CubeXの問題点

目次

造形ズレ
フィラメントの断裂
TEMPERATURE ERROR Code:14
ABSでの0.1mmピッチ時の同一ヘッドでのサポート付造形
カートリッジ内のフィラメントの終端処理と実際の容量
ヘッドの移動時の一時上昇動作
ヘッド1のフィラメントの供給検出動作不良
バレル冷却ファンの個別動作出来ず
動作せず


造形ズレ

(2013/09/26)
 現状での最大の問題点は、装置側要因での造形ズレ発生である。
 この造形ズレの発生は現状色々と要因と思われる物を取り除くため対策を打ってみたのだが、明確な効果が無く、電源の投入直後での造形でも発生する場合があるので、非常に厄介である。
 コントローラー側での要因であれば、ボードの交換か何かで対策が可能なのであろう。また、位置の誤認識があるのであれば、ステッピングモーターの交換が必要であろう。更に、配線上でのノイズ関係であれば、シールド処理が必要であろう。
 何分、未だに問題発生の原因が突き止められていない為、明確な対策が打てないのが現状である。

 ただ発生し易いのは、造形ピッチが0.1mmで、割と複雑で動作に負荷が掛っている状況下で出やすい傾向があるが、確かではない。

(2013/10/14)
 現状の発生現象から推測するに、そのズレ量がZ軸の移動量に近い事が挙げられる。つまり、本来Z軸を制御すべきところを、X軸もしくはY軸の移動量に加減算されているようなのである。
 この誤動作が本体側由来なのか、もしくはUSBメモリーのデーター化け由来なのか、最近、USBメモリーを4GBのソニー製に交換してからは、発生が激減(今のところなし)しているような感じである。もしかすると、USBメモリーの相性が在るのかもしれない。格安のものは読み取り速度や何やらで問題有りかもしれない。
 ステッピングモーターの脱調現象とも考えられるが、ズレ量から見るに出ている現象とは食い違うように思われる。

(2013/10/21)
 CubeXのソフトウエアV1.06以降から、造形開始位置へのヘッドの動かし方が変更されているようである。サポートと本体の造形の切り替わりなどでは、ジェット・ワイパーからの開始位置までの動作が本体造形時のみ動きが遅くなっているのである。動作音が変化してしまうので、一時は故障したのではないかと疑いたくなる事があった。
 この様な動作変更でも造形ズレ防止に貢献しているように思われる。

(2013/11/01)
 ここの所、造形ズレには無縁であったが、本日再び発生してしまった。やはり、造形ズレは出てしまう様である。今回は0.25mmピッチ、PLAの白でサポート在りラフト無しの造形で、発生位置として高さ32mm付近から手前(Y方向)に約0.5mmズレて、そのズレ量を維持して造形を継続している。

(2013/11/06)
 造形ズレの防止対策として、幾つか試みたい事がある。
 この防止対策で造形ズレが解消出来ると良いのだが。

(2015/09/19)
 造形時の動作速度が遅ければ問題になら無いのだが、Y軸の移動時にシャフトとブッシュが摩擦で唸る場合がある。特に中央辺りを大幅に往復する場合の高速移動時はストレスがかかるようだ。
 多分、重量物であるヘッドの重みでシャフトが撓む所為だと考えられるが、高速移動時は撓みを補正しきれない状況が出るのだろう。
 3ヘッド構成の限界だろう。
 ちなみに昨日伺った所では、2ヘッド構成のDuoの使用でノーマルなCubeXの造形コードでも脱調などは起きていないようである。
 一応、別件で我が家のCubeXは修理に送らなければならない状況であるから、その辺りも調べてもらう予定ではある。

(2015/10/28)
 Y軸の移動時の問題が克服されているかは不明だが、初期モデルではケースとの接触があったようで、修理時にケースとの間にゴムのスペーサーが追加されてきた。今後、様子見である。

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フィラメントの切断

(2013/09/26)
 最近になって、残量が50%を切り始めたPLAのREDのカートリッジのフィラメントが、連続してカートリッジ取り出し口付近で切断してしまう現象が出てきている。
 導入してから約3ヶ月となり劣化が出始めたのか、リールの巻き付けストレスが原因か、はたまた品質管理面での問題かは分からないが、造形が正常に進まない状況なので、利用できないカートリッジとなりそうである。
 しばらくは様子見をするが、多発するようであれば、排除するしかなさそうである。

(2013/10/02)
 3ヶ月越えの残量が50%近くになっていたPLAのBLUEのカートリッジのフィラメントも、チューブ内で連続して断裂している状況が確認できた。チューブ内であったので、取り除くことが出来ないため、手動でヘッド側に押し込みながら断裂が無くなるまで押し込み続けることで難を脱したが、どうも品質管理上の問題ではないかと思われる状況である。巻き取り時にストレスを与える状態で巻き上げられているか、ネジレの蓄積かで現象が出ているような気がする。

