撮影/直交ポーラー

ムゾー産エメラルドから観察されたカルサイト結晶。写真上下共に同一の結晶。

カルサイト　インクルージョン
(calcite inclusion)

コロンビアのムゾー（ムソー）鉱山は最高品質のエメラルドを産するとして名高いが、同地産エメラルドからは、しばしばカルサイトの内包結晶が観察される。これは同鉱山が石灰岩を母岩とする為で、産地を推定する際に役に立つ特徴といえる。しかしながら、やはり高品質のエメラルドを産するスワット渓谷（パキスタン）産の結晶などからも同インクルージョンの報告があり、産地を特定する決定的な情報とは云えない。

　

写真左は両者共、同一のムゾー産エメラルドから観察された同じカルサイト結晶。写真下は通常の暗視野照明で撮影。写真上は２枚の偏光フィルターを直交ポーラーの状態とし、その間にエメラルドをおいて撮影した。二軸性結晶を示す干渉色が現れている。

　

その他カルサイトインクルージョンは、モゴク（ミャンマー）産のルビー、スピネルの特徴としても知られている。これは母岩が石灰岩質の岩石であるため。

　

→ インクルージョン

→ エメラルド

→ カルサイト結晶を用いたダブリングの写真