Linモデム(linmodem)ドライバで Winモデム(winmodem)を動かそう
第15版:2001年8月6日

ニュース:
(2001年3月6日)
Intel がMD563X, MD5628D のLinux 用ドライバを公開しました。

(2001年2月14日)
IBM がThinkPad 600E/600/700 のACP モデム (Mwave) のドライバをオープンソースで提供しています。

(2001年2月3日)
Linmodem-HOWTOの最新版に追随して翻訳を更新しました。
なお、文書名がLinmodem-Mini-HOWTOからLinmodem-HOWTOに変わりました。(2. 参考資料
「FAXも使おう!」のセクションを追加
Intel(Ambient Technology) のドライバが近い内に公開されるものと思われます。
Motorolaがドライバを開発中です。

(2000年11月2日)
C MEDIA の CMI8738 (= HT8738AM) というチップのWinモデムが動作しました。
CONEXANT (Rockwell) チップ用ドライバの新バージョンが出ています。



1. はじめに
2. 参考資料
3. Winmodem 購入時の注意点
4.モデムチップ
5. Linux 用ドライバ一覧
6. PC Tel チップ用ドライバ
7. C MEDIA の CMI8738 (HT8738AM) チップ用ドライバ
8. Lucent チップ用ドライバ
9. ESS チップ用ドライバ
10. CONEXANT (Rockwell) チップ用ドライバ
11. Cirus Logic (Ambient Technology) チップ用ドライバ
12. Intel (元Ambient Technology、元Cirus Logic) Ham モデム用ドライバ
13. Motorola のモデム用ドライバ
14. IBM ACP モデム (Mwave) ドライバ[オープンソース]
15. FAXも使おう!
16. このページ (Winmodem/Linmodem) の履歴


[訂正とお詫び]
2000年9月26日〜28日にかけて、このページで 「VAIO PCV-S500 SONYのマイクロタワー型パソコン)に内蔵されている CONEXANT (Rockwell) チップを搭載したWinmodem が動作した」と書きましたが、これは誤り正しくは、VAIO PCV-S500 に内蔵されているモデムは LUCENT のチップであるとのことです。ここに謹んで訂正いたします。どうも、すいませんでした。

ノートパソコンとかメーカ製のデスクトップなど、モデムの搭載チップが何か分からない場合、以下のコマンドでメーカ名や型番が表示されるものもあります。詳しくは Linmodem-Mini-HOWTO をご覧下さい。

# cat /proc/pci
# scanpci -v
# /sbin/lspci -v



1. はじめに
いわゆる "Winmodem" は Linux では使用できません! というのが少し前までの 常識でした。何故なんだ〜馬鹿やろー!と頭にきたり、悲しい思いをした人も少なくないでしょう。 が、最近では少し状況が変わってきています。

一部の Winmodem 用チップのメーカが仕様を公開してモデムのメーカが Linux 用 のドライバを提供するとか、「ハッカー」が独自のドライバをオープンソースで 作成するといったことが実際にいくつか行われています。

*(ハッカーとはネットワーク上に侵入したり、ウィルスをばらまいたりして悪さをする輩のことではありません。そーゆーあほどものことは、クラッカーといいます。ハッカーとは技術力に優れ社会の役に立つことをする尊敬すべき人達のことですから、はっきりと区別して言い分ける必要があります。無知なマスコミがクラッカーのことをハッカーと書くので混同する人が多いのは困ったことです)
従来の RS-232C インタフェースを使った普通のモデムは「ハードウェアモデム」 と言い、これに対して Windows と専用のドライバが無いと動作しないモデ ムには「ソフトウェアモデム」、「PCI モデム」、その他色々な呼び方や商品 名があります。「名は体を表す」で、正確にはそれぞれ方式などが異なるのでしょうが、ここではそれらを総称して "Winmodem" と呼ぶことにします。(正確には Winmodem は 3Com社の登録商標ですが)

また、これらの本来 Windows 上でしか動作しない "Winmodem" を Linux 上で 動作するようにしたモデムのことを "Linmodem" と呼びます。

私が調べたところ2000年8月の時点で Winmodem、Linmodem に関して日本語で読めるドキュメントはあまり多くないことが分かりました。ここでは、Winmodemを Linux で動かすためのドライバを実際に試して みた結果と、ドライバ付属のドキュメントの翻訳を紹介します。


