世界史ノート 第9章2節

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2.ルネサンス               p.173〜   

ア.ルネサンス

 ルネサンス  
  時期:a 14世紀 に始まり、b 15世紀 が最も盛んで、c 16世紀 に衰退する。
  地域:d イタリア とe ネーデルランド に始まり、西ヨーロッパにひろがる
   意義:f 人間性の自由・解放を求め、個性を尊重しようとする文化運動  
   意味:g ギリシャ、ローマの古典文化 を手本としそれをh 再生 するということ
   精神:人間らしい生き方の探求=i ヒューマニズム(人文主義、人間主義) 
  背景:j 封建社会 がくずれ、商工業が発展してきたこと
 イタリア・ルネサンス  
  ★研究:ルネサンスがイタリアに始まった理由を考え、4点にまとめよ。
  a ローマ古典古代の伝統           b ビザンツ・イスラムの文化の接触    
  c 都市社会の発達と豊かな市民生活    d 大商人・ローマ教皇などによる保護   
 ルネサンスの最盛期     14〜15世紀のイタリアは、フィレンツェ、ミラノ、
    ヴェネツィア、ジェノヴァの各共和国とナポリ王国、ローマ教皇領に分裂。
  a フィレンツェ  トスカナ地方の中心都市。東方貿易、毛織物生産、金融業で繁栄。
   b メディチ 家※ 金融業を営む大富豪で、1434年フィレンツェの実権を握る。
   ※15〜16世紀のコシモとその孫ロレンツォはルネサンス最盛期にその保護者となった。
    ▲c コシモ=ディ=メディチ はフィレンツェに▲d プラトン=アカデミー を開設した。
     ロレンツォ=ディ=メディチ は専制君主としてフィレンツェに君臨する。
     1453年e ビザンツ帝国 の滅亡後、ギリシアから古典学者が多く亡命、メジチ家の保護を受ける。
    f ミラノ  ロンバルディアの中心都市。毛織物生産、武器生産で繁栄。
     はじめミラノ公ヴィスコンティ家が支配、次いでスフォルツァ家が権力を奪う。
   g ローマ教皇   教皇ユリウス2世によるh サン=ピエトロ大聖堂 の修築。
     教皇レオ10世は、その費用を得るために免罪符を発行 → 宗教改革の発端。
 ルネサンスの限界      イギリス・フランス・スペインでは
  国王に保護され、貴族的な性格が強く、a 政治・教会・社会体制の批判には至らず 
    芸術面での革新にとどまった。
  しかし、次の宗教改革とともに、ヨーロッパの近代社会を生み出す前提となった。
 イタリア・ルネサンスの衰退   
  a イタリア戦争 1494〜1544年イタリアをめぐるドイツ・フランス・スペインの抗争
   →イタリアが荒廃し、文化の中心がイタリアからアルプス以北に移る。
  15〜16世紀 b 大航海時代 の到来 → イタリア諸都市の衰退
 

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★社会変革と新しい政治思想の芽生え
 フィレンツェの▲a サヴォナローラ の改革:ドミニコ派の修道士 
  メディチ家の腐敗やルネサンスの芸術を厳格な信仰心から否定。1494年イタリア戦争の勃発に乗じて
  フィレンツェの権力を握り、「虚栄の消却」を実行。ローマ教皇によって破門され、1498年火刑となる。
 ▲チェーザレ=ボルジア  教皇アレクサンデル6世の子。
   教皇領の拡大に努めた典型的なルネサンス型君主と言われる。
 b マキァヴェリ  (フィレンツェ):1513年頃c 『君主論』  を著す。
  16世紀フィレンツェでイタリア統一を指導する君主の出現を期待し、現実的な政治のあり方を説く。
 