(2013/10/12)
 PLAのBLUEのカートリッジのフィラメントがチューブ内で断裂している現象は上記でも記したが、対処が不完全で、内部に断裂の一部が残っていたらしく、ヘッド近くの急カーブを乗り越えられなく二重になってしまっていた。あまりにも短いために、後からフィラメントで押し出しても押し切れなく、引っかかったままとなってしまった。
 そこで、ヘッド部分のチューブの端を触ったところ、簡単に取り外し出来ることが判り、取り外して曲がりを緩くしてやる事で押し出しでの断裂フィラメントの取り除きに成功した。

チューブをヘッドから取り外す
詰まってしまったフィラメント
詰まっていたフィラメント 押し出しに利用したPLAの赤のフィラメント

 それにしても、3ヶ月も経つとPLAのフィラメントの粘りが無くなり巻き癖が取れず、チューブ内での直線部分で断裂を繰り返しているようである。このときも、カートリッジ内でフィラメントが切れていて、カートリッジをこじ開ける羽目になってしまった。カートリッジ内の構造も改善した方が良いと思われる。

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TEMPERATURE ERROR Code:14

(2013/10/03)
 造形時にサポートを必要とする場合に、同一のフィラメントで行う場合でも造形物本体とサポートでは、フィラメントの溶融温度がサポートを造形する場合の方が高い温度設定となっている。この為、本体とサポートの造形では、二層間隔でそれぞれの温度設定になるまで、一旦、ジェットワイパーの位置にヘッドを退避して温度設定の上下を行って、ジェットワイパー内にフィラメントを吐出してから造形を行う動作となっている。
 この為、ジェットワイパー内には二層毎にフィラメントの吐出しでのフィラメントのゴミが蓄積されるのである。
 これはこれで、無駄な動作と思われるのだが、問題は、設定温度まで上昇できずにエラーを発生させて造形を一旦、中断することである。エラー発生時の警告音も無く一時停止状態なので、気が着くのに時間がかかる。
 この現象が多発しているのは、ABSで造形ピッチが0.1mmの場合で、比較的小物の造形時で、サポートを必要とする造形物の場合である。PLAでは今のところ出ていない。
 今回は、造形の最終近くまでサポートの造形があるので、途中で造形を止めて、サポートが必要ないようにして造形を行うことで造形物を得ることが出来たが、サポートが必要な場合にはこの問題に直面することになる。
 何らかの対策が必要と考える。

(2013/10/21)
 CubeXのソフトウエアV1.07で改善がされているようである。

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ABSでの0.1mmピッチ時の同一ヘッドでのサポート付造形

(2013/10/21)
 CubeXのソフトウエアV1.07でも修正がされていない様なのだが、ABSでの0.1mmピッチ時の同一ヘッドでのサポート付造形では、サポート材の造形温度が本体の造形よりも温度設定が15℃以上も高温(サポートは265℃、本体は250℃)の為、必ず二層ごとに造形を切り替え、その度にジェット・ワイパーに退避して、温度設定を行いフィラメントの吐出しを行ってから造形を行う動作をする。この動作がサポート材の造形層が無くなるまで行われ続けるのである。
 上記のエラーコード14は出現する事が無くなっているようであるが、この吐出しがあまりにも無駄としか思えないのである。下手をすると、造形物以上にジェット・ワイパー内に吐出したフィラメントが溜まるのである。同一素材では、他の造形パターン(素材がPLAの場合や、ABSでも造形ピッチが0.1mm以外の場合)では、サポート材と本体との造形は温度設定など替えずに行っているので、何とかなると思うのだが。
 カートリッジが高価なので無駄なフィラメントの消耗は避けたいと考え、サポート無しになるような努力はしているが、サポートなしに出来ない場合もあるので、見直しをしてもらいたいものである。

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カートリッジ内のフィラメントの終端処理と実際の容量

(2013/12/15)
 カートリッジ内に格納されているフィラメントの終端は、金属のキャップで覆われていて、その終端がカートリッジから抜け出ない様な処置がされている。
 この為、最後の最後まで使用する事が出来ない処置がされている。
 使用環境にもよるが、チップの残量管理と食い違いが出る場合、チップ上の残量よりも実際のフィラメントの残量が少ない場合、造形途中でフィラメントの供給が滞り、ヘッドからフィラメントが吐出しされない状況で造形が継続される現象が起きる。
 造形開始時のチェックでは造形可能であるとして造形が開始されるが、実際は途中で積層が出来ないままの状態となるのだ。

