マクル
(macle)

フランス語でマクル(macle)といえば双晶全般を指すが、宝石学では空晶石、あるいはダイアモンドのスピネル双晶を指す。これは、平たい三角形で、「にぎりめし」のような形状をしている(写真)。
 
宝石品質のダイアモンドの多くは4つの平行な面を持つ八面体をしているが、マクルはこの内の一つの面{111}で、片側が180度回転した形状である。
 
ただ、このように単純に片側が回転した状態だと3ヶ所の凹みができるはずであるが、凹入角効果により凹入角部分の成長は早いので、写真のように「にぎりめし型」となる。
 
マクルは双晶であるから、双晶面に現れるインクルージョンの一種、トゥウィニング ウィスプがしばしば観察される。マクルは歩留まりを考え、ファンシーカットダイアモンドに加工されるが、ファンシーカットダイヤモンドからトゥウィニング ウィスプ観察されることが多いのはこの為。
 
空晶石(カイアストライト)
スピネル
双晶
ダイアモンド

 


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