2. 参考資料
(1) Winmodems are not modems(英語)
http://www.o2.net/~gromitkc/winmodem.html
Winmodem に関する最も有名なサイトです。ここを起点にリンクをたどって いくと多くの情報が得られます。
(2) Winモデムはモデムではない(日本語)
http://www.propel.ne.jp/~mako//winmodemj/winmodemj.html
前記 Winmodems are not modems の翻訳です。最新版に追随していない場合もあるので、最新情報を知りたいときは英語版 の方も併せてチェックするとよいでしょう。
(3) JF の Winmodems-and-linux-HOWTO(日本語)
http://www.linux.or.jp/JF/JFdocs/Winmodems-and-Linux-HOWTO.html

(4)  JF の Modems-HOWTO(日本語)

http://www.linux.or.jp/JF/JFdocs/Modem-HOWTO.html
モデム全般について詳しく解説されています。Winmodem に関する説明も参考になります。
(5) Linmodem-HOWTO (英語&日本語)
以前は、Linmodem-Mini-HOWTO でしたが Linmodem-HOWTO に変わりました。
http://walbran.org/sean/linux/linmodem-howto.html(英語)
これを翻訳しました(JF にあります)。英語版の原著者は「現在ドラフト版なので今後も頻繁に更新されるだろう」と言ってました。なるべく追随するようにしたいと思いますが、翻訳が追いついていない場合は、オリジナルの英語版をご覧ください。

(HTML型式)  http://www.linux.or.jp/JF/JFdocs/Linmodem-HOWTO.html(日本語)

(HTMLの圧縮)  ftp://ftp.linet.gr.jp/pub/JF/html/Linmodem-HOWTO.tar.gz(日本語)
(SGML型式)  ftp://ftp.linet.gr.jp/pub/JF/sgml/Linmodem-HOWTO.sgml.gz(日本語)
(テキスト型式)  ftp://ftp.linet.gr.jp/pub/JF/text/Linmodem-HOWTO.gz(日本語)

 (6) linmodems.org のメーリングリストのアーカイブ http://linmodems.org/cgi-bin/ezmlm-cgi/1  (英語)
メールは公開されているので、このメーリングリストに参加しなくても読めます。

3. Winmodem 購入時の注意点
新たに Winmodem を購入する際に注意すべきことを挙げます。

(1) Linux でサポートされているか?
重要なのは搭載されているチップの型番です。買い物に出かける前に現在入手可能なドライバを調べ、サポートされている モデム用チップのメーカ名や型番をメモしておくとよいでしょう。Linux で動くかどうかはショップの店員に聞いても分からないことの方が多いだろうと 思われますので自分で調べましょう。搭載されているチップのメーカが分からないものは買わない方がよいでしょう。

(2) CPU パワー
Winmodem に使われるチップには様々なタイプがあります。DSP(Digital Signal Processor)を搭載せず従来ハードウェアで行っていた信号処理を Pentium などのCPUで処理するHSP(Host Signal Processing)タイプのものは、ある程度の CPU パワーが必要です。例えば Zoltrix という会社の PHANTOM 56K という HSP チップを積んだWinmodem のマニュアルには Pentium-200 MMX かそれ以上が必要と書いてあり ます。

(3) マザーボードで互換チップセット搭載の機種では Windows 上でも動かないことがある、ものもあるようです。ショップで確認するとよいでしょう。

(4) 電話回線がトーンダイアル(ピッポッパ)ではなく、パルス式(パラパラパラ) の場合、動作しないものもあります。これは外国と日本ではダイアリングの仕様が微妙 に異なるためだろうと思います。ショップで確認するとよいでしょう。

現在、パソコンショップでよく見かけるのは Lucent, PCTel, Conexant (Rockwell) のチップを搭載したものです。どれを買えばよいかは、このドキュメント全体を参考にご自分で判断して頂きたいと思うのですが、敢えて言うならば私のお勧めは Lucent です。また、現状(2001年1月末時点)では Conexant (Rockwell) には手を出さないのが無難です。



4.モデムチップ
Winmodem 用チップのメーカには、Lucent, PCTel,  Intel(元Ambient Technology、元Cirus Logic), ESS Technology,  Conexant (Rockwell) , Motorola, 3Com(US Robotics), IBM などがあります。
ノートパソコンの内蔵モデムの場合など、どんなチップが載っているのか分からない!というときに PCI接続なら、
# cat /proc/pci
# scanpci -v
# /sbin/lspci -v
とすれば、メーカ名や型番が表示されるものもあるので試してみて下さい。これ以外にも Linmodem/Winmodem の情報を得たりテストをする方法が、Linmodem-HOWTO に書いてあるのでご覧下さい。もちろん動くという保証はありませんので、あなた自信の責任において試してみて下さい。そしてその結果を教えて下さい。このページで公開したいと思います。
 
