4.イスラーム文明の発展 P.112〜
ア.イスラーム文明の特徴
征服者であるアラブ人のイスラーム教と
アラビア語 ─┐
├─ イスラーム文明を形成
征服された西アジア諸民族の文化 ─┘
2.b
普遍的文明 であること。各地で受容され地域的、民族的特色を持つ文化が成立。
→イラン=イスラーム文化、トルコ=イスラム文化、インド=イスラーム文化など。
→ ギリシア文化を西ヨーロッパに伝え、d
ルネッサンス を開花させる。
イ.イスラームの社会と文明
1.a
都市の文明 :軍人・商人・知識人が居住する都市を中心に文化が形成される。
イスラーム法学やイスラーム神学をおさめた知識人をb
ウラマー という。
c
モスク (信仰・学問・教育の場)・学院(d
マドラサ )・e
スーク が中心。
→ イスラーム法に基づき、
ワクフ(寄付)によって運営された。
→イスラーム帝国の成立によって整備された交通路により、遠隔地に伝わる。
バグダード・カイロなどに製紙工場建設 → パピルスや羊皮紙にかわり紙が普及。
→ イベリア半島・シチリア島を経て13世紀にヨーロッパに伝えられる。
イラン系神学者
ガザーリーが理論化。形式的な信仰を排し、アッラーとの一体感を求め、
12世紀以降多くの神秘主義教団が成立。
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ウ.学問と文化活動
タバリー 9世紀のイラン系神学者、歴史学者。年代記的世界史『預言者と諸王の歴史』を著す。
都市と遊牧民の交渉を中心に王朝輿亡の法則性を探る。
などの文献がアラビア語に翻訳される。 → バグダードに「
知恵の館」を建設。
3.科学:a
インド から医学・天文学・数学の書物を学ぶ。
d
錬金術 ・光学などでの実験的手法がヨーロッパに伝えられる。
e
フワーリズミー (9世紀アッバース朝)代数学、三角法の創始。天文学の研究。
文学者としては『
ルバイヤート』(四行詩集)の詩人としても有名。
★研究:西ヨーロッパの科学にイスラム文化が大きな影響を及ぼしたことをしめすことば
にはどのようなものがあるか。
ガザーリー 11世紀 ギリシア哲学に学び、合理的客観的なスンナ派の神学を大成。
その著『医学典範』は16世紀までヨーロッパの医学校の教科書とされた。
c
イブン=ルシュド (アヴェロエス) 12世紀 コルドバ出身。アリストテレスの
著作をアラビア語に翻訳。さらに後にラテン語に翻訳されロジャー=ベーコンの研究を刺激。
5.文化活動
インド・イラン・アラビア・ギリシアなどの説話の集大成したもの。
モスク建築:ミナレット(光塔) イェルサレムのc
岩のドーム (ウマイヤ朝)
★研究:イスラム文化では、創造的写実的な絵画・彫刻は発達しなかった。それは何故か。
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