2016年12月
12月5日
00:33
『ダウントン・アビー』を見ながら、やりかけの編み物をして、二階に上がってきた。夜になって降り始めた雨で、雨宿りをしに上がってくるんじゃないか。
『ネコ・チュー逃げる 木タール』をしかけたから、天井裏の通風口はもう通れないだろうか。外でガタッと音がしたが、これは風だろうか。
そういえば、また、福島で地震。こないだの大きな地震で、福島の人々とメールをして以来、何も連絡をしていない。
眠る前の最後のトイレにも行ったし、ヤクものんだ。一時前に眠れるだろう。
あれから一ヶ月経ったわけだ。ネズミの音で眠れなくなった日から。
ながら族だった頃とは違って、深夜ラジオは習慣にならない。東日本大震災のあった年、Wi-Fiを使っている家はまだ少なく、毎日、聞こえてくるのは、凜としたニュースアナウンサーの声だった。音が悪いのは、Wi-Fiが空間を埋め尽くしているからじゃないか。
昼間、東急ハンズで、パンチングアルミ板を買って、適当な大きさにカットしてもらった。
9:21
正露丸臭忌避剤『ネコ・チュー逃げる 木タール』、高周波発生装置『ねずみ音波防除器』、『ペストコントロ・ポータブル』3台、『ペストコントロ・デラックス』、ハッカ忌避剤『ねずみ小僧』と、徐々に増やしていって、昨夜から今朝にかけて、ようやくネズミが近づけなくなったのかもしれない。
予断は許されない。昨日届いた『ねずみ小僧』5個の置き場を明日じっくり考えて置こう。屋内で使える脚立をネットで探す。
『ねずみ小僧』についてのネットのレビューを見ると、即効、全然効かない、効くまでに2〜3週間かかる、一時期増えたように思われるがネズミがパニクってるからなので我慢せよ、毎年やって来るその季節になったにすぎない、殺鼠剤のほうがよく効く、頭がいいからすぐ慣れる、など、様々。
19:06
ハンズから出た。
東日本大震災 パンチングアルミ
脚立 殺鼠剤
12月6日
00:19
二階に上がった。相当眠い。
あれから一週間経った。気配を感じなくなったのは、いなくなったのか。早くに泥のように眠ってしまうからか。昨夜、かなり雨が降ったので、入ってくるかと思ったが。
朝になったら、ハンズで買ったアルミの板を、四箇所の通風口に嵌めよう。庭に面しているところが、一番怪しいが、すべて塞いでしまっていいのだろうか。そもそも、通風口が四箇所だけとは限らない。仏間の床の間の下の空間は、二階の天井裏につながっていないのだろうか。
逃げ場を奪ったことで、室内に出てこられるのは御免こうむる。とりあえずは、台所二箇所と玄関の通風口だけにアルミ板を嵌めておくか。
外から音がする。誰かの話す声か。駐車場の音か。深夜のざわめきか。
屋内脚立も注文しなくっちゃ。
01:15
わっ、何か聞こえてきそう。早く眠ろう。ヤクのんだ。
01:40
あかん。カサカサと始まった。
仏間の『ペストコントロ・デラックス』をVARIATIONモードからFIXEDモードにかえ、洗濯物干し部屋の『ねずみ防除器』を寝室に持ってきた。既に『ポータブル・ペストコントロ』が3台ある。雨が降っているような音が聞こえる。沢山いるのか、活発になっているのか、単に耳鳴りか。
久々に、といっても、三日ぶりに、ラジオをつけようか。
気が弱くなっている。疲れて昂ぶりが抑え込まれ、数日前までのように敵と闘う気力がわいてこない。
何の音だろう。飛行機か。
01:47
ヤクのんで三十分経ったが、目が冴えてきた。
03:00
マイスリー追加、飲みそこねてたのかもしれない。もう、音はしない。外の音がいろいろ気になる。ヤバい。
04:30
ねる。
11:09
昨夜中は、もっと頭の上を奴が動いてた。
12月7日
01:04
妹が起きているので、居間のテレビをつけたまま上がってきた。静まり返っているときとでは、空気のやわらかさが違う。