メーカ
ノートパソコンの機種名(型番)
モデムチップ
動作確認の結果
(ドライバ)
報告者
COMPAQ ARMADA  M-300 Lucent

linux568.zip
"きくやの若旦那"
http://www.anim.ne.jp/~kikuya/
DELL ---------------------- --------
----
----------
IBM ThinkPad 240
(Model 2609-43J)
Lucent
◎ 
linux568.zip
"ピーモン"
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley/7244/
NEC ---------------------- --------
----
----------
SHARP ---------------------- --------
----
----------
SONY VAIO note PCG-SR9/K CONEXANT
Software Design 2000年11月号52頁
SOTEC ---------------------- --------
----
----------
東芝 SS 3330 (B5 サブノート) LUCENT
江後田さんのHPより
http://www.linet.gr.jp/~egota/SS3330.html
東芝 Dynabook SS DS60P/1N8M LUCENT
Software Design 2000年11月号50頁
Panasonic Let's Note CF-B5R PCTel
Software Design 2000年11月号48頁
Panasonic Let's Note CF-M1ER LUCENT

linux568.zip
http://www.bagley.org/~doug/cfm1/


5. Linux 用ドライバ一覧
あなたがお持ちの、またはこれから買おうと思っているモデムが「ハードウェア モデム」なのか、あるいは「ソフトウェアモデム」や「PCI モデム」「コントローラレス・モデム」などのいわ ゆる "Winmodem" なのか、さらに Linux 上で動作する "Linmodem" なのかは、 "Winmodems are not modems" のホームページに様々なモデムの膨大な一覧表が あるので、それを参照して下さい。 (Linux/Modem Compatibility Knowledge Base という項目です)

"Linmodem" のドライバとして、2001年1月下旬の時点で "Winmodems are not modems" のホームページ等で入手可能な Linux 用のドライバには、以下のよう なものがありました。使用しているチップのメーカで分類しました。

(1) PCTel Micromodem [バイナリのみ]

MODEM.zip, pctel.zip, hsp56-linux-1.tar.gz, hsp56-linux.zip
(2) Lucent LT Winmodem 用 [バイナリのみ]
linux565a.zip, linux568.zip, LucentPCI-1.1-1.i386.rpm
(3) Lucent LT Winmodem 用 [ソース付き、GPL]
ltmodem_0.9.8
(4) Cirus Logic (Ambient Technology) CL-MD5620DT [ソース付き、GPL]
CLModem-0.1.0.tar.gz, CLModem-0.3.0.tar.gz
(5) ESS ES56T-PI modems [バイナリのみ]
111.zip(PCI), linux111.zip(ISA)
(6)Conexant (Rockwell)   [バイナリのみ]
HSF_V1.01.02_K2.2.14.tar
(7) C MEDIA の HT8738AM というチップ[バイナリのみ]
http://www.matsonic.com/update.htm から、 ftp://211.21.23.205/modem-Linux.exe
(8) Intel (元Ambient Technology、元Cirus Logic) Ham モデム
2001年3月6日、Intel は MD563X, MD5628D の Linux 用ドライバ公開しました。
(9) Motorola SM56 モデム用ドライバ
2001年1月末現在、開発中です。
(10) IBM ThinkPad 600E/600/700 のACP モデム (Mwave) ドライバ[オープンソース]

6. PC Tel チップ用ドライバ
PCTel の WEB ページ http://www.pctel.com/ にある資料を調べたところ PCtel のHSPモデムのチップセットとして下記の 3種類があるようです。なお HSP(Host Signal Processing) という用語は PCtel の商標です。

(1) PCT1789  チップセット (PCT789T, PCT301D, PCT301L)
(2) PCT1789N チップセット (PCT789T-A, PCT303D, PCT303L)
(3) PCT1789W チップセット (PCT789T-C, PCT303D, PCT303W)

PCT301(または303) チップセットは、2つの16ピン小型パッケージ(SOIC)で 56k Modem のコアデバイスで、PCT301D はCODEC(変調復調) 、PCT301L は電話線とのインターフェースを担当し、PCT789 ASIC は PCI バスと CODEC シリアルインタフェース間のインタフェースとバッファリングを行います。

私は、Zoltrix という会社の PHANTOM 56K PCI DUALMODEM という商品名の HSP WINMODEM を買いました。上記 (2)の PCT1789N チップセット (PCT789T-A, PCT303D, PCT303L) を搭載しています。

パソコンの仕様は、マザーボード:PC CHIPS の M741LMRT、チップセット: SiS 620、CPU:
Pentium2-450Mhz,  メモリ:192MB で 、電話回線はパルス式です。

