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     平成23年マンション管理士試験問題解説(2)

問26 標準管理規約(管理組合ー防災活動)
問27 標準管理規約(修繕 問33 標準管理規約(複合用途型) 問39 大規模修繕(維持管理) 問45 設備総合 
問28 標準管理規約(管理組合) 問34 仕訳 問40 省エネ対策 問46 適正化法(用語定義)
問29 標準管理規約(管理組合) 問35 収支報告書・貸借対照表 問41 建築構造(マンション) 問47 適正化法(マンション管理士)
問30 標準管理規約(雑則) 問36 大規模修繕(劣化対策) 問42 大規模修繕(建築材料) 問48 適正化法(管理業務主任者)
問31 標準管理規約(管理組合) 問37 大規模修繕(劣化対策) 問43 給水設備 問49 適正化法(管理業者)
問32 標準管理規約(会計) 問38 長期修繕計画ガイドライン 問44 排水設備 問50 適正化法(管理業者)


 問26~問33の8問は標準管理規約からの出題である。標準管理規約は平成28年3月に大幅に改正されており必ずコメントを含む全文を読んでおく事。問26~問33の設問で改正事項に関係ある箇所は解説を追加しておく。

 

問26〕 管理組合の防災活動について、助言を求められたマンション管理士の理事会での次の発言のうち、マンション標準管理規約(単棟型)(以下「標準管理規約」という。)の規定によれば、適切でないものはどれか

 

1 火災や震災などの災害から住民の生命、身体、財産を守ることも管理組合の重要な役割の一つであり、防災に関する業務は管理組合の業務として認められます。

2 防災対応への備えとして日ごろからコミュニティ形成活動を行うことが重要ですが、その費用を管理費から拠出することはできません。

3 各階のいくつかの住戸のバルコニーに設置されている非常用避難口は、区分所有者の専用使用権が設定されている部分にありますが、管理組合がその責任と負担において管理を行わなければなりません。

4 防災に関する専門家に対し、マンション全体の防災体制や管理組合の運営等に関する相談や、助言、指導を得る際には、管理費から費用を拠出することができます。

≪解説≫

 

・選択肢1:標準管理規約の第32条12号に管理組合の業務として「マンション及び周辺の風紀、秩序及び安全の維持、防災並びに居住環境の維持及び向上に関する業務」と規定されており設問は適切である

 

・選択肢2:標準管理規約の第27条11号により「管理組合の業務に要する費用は管理費から充当できる」と規定されており当設問は適切でない

 

・選択肢3:標準管理規約の第21条1項に「敷地及び共用部分等の管理については、管理組合がその責任と負担においてこれを行うものとする。ただし、バルコニー等の専用使用部分の管理のうち、通常の使用に伴うものについては、専用使用権を有する者がその責任と負担においてこれを行わなければならない」と規定されており当設問は適切である本設問にある非常用避難口は区分所有者が通常に使用するものでないので管理組合がその責任で管理を行う」と規定されており設問は適切であるなお、詳細は同条コメントの⑤及び⑥にコメントされているので目を通しておく事

 

・選択肢4:標準管理規約の第27条9号に「専門的知識を有する者の活用に要する費用は管理費から充当できる」と規定されており当設問は適切である

 

≪答え≫ 

  標準管理規約の管理組合の防災活動に関する出題である。コミュニティ形成活動に関しては平成28年3月改正の標準管理規約第27条(管理費)のコメントに詳しくコメントされており目を通しておく事。この部分は今回の改正の重要なポイントである。なお、上記の解説で示す条文、コメントは改正された標準管理規約による。 

 

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問27〕長期修繕計画の見直しを行う場合の手続きに関する次の記述について、標準管理規約の規定によれば、適切なものはどれか

 

1 長期修繕計画の見直しを行う前提として、管理組合として劣化診断(建物診断)を併せて行う必要がある。

2 長期修繕計画の見直しが修繕積立金の額及び支払方法に変更を及ぼさない場合は、理事会で新たな長期修繕計画を決議し、通常総会で報告すればよい。

3 長期修繕計画の見直しに伴い修繕積立金の額を変更する場合には、総会において、出席組合員数の過半数の決議による。

4 長期修繕計画の見直しに要する経費の充当については、修繕積立金から取り崩さなければならない。

 

≪解説≫

・選択肢1:標準管理規約第32条コメント③に「長期修繕計画の作成又は変更及び修繕工事の実施の前提として、劣化診断(建物診断)を管理組合として併せて行う必要がある」とコメントされており設問は適切である。なお、平成28年3月改正の標準管理規約で同条及びコメントは大幅に追加されているので一読の事。当選択肢設問には直接関係がない。