階段の下から何か言っている。ネズミがついに人間の言葉を話すようになったのかと驚いた。
テレビも灯りも消し、妹も自室に入った。しーんとする。すると聞こえてくる、ような気がする。無音の音。沈黙の圧。早くねよっと。
01:12
ヤクのむ。
01:15
NETFLIXで再放送している『大草原の小さな家』をつけた。最初に見たのは、四十年前。ヒコーキ。
泥睡 無音の音
人語解さず
12月8日
00:11
メチャクチャ眠いのに、『大草原の小さな家』の後半を無理矢理見て、というか、つけたままにして、そして、消して寝た。
音は聞こえなかった。テレビのせいか、いないのか、音をたてなかったのか、分からない。
今日は、居間に妹がずーっといて、私は仏間にずーっといた。
01:00
昨日見たけれど覚えていない『大草原の小さな家』の後半を改めて見終えた。
01:05
ちょっと音がした。
テレビはつけといて、ヤクのもう。ヒコーキ。
01:53
沈没しそう。
カッカッカッと来た。場所が全く違う。エアコンの上あたり。頭の真上で動いている。忌避装置を移動。
まだおるんじゃのー。ここんとこ、寒かったしねー。
やはり天井裏の通風口を網で防がねばならない。仏間の天袋と寝室の箪笥の上に『ねずみ小僧』を置く。
02:36
マイスリー追加。
朝、仏間の床の間の下に、床下通風口を発見し、忌避剤を置いてみた。
帰りにホームセンターに寄って、「怖い、眠れない、どうしよう」などとねじ込むように訴えたら、「先週末はつい行きそびれたが、この週末、見に行こう」と言ってくれた。
屋内用の脚立も、予定より早く届いたが、かなり重いので、今日は家には上げない。
大草原の小さな家 移動距離
床下通風口
12月9日
00:55
二階にあがるとドキドキする。
夜中に『ねずみ小僧』を箪笥の上に新たに置き、エアコンの上に『ポータブル・ペストコントロ』。うるさい。風が強いので、天井裏もさぞかしうるさいだろう。
夕方、仏間の床下にも『ねずみ小僧』を置いた。
風の音が、よく聞こえる。『大草原の小さな家』でも草原の風邪が吹きすさんでいるのに。
01:00
飛行機か。
ヤクのんだ。
01:25
またヒコーキ。
03:37
テレビも灯りも消したが、明日どうしてやろう、明日からの仕事や趣味や老後はどうなるだろう、ぼんやりと他人どものことも頭に浮かび、とりとめがない。風の音、家の音、車の音など、大小遠近とりまぜて、物音を気にしているうちに、やって来ました。
今日はもうすでに天井の下寄りにいる。下から上がってきたところか。エアコンの上にある『ポータブル・ペストコントロ』を、仏間に繋がる天井際にある箪笥の上に移動した。iPadで録音しようとした途端に音がしなくなる。
逃げたのだろうか。一体、どこに。忌避装置や忌避剤からどこまで離れれば落ち着くのだろう。
明日は晴れそうだし、床下や天井裏の通風口をちゃんと塞げば、家には入って来ないだろうか。
もし屋内にいるうちに出入り口を塞いで閉じ込めてしまうことになったら、どうなるのだろう。忌避剤と忌避装置しかなくて、食べ物がなかったら、それで寿命も尽きるのだろうか。それとも、何でも食べちゃうのだろうか。窮まって台所を襲ってくるんじゃないだろうか。
もう4時半だというのに、メモ用紙に書き殴ったものをiPadに入力するのがおもしろくなってきてしまった。マイスリーを追加したから、さっさと眠れるといいのだが。もう音はしないだろうし。
05:08
カチャカチャと音がした。布団の上に広げた紙が、足の動きにつられてすり合わさったその音。頭の上でも何か聞こえたような気もする。バリ島のジャングルや剱岳の闇の中と同じように、色んな音がとても近くに聞こえる。
マイスリーを追加。水で腹が鳴っているのか、ネズミの音か。
15:03
