類似石（るいじせき） (simulant)

組成、構造に関わりなく、外観だけが他の宝石に似ている場合、これをその宝石の類似石（シミュラント）という。

人造物の場合も、また天然石でより高価な天然石を模す場合もあり、後者の例としてはダイアモンド類似石としての無色のジルコン（天然石）が挙げられる。

模造石、イミテーションの類義語。

類似石が最も多く流通しているのはダイヤモンドであり、キュービック・ジルコニアはその代表的なもの。

近年、ダイヤモンド・シミュラントとして販売されるアクセサリーの説明に「人造ダイヤモンド」といった記述も目にするが、これは誤り。「人造ダイヤモンド」といった語感からは人が作ったダイヤモンド意味をくみ取れるが、キュービック・ジルコニアにせよ鉛の含有量を増やして屈折率を上げて輝きを強くしたガラスにせよ、ダイアモンドとは組成も構造も全く異なる別物であるからだ。「人造ダイヤモンド」として販売が許されるのは天然ダイアモンドと素材も構造も同じである合成ダイアモンドだけということができる。