・選択肢2:標準管理規約第48条第5号に「長期修繕計画の作成又は変更は総会の決議を経なければならない」と規定されており設問は適切でない
 

・選択肢3:標準管理規約第47条第2項に「総会の議事は、出席組合員の議決権の過半数で決する」と規定されており、事の決議は出席組合員数で決するではないので設問は適切でない。ひっかけである。なお、平成28年3月改正の標準管理規約で同条及びコメントは若干追加されているので一読の事。当選択肢設問には直接関係がない。

 

・選択肢4:標準管理規約第32条コメント④に「長期修繕計画の作成又は変更に要する経費及び長期修繕計画の作成等のための劣化診断(建物診断)に要する経費の充当については、管理組合の財産状態等に応じて管理費又は修繕積立金のどちらからでもできる」と規定されており当設問は適切でない平成28年3月改正の標準管理規約で同条及びコメントは大幅に追加されているので一読の事。当選択肢設問には直接関係がない。

 

≪答え≫ 

 本問は標準管理規約の条文及びコメント記載の通りであり容易に正答を得られる。

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問28〕 理事長が区分所有者等に対して行う情報提供の在り方に係る次の記述のうち、標準管理規約の規定によれば、適切なものはどれか

 

1 理事長は、組合員からの要請があれば、その都度、その組合員に対し、管理組合の業務の執行に関する報告をしなければならない。

2 理事長は、会計担当理事をして、広報誌等により、組合員に対し、毎月、管理費等の収納状況を報告させなければならない。

3 理事長は、共用部分等について生じた損害賠償の請求につき、区分所有者のために訴訟において被告となったときは、遅滞なく、区分所有者に対しその旨を通知しなければならない。

4 理事長は、理事会の議事録を保管し、所定の掲示場所に議事録の保管場所を掲示して、区分所有者又は利害関係人からの閲覧請求があれば、閲覧させなければならない。

≪解説≫ 

 

・選択肢1:標準管理規約第38条第3項に「理事長は、通常総会において、組合員に対し、前会計年度における管理組合の業務の執行に関する報告をしなければならない」と規定されており、その都度、組合員へ報告する必要はないので設問は適切でないなお、平成28年3月改正の標準管理規約で同条及びコメントは若干に追加されているので一読の事
 

・選択肢2:標準管理規約第40条及び第3項に「会計担当理事は、管理費等の収納、保管、運用、支出等の会計業務を行う」と規定されているが、当選択肢設問にあるように区分所有者へ報告することまでは求められていないので設問は適切でない平成28年3月改正の標準管理規約で同条及びコメントは若干追加されているので一読の事

・選択肢3:標準管理規約第67条第3項2号に「理事長は理事会の決議を経て、敷地及び共用部分等について生じた損害賠償金又は不当利得による返還金の請求又は受領に関し、区分所有者のために、訴訟において原告又は被告となること、その他法的措置をとること」と規定されており、また、同条第6項に「理事長は、区分所有者のために、原告又は被告となったときは、遅滞なく、区分所有者にその旨を通知しなければならない」と規定されており、併せて設問は適切である
 

・選択肢4:総会の議事録は標準管理規約第49条第4項に「理事長は、所定の掲示場所に、議事録の保管場所を掲示しなければならない」と規定されているが、理事会の議事録に関してはこの規定が準用されておらず掲示場所に理事会の議事録の保管場所を掲示する必要はないので設問は適切でない。細かい事項であるがきちんと理解しておく事

 

≪答え≫ 


 標準管理規約の理事長の情報提供に関する出題である。規約には規定されていない事項も問われているのでひっかからないように注意の事

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問29 理事会の決議を経て通常総会に提出された議案について、理事長と監事が反対している場合において、理事長には受任者を理事長とした委任状が、監事には受任者を監事とした委任状が提出されているときの取扱いに関する次の記述のうち、標準管理規約及び民法の規定によれば、適切でないものはどれか

 

1 理事長は、役員を辞任すれば、自分の1票を反対票として使うことができる。

2 監事は、自分の1票と委任状を反対票として使うことができる。

3 理事長は、自分の1票と委任状を賛成票として使わなければならない。

4 監事は、委任状を総会出席者の賛否の比率に応じて分けて使うことができる。

 

≪解説≫

 

