『ゲノム編集技術』公開勉強会 2018/11/10 その1

先週の土曜日に、「ゲノム問題検討会議」主催の公開勉強会に参加した。テーマを見て、えらく難しそうだと思ったが、講演者にアメリカの詩人アーサー・ビナードさんがいただけあって、とても面白かった。

原発事故から間もない頃、ビナードさんの講演で、「さいたさいたセシウムがさいた」というタイトルが問題になり、講演が中止されたことがあったが、原発に絡んだ催し物について、政治的に偏向しているとして、自治体が会場の使用を拒否した「先駆け」ではないだろうか。この十月下旬にも、大田区が、豊田直巳写真展で、「原子力明るい未来のエネルギー」を撤去している前で、標語を書いた作者が「撤去が復興?」「過去は消せず」という横断幕を持って立っている写真が政治的だという理由で、開催前に、一部の写真の展示を拒否するという事件があった。最終的には展示されたが。

角筈ホールでの講演で、ビナードさんが、半日、語り続けたその内容を、手帳の走り書きを元にまとめたいと思ったが、いつしか投げ出していた。その折にキーワードとなっていた言葉が、今回もキーワードとして使われていた。今度はちゃんと書かなきゃと書いたら、長くなった。

南武線武蔵中原駅前の自治体の施設、エポック中原の大会議室は、定員180名だけれど、開演5分前になっても、50名ほどしか座っていなかった。最終的には、100名近くいた。受付で、1000円を払い、プログラム、講演のレジメ、アンケート用紙、環境省によるカルタヘナ法の周知冊子を受け取った。座っていると、演者や来場者が、チラシを配って回る。

改めて、「ゲノム編集技術」っちゃなんだ、と思いながら、チラシを一枚一枚見ては、まあ、こういう色のところに来ているんだな、とも、改めて確認。チラシを見るまでもなく、会場がエポック中原で、活動はやめないぞふうの高齢者の参加が多いことなどからも、場違いではないと思ってはいたけれど。

開会の挨拶をして、議事進行をされたのは、島薗進さん。社会と科学、生命倫理などをテーマに研究されている、宗教学者。団塊の切れっ端、1948年生まれ。続いて、お目当ての、ビナードさん。

開口一番、ゲノム編集技術、カルタヘナ法って、難しそう、何のことだか分からない、分からないから無関心になるという状態に、誘導されかねないよね。

長い間培ってきた文化や物語が、いま直面している食べ物への危機問題に生かされていない。GMO(遺伝子組み換え作物)という高度な技術は、素人には分からない。食文化とは無関係に巨大な組織が作った物語を、拒否する物語ができていない。

遺伝子組み換えだの、ネオニコチノイド系農薬だの、安全神話が語られているが、安全であるかないか以前に、気持ち悪くない?

生活の豊かさと直接繋がっているのは、技術ではなく、拒否する権利とひとりひとりの好みだ。どうしてもGMO技術に反駁できないなら、アレルギーだって嘘をつけばいい。拒否していいんだよ。

巨大なものに、味覚、つまり、感覚を操作されている。騙されている。モンサントやダウなど大手バイオ化学メーカーの種子、オバマのホワイトハウスで演出された有機栽培。オバマが巧妙な詐欺師だとすると、トランプは正直と言えるかもしれない。トランプは、とんでもないペテンパートナーシップ、つまり、TPPは、アメリカ国民に対する終わりなきレイプだと言い放った。他国に対する軍事介入が少ないから、米軍は、ヒマ。もちろん、選挙向けの公約もたくさんある。

でも、少なくとも、日本は、何でもアメリカにやらされている、と思ってはいけない。辺野古も、GMOも、農薬も、アメリカの言いなりなのではなく、日本政府がやっていること。

自分たちが、どこまで影響を及ぼせるか。


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ばあちゃんも生きとるよ
なんでんよか!
還暦記念