SCOOVO C170の使用感


所感

■ 最初の印象

(2013/11/05)
 導入して間もないのだが、最初の感想であるが、これが20万円もする装置なのかと思うほど、動作がぎこちない。スマートスライドレールを採用して云々と謳われているが、駆動するモーターやベルト関連や制御ボード関連は大丈夫なのだろうか?、少々心配である。


基板は、RAMBo v 1.1bみたい(2014/07/24情報)
RAMBo wiki

(2014/07/29)
覗き用カメラで隙間から撮影してみた。
やはりRAMBo rev 1.1bでした。でも、ファームウエアは弄っているみたい。

 造形に関して言うと、CubeXを見過ぎている性もあるが、恐ろしく遅いのである。スライサーも10倍時間がかかれば、造形も10倍時間が掛かるのである。造形時間はスライサーの設定で少しは改善できると思うが、どこまで改善できるかこちらも心配である。
(2013/11/14)
 この時点の確認では、アドバンス設定での造形時間は同等かより速く造形が出来そうであるが、品質は微妙。また、1時間近く連続動作造形していると、エクストルーダ内へのフィラメントの供給が滞り、積層が継続できなくなる不具合が出る。多分、まだエクストルーダー内の加熱関係で、フィラメントが送り出せない症状がある。
 休み休み造形をするか、より速度を落とす必要がありそうだ。

 これと比べると、CubeXが50万円の価値がある事が納得できる。

 造形品質であるが、この程度であろうというところで、こちらもスライサーの設定で改善できると思うので、調整して行こうと思う。

 先ずは簡単な所で。

(2013/12/22)
 本体の修理調整完了後の感想であるが、動作音としては修理調整前の上下移動時の「カチコーン、カチコーン」というチープな音は無くなり、スムーズに動くようになっている。また、上下移動用のネジも歪の少ないより硬性な材質の物に交換されているようである。
 待機位置への移動時の「ドン突き」もなくなり、位置出しも安定しているようである。

■ 筐体の唸り

(2013/11/14)
 アドバンス設定を利用して、造形を確認しているのだが、造形速度が少々速めなのか、筐体のパネルの共振が起きて大きな音を発する。筐体のパネルの止め位置が四隅なので、中間位置は内外に自由に動ける状態なのでスピーカーモドキなのである。
 この共振に関しては、何らかの固定で防止できるが、これぐらいは予期して設計して欲しかった。とりあえず、テープか何かで固定しようと思う。

 振動の発生源がエクストルーダなので、振動を防止するのは困難なようだ。何か手立てが無いか模索中である。
 『臭い物に蓋』ではないが、アクリルパネルで少しは低減できるかな?

(2013/12/30)
 装置の唸りだが、造形速度が遅くても特定の共振がある様で、症状が出る事がある。
 箱状に囲まれている事が根本原因なのであろう。

■ ヘッドカバーは諸悪の根源である

(2013/11/14)
 見栄えの良いヘッドカバーであるが、熱篭りや振動での共振関係等、無い方が造形に有利である事が確認できたので、取り外す事にした。
 造形最中の確認もし易くなり、ストレスが解消された。
 まだまだ、問題がありそうな装置であるが、『かんたん設定』で使用する分には、そこそこ使用できるレベルと思われる。

(2013/12/30)
 諸悪の根源と書いてみたが、上記の問題に関しての原因ではない事が判明しているので、残るは造形確認がし辛い点でのストレスだけとなるも、これも慣れ次第というところである。
 カバーで造形物が影となり確認し難いが、別途、LEDライトを装置内に設置したので多少は改善している。また、強制空冷の為のファンを設置したので、直接ヘッドに風が当たるのを多少なりとも防げる訳であるから、あえてカーバーは取り付けていた方が良い状態となる。

■ 取扱説明書問題点を参照

(2013/11/15)
 優れた取扱説明書というものは殆ど無いと思うが、あまりにも実用的な話での説明が無さ過ぎるように思われる。
 造形を始めると、トラブルだらけで、事前にCubeXでの造形経験が無いと、二進も三進も行かなくなる状況に遭遇する。
 個人的に、色々な経験がある私でさえ途方に暮れる状況なのである。初めての人は、怒りが込み上がるのも無理はないかもしれない。
 何だかんだいって、トラブルを回避しているが、もう少し実例を交えたトラブルシューティングの紹介をした方が良いように思う。
 他人に頼っていてはいけない。

■ 機械的精度問題点を参照

(2013/11/15)
 本装置の機械的精度であるが、CubeXと比べて一桁位低いように感じる。目に見えて造形面の細かな揺らぎがあり、誤差の大きさを感じるのである。
 残念ながら、造形装置としてはダメレベルである。
 色々と追い込みをしようとしていたが、装置の誤差が大きいのでは、追い込むどころか緩和する方向に設定値をいじるしかない。
 少々期待し過ぎたようだ。
 測定した訳では無いが、X-Y軸が大体±0.1mmで、Z軸も大体±0.1mmで、原点管理でのZ軸の位置出し精度が±0.5mm位に感じる。
 とにかく原点管理がかなりいい加減な様で、毎回、ベッドとヘッドのギャップが異なるのである。
 装置の価格が18万円(税抜き)もするのは、どうもボッタクリの様である。