・選択肢1:標準管理規約第38条第1項号に「理事長は、管理組合を代表し、その業務を統括するほか、規約、使用細則等又は総会若しくは理事会の決議により、理事長の職務として定められた事項を遂行する義務を負」と規定されており当設問は適切である平成28年3月改正の標準管理規約で同条及びコメントは若干追加されているので一読の事
 

・選択肢2:標準管理規約第40条第1項により監事は理事会の構成員ではないので理事会の決議には拘束されないので当選択肢設問記載のような行為は認められ当設問は適切である。なお、当選択肢設問とは直接、関係はないが、平成28年3月改正の標準管理規約で監事に関する規定第41条及び同条コメントは大幅に追加されていので必読の事

・選択肢3:選択肢1で解説した通り理事長は自分の1票は賛成票と使用しなければならず、委任状のについても賛成票として使わなければならないので当設問は適切である

・選択肢4:当選択肢設問のような規定はないので当設問は適切でない。他の選択肢は見なくても適切でないことは分かる。
 

≪答え≫ 

 標準管理規約の委任状の取り扱いに関する出題である。多少、民法の規定も関連した応用問題であるが、常識の範囲で容易に正答を得られる

 

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問30〕 総会決議により規約が改正された場合において、規約原本のほかに理事長が保管すべき書面は、標準管理規約の規定によれば、次のうちどれか。ただし、電磁的方法が利用可能ではない場合とする。

 

1 改正後の規約(全文)を1通の書面とし、それが現に有効な規約である旨を記載した理事長の署名押印のほか、他の区分所有者全員が記名押印したもの。

2 規約原本(全文)の写しに改正された規約の条文を添付して1通の書面とし、それが現に有効な規約である旨を記載し、理事長が署名押印したもの。

3 改正後の規約(全文)を1通の書面とし、理事長が、その内容が規約原本及び規約変更を決議した総会の議事録の内容と相違ない旨を記載し、署名押印したもの。

4 改正後の規約(全文)に規約変更を決議した総会の議事録を添付して1通の書面とし、それが現に有効な規約である旨を記載して議長及び議事録署名人が署名押印したもの。

 

≪解説≫

 

  標準管理規約の理事長が保管すべき書面に関する出題である。各選択肢に紛らわしい記述が列記されているが、標準管理規約第73条第3項に「規約が規約原本の内容から総会決議により変更されているときは、理事長は、1通の書面又は電磁的記録に、現に有効な規約の内容と、その内容が規約原本及び規約変更を決議した総会の議事録の内容と相違ないことを記載又は記録し、署名押印又は電子署名した上で、この書面又は電磁的記録を保管する」と規定されており選択肢3が適切である。
 
記憶する際のキーワードは「
現に有効な規約の内容」と「理事長の署名押印」とするとよい。選択肢2と3の違いに注目


≪答え≫ 

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問31〕 甲管理組合の総会終了後、議長が議事録を作成したが、議長が総会で指名した議事録署名人の一人Aが修正の必要があるとして署名押印を拒否した。この場合におけるB~Eの各理事の意見として、区分所有法、標準管理規約及び民法の規定によれば、適切なものは、次のうちどれか。ただし、電磁的方法が利用可能ではない場合とする。

 

1  B理事「議事録の作成権限は議長にありますから、Aの修正要求の内容にかかわらず、応じる必要はないと思います。」

2 C理事「総会で議事録署名人に指名した以上、Aの署名押印がないと議事録そのものが無効となりますよ。」

3 D理事「議事録の作成期限は決まっていないので、時間がかかってもAが折れるまで、議事録の作成を見合わすべきでしょう。」

4 E理事「Aの署名押印を得られないからといって、議長が議事録を作成しないときは、過料に処せられることもありますよ。」

 

≪解説≫
 

・選択肢1:議長の指名する2名出席組合員の署名押印は議事録が誤りなく作成されていることを確保するために行われるものであり、署名押印者からの修正要求は必要であれば応じるべきであり設問は適切でない。当然のことである

・選択肢2:選択肢1で説明した通り出席組合員の署名押印は議事録が誤りなく作成されていることを確保するために行われるものであり、たとえ、署名押印がなくても議事録そのものが無効になる訳ではなく設問は適切でない
 

・選択肢3:理論的は当選択肢設問の通りだが、修正要求者が折れるまで待つわけにもいかないので設問は適切でない。総会で決議されてことが公開されないので実務上問題となることも起こりかねない

・選択肢4:区分所有法第71条3号により「議長が議事録を作成しない場合は20万円以下の過料に処せられる」と規定されており設問は適切である

 

