CubeXの使用感


所感

(2013/09/17)
 導入してから約3ヶ月(保証も切れる)が経とうとしているのだが、個人的にはその価格とは不釣合いなソフトウエアの為、本来の能力を出し切れていないように感じている。
 もう少し造形データ生成での設定項目があれば造形能力も向上し、より詳細な造形が可能と思われる部分が多々見られるのである。
 3Dプリンターとしては、初めての導入であり、造形というものにもあまり携わることが無かったのだが、少々、物足りなさを感じてしょうがないのである。
 そこで、他の3Dプリンターとの比較をしてみたくなり、主にフロントエンド関係を調べてみたのだが、CubeXのソフトウエアとは比べ物に成らないほど出来の良いものが存在していることが分かった。G-code生成能力(設定の融通さや品質)や表示能力、編集機能など、優れたものが多々あるのである。
 このような結果から、今は最低でも内部の埋め方について、新たな形状を追加して欲しい事と、造形速度も選択式にして、速い(荒い)、普通、遅い(詳細)位は選べるようにして欲しい。
 現状の装置では、造形スピードが速いことが売りだとは思うが、出来上がる造形物の品質が悪ければ本末転倒である。
 是非、次回のソフトウエアのバージョンアップでは考慮して頂きたい所である。

(2013/09/19)
 色々と他のFDM方式の3Dプリンターを物色しているのだが、どうもCubeXの造形品質はクラス的には底の方に位置するようである。造形サイズはクラストップではあるけれど、それだけの様な気がしてならない。
 導入時は、造形装置としてかなり期待をしていたのだが、残念ながら現状ではその期待に答えてくれていない状況である。
 そもそも、この装置に使用されているヘッドのノズル径が少々時代遅れの世代であること(冒険をしない事は別な形で品質維持に繋がるのだが)や、処理能力のスペックが低いと思われるコントローラ(CPUやメモリー、電源周り等)が挙げられる。
 ファームウエアのバージョンアップ等で改善出来ればよいのだが。
 やはり、金額に見合ったスペックであって欲しいのが本音である。

(2013/09/25)
 個人的な使用感としては、日常で「こんな小物があったら便利になるな」と、思いついたら3DCADでデザインして即3Dプリントアウトする事が出来るのは、大変気分の良いものである。
 今までだと、アイディアがあってもそれを現実にするには、先ずそれに使えそうな既存の物を探したりする作業が必要で、大抵の場合、見つかる事が無いか異常に高く付いたりなど、あまり満足できる結果が得られなかったのが実状である。また、自分で工作するにしても、材料集めや必要な小道具などを揃える事や作成作業など、無駄になる時間の方が多かったりしていたのである。
 その点、既製品などにはないオリジナルなデザインが可能な環境と、それを現物にする事が出来る3Dプリンターの組み合わせは、今のところ大げさではあるが最高の組み合わせである。
 まだまだ色々な改良が行われて、より良いものが出現して来るのであろうが、便利な小物作りにはCubeXは実に役に足っている。

(2013/11/02)
 最近になって、CubeXの造形データ生成時に"*.BFB"ファイルを残す様になり始めた。内容はテキストファイルでG-codeファイルそのものの様である。このファイルはCubeXのソフトウエアで読み取る事が出来るので、編集した内容をCubeXのソフトウエアに読み込ませて、再度、保存すれば、"*.cubex"のファイルを創造する事が出来るかもしれない。これで小細工が可能になるかもしれないが、まだ確認していない。この確認作業をする前に、ソフトウエアのアップデート案内があり、アップデートでの動作状況を確認中である。今回は、ヘルプ機能が追加されている。

 *.BFBファイルは、CubeXのソフトウエアに読み込んでも、*.cubeXファイルでは保存が不可能であった。しかし、本体側でも*.BFBファイルが読み取り可能で、ファイル選択が出来、造形も正常に行われることが確認できた。
 試しに、一部を変更して読み込ませて変更通りに動作する事が確認できた。これで、色々と小細工が出来そうである。

