盂蘭盆会・施餓鬼法要   ◎来る 七月十三日  午後一時より

   ◎ 施餓鬼会の始まり 阿難尊者物語  施餓鬼の始まりについて、阿難尊者の物語があります。阿難尊者は、 多聞第一といわれお釈迦さまの十大弟子のひとりでした。静かな森の中 で、座禅をしていたある夜、突然、やせ衰えて口から火をはく、餓鬼が 現れ「おまえは三日後に死んで我々と同じ餓鬼道に生まれ変わるだろう。 もし、そうなりたくなかったら餓鬼道で苦しむ我々に食べ物を施し、三 宝に供養すれば、その功徳によって汝は救われるだろう」といって去り ました。阿難は驚くとともに、この供養をするだけの力がありませんで した。そこでお釈迦さまのもとへ、いったのです。お釈迦さまは阿難に 「修行僧に施餓鬼会の法要を営んでもらいなさい。施餓鬼棚に新鮮な三 海の食べ物をお供えし、修行僧のお経の法力によって小量の供物は無量 の供物となり、すべての餓鬼へ施されます。そして、多くの餓鬼は救わ れ、その施主も長寿を得られ、尊いお経の功徳によって、仏道の悟りが 開かれるであろう」阿難は、さっそく言われた通りにすると、命は助か り、のちに悟りを得て、長生きしたと言われています。   私達は日頃、なにげなく口にしている肉や魚・野菜などの生き物の命 をうばって生きています。この生き物の命を尊び感謝する心、そして、 施す喜びを知るために施餓鬼会は始められたのです。  お寺の施餓鬼会に参加することは、日常の生活を省みる点でも大切な ことです。    ◎ 盂蘭盆会のはじまり 目連尊者物語  お盆の始まりについては「盂蘭盆経」というお経の中に目連尊者の物 語があります。お釈迦様の弟子のひとりに神通力第一という目連尊者は、 お母さんの猛反対を押し切って出家しました。お母さんが亡くなって、 しばらくしたある日のこと、お母さんは今どうしているだろうと思い、 神通力でお母さんの姿を見てみました。すると、餓鬼の世界に落ち、物 を食べることも、水を飲むこともできず、苦しみで骨と皮とにやせおと ろえ腹はふくれ、ふた目と見られぬ姿でした。目連はおどろき、なき叫 びながらお母さんのところに駆けつけたのです。 お母さんは目連が持 ってきた食べ物を口に運ぼうとするのですが、たちまち火となって燃え 上がってしまうのでした。 これを見て悲しんだ目連は、なんとかお母 さんを救うことはできないものかとお釈迦さまにたずねました。  この話を聞いたお釈迦さまは「目連よ、お前の母は生前、人に施すと いうことをしなかった。だから餓鬼道に落ちたのす。母の罪は非常に深 く、お前一人の力では救うことはでない。七月十五日、修行僧が長い厳 しい修行を終える日ですこの日、すべての修行僧の徳を讃え、清らかな 食事を施しなさい。そうすれば修行僧たちは、御先祖や餓鬼で苦しんで いる者のために喜んで回向してくれるだろう。この功徳によってお前の 母や餓鬼道で苦しむ多くの者は全て極楽に生まれ変わる事ができよう」  目連尊者は、お釈迦さまのこの教えに従ってお母さんを救うことが出 来たのです。  これがお盆「盂蘭盆会」のはじまりで、「盂蘭盆会」のときに施餓鬼 (せがき)を行なうのが、仏教徒の年中行事の一つとなったのです。    ◎ お盆の迎え方                              まず、盆前に墓・霊堂の掃除を行います。そして、十三日までに精霊 棚をかざります。精霊棚は家に帰ってきた精霊が安置されるところで、 四隅に青竹を立てた台の上に真菰莚を敷いて、先祖の位牌を中心に、供 物、灯火、盆花、香、水などをそなえます。(飾り方参照) 十三日に は、墓所や門口で迎え火をたき、先祖を家まで案内します。たくものは 地方により、おがら、麦わら、松明などが使われます。お盆の期間かそ の前後に、棚経といって各家々の菩提寺からお坊様に来ていただき読経 をします。この一年間に死者の出た家では、新盆とか初盆といって、親 戚知人を招いて、ていねいな行事を行います。 盆の終わりの十六日に は、精霊送りが行われます。精霊棚の供物一切を蓮の葉に包んだり、わ らで編んだ容器に入れて海や川に流します。 先祖が乗って帰るように と、馬(迎えは早く)を形どったきゅうりや、牛(帰りはゆっくり)を 形どったなすを流したりもします。また、灯篭流しや精霊船など、にぎ やかに行う地方もあります。打ち上げ花火も、もともとは精霊送りの行 事だったといわれています。夕方に門口で送り火をたいてお盆は終わま す。  お盆には、先祖の霊をまつるだけでなく生きている父母に感謝し供養 する行事も本来含まれています。私たちはお盆の暖かい心をいつまでも 大切に伝えたいものです。

年間行事予定



1月3日 午前11時・午後2時
 「初参り祈祷会」

3月21日 午後1時
 「春季お彼岸法要」

5月初旬 午後2時
 「大黒祭り」

9月23日 午後1時
 「秋季お彼岸法要」

11月3日 午後1時
 「日蓮大聖人報恩お会式」

年間を通じて「水子供養」「交通安全・家内安全・ 厄除け・地祭り等各種祈祷」を行っております。


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