≪答え≫ 

  区分所有法及び標準管理規約の議事録に関する出題である。ここも、選択肢4を除いて規約上明らかに規定さているものはないので適、不適は各自の常識的判断によることとなる

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問32〕 管理費等を滞納している区分所有者に対する管理組合の対応について、理事長が総会で行った次の説明等のうち、標準管理規約、区分所有法及び民法の規定によれば、適切なものはどれか

 

1 滞納している区分所有者が所有している住戸が賃貸に供されている場合には、その住戸の賃借人に対して、直接、滞納管理費等を請求することとします。

2 理事会決議により、理事長が、管理組合を代表して、滞納管理費等の請求に関して滞納者に対して少額訴訟を提起したので、その状況、当該滞納者の氏名に代わる符号、その滞納額、滞納状況等を報告します。

3 管理費等の滞納は、共同の利益に反する行為に該当するので、滞納しているすべての区分所有者に対して、区分所有権及び敷地利用権の競売を請求することとします。

4 現に駐車場を使用している滞納者に対しては、駐車場使用細則を改正し管理費等の滞納があれば駐車場使用契約を解除できるという条項を新たに設け、駐車場使用期間中であっても駐車場使用契約を解除することとします。

 

≪解説≫ 

 

・選択肢1:標準管理規約第25条第1項「分所有者は、敷地及び共用部分等の管理に要する経費に充てるため、管理費等を管理組合に納入しなければならない」と規定されており、賃借人には請求できないので設問は適切でない

 

・選択肢2区分所有法第26条第5項に「管理者(理事長)は、原告又は被告となったときは、遅滞なく、区分所有者にその旨を通知しなければならない」と規定されており、総会で少額訴訟の状況、当該滞納者の氏名に代わる符号、その滞納額、滞納状況等を報告することは適切なので設問は適切である。なお、標準管理規約第60条第4項に「理事長は、未納の管理費等及び使用料の請求に関して、理事会の決議により、管理組合を代表して、訴訟その他法的措置を追行することができる」と規定されているので当選択肢前半の設問は妥当である。なお同規格第60条のコメントは平成28年3月改正の標準管理規約で同条及びコメントは大幅に追加されているので一読の事

 

・選択肢3:区分所有法約第59条第1項により「長期かつ多額の管理費の滞納であり区分所有者の共同生活上の障害が著しく、他の方法によってはその障害を除去して共用部分の利用の確保その他の区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難であるときは、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、集会の決議に基づき、訴えをもつて、当該行為に係る区分所有者の区分所有権及び敷地利用権の競売を請求することができる」と規定されており、管理費等を滞納しているすべての区分所有者に対して、区分所有権及び敷地利用権の競売を請求することはできないので設問は適切でない。常識で考えれば当然のことである

 

・選択肢4:標準管理規約第15条コメント⑥に「駐車場使用細則、駐車場使用契約等に、理費、修繕積立金の滞納等の規約違反の場合は、契約を解除できるか又は次回の選定時の参加資格をはく奪することができる旨の規定を定めることもできる」とコメントされており駐車場使用細則を改正することは適切であるが、当選択肢設問にあるように細則に「駐車場使用期間中であっても駐車場使用契約を解除することとします」と規定し、駐車場使用期間中であっても駐車場使用者の合意を得ないで契約を一方的に解除することは適切でないので設問は適切でない
 

≪答え≫ 

 標準管理規約、区分所有法等の管理組合費等の滞納に関する出題である

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問33〕 住居・店舗併用のマンションにおける店舗の営業時間の制限と住宅一部共用部分であるエレベーターの更新を決議する総会の場に、理事会の要請により出席していたマンション管理士が、議長である理事長からの求めに応じて助言した次の記述のうち、マンション標準管理規約(複合用途型)の規定によれば、適切でないものはどれか

 

1 区分所有者から専有部分を賃借して営業をしている賃借人が、事前の通知もなく総会に出席して店舗の営業時間の制限について、意見を述べようとしたので、「事前の通知がない以上、意見を述べさせる必要はありません。もちろん決議に加わることもできません。」と助言した。

2 数人の共有に属している店舗につき、あらかじめ届け出があった議決権行使者以外の共有者が店舗の営業時間を制限する議案について議決権を行使したので、「共有者である以上、有効な議決権の行使として取り扱ってください。」と助言した。

3 住戸の区分所有者から、住宅一部共用部分であるエレベーターの更新については、住戸部分の区分所有者のみで構成する団体の集会で決議すべきではないかと意見があったので、「当該エレベーターについては、規約の対象となる物件となっているので、当総会で決議することとなります。」と助言した。

