優美
後期(〜ヘレニズム期) e コリント式  = 華麗            
 

V ヘレニズム

1.a ヘレニズム  の成立
・成立 前4世紀 b アレクサンドロス大王 の大帝国の成立によって形成された。
・意味  ギリシア文化とオリエント文化の融合した文化    前1世紀ごろまで続く。
・特徴
 
 コスモポリタニズム(世界市民主義)  の思想が生まれる。
 ポリスの枠にとらわれない、普遍的な価値判断と、自立した個性の出現。
・中心地
 
プトレマイオス朝エジプトのe アレクサンドリア  「世界の結び目」と言われる。
 f ムセイオン :プトレマイオス朝の王立研究所。世界各地の図書が集められた。
・共通語  コイネー :アッティカ方言と各地の方言が混合してできた古代ギリシア語。  
2.ヘレニズムの内容
・哲学


 
 ストア派 :アテネのb ゼノン (前4〜3世紀)、禁欲に徹して心の平安を
 得られるとする禁欲主義を説き、人間を理性によって結びつく普遍的な存在とする。
 エピクロス派  :アテネのエピクロス(前4〜3世紀)が説く。精神的快楽を肯定
 する快楽主義。
・自然科学


 
 エラトステネス  地球の外周を測定(ムセイオンの館長)
 アリスタルコス  太陽中心説 地球の公転と自転    
 アルキメデス  アルキメデスの原理          
 エウクレイデス(ユークリッド) 平面幾何学を完成
・医学 解剖学の基礎ができる。自然科学・医学 →h イスラーム の文化に継承される。
・美術
 
 ミロのヴィーナス ・ラオコーン・サモトラケのニケ・ペルガモン神殿など
 →j ガンダーラ地方 の仏像彫刻に影響を及ぼす。