前述のように PCTel 用ドライバとして以下の 4つがありました。
(a) MODEM.zip (AMR: Audio Modem Riser)
(b) pctel.zip (PCI)
(c) hsp56-linux-1.tar.gz (AMR, PCI)
(d) hsp56-linux.zip (Zoltrix PHANTOM)

(a)はダウンロードしていません。
(b)(c)(d)は圧縮形式が異なるものの中身はほとんど同じようなものです。
但し、(b) $B$O (c) (d) より各ファイルのサイズが大きくドキュメントは入ってませんでした。
(c) と (d) はドキュメント以外は同じファイルで、(c) の方がドキュメントは更新されていました。

[結果]動きました。

ドライバに付属のドキュメントを翻訳し[訳注]として PPxPの設定などを付け加えておきました。

hsp56-linux-1.tar.gz のドキュメントの翻訳
[感想]初期化に時間がかかります(ダイアリングを開始するまで10秒ぐらい)。ちょっとトロいなぁって感じ。


7.C MEDIA の CMI8738 (HT8738AM) チップ用ドライバ
私が持っている PC CHIPS の M741LMRT というオールインワンのマザーボードは HT8738AMというチップが、はんだ付けされています。このチップ1個でサウンドとモデムの機能があり、サウンドの方は Linux用ドライバがありますが、モデムの方は今のところドライバが無いので Linuxでは使用できません・・・と、2000年10月末まで書いていました。

が、モデムドライバが無いというのは 真っ赤な嘘、大間違い で実は CMI8738 の Linux 用モデムドライバは1年前 (1999秋頃) から存在していることが分かりました。これは Turbo Linux ユーザのメーリングリストでの議論の中で判明しました。

CMI8738 のチップの写真が Linux Magazine 2000年11月号59頁に 出ています。HT8738AM/PCI は、型番の上側にSound PRO と書いてあって Sound の S がト音記号、Sound の d が音符で、その横に電話の絵が描いてあります。http://www.watch.impress.co.jp//akiba/hotline/990529/etc.html  に写真があります (私の LAN のチップは DAVICOM DM-9102 です) 。HT8738AMは、C  MEDIA社の CMI8738 の OEM またはセカンドソースではないかと推測します。
私は、CMI8738 (= HT8738AM) と PCTel modem チップは全く別物だと思っていたのですが、後述の cmpci-4.03.tar.gz というサウンドドライバの中に入っている Configure.help の説明に「CMI8738 は PCTel モデムのインタフェースを持っている」と書いてありました。また、http://www.cmedia.com.tw/doc8738.htm  に CMI8738 の資料があり、"support PCtel HSP56 (1789)" および "Built-in PCtel HSP56 Modem interface" と書いてあります。また、チップ内のブロックダイアグラムも書いてあります。

ドーターボードには PCT301D + PCT301L が載っています。つまり前記 (1) PCT1789  チップセット (PCT789T, PCT301D, PCT301L) PCT789T の代わりを  HT8738AM がしているというわけですね。

私の思い込み、認識不足、調査不足が原因の誤った情報で、これまでに多くの方をがっかりさせてしまったのではないでしょうか。どうもすいませんでした。反省および謝罪します。ぺこぺこ。


私は、この CMI8738 (= HT8738AM) , PCT301D, PCT301L という組み合わせのモデムに関して、以下の 3つのテストをしました。

(1) 最初に、以前入手し PC-Tel のモデムカードで動いた実績がある linux568.zip だけで試してみましたが、これは駄目でした。

(2) 次に linux568.zip と http://www.cmedia.com.tw/8x38/linux/cmpci-4.03.tar.gz の組み合わせを試しました。

cmpci-4.03.tar.gzは、 CMI8738 用のサウンドドライバ(カーネルモジュール) ですが、ダイアルトーンを聞こえるようにするオプションがあると、付属ドキュメントに書いてあるので試してみたのです。cmpci-4.03.tar.gz のカーネルモジュールの作成がすんなりいかず、エラーが何度か出て Config.in を修正したり、make xconfig でのパラメータの指定を変えてみたりと、色々と手間がかかったのですが、結局このドライバでは動きませんでした。私のやり方が、何か間違っている可能性もありますが、よく分からないので断念しました。

cmpci-4.03.tar.gz のビルド/インストール方法
(3) どうしたものかと途方に暮れていたのですが、あらためて Linmodem-HOWTO を読み直したところ「PCTel にはいくつかのドライバが存在するのでだめなときは、他のものを試してみたら」ということが書いてありました。そこで winmodems are not modems のページにある MODEM.zip というのを入手しようとしたのですが、何故かダウンロードできません。かわりに http://www.matsonic.com/update.htm から、
 ftp://211.21.23.205/modem-Linux.exe
 というのをダウンロードしました。このファイルは、Linux 用のドライバなのに何故か DOS/Windows の自己解凍型式なので Windows 上で解凍してから Linux に持ってきました。できたファイルの改行コードは DOS/Windows の CR/LF ですが Unix の LF に変換しなくても使用できました。気になる方は、変換しておくとよいでしょう。

