気がつくといつの間にかシンジが目前に迫っていた。その顔は変わらず伏せられたままであったけれども。
「…シンジ」
アスカはそのとき余りにも無防備であった。シンジの接近を素直に許すほどに。
やがて、伸ばしたアスカの右手と凍てついた表情のシンジの左手とが触れ合った。周りの状況を全て忘れ、音が聞こえそうなほど2人の視線が絡み合う。そして、2人の中で光が爆発し、それは唐突に始まった。
アスカが声もなく絶叫する。
恐怖。絶望。壁。奈落。暗闇。業火。無力感。安らぎ。開放。
私を汚して。
そして、世界が暗闇に包まれた。
→to be conTinued