重い爆音が上がる。
近いッ!
態勢を立て直した戦自隊員たちが剥き出しになったエントリープラグ目掛けて攻撃を開始したのだ。
「ミサトッ!」
アスカが思わず余裕のない声を上げる。
「ちぃっ」
ミサトはシンジをかばうように動き、L.C.L.の中にシンジを叩き落とす。
「!」
アスカの視界が一瞬真紅に染まったように見えたが、やがてすぐにシンジが間近に落ちてきて、アスカの目の前はシンジでいっぱいになった。
「早くハッチを閉めて、さっさと行きなさい!」
絞り出すようなミサトの声が遠くに聞こえる。
ポチャン。
銃撃の喧騒の中でその小さな水音だけがやけに大きくアスカの耳に届いた。