※『機動戦艦ナデシコ』読売新聞版とここで書いているのは、『読売新聞』毎週月曜日夕刊または火曜日朝刊の角川書店の全面広告に連載形式で掲載されている小説を指す。
※『御先祖様万々歳!』に関心のある方はつぎのページを参照されたい。
押井作品と戦うために――『御先祖様万々歳!』の知的地平(へーげる奥田)
「もし現実がひとつの物語だったとして――いや、そう考えたばあいにだ、もしかしたら自分は正義の味方じゃなくって悪玉なんじゃないかって考えたことはないか?」。
※『王立宇宙軍』(『オネアミスの翼』)に関心のある方はつぎのページを参照されたい。
王立宇宙軍という映画(鈴谷了)
私の偏見かも知れぬが(私の偏見だと思う方はどんどん反論を寄せてください)、私の接した範囲では、「おたく」文化に肯定的な態度をとる人のなかにはこの『王立宇宙軍』に対する評価が低い人が多いように感じる。「宮崎アニメの亜流でおもしろくない」と貶す声もきいた。だが私はこの映画に対してそういう評価がどうして出てくるのか正直に言ってまったく理解できない。
(註) 山口宏さんとガイナックスの関係については、私は、『エヴァンゲリオン』より前の作品では『ふしぎの海のナディア』おまけ映像の脚本でしか知らない。ただ、古いガイナックスファン(つまりガイナックスなんて会社がまだなかったころからのファン)のある友人にたずねたところ、『愛國戰隊大日本』のスタッフにすでに山口さんの名が見えるとのことである。
(註) ところで、このページでは読売新聞版についてもっぱらとりあげ、放映中のアニメ版については触れていない。なぜかというと私がアニメ版を見ていないからというそれだけの理由である。そもそもこの読売新聞版に気づいたのがテレビでの第一話放映が終わってしまった後のことであった。私が『チャチャ』で山口さんの仕事に注目していたことを知っていた某友人(本文中の「古いガイナックスファン」である)から教えられて、いちど片づけた新聞を拾い出してきてようやく記事を見つけたという始末である。
というわけでアニメ版については私は何も知らないので、もっぱらその某友人の話に拠って概略を書いておきたい。
アニメ版では山口宏さんは「ベースプランニング」としてクレジットされているらしい。つまり、この読売版がアニメ版の「原作」に相当するのだろう(ユリカなど人物像がかなりちがうという話であるが)。本職が脚本家である――と私はこれまで認識してきたが――山口さんがどうして本編の脚本まで担当しないのかちょっとふしぎである。なお、監督は、『飛べ!イサミ』(『WWF13』のページ参照)の監督を務めた佐藤竜雄氏とのことである(そういえば、夏に買った同人誌に、佐藤さんの新作が云々って話が出ていたのがこれのことだったのか……)。