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ヘア ジュエリー hair jewelry

volcano

ビショップ博物館が所蔵する西ポリネシアの髪を編んで作ったベルト。


ビショップ博物館蔵。所蔵のヘアジュエリー。

日本人に知られているヘア ジュエリーといえば、故人の髪をロケットに入れたり編んでペンダン トトップに用いたりしたモーニング ジュエリー(モーニング=mourning =喪。朝のmourning ではない)が一般的だ。

モーニングジュエリーとしてはヴィクトリア朝中期(1861年〜)、ヴィクトリア女王が夫たるアルバート公の喪に服した時代の作品が特に知られている。

日本では髪の毛をお守りとして身に着ける風習を残す地方もあるが、持ち運びに髪をお守り袋に入れる程度で、ことさら髪を装身具に留めて他者に見せる風習は聞いたことがない。従って日本人にとってヘア ジュエリーというとモーニング ジュエリーが連想されるほどに認知度が高い※のは、西洋アンティークの人気が日本で根強く、関連文献が容易に入手できるからだろう。これらは貴重なものとして代々相続される。

しかし、ヘア ジュエリーは西洋の専売特許ではない。写真はポリネシア文化圏で見られる装身具類で、ビショップ博物館の所蔵。

写真左上は髪を編んだベルトで西ポリネシアのもの。

写真左下は髪の毛を編んだネックレスにクロチョウガイを結んだ装身具。オ−ストラル諸島(Austral Islands。タヒチの一部を構成する島々)の作品。


※ヘア ジュエリーというとモーニング ジュエリーが連想されるほどに認知度が高い:
モーニング ジュエリーとヘア ジュエリーは同意ではない。モーニング ジュエリーは黒を基調としたジュエリーであり、必ずしも髪を利用する必要はない。ルビーなどのようなカラフルな宝石ではなく、ジェットなどの素材が利用された。

 


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