 この点では、実際のフィラメントの残量が確認できないカートリッジの提供方法に問題があると思われる。

 また、カートリッジの重量であるが、フィラメントの残量がない状態で、約434gとかなりの重量がある。この点から、実際のフィラメントの内容量は、PLAで約700g、ABSで約600gであると推測できる。
 残量表示での棒グラフで表される残量は、この重量換算で把握する必要がある。

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ヘッドの移動時の一時上昇動作

(2013/12/15)
 造形でのヘッドの動きであるが、移動時にヘッドを一時的に上昇させる動作があるのだが、この動作が上昇させてから移動すれば良いのだが、目的のXY移動位置の移動と共に上昇する動作となる為、その移動時に既に造形済みの部分と接触する現象が見られるのである。
 この様な動作が造形品質を悪くする要因の一つである。また、造形ズレの発生要因とも思われる。
  

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ヘッド1のフィラメントの供給検出動作不良

(2014/10/29)
 造形が完了しないでエラーで中断する様になってしまったので、何が原因かと確認していくと、フィラメントの供給検出が出来ていない事が判明した。

エラーメッセージの例
 今回のケースではヘッド1なので、メッセージはBay 1になる。

 検出の為のセンサー等が破損したのかと思って、他のヘッドの物と交換するも同じ結果で、取り替えた側のヘッドでは問題無く検出する。


 基板(センサー)の破損ではない事が確認できた。  光学的にフィラメントの挿入及びドライブギヤ・ガイドローラーの回転検出

 更に、ヘッド1の配線関係をヘッド2の物に全て取り替えて、ヘッド1をヘッド2として動作確認するも、問題無く動作する事が判っている。
 つまり、エクストルーダー以降の問題であり、ヘッド1に関連するフィラメントの検出信号のみが何らかの不具合により、ロストしている状況なのだ。
 メイン基板との配線上の問題かなにかなのか原因究明中である。
 (カートリッジ無しで造形しているが、カートリッジ情報に関連するかもやってみたが、関係ないように思われるが...。)

ヘッド1をヘッド2として動作させる為の作業
 ヘッド2のヒーターとサーミスターの配線をヘッド1を取り外して入れ替える。
 これで、ヘッド2の温度設定でヘッド1が操作できる。
 ヘッド1のフィラメント検出と回転検出の配線をヘッド2を取り外して入れ替える。
 これで、ヘッド1がヘッド2として検出される事になる。
 ヘッド2のステッピングモーターの配線をヘッド1を取り外して入れ替える。
 これで、ヘッド2のステッピングモーターの制御でヘッド1が操作できる。
 ヘッドのマッピングを変更する。
 これで、ヘッド1の造形データをヘッド2で造形可能になる。但し、造形エリアに注意して、造形データを生成する事。
 ヘッド1をヘッド2としても動作が問題ない事が確認できた。

(2014/11/29)
 確定したわけではないけど、ソフト的なジャミングがされているような気がするだけど、既にファームの書き換えが出来ない(サイトからプログラムが提供されない)状況なんだよね。なんか手立てがないかな〜。強引に書き換えできるアプリないかな〜。そろそろ別なファームの提供が出現しても良い頃かな。

(2014/12/04)
 メイン基板とエクストルーダ側とはどうやらシリアル通信で情報交換しているようで、エクストルーダ側の使用マイコンもPIC16F1512で制御されている。
 メイン基板もPIC(PIC32MX440F256H)の様なのだが、この程度で処理がまともに出来るのかね?
 シリアル通信なので、検出要求コードが出ていないか、検出結果コードが帰っていないかを調べる必要がありそうだ。
 検出結果コードが適切でないなら、マイコンの入力ポートが死んでいる可能性があるが...。

(2014/12/09)
 一応、ロジックアナライザーがあるので、検出信号の伝達部分をトレースしてみた。
 PIC16F1512の16番ピン(SDO)をシグナル1、7番ピン(?)をシグナル2、15番ピン(SDI)をシグナル3、14番ピン(SCK)をシグナル4として、シグナル2をH→Lでトリガーしている。

メイン基板との信号のやり取り
ヘッド フィラメント供給前 フィラメント供給中 コメント
ヘッド1  シグナル1の変化が他のヘッドと異なる返答である。

 後半のシグナルは、フィラメントの挿入状態を示しているらしく、この場合は三つとも挿入済みの様で、左からヘッド3、ヘッド2、ヘッド1の挿入状況を示すようである。
ヘッド2 (2015/02/06)
 どうも、ビットの並びからして下位3ビット(多分、ドライブギヤ側)とその上の3ビット(多分、ガイドローラー側)でそれぞれの回転検出のON/OFFを表しているようである。
 それで、下(右)からヘッド1、ヘッド2、ヘッド3と云うようになっている模様。
 つまり、細かくヘッド毎にH/L制御しなくても、8ビット分をまとめてH/Lするだけで良さそうだ。
ヘッド3

