第11章 欧米における近代社会の成長
1.産業革命 p.217〜
ア.世界最初の産業革命
伴って起こった経済的・社会的な変化であり、c
資本主義社会 を確立させた変革。
→ 産業革命と並行して、アメリカ独立革命とフランス革命という市民革命がおこった。
このことを
二重革命ということもある。
1.
海外市場の獲得 重商主義政策を展開 →17世紀にはオランダと、18世紀には
フランスとの抗争に勝利。北アメリカ大陸・インドなど、広大な植民地を獲得。
17世紀からのa
三角貿易 の利益を蓄積。→ 資本を蓄えた産業資本家が成長。
→ イングランド銀行(1694設立):ロンドンの▲g
シティ で国債や証券市場が形成される。
=都市人口の増加に対応した穀物の増産を目的とする。
→大地主が土地を農業資本家に貸し出し経営させる営利目的
→農民は土地を失い、d
賃金労働者 として農場か、都市に流入。
4.その他の条件
・17世紀以降の自然科学と技術の進歩。
・f
イギリス革命 の進行:ブルジョアジーの政治的基盤である議会政治が成立。
→市民が経済的自由を獲得
−133−
イ.機械の発明と交通機関の改良
17世紀末、東インド会社を通じb インド産綿布 を輸入 → 毛織物に代わり
綿織物の需要が増える。(キャラコ論争)→ イギリス国内の木綿工業起こる。
原料の綿花は三角貿易で新大陸から輸入 → 綿織物技術改良が必要となる。
1733年 c 飛び杼:ジョン=ケイ → 綿織物の生産量増える。→ 綿糸不足
1764年 d 多軸(ジェニー)紡績機:ハーグリーブス 多量の糸を同時に紡ぐ
1769年 e 水力紡績機:アークライト 新たな動力を導入
1779年 f ミュール紡績機:クロンプトン 糸の強さと均一さ増す
1785年 g 力織機:カートライト 蒸気力の利用による綿織物の増産
1796年 アメリカのh ホイットニー:綿繰り機 綿の種子除去を容易にする
→ アメリカ南部の綿花生産の急増 → イギリスへの綿花の輸出増加。
▼
18世紀初め、a ニューコメン が鉱山の排水用ポンプを発明。
1769年 b ワット が改良 → 水力に代わり紡績機、力織機の動力に利用される。
→ 資本家が多数の労働者を雇用し、c 機械制工場 を建設、大量生産を行う。
=d 資本主義 の生産形態が一般化。
▼
・c 石炭業 なども飛躍的に発展。
18世紀前半:▲d ダービー父子 によるコークスを利用した溶鉱炉処理。
▼
18世紀後半 国内輸送路としてa 運河 の建設が進む。
19世紀 陸上輸送機関はb 鉄道 、海上河川輸送はc 蒸気船 が出現。
鉄道 1804年 ▲d トレヴィシック が蒸気機関車を発明(実用化されず)。
1814年 e スティーブンソン 実用的蒸気機関車を試作。
1825年 f ストックトン・ダーリントン 間で実用化(石炭輸送のため)。
1830年 g リヴァプール・マンチェスター鉄道 、営業開始。
蒸気船 1807年 h フルトン が考案 →1819年 サバンナ号 大西洋横断成功。
19世紀のi 交通革命 → 世界規模の経済圏の出現
▼
19世紀中頃までに世界的な規模での資本主義社会が形成された。
ウ.産業革命の波及
1.イギリスは圧倒的な工業力を誇り、a
「世界の工場」 と言われるようになる。
→ ナポレオン戦争後、イギリスは機械技術の輸出解禁 → ヨーロッパ諸国に波及
2.他の諸国の産業革命
19世紀前半 b
ベルギー 1830年独立 鉄・石炭資源が豊富。
〃 c
フランス、 はじめ高関税政策とり、イギリスに対抗する。
→ 革命により小農民が増え、工業労働力が不足、資本の蓄積も進まず、
工業化の速度=資本主義発達の速度は遅かった。
19世紀後半 d
ドイツ 、e
アメリカ 国家的保護のもと重工業・化学工業が発展。
→ 20世紀初頭、イギリスを追い越す。 → 帝国主義戦争の主役に
19世紀末 f
ロシア 、g
日本 国家的な保護のもと、工業化を推進
→ 農村の後進性が残り、矛盾が強まる。→革命の勃発か、国家主義へ傾斜
イギリスの植民地への搾取の強化 →アジア・アフリカ・ラテンアメリカへの武力支配
→19世紀 反植民地運動、民族運動が始まる。
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エ.資本主義体制の確立と社会問題
1.a
機械制工場 の出現 → 大量生産と大量消費の進行→ 手工業・家内工業の没落
3.a
労働者階級の形成 :工場への労働者の集中 → 労働者の団結、自覚が高まる。
c
資本家 =利潤追求のため低賃金、長時間労働を強制
─┐
├→ 階級的対立
d
労働者 = 高い賃金と労働時間の短縮を要求
─┘
→ 労働者の階級意識がうまれる → 労働者の団結 → e
労働組合 の結成
→ イギリス政府の対応 1799年,1800年の▲f
団結禁止法 → 対立激化。
一方で、機械の普及によって従来の手工業者が職を失い、生活苦に陥る。
1819年 h
ピータールー事件 起こる。マンチェスターで穀物法(後出)反対集会を開いた
労働者を官憲が襲撃する。
−135−