[結果]動きました。但し、ダイアルトーンは聞こえません。カントリーコードの指定や、サウンドドライバのパラメータなど色々試したのですが結局よく分かりません。ダイアル時にトーンが聞こえると何となく安心できるのですが、聞こえなくてもモデムとしての動作、つまり回線に接続しデータの送受信はうまくいっているので、これでよしとします。

カントリーコードの指定:
電話のダイアルトーン(ピッポッパとかパラパラパラという音)やビジートーン(話中音、ツーツーツー)、アンサートーン(接続時の音)等の周波数や間隔などの規格は国によって微妙に異なります。PCtel のHSPモデムは各国毎に適切な値を設定できるようになっています。
modem-Linux.exe のドキュメント(README.TXT)の翻訳

8. Lucent チップ用ドライバ
PCTel 製チップを搭載したモデムが動いたので、続いてLucent チップ搭載モデムを試してみました。
GVCというメーカのF-1156IV/A2A という型番の製品で、
■Lucent の1646T00 と 1034AH-J という2つのチップが載っています(Mars-2 と呼ぶ)。

Lucent には、これ以外 のチップもあります。
■ HV90P-T と 1034AH-J という2チップ構成のものがある。動作するようです。
■ 1641B というチップは Luna と呼び、このチップも動作するようです。

Lucent 用のドライバは、前述のようにバイナリのみの linux565a.zip, linux568.zip, LucentPCI-1.1-1.i386.rpm  と、ソース付きで GPLの ltmodem_0.x.x がありますが、私はこの中で linux568.zip というのを試してみました。

ZIP 形式って DOS/Windows で、しかも海外製のフリーウェアとかシェアウェアでよく使われるやつでしょ、Linux で展開できるの?と思われる方がいるかもしれません(実際にあるメーリングリストで、そういう質問を見ました)。心配ご無用、Linux にも unzip コマンドがあります。

$ unzip  linux568.zip

で展開できます。

(ついでに言うとZIP 形式で圧縮するのは zip コマンドです。また、LZH形式用の lha コマンドも含めこれらは全てデフォルトでインストールされているはずです)

[結果]動きました。

ドライバに付属のドキュメントを翻訳しました。なお、最初オリジナルのドキュメント(英文)に書いてある通りに実行したのですがエラーが出てドライバをインストールできませんでした。この翻訳版ドキュメントには、[訳注]としてインストーラの修正方法や PPxPの設定なども付け加えておきました。

linux568.zip のドキュメントの翻訳
[感想]PCTel と違って tkppxp の Connct ボタンをクリックすると、すぐにダイアリングを開始します。Good です。

9.ESS チップ用ドライバ
111.zip のドキュメントの翻訳
2000年9月、このチップを搭載した Winmodem をアプライドというパソコンショップが、通信販売で売っているという情報を得たので、早速入手しました。綺麗な化粧箱に入っているものの、メーカ名も型番も一切書いてありません。正体不明のいかにも怪しい!感じがたっぷりです。

箱の中には Windows 用ドライバの CD-ROM と 9cm×18cm の小さな紙切れが1枚入っていてそれが唯一の説明書です。それには日本語で「ESS  ES56STH-PI  Data Fax Modem ドライバインストールマニュアル」と書いてありました。(あれっ、申し込みしたときの商品名はES56STS-PIだったけどなぁ?)

基板には ES2838S というチップが載っています。ESS のホームページにはこのチップのことは出ていませんでした。

このモデムカードの裏面シールには、MODEL:  F-1156IV/E1D  と、FCC  PART 68 REG.No:  DK4  CHN-35079-M5-E
という番号(FCC  ID)が印刷されています。このFCC  ID をたよりに、Winmodems are not modems のホームページにあるモデム一覧表を検索してみたところ、これはGVCというメーカの製品であり、また、このモデムカードは今のところ Linux  での動作確認はされていないということも分かりました。