 この事からすると、PICマイコンのセンサー入力ポート(22〜24番ピン)の不良の可能性が高い。

 この問題が発生した時に、多分、この基板の不良と考えて、注文はしてあるけど、何時届くやら。

Main Boardのピン配置
左からLED/Fan用の+電源、PIC Pin8(Vss)、Z Limの一方、PIC Pin20(Vdd)、PIC Pin14(SCK)、PIC Pin 15(SDI)、PIC Pin7(?)/Z Linのもう片方、PIC Pin16(SDO)

Dr1のピン配置
左からPIC Pin8(Vss)、PIC Pin24、PIC Pin23、PIC Pin22、PIC Pin20(Vdd)

Dr2のピン配置
左からPIC Pin8(Vss)、PIC Pin4、PIC Pin5、PIC Pin6、PIC Pin20(Vdd)

Dr3のピン配置
左からPIC Pin8(Vss)、PIC Pin25、PIC Pin2、PIC Pin3、PIC Pin20(Vdd)

(2014/12/31)
 とりあえず、擬似信号で誤魔化せるか確認の為、Arduino UNOを入手して戻り用の信号パタパタを出せる様に試みている。
 レジスター制御への書き込みでポート出力の動作が高速化できるので、要求タイミングでの上記の信号タイミングに追従出来そうである。
 前半の信号の左右をH/Lさせる事で、回転が正常にしている事が認識される様なので、その様に擬似信号を発生させる予定である。
 ちなみに、ヘッド1は左側が無変化である。

(2015/01/09)
 年明けして本日、実際にCubeXに擬似信号を入れて動作させる確認を行った。
 信号パターンは幾つかある様だが、一通りの信号パターンを発生させる擬似信号でヘッド1が正常に動作する事が確認出来た。
 とりあえず、この暫定対策でヘッド1での造形が可能になった。

 まだ、生成擬似信号に不安があるので、ロジアナは接続中。

(2015/01/13)
 かなり長時間ヘッド1で造形しているが、特に問題を発生させる様子は無い様である。

(2015/02/05)
 昨日だけど、吐出し量の多い物を造形した場合に、検出不具合でエラーが出てしまった。
 どうやら、検出のタイミングがより厳密に対応してやらないといけないようである。
 間に合わせプログラムだったので、本日より厳密に信号が発生させられるように修正を行い、対応する事が出来た。
 なんだかんだで、問題は克服できている。

(2015/03/23)
 基板送られてきたけど、多分プログラムが焼かれていないアッセンブリ品が届いたみたい。
 焼くための環境や書き込むコードがないから、何の役にも立たないぞ!!

(2015/10/28)
 別件で修理依頼していたので、基板交換にて本問題は改善された。

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バレル冷却ファンの個別動作出来ず

(2014/12/12)
 ホットエンドのバレル部分の冷却用のファンの動作なんだけど、個別に制御されていなく同時動作なので、3ヘッド構成の場合、三つとも回転している状況なのだが、このファンの風がABS造形時に悪さする様なのだ。
 特にヘッド3で造形している場合は、ヘッド1とヘッド2のバレル部冷却のファンの風が加わり、造形物を急冷する為に反りや割れが生じ易いのである。
 特定のヘッドのみでの造形時は、それ以外のファンを止めておきたいので、コネクター(上記の基板でPJ1 Fan、PJ2 Fan)を抜くなどの処置を施しているが、個別に制御出来る様になるとありがたいのだが。また、ファンの風が当たらないように、抑制する処置が必要だろう。

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動作せず

(2015/09/16)
 14日に装置に不具合があって色々と弄っていたら、最悪のことに完全にダウンさせてしまったようだ。電源供給を行っても底のメイン制御基板の赤いLEDは点灯するも、動作や操作は一切出来ない情況となる。
 多分、メインの制御基板のCPUに関係する部分が死んでしまったのだろう。
 早々に、武藤へ修理依頼のFAXを送って、対応してもらう運びとなる。旨く交換だけで済んだ場合は6万円程度で済む予定だが、どうなる事やら。
 ついでだから、今までの不具合としてヘッド1の問題も修理依頼することに。

(2015/09/17)
 消費税入れ忘れてた。約7万円になるね。

(2015/10/28)
 本日返還され、レポートには基板上にあるSDメモリーカードを取り外すことで、正常に起動するようになったのこと。何の為のメモリー搭載だったのでしょうね。
 で、掛かった費用は、送料を含め約5万円となる。不具合の解決と調整や初期モデルからの改善も盛り込んでもらえた。なんか注意喚起のステッカーも貼られてしまっている。

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