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多形 (たけい) / 同質異像(どうしついぞう)

polymorphism


同じ化学組成で、結晶形が異なる現象を指す。

原因は結晶化が進んだ環境の温度と圧力の違い。

同質異像という漢字の中で「質」は化学組成を、「像」は結晶形を指す。すなわち

 同質=同じ化学組成
 異像=異なる結晶形

類似語の類質同像と混同する学生諸氏もいるが、漢字の意味を考えれば両者の区別は容易だろう。

英語で同質異像を意味するpolymorphismの場合、接頭語“poly”は「複数の」、“morph”は「変形させる」を意味する。すなわち「複数に変形させる」を意味し、日本語と同じく同質異像の意味を単語で良く表している。

同質異像の例として代表的なのはダイアモンドとグラファイト(石墨)。共に炭素(C)からだけ構成される元素鉱物だが、両者の結晶構造が異なる。ダイヤモンドは等軸晶系(立方晶系)だが、グラファイトは六方晶系で炭素が結晶化している。

多形のその他の例としては次を挙げることができる。

石英 - クリストバル石 - 鱗珪石

シリマナイト珪線石) - アンダルサイト - カイアナイト

アラゴナイト霰石・あられい) - カルサイト


因みに、日本からベトナムに持っていったアコヤガイが、生息環境の違いによって異なる性質になるといった際もpolymorphismというが、漢字は多型を当てることが一般的。


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