ところで、このFCC  ID の4番目〜6番目の文字(上記ではCHN)はたぶん製造した国のコードだな?ということに気が付きました。(CHN:中国、DNK:デンマーク???、HKG:香港、FRC:フランス、GTB:英国???、JPN:日本、KOR:韓国、 MLA: マレーシア、 PHL:フィリピン、SNG:シンガポール、TAI:台湾、THA:タイ、USA:米国、WS:???、ってとこかな。他にもあるけど省略)

111.zipというドライバはES56-PIファミリーのES56T-PIというモデル番号のチップセット(即ちES2898S,ES2828F/P)をサポートしているようですが、このドライバでES2838Sというチップが動くかどうかは未知数です。

111.zipというドライバをUNZIPコマンドで展開して、インストールしようとしたのですが、下記のようにエラーが出てインストールできませんでした。

[laser62:root /home/kawa/winmodem-ESS] # insmod -f esscom.o
esscom.o: unresolved symbol tty_get_baud_rate_R8e49bd36
esscom.o: unresolved symbol tty_hung_up_p_Rdc891c9e
esscom.o: unresolved symbol interruptible_sleep_on_Rc0f2a9fa
esscom.o: unresolved symbol tty_flip_buffer_push_Rabeed08a
esscom.o: unresolved symbol __wake_up_Rb2c45411
esscom.o: unresolved symbol tty_register_driver_R9a666159
esscom.o: unresolved symbol tty_unregister_driver_Ra61e8501

上記エラーメッセージ中のR8e49bd36といった16進数は、カーネルシンボルのアドレスで、例えば
# /sbin/ksyms -a | grep tty_get_baud
のようにすると表示されます。

これは、モデムドライバ(カーネル2.2.12でコンパイルされている)と私の環境のカーネル(2.2.14)のバージョン不一致に起因しているものと思われます。この件について私が翻訳中の Linmodem-HOWTO の原作者 Sean M Walbran に問い合わせてみました。彼は、この Linmodem-HOWTOに添付されている、fixscript というバージョンの相違による問題を吸収するスクリプトの作者Mark Spieth に、私のメールを転送しました。

すると、数時間後に fixscript をバージョンアップしたものが添付された、Linmodem-HOWTO version 0.25 がリリースされました。私と Sean は新しい fixscript を試し結果をフィードバックし議論するということを1週間の内に何回か繰り返しました。そしてようやく上記のエラーは、出なくなりました。

[laser62:root /home/kawa/winmodem-ESS] # ./fixscript esscom.2212.o esscom.o
Fixscript V1.21
(以降のメッセージは省略)

よーし、これでOKと思って insmod したのですが、
[laser62:root /home/kawa/winmodem-ESS] # insmod esscom.o
esscom.o: init_module: Device or resource busy

ありゃりゃ? デバイスまたはリソースがビジーって、何のこっちゃ? 試しにモデムカードを何もささずに、動作実績のある LUCENT チップのドライバを insmod すると同様のエラーが出ました。ということは、このメッセージはモデムを認識できない場合に出るのだな、ということがわかりました。でも何故? これはたぶん、esscom.o というドライバはES56T-PIというチップセット(ES2898S, ES2828F/P) はサポートしているが、ES56STH-PI (ES2838S) はサポートしていない、ということなのだろうと思います。これはあくまでも推測です。

今のところ、これ以上はどうしようもないのでギブアップ!です。ES56STH-PI (ES2838S) 用のドライバが出るまで気長に待つことにします。


10.CONEXANT (Rockwell) チップ用ドライバ
このチップを搭載した数種類の Winmodem を ソフマップや DOS/V パラダイスなどで見かけました。私が買ったのは、AOpen の FM56-PM という型番のモデム(チップはRH56D/SP-PCI)です。FAX 機能、モデム機能、ボイス機能があると箱に書いてあります。ボードには、2つのモジュラージャック(Line と Telephone)以外に、スピーカ端子とマイク端子が付いています。ボイス機能って何だか知らないけど、どーせ使わないだろうから取りあえずペンディング。
新しいドライバーが出ています。 http://www.olitec.com/pci56kv2.html
- Kernel 2.2.14 PCI_56K_V2_K2.2.14.tar.gz
- Kernel 2.2.16 PCI_56K_V2_K2.2.16.tar.gz
- Kernel 2.2.17 PCI_56K_V2_K2.2.17.tar.gz
このドライバがあるWEBページはフランス語ですが、インストールのスクリプトが目立つように分かり易く書いてあります。

ドライバ:HSF_V1.01.02_K2.2.14.tar のインストール方法

このドライバは、2000年9月22日に初めて公開されました(正確には公開されているのが「発見」された日です)。このドライバには、マニュアルがありません!が、とりあえず以下のようにすればよいようです。

展開:#  tar  zxvf  HSF_V1.01.02_K2.2.14.tar
          (拡張子が .tar.gz ではなく .tar ですが中身は .tar.gz のようです。従って上記のコマンドでOKです)
インストール:# ins_all
アンインストール:# rm_all

私が、これを試してみたところ・・・

# ./ins_all
hsf_linstall failed(255). check hsf_linstall.log.

というエラーメッセージが表示されました。 hsf_linstall.log というログファイルを見たら

lin_hsf.inf
No matching INF file found!!!