(2013/11/27)
 とりあえず、この精度に関しては、メーカー修理という事で、修理上がりに期待したいと思う。
 問題点のところにも記載しているが、問題の発生原因が明確なので、対処可能であろうと思われるのである。
 そろそろ、箱詰めして発送の準備をしよう。

 ところで、『品質管理』には時間を割いてほしいと思うのである。組み立てたら発送の流れはやめてほしい。

(2013/12/22)
 本体の修理調整完了後の確認であるが、上下移動用のネジも歪の少ないより硬性な材質の物に交換されているようである。
 調整も適切に行われている様で、以前の様な目に見えて造形物が揺らぐ様な状況は発生しなくなっている。

■ 実稼働一ヶ月後の感想

(2014/01/16)
 導入直後と調整修理、年末/年始での非稼働状態を抜くと、ほぼ稼働している状況が約一ヶ月となった。
 今までの造形状況からすると、宣伝文句と価格は別にして装置としては一通りの能力はありそうである。
 造形ピッチも想定以上のものまで造形可能な状況である。
 しかし、フロントエンドのバージョンアップ対応の遅さや造形直後の造形物の冷却機能の不足などが感じられる。
 フロントエンドは本家のRepetier-Hostを使用する事で対応可能であるし、冷却の為の改善等はなんとか自前で対策可能であるので良しとしたいが、如何せん宣伝文句と価格を考慮すると文句の付け所だらけであるのは否めない。

 最初に導入したCubeXの造形は太り気味に造形されるのと比べると、SCOOVO C170では設計状態と同等か少々痩せ気味に造形されるので、設計時のサイズ修正の考慮はあまりしなくても良いのはありがたい。

■ 実稼働三ヶ月(導入四ヶ月目)位の感想

(2014/03/02)
 色々と勉強になった装置である。色々なスライサーの確認には大いに活躍してくれている。これで、CubeX側での造形にかなりのフィードバックが出来る。
 何だかんだ問題があるとの報告があったが、ほとんどは自己完結で対策できるレベルのものが多かった様に思うが勘違いか?

 とりあえず、まだ保障期間があるので、本家に嫌われる前にもう少し粗を出したいと思うのである。

■ 導入してもうすぐ一年での感想

(2014/10/19)
 月日の経つのは早いもので、C170を導入してもうすぐ一年になるが、導入当初から1ヶ月近くの里帰りがあったので、実稼働としては十ヶ月という所か。
 その間に、新モデルが相次ぎ、目まぐるしく展開が早い様な気がしているが、なんらかの販売テクニックなのだろうね。
 で、二度程里帰りさせてそこそこのレベルまでに調整してもらっていると思ったのだが、どうもある人のレポートを拝見するに、まだまだ改善の余地がありそうなのである。
 だが、今のメーカーに調整依頼しても、作業して改善するとは思えないので、あとは自力で何とかするしかないだろうね。
 個人的にも改善する為の作業を行って、より良い状態にしているつもりだけど、所詮は簡単な弄りしか出来ないから、やれる事に限度があるけど。
 そもそも、ある程度の造形能力があれば、必要とされる造形物が得られるので、高望みをしなければ現状で満足できるレベルではある。
 但し、値段相応かといえば、高い買い物をしたような気がするが、それは致し方ない。何せCubeXを使いこなす為には必要だったのである。
 道具は使いこなしてこそ役立つのだから、切磋琢磨が絶えない。

■ 保証切れになってから

(2015/04/13)
 C170を導入して既に一年半を過ぎたが、当然ながら保証は切れているので色々と装置に小細工をしている。
 最近の挑戦はホットエンドを交換したことなのだが、純正品ではラインナップされていない上、汎用品を拒む構造であった為、どうしても専用品を加工するなりして取り付けられる状況にしなければならない状況だった。
 最初は、専門の加工屋さんに試作してもらおうと思い加工屋さん探しをしていたのだが、よくよく考えたら色々と集めていたパーツを組み合わせることで、オリジナルに近いホットエンドを組み上げる事が可能だと判断し、実際に組み上げて取り付けてみたのである。
 状況は良好で、オリジナルのホットエンドよりも扱い易くなったのだ。
 汎用品を使用したことでノズル径も選択できるようになったので、今後はより小径のノズルでの造形に挑戦できる状況となる。
 まあ、ここまでオリジナルから変更してしまうと、もう別物の装置として扱うべきだろうが、大した変更でもないので改造目的であれば、金額的に5,000円も掛からない範囲でかなり良い造形装置に化けることだろう。


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