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屈折率 (くっせつりつ)
(refractive index)

空気中の光の速度と、宝石中の光の速度の比。

宝石ごとに屈折率はほぼ一定であり、宝石種ごとに通常異なる。故に、屈折率の測定は宝石鑑別に役立つ。

屈折率の測定には屈折計を用いるのが普通であるが、ある程度なめらかな表面がないと測定できない、あるいは1.81(屈折液の屈折率であり、これ以上高い屈折率の宝石は測定できない。1.78までしか測定できない屈折液もある)までしか測定できないなどの制約がある。他に、限界値がないレーザー測定器(複屈折率は測定できない)、アパレントデプス法、浸漬法がある。

 高い屈折率→輝きが増大

屈折率が高い程、臨界角は小さくなる。これにより宝石に入射した光が、宝石の裏面(パビリオン)から漏れずに観察者の目に戻ってくる量が増大するため、輝きの強い宝石となる。

 高い屈折率→分散が増大

光が宝石表面に対して垂直以外の方向から宝石中に入射した場合、その光は法線寄りに曲がる(屈折)。この曲がり方は屈折率が高い程大きくなる。白色光はスペクトルカラーの色光が混ざり合ったものだが、それぞれの色光ごとに屈折率は異なるため、屈折が生じるとスペクトルカラーに分解される。大きく屈折した方が、つまり屈折率が高い程より色光はより広く分解されるため、宝石から観察される虹色の光、分散は強くなる。それ故、屈折率2.42のダイアモンドの方が、1.54のロッククリスタル(無色透明のクオーツ)よりも分散が強く観察され、ダイアモンドの美しさの源のひとつとなっている。


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