あーあ、風のせいではないらしい、仏間の右上方から音がするが、昼間は怖くない。『ねずみ小僧』を増やそう。
今朝起きたのは、10時過ぎだった。洗濯をしてたら昼になってしまい、買い物にも行けず、ホームセンターから来るのを待ってた格好で、結局、空振り。
それにしても、夜中の風の音は凄まじかった。
23:35
あれから初めて0時前に布団に入った。
三箇所に置いた『ペストコントロ』のうち、天板や襖など、遮るものがないところにあるのが、耳につく。『ねずみ小僧』も同様で、鼻につく。
少し入力をして、ヤクのんで、ねてしまえますように。
動悸 行く末 闇
昼の鼠
12月10日
00:05
iPadに入力している。妹も寝たみたい。外で音がしたような・・・。
入力は目にも頭にもよくない。『大草原の小さな家』を見よう。
01:06
さて、ヤクのんで、ねよう。
01:14
ヒコーキ。
01:18
もっと低空。
昼過ぎ、ホームセンターの人が来て、一通り見て回り、アドバイス。三年前にリフォームした工務店に長いメールを書いた。
ホームセンターの人から、応急措置ではなく、床の間の下など、工務店の人にちゃんと見てもらったほうがいいと言われたので、見にきてほしい、と。
そのうち日が暮れたので、来週、駆除業者紹介センター『ペストコントロール協会』に電話して、駆除業者を紹介してもらうことにする。
22:53
昨日はいなかったのか、動き出した頃には爆睡していたのか、天井裏にまったく気配を感じなかった。そんな晩は、この一ヶ月で二回目だ。テレビを見る妹を残して二階に上がった。
洗濯物を畳んだり、今朝、妹がいるうちにと、屋内脚立を移動して、仏間天袋の天板を開けて、『ねずみ小僧』を二つ置いた。天板のガムテープを貼り直す。結構な隙間風。
昨日とは違って、10時過ぎには洗濯や掃除も終え、友人に出す手紙の下書きを書いた。
ネズミメモをiPadではなくMacに入力しようと、メモの束を持って階下に降りては、他の用事を思い出し、また、寝室に持って上がって、夜中にiPadに入力することになりそうだ。
手紙の清書が終わる頃、書留が届いた。ヤフーのカード。屋内脚立をヤフーで買った。またカードが増えた。
ホームセンターから電話があって、まもなく軽トラで来たのは、こないだ店先にいた人とは違っていた。素人仕事で塞いだ床下通風口を見せて回ると、それはこれでいいだろうが、仏間の、特に床の間の下は、マズそうだと言う。ずーっと隙間が空いていて、ネズミが入り放題。
まさか!でも、畳をフローリングに変えたとき、床の間そのものには手をつけていないし、隙間風もかなり寒く、確かにマズい状態なのかもしれない。
天井裏の通風口も、庭から見上げてもらうと、そこから入ることはないと言う。工務店に頼まないと塞げないだろうとも言う。
そういう工事をする前に、応急的にしておくことはあるかと聞くと、ネズミ捕りが一番だという。後始末ができないと言ったら、水に沈めればいいだけだし、なんて言うので、どこの水に沈めるのかを聞いてみると、そうか、そのあと捨てなきゃいけないですね、と考え込む。うーむ、やはりネズミ捕りを仕掛けることなんてできない。あとから、仏間の縁の下に、殺鼠剤を四つ置いた。
さっそく、中学同窓の工務店にメールを書き始め、いざ送信という寸前に、玄関先で物音がした。音だけして、ブザーも鳴らない。出てみると、ポストに年末の御挨拶、姿は見えない。車で帰ってしまったかと、慌ててショートメールを入れたら、まもなく、何?って玄関先に現れた。ネズミ、って言うと、ええーっ、てな反応で、専門外なので、力になれなくてスマン、ということだった。
今時の大工さんは都会っ子だ。ネズミなんて関わったことがない。部屋に戻って、ペストコントロール協会のサイトを見ていたら、問合せフォームがあったので、これまでの経緯を書いた。入力用のスペースはかなり広く取ってあるのに、長文は受けつけないと何度もエラーが出る。すぐ終わると暖房もつけずにいたが、なかなか送れず、文面を削りに削って、ようやく送信を終えた頃には、冷えきっていた。