となっていました。このエラーは ins_all から呼ばれる hsf_linstall.pl というスクリプトの中で、lin_hsf.inf ファイルに書かれている内容をサーチした結果によって表示されます。lin_hsf.inf ファイルの最初の方に、

[Genelic]
%HSFModem%  = ModemX, PCI\VEN_127A&DEV_2014&SUBSYS_2014144E
という行がありますが、この中のベンダーID、デバイスIDが
# cat /proc/pci
# scanpci -v
# lspci -v
で表示される数値と異なっています。そこで私が買ったモデムの値に合わせて
%HSFModem%  = ModemX, PCI\VEN_14F1&DEV_1036&SUBSYS_103614F1
と変更してみました。

そして再度
# ./ins_all
としたところ、今度は以下のようなエラー(翻訳しました)が出ました。

dbgscr_mod.o: kernel-module の version が mismatch だよん。
dbgscr_mod.o は kernel version  2.2.14-5.0 用にコンパイルされているけど
このカーネルは version  2.2.14-12LL1 だぞ。
なっ、なんだよ、そのぐらいE〜ぢゃないか、同じ 2.2.14 なんだから。細かいことゆーなよ、融通がきかない奴だなぁ、少しぐらいの違いは多目にみて仲良くやってくれよ、と言いたいところです。が、所詮は繰り言。らちがあかないので、ins_all ファイルの
insmod -m なんたら・・・
という行を全て
insmod -m -f なんたら・・・
としてみました。-f は「ごちゃごちゃゆうな。黙って言われた通りにやれ」という強制(force)オプションです。全部で12箇所あります(if 文の中に2つある)。

さぁ、もう大丈夫だろう、3度目の正直だ、と思って
# ./ins_all
としたら、今度はなんと
Segmentation fault
が出ました。うぇ〜ん(涙)。おかしいなぁ?

というところで、現在はここで止まっています。但し、これは、あくまでも私のマシンでの結果です。他の環境ではうまくいく可能性があります。このモデムをお持ちの方は試してみて下さい。そして、結果のいかんに拘わらず、どうなったか教えて欲しいなぁと思います。



[以下は、大阪の松尾さんから頂いた報告:2000年10月16日
LASER5 Linux 6.2 でメルコの IGM-PCI56K というWinモデムで試したところ、 lin_hsf.inf ファイルと ins_all ファイルの内容を上記と同様に修正し、エラーメッセージが出ずにインストールが終了した、とのことです。ところが、その後がうまくいかず、今のところまだ動作していないそうです。


[以下は、古久保さんから頂いた報告:2000年10月20日
マシン:SONY  vaio C1XG。OS:vine linux 2.0 カーネル 2.2.14.1vl6

1.  lin_hsf_inf の修正

%HSFmodem% = ModemX, PCI\VEN_14f1&DEV_1036&SUBSYS_103614F1

2.  hsf_linstall.plの最初のほうの
@VenderID =();
@DeviceID =();
というのを
@venderID = ("14f1");
@DeviceID = ("1036");
と修正。

3.  ins_all の内容
insmod -m -f のように、-f を追加

結果は、myserial.o: unresolved symbol というエラーが出る・・・とのことです。

う〜む、症状は三者三様ですね〜。

参考になる情報として linmodems.org のメーリングリストのアーカイブ ttp://linmodems.org/cgi-bin/ezmlm-cgi/1 があります。 Conexant のモデムが動かないという相談が多く寄せられています。不具合の現象も色々あるようです。動いたという報告も稀にありますが・・・

2001年1月中旬、このメーリングリストにマザーボードの BIOS 設定で "OS type" をWindows から Other に変更したら動いたという報告があったので私のパソコンで "PCI/Plug and Play Setup" というメニューの"Plug and Play Aware O/S" が Yes になっていたのを No に変更してみたのですがだめでした。

このように現状では、私だけでなく世界的にも動かないことの方が多いようなので実用的に使いたいと思う人には新たに購入することはお勧めできません。但し、動く可能性もあるのでチャレンジ精神旺盛な方は是非とも人柱になって日本での動作報告第1号を狙って欲しいですね。



