世界史ノート 第5章2節

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2.イスラーム世界の発展                    p.105〜 

ア.東方イスラーム世界

 トルコ人のイスラーム化  北アジア(トルキスタン)を原住地とする騎馬遊牧民。
 イスラーム勢力の進出の結果、次第にイスラーム化。(4章2節参照)
 9世紀頃 アッバース朝のカリフは、a マムルーク と言われるb トルコ人奴隷 を
 親衛隊として用いる。その後、イスラーム各王朝で白人奴隷が軍事力の中心となる。
 セルジューク朝    中央アジアに起こったトルコ人王朝。マムルークを採用。
 1055年 始祖a トゥグリル=ベク 、b バグダード に入城。アッバース朝のカリフから、
  c スルタン の称号(政治的支配者の意味)を得る。→イスラーム世界の政教一致の原則が崩れる。
  スンナ派イスラーム教としてシーア派のエジプト・ファーティマ朝と対立。
 11世紀末、マリク=シャーのとき、全盛期となる。
 主要都市に学院(d マドラサ )を建設。イラン人の宰相▲e ニザーム=アルムルク 
 が▲f ニザーミーヤ学院 開設、スンナ派の神学と法学を研究、思想統一に努める。
 イスラーム世界の拡大    イスラーム国家は分裂したが、イスラーム教圏は拡大。
 セルジューク朝の西方進出 1071年 ▲a マンジケルトの戦い でビザンツ帝国軍
  を破り、さらにイェルサレムを含むシリア海岸地帯に進出。ビザンツ皇帝の要請で
  →b 十字軍運動  始まる。
  → 小アジアのルーム=セルジューク朝など地方政権に分裂、衰退する。
  1194年 トルコ系イスラーム教国のホラズムによって滅ぼされる。
 中央アジアのトルコ系イスラーム王朝
  10世紀 c カラ=ハン朝  東西トルキスタンを併合し、イスラーム文化を導入。
   10世紀末 d ガズナ朝  アフガニスタンから起こり、北インドに侵入。
 モンゴルの侵入   1258年 モンゴルのa フラグ  、バグダードに入城。
 =b アッバース朝 の滅亡。カリフ制度消滅。カリフはエジプトのマムルーク朝に亡命。
  → イラク・イランを併せて、c イル=ハン国 を建設。マムルーク朝と対立。
 13世紀末 d ガザン=ハン イスラム教を国教とし、自ら改宗。モンゴル式税制から
   イスラム式税制に改め、農村の復興させる。→ イラン社会の安定。
   イラン人宰相ラシード=アッディーンを登用。
モンゴル人の支配のもと、e イラン=イスラーム文化  が成熟。

イ.バグダードからカイロへ

 アイユーブ朝     a サラディン(サラーフ=アッディーン) クルド族出身。
  1169年王朝樹立。71年、ファーティマ朝を倒し、エジプトにスンナ派を復興。
  1187年 b 十字軍  を破り、聖地イェルサレムを奪回。アラブの英雄とされる。
   → 第3回十字軍 イギリス王リチャード1世と講和。

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 マムルーク朝      アイユーブ朝でトルコ人奴隷軍団が勢力を伸ばす。
 1250年 アイユーブ朝を倒し、エジプト・シリアを支配。
 1260年 第5代スルタンa バイバルス 、シリアに侵入したイル=ハン国の
  モンゴル軍を破る(アインジャールートの戦い)。シリアから十字軍を駆逐。
  さらに、アッバース朝カリフをカイロに擁立、メッカ・メディナを保護下に置く。
 →生産の安定 →地中海・インド洋貿易(紅海経由)を独占→b カーリミー商人 (p.151)を保護。
 → 首都 c カイロ の繁栄。イスラーム世界の政治・経済・文化の中心地となる。
 ▲d アズハル学院 (ファーティマ朝に建設)新たなスンナ派イスラーム学の中心となる。
1517年 オスマン=トルコに滅ぼされる。

ウ.西方イスラーム世界の変容

 ベルベル人   のイスラーム化。北アフリカの先住民。
 11世紀 熱狂的な宗教運動起こりイスラームへ改宗すすむ。
 ムラービト朝     11c後半から12c前半 a マグリブ 地方のモロッコを中心に
  イスラーム教国を建設。都はb マラケシュ 。イベリア半島に進出。
 → アフリカの黒人王国のガーナ王国を滅ぼす。アフリカ内陸部のイスラム化すすむ。
 ムワッヒド朝     12c中頃〜13c中頃 都マラケシュ。
 イベリア半島に進出し、キリスト教徒によるa  国土回復運動 と対抗。
 ナスル朝       13c中頃〜15世紀 イベリア半島最後のイスラーム教国。
 a グラナダ のイスラーム文化栄える。代表例がb アルハンブラ宮殿 (14世紀)。
1492年 スペイン王国がグラナダを陥れる。→イスラーム教徒、北アフリカに移住。

エ.イスラームの国家と経済

1.a 貨幣経済 の発展 :ウマイヤ朝で、ディーナール金貨ディルハム銀貨が鋳造される。
 → ウマイヤ朝、アッバース朝は、都市と農村から、貨幣と現物の二本立てで徴税。
    → 官僚・軍隊には現金で給与を支給(軍人への俸給をアターという)
 9世紀b マムルーク 軍人の台頭→地方政権の自立、カリフ権の衰退→国庫収入減少。
2.a イクター制  :b ブワイフ朝 に始まり、c セルジューク朝 で発展。
 軍人に俸給を支払うのではなく、俸給額に見合う金額を徴収できる土地(イクター)の
 徴税権を与える制度。都市に住む軍人は代理人をイクターに派遣し徴税し、その収入で
 軍備をととのえ、参戦した。
 → セルジューク朝以降も広く西アジアでこの制度がとられることになる。
3.a ムスリム商人 の活動:地中海とインド洋のb 奴隷  香料  馬 などの交易。
 →インド・東南アジア・アフリカへのイスラーム教の拡大。


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