間もなく妹も帰ってくるので、ガタガタ震えながら夕飯を作り、居間に、この冬初のストーブを焚いた。
一気に昼間のことを書いているうちに、23:27
今んとこ静か。シャッターも降ろしたから、外の音も遮断され気味。風が強いとうるさくてかなわないが、今夜は穏やかそうだ。ちょっと雲が出始めていた。
妹も、とうに部屋に入ってしまい、何の音も聞こえない。超音波か電磁波の切り替わるときのピーっというの以外は。
それなりの仕事をしてる人たちが、案外知らないものなんだなあ。ネズミのこと。超音波発生装置がどんなにうるさいかとか、忌避剤はハッカ由来のものが多いとか。
数ヶ月前に、外回りの水道管から水が漏れて、庭に大きな水たまりができた。豪雨が続いていたから水が引かないのかと思っていたら、漏水のせいだった。水道メーターがぐるぐる回って、検針に来た人が驚いていた。自費で水漏れ工事を済ませれば、水道料金は通常通りでいいそうだ。何度もリフォームするあいだに、大概の水道管は塩ビ管などに取り替えてあったが、外回りだけ、鉄パイプだった。
水道管工事の一日目は、なんでも一人でやってのけてしまう、実に昭和な職人が来た。蛇口近辺ではなく、鉄管のどこかから漏れていると目処をつける。勝手口から庭への通路の下に埋めた鉄管は、コンクリートで覆われていたので、まずそれを壊すことになった。これを、斫る、はつる、という。道路工事現場で見かける電動ハンマーをかける。
軽トラックには、発電機でも何でもぎっしり積んでいる。隣の敷地との間のブロック塀のブロックの数で距離を計り、長靴に履き替え、むき出しになった赤土から水を掻き出し、パイプを目分量でぴたりと切って、入れ替える。
どこからどこまでが鉄管なのかは、土間をすべて斫らないと分からないが、それには、時間も手間も金もかかる。激しい水漏れはおさまったが、メーターがまだ微妙に動いている。ちゃんと調べてから工事をし直したほうがいいだろう。壊したところに、掘り返した泥やコンクリの破片を埋め直して、その日は終わった。
二日目は、二人組。この人たちも昭和だが、少し若いほうは異国の人。自分の国のトップが見苦しいと嘆いていた。
水道管が、室内と屋外に分岐している部分を探り当て、穴を掘り、外回りの分だけが鉄管だということを確認して、一日目に、蛇口のほうから数メートル分入れ替えた管を生かして、L字に繋ぎ、新管を床下の壁に沿わせて分岐点まで伸ばすことになった。そうすればコンクリートを斫る必要もない。錆びた鉄管は地面に埋まったままにして、新しい管を引き直したあと、一日目に壊した部分と、新しいパイプとをコンクリートで丁寧に固めて、その日も終わった。
コンクリートが乾いた頃に点検に来ると言い置いて、その後、音沙汰はない。冬が近づいているが、庭に水を撒いてみようと蛇口をひねろうとしたら、蛇口からひたひたと漏れている。
その頃、ネズミグッズを探していたので、ケレップやパッキンもハンズで買って自分で直そうとしたが、日頃来てもらっている植木屋さんに修理を頼んでみたら、やってくれると言う。水漏れの原因は、水栓のねじ山部分のシールテープの劣化だった。頼んでよかった。
そのシールテープを彼女が知っている工具店に買いに行く途中で、件のホームセンターを見つけ、侵入口を塞ぐアルミ板はなかったが、時間が空いたら見に行こうと言ってくれたのだった。なかなか来なかったけれど。
水道管工事から続いている。ちびちびと修繕。木造のボロ家を少しずつ修繕するなんてのは、流行らないだろうし、切りがないし、でも、いまさら新築の家に興味はないし。
ありっ、風のせいだろうか、そのあたりで、ちと音が・・・。
大草原、見ますか。
23:52
ヒコーキ。