ジェムランド

ナチュラル
(natural)
当たり前の事ながら、ジュエリーに用いるダイアモンドはダイアモンド原石を研磨したものであるが、研磨済みダイアモンドの表面をよく見ると、原石の一部が研磨されることなく研磨済みダイアモンドの表面に残されていることが多い。これをナチュラルという。
 
ダイヤモンド グレーディングではブレミッシュに分類される。
 
グレーディングに慣れないとエキストラ ファセットと混同しやすいが、研磨面であるエキストラ ファセットは完全に平坦であるのに対し、ナチュラルは原石表面が未加工のまま残されたものであるから写真のように凹凸がある。またナチュラルからはトライゴンなどのグロース マークが観察される事もある。両者の識別で判断に迷った場合には、石を傾け表面を光らせた状態で表面の状態を判断すると良い。
 
尚、インデンテッド ナチュラルはナチュラルのように平坦な特徴ではなく、より深い特徴で、こちらはインクルージョンに分類されナチュラルとは区別される。
 
一般的な略号は“N”。
 
ナチュラルは通常ダイアモンドのクラリティには影響を与えない。従って、原石を無駄にせずに、なるべく多くの重量を研磨石に残した場合にナチュラルが発生する事が一般的である。この為、ダイアモンド研磨職人はナチュラルの事を自身の腕が良いことを証明(英語でプルーフ:proof)した証であるとし、プルーフと呼ぶ場合がある。ナチュラルがなぜ原石からの歩留まりを良くした証明なのかを考えるには、正方形に中になるべく大きな円を書く事を想像して欲しい。大きな円を書こうとすると円の四隅が欠けてしまう。正方形をダイアモンド原石の断面と考え、円をダイアモンドのアウトラインと考える。大きな直径を持つダイアモンドを切り出そうとすると、必然的に四隅が欠けて、欠けた部分には原石の表面が残される。この欠けた部分がナチュラルである。ひとつナチュラルが見つかると、その反対側にもナチュラルが有ることが多いのはこの為だ。

ダイヤモンド原石の表面

>> インクルージョン
>> インデンテッド ナチュラル
>> エキストラ ファセット
>> ダイアモンド
>> トライゴン
>> ブレミッシュ

 


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