11.Cirus Logic (Ambient Technology) チップ用ドライバ
CLModem-0.3.0.tar.gz のドキュメントの翻訳
CLModem-0.3.0は、Cirrus Logic (Ambient) CL-MD5620DT DSP ベースコントローラレスモデム用の (しかし、たぶん他のいくつかのモデルでも動作する)Linux カーネル・モジュール・ドライバーです。

[お願い] このチップを搭載した Winmodem を試してみたいと思っています。ショップで売られているのを見かけた方は教えて下さい。


12. Intel (元Ambient Technology、元Cirus Logic) Ham モデム用ドライバ
2001年3月6日、Intel は Intel v90 Data/Fax Host Accelerated Modem (HaM)用 Linux ドライバを公開しました。チップ名は MD563, MD5628D です。2001年3月時点で、このチップを搭載したモデムが日本のパソコンショップで売られているかどうか知りません。私は、このドライバのベータテスタに応募し動作することを確認しました。モデム基板上にはMD5628DとMD1724Tという2つのチップが載っています。

MD563X, MD5628D のLinux 用ドライバ
http://developer.intel.com/design/modems/support/drivers.htm



13.Motorola  SM56 モデム用ドライバ
2001年1月末現在、Motorola は Motorola SM56 AC-L Linmodem ドライバを開発中です。
http://www.motorola.com/networking/products/sm_56ac-cnr/


14. IBM ACP モデム (Mwave) ドライバ[オープンソース]
ThinkPad 600E/600/700 で動作するようです。

http://oss.software.ibm.com/developer/opensource/linux/projects/mwave/

どなたかこれを試してみてレポートして頂けないでしょうか。


15. FAXも使おう!
ダイアルアップ接続でFAXモデムを使用しているけど FAX 機能は全然使ってません、という人が多いのではないでしょうか? 実は私自身もちょっと前までは、そうでした。Winmodem にも普通のFAXモデムと同様にモデム機能以外に FAX の機能が付いています。Winmodem のモデム機能が Linux 上で動作するようになったら、次のステップとして FAX にもチャレンジしてみましょう。

LinuxでFAXを使おう


16.このページ (Winmodem/Linmodem) の履歴
第1版:2000年8月21日 初版
第2版:2000年8月31日 Cirus Logic (Ambient Technology) ,ESS, CONEXANT (Rockwell) チップとドライバに関するごく簡単な情報を追加。Linmodem-Mini-HOWTOのポインタ。
第3版:2000年9月25日 ESSのドライバ中間報告,  CONEXANT (Rockwell) のドライバ情報
第4版:2000年9月26日 CONEXANT (Rockwell) のドライバ動作報告第1号(VAIO PCV-S500 )
第5版:2000年9月29日 CONEXANT (Rockwell) のドライバ動作報告(VAIO PCV-S500 )の誤りを訂正。 同ドライバの実験中間報告。
第6版:2000年10月1日 ESSチップ用ドライバ実験結果
第7版:2000年10月17日 Linmodem-Mini-HOWTO の翻訳、CONEXANT (Rockwell) のチップの情報追加、その他。
第8版:2000年10月19日 ノートパソコンの内蔵モデムの情報を少しだけ追加
第9版:2000年10月21日 CONEXANT (Rockwell) の情報を少し追加
第10版:2000年11月2日 C MEDIA の CTI8738(HT8738AM) チップ。PCT1789 チップセットの情報追加。
第11版:2001年2月3日 Linmodem-HOWTOの最新版に追随して翻訳を更新。Conexant, Intel, Motorolaの情報を追加。「FAXも使おう」のセクションを追加。
第12版:2001年2月14日 IBM がThinkPad 600E/600/700 のACP モデム (Mwave) のドライバをオープンソースで提供しています。
第13版:2001年3月6日 Intel がMD563X, MD5628D のLinux 用ドライバを公開しました。
第14版:2001年3月18日 Panasonic のノートパソコン CF-M1ERの動作報告を追加。
第15版:2001年8月 6日   FAXに関する内容を別のページに作成したことに伴い、内容を大幅に削除。

雑感:この Winmodem/Linmodem のページの使命 (?) が終わる日が早く来ることを期待しています。それは、各種 Linmodem のドライバがオープンソースになり、各 Linux ディストリビューションをインストールするとモデムを自動的に検出し、それにあったドライバが自動的にインストールされるようになった時です。

連絡先:このページの内容に関する問い合わせ、動作報告などは kawagisi@yk.rim.or.jp にメールをお送り下さい。

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2.Linuxでスキャナを使おう   3.GUIのメールソフト、Nmail
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