イ.文芸と美術

1.文芸(文学)と思想
 ルネサンス文芸    14世紀 イタリアを中心に花ひらく
  a ダンテ    :フィレンツェの人、ゲルフとギベリンの争いにまきこまれ、
   追放されてラヴェンナで晩年を過ごす。1293年、『新生』を著す。
   1304〜21年b 『神曲』 をラテン語でなくc 口語(トスカナ語) で著す。
   カトリックの世界観にたちながら人間精神の解放を主張。
  d ペトラルカ   :人間の自由を唱った叙情詩人。『抒情詩集』など。
      フィレンツェ生まれだが諸国を遍歴、アヴィニヨンに滞在。
   e ボッカチオ  :(フィレンツェ)。1348〜53年f 『デカメロン』 人間の赤裸々
   な欲望を描く。近代小説の先駆。※1353年のイタリアでのペストの流行が描かれている。
    g チョーサー  :(イギリス)  イタリアに旅行しデカメロンの影響を受ける。
    1387〜40年 h 『カンタベリ物語』 を著し、中世末期の庶民生活を描く。
 ヒューマニストの活動    15〜16世紀 キリスト教的人文主義が隆盛
  a エラスムス  :15〜16世紀(ネーデルランド) b 『愚神礼讃』 を著し、人文主義
    によるカトリック教会批判を展開。ルターとは対立し、宗教改革には反対。
  c トマス=モア :16世紀初頭(イギリス) d 『ユートピア』 理想社会を描き、
    当時のイギリス社会を風刺。国王ヘンリー8世の離婚を批判して刑死。
  e ラブレー   :16世紀(フランス) 『ガルガンテュア物語』 社会の因襲を風刺。
  f モンテーニュ :16世紀(フランス) 『随想録』による人間性の探求。
 ルネサンス末期の文学   16〜17世紀 各国の国民文化が形成される
  a セルバンテス :16〜17世紀スペイン 『ドン=キホーテ』による封建制の批判
  b シェークスピア :16〜17世紀初め『ハムレット』『ベニスの商人』などで人間心理
   の葛藤をテーマにした演劇脚本作家。イギリス絶対主義全盛期のエリザベス朝の人。
 

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2.絵画・建築
 近代美術のめばえ    14世紀イタリア、フィレンツェを中心に開花
   フレスコ画から油絵技法へ
    a ジョット :13〜14世紀イタリア ダンテの肖像画、「聖フランチェスコの生涯」等
   b マサッチョ :15世紀イタリア c 遠近法 の確立。写実主義の基礎を築く。
     ギベルティ :14〜15世紀 彫刻家 「聖ジョルジョ像」
   ドナテルロ :14〜15世紀 彫刻での写実主義の確立。
 ルネサンス様式建築    ドームとギリシア風列柱の組み合わせによる建築様式。
    a ブルネレスキ :14〜15世紀 フィレンツェのb サンタ=マリア大聖堂 
  c ブラマンテ  :15〜16世紀 d サン−ピエトロ寺院 を最初に設計。
 ルネサンス美術の最盛期      15〜16世紀 イタリア
  a ボッティチェリ :15世紀 『ヴィーナスの誕生』 、『春』
  b ラファエロ  :15〜16世紀 『聖母子像』、『アテネの学堂』
  c ミケランジェロ :16世紀 『天地創造』、『最後の審判』、『ダヴィデ像』
    建築家としてはd サン=ピエトロ大聖堂 の建築に参加。
  e レオナルド=ダ=ヴィンチ  :15〜16世紀 『モナ=リザ』、『最後の晩餐』
    絵画だけでなく自然科学・医学も研究、ルネサンスのf 万能人 の典型。
 アルプス以北のルネサンス美術  
  ネーデルランド a ファン=アイク兄弟  :14〜15世紀 油絵技法を完成 フランドル派
    b ブリューゲル   :16世紀 農民を題材にした絵画。「農民の踊り」など
  ドイツ 15〜16世紀c デューラー 、「自画像」 d ホルバイン :「エラスムス像」

ウ.科学と技術

1.a 地動説  
  b コペルニクス  (ポーランド) 1530年ごろ天体観測に基づき地動説を主張。
  ▲c ジョルダーノ=ブルーノ (イタリア) 地動説・汎神論を説く。1600年焚刑。
   カトリックの世界観が動揺。→ 17世紀の「科学革命」へ
2.d 羅針盤    中国の宋 → イスラム商人 → 14世紀イタリアで改良
      →e 遠洋航海 を可能にする → 15世紀末 大航海時代
3.f 火薬    中国の元で実用化 → イスラム商人 → ヨーロッパに伝来
      → ヨーロッパでg 火砲(鉄砲) が発明される。→ 騎士の没落
4.h 活版印刷術   1440年 ドイツのi グーテンベルク ※が改良
    ※活字合金を鋳型で鋳造し、加圧式の印刷機で大量に印刷。
      → 聖書の大量印刷を可能にし、j 宗教改革 が広まる一因となる。
 

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