(2013/11/03)
 本日は、*.BFBファイル内の不要と思われる項目を削除し、更に0.05mmピッチで造形が可能か挑戦し、満足の行く結果を得る事が出来た。
 後は、他のスライサーを利用して適切なコードが出せる様に工夫をしようと考えている。

(2013/12/01)
 色々とフリーのスライサーを調べているのであるが、CubeXで扱うSTLの細部の保持力は、他のフリーのスライサーを圧倒するレベルである事が再認識できた。しかし、この保持力が造形に良い結果をもたらす場合は良いのだが、無駄になる場合もあるので注意が必要である。
 CubeXでは、細部を保持して表現するがあまり、単にフィラメントの吐出しが行われるだけの重複な造形物の塊を積み上げる場合があり、ヘッドの移動の邪魔をする事もあるのだ。
 フリーのスライサーのSTLの細部の扱いのレベルが低いのには残念でならない。有料であれば、より良い物があるのであろうか?調べる必要がある。

(2014/05/23)
 最近の不満であるが、フィラメントの吐出しのノズル径である。
 やはり、φ0.5mm以上もあるノズル径では、造形物の仕上がりの品質が著しく低いのである。SCOOVO C170を保有しているので、この装置との造形物の仕上がりの違いは明白であり、出来る事なら近づけたいのである。
 ホットエンドそのものを小径の物に交換するのが早いのだが、そもそもCubeXに取り付けられる小径のホットエンドの入手が困難そうなので、既存のホットエンドのノズルの孔を塞いで、小径に空け直す方法を試みようとしている。
 現状3ヘッド構成ではあるが、1ヘッドしか利用しない方針にしているので、少なくとも1ヘッドはお試し出来るので、トライしてみようと考えている。
 但し、初期状態のホットエンドの構造が不明なので、一応新品のホットエンドは計測用に注文してある。また、事前に他の物で孔を塞いで耐熱や耐圧力に対応出来るか、孔を加工出来るかなど、確認と練習も必要なので準備中である。
 もっと、簡単な方法があるかもしれないが、ド素人のやる事なので、目を瞑ってほしい。

(2015/01/14)
 昨年の事であるが、年末近くに小径ノズルのホットエンドを入手する事が出来て、より詳細な造形物を得る事が出来る様になった。また、ヘッド1のフィラメントの供給状況の不具合で利用出来なくなっていた事も、今年に入り擬似信号を生成する暫定対策で克服する事も出来た。
 まあ、万全ではないにしても利用価値には変化ないと云ったところである。
 道具は使ってなんぼなので、対策できる間は動き続けてくれよ〜。

(2015/02/22)
 最近、新たな小径ノズルのホットエンドを手に入れた。ノズルの構造も異なるが、今までのホットエンドは全てオールメタル製で、今回のものはMerlinで、内部にPTFEチューブが入っていて、バレルも同樹脂(PEEK)製なので、熱源と隔絶しているタイプとなる。
 吐出しも非常に安定しているし、ノズル先端が細いので、吐出し直後の樹脂の冷却が効率よく非常に綺麗に造形できている。
 最初からこの様なノズルが取り付けられていれば良かったのにと思うのだ。

 今後は、このタイプのノズルでの造形状況を確認していこうと思うのだが、これ位の品質で造形出来るとすると、導入当初に思い描いていた事が実現できるのではないかと考えてしまう。


 hkora11は、昔、会社勤めの頃は、生産技術の仕事もしていたし、その関係上、製造設備も見る機会があったり、治具設計や設計ルール作り、製造装置への制御データ作り等にも携わってきた。また、CAD(2D、3D、電気系など)やワークステーション(UNIX)の操作や管理、システム開発等も行ってきた。最終的には商品設計での組み込みプログラムの開発等も行ってきた経緯がある。


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