ここが雨ならばオレは帰るといっていた場所、祈りが通じたか、なんと快晴。スペインはこうじゃなくっちゃ!。まだ夜が明け切らぬ(といっても午前7時、スペインは夜明けが遅いらしい)コスタ・デル・ソルを出てミハスへと向かう。
ツアー旅行の悲しさか、ミハスの滞在時間はなんと40分!おみやげを買って、トイレを済ますとほとんど時間はありません。妻はここでロバに乗るのを楽しみにしていたがそんな時間もない。それに到着したのがまだ朝が早かったせいか(やはりこっちの人たちは朝は遅いらしい)ロバの用意もまだできてないようだ。後ろ髪を引かれる思いでバスに乗り込むのだった。
◎ロバも人も朝は苦手らしい。
◎そのロバもかなりトシをとっているみたいで妻が乗ったらかわいそう。
晴天は続き、旅行のプログラムは滞りなく進みます。セビーリャの街や寺院を見学し、今日も一日が終わったな、と宿に向かうバスの中にいると、他のツアー客が何やら噂がたっています。どうやらバルセロナで見逃した闘牛が見られるかもしれないというのです。添乗員さんがいうことには、チケットが手に入る確立は半々ぐらいだが何とかなるかもしれない、ただ、このツアーとは無関係なので各自で闘牛場に行き、見て帰ってこいとことです。期待が膨らむ一方、不安もあります。ホテルで待っているとチケットが手に入ったという情報が入り、何人か行くことになりました。我々も参加します。席番号の見方を教えてもらい、闘牛場に入ると、そこはもう興奮のルツボ!日本の野球場と同じで、人がワイワイやっていて、ビールや水の売店は大混雑。始まる前から頭がクラクラしそうです。午後6時、ファンファーレとともに闘牛が始まりました。放たれた牛はとても大きく強そうです。まず、馬に乗った人が出てきて槍で牛を突き、興奮させ、少し弱らせます。このとき、あまり弱らせると観客からブーイングがでるのだそうです。そして闘牛士の登場。彼らはスペインではヒーローで、いかに格好よく牛をさばくかを競います。約10分程牛と戦ったあと、「真実の瞬間」というとどめをさします。(剣で牛を突き殺すこと)牛が絶命すると観客は立ち上がり牛が馬に引かれて退場するのを見送ります。この時、我々は周りの人たちが急に立ち上がるのでつられて立ってしまいました。あとで聞いたのですが、牛は闘牛士以上にヒーローで、勇敢に戦い死んでいったその魂に対して敬意を表す意味で立ち上がるのだそうです。ただ牛を殺すのではなく一つの文化として闘牛があるというのをこの時知りました。
◎死んだ牛は即座に食肉用に解体されてました。
◎ドキドキして見たけれど興奮はできなかった。(文化の違いかな)
◎奥さんは最初のうち牛がかわいそうだと泣いてました。
青い空、白い雲、赤い土、延々と続くオリーブ畑。訪れる前に見ていたガイドブック通りの風景がそこにある。グラナダはヨーロッパではない、と思わせてくれる。建物の意匠もイスラムの影響が出ていて不思議だ。そこに暮らす人たちもフランスやイギリス人と違い日本人がいうところの「外人さん」といったイメージはない。親しみやすく気さくな感じがした。聞いたところによると、スペインは階級社会で貧富の差がはっきりとしていて、その職業に就くと一生その仕事に従事するらしい。パン屋ならパン屋、コックならコックと彼らはその仕事にプライドを持っていて、たとえば、料理を食べたあとに「おいしかったよ」というととても喜ぶのだそうだ。グラナダの空を見ていると日本でセコセコ働いている自分が馬鹿らしくなったりしました。
◎でも、ぼちぼち日本食が恋しくなってきた。
◎この空は日本にはないね。