4 総会の場において、ある区分所有者から、住宅一部共用部分であるエレベーターの利用細則が利用の実態に合っていないとして、改正案を提示して同案を決議するよう求められたので、「あらかじめ招集通知で通知していた事項ではないので、決議はしないでください。」と助言した。

 

≪解説≫

・選択肢1:標準管理規約(複合用途型)第49条第2項に「区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的につき利害関係を有する場合には、総会に出席して意見を述べることができる。この場合において、会に出席して意見を述べようとする者は、あらかじめ理事長にその旨を通知しなければならないと規定されており設問適切である

 

・選択肢2:標準管理規約(複合用途型)第50条第2項に「住戸又は店舗1戸が数人の共有に属する場合、その議決権行使については、これら共有者をあわせて一の組合員とみなす」と規定されており、また、同規則第50条第3項に前項により一の組合員とみなされる者は、議決権を行使する者1名を選任し、その者の氏名をあらかじめ総会開会までに理事長に届け出なければならない」と規定されており併せて設問は適切でない

 

・選択肢3:当選択肢設問にあるエレベーターは標準管理規約(複合用途型)第8条第2項に規定する「一部共用部分」であり、これは当選択肢の設問に(管理組合)規約の対象となる物件となっているとあるので同規約第21条第1項に「敷地及び共用部分等の管理については、管理組合がその責任と負担においてこれを行うものとする」と規定されており、当該エレベーターの更新を総会で決議することができるので設問は適切である。なお、平成28年3月改正の標準管理規約で同条及びコメントは大幅に追加されているので一読の事。この設問では説明がないが当該エレベーターは一部共用部分であるが区分所有者全員の利害に関係せず区分所有者全員の規格ににより区分所有者全員で管理を行うものと推測される 


・選択肢4:選択肢1:標準管理規約(複合用途型)第51条第11項に「総会においては、あらかじめ通知した事項についてのみ、決議することができる」と規定されており設問は適切である。なお、平成28年3月改正の標準管理規約で同条及びコメントは若干追加されているので一読の事

 

≪答え≫ 

 標準管理規約(複合用途型)に関する出題である。標準管理規約(単棟型)を理解していれば容易に正答を得られる。

  
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問34〕 甲マンション管理組合の平成22年度(平成22年4月1日~平成23年3月31日)の決算に当たって、会計担当理事が取引銀行から平成22年度末の預金残高証明書を入手したところ、銀行預金の帳簿残高と預金残高証明書の証明金額が不一致であった。この原因は、組合員Aから入金された平成23年3月分と4月分の管理費計20,000円が入金処理漏れとなっていたためであるということが判明した。Aの3月分の管理費10,000円については未収金を計上していたが、この後、管理組合が平成22年度決算を進めるに当たっての修正仕訳として適切なものは次のうちどれか。なお、会計処理は発生主義の原則によるものとする。 

1   (借方)

(貸方)

現金預金    20,000

管理費収入  20,000  

2   (借方)

(貸方)

現金預金    20,000

 未収金   10,000

 

管理費収入  10,000

3   (借方)

(貸方)

現金預金    20,000

 未収金   10,000

 

前受金   10,000  

4(借方)

(貸方)

現金預金    20,000

前受金   20,000  

 

≪解説≫

 

  仕訳に慣れていれば容易に正答を得られが、慣れていない場合はいきなり適・不適を判断するのではなく各選択肢の下記の通り順を追って仕訳を行い正答を求めること

 

① 3月時に行われた仕訳は下記の通り。

   (借方)

(貸方)

未収金     10,000

管理費収入  10,000  

 

② 3月の管理費は4月分と併せて入金されているのでこれを修正する仕訳は下記の通り。
誤って行われた仕訳の逆仕訳

   (借方)

(貸方)

管理費収入   10,000

未収金    10,000  

 

③ 正しい仕訳は下記の通り。

   (借方)

(貸方)

現金預金    10,000

管理費収入  10,000  

 

④ ②の仕訳と③の仕訳を合算・相殺して①に対する修正仕訳とする。

   (借方)

(貸方)

現金預金    10,000

未収金    10,000  

 

⑤ 4月分管理費の入金は前受け処理として下記仕訳を追加する。

   (借方)

(貸方)

現金預金    10,000

前受金   10,000  

 

⑥ 平成22年3月の決算を進めるに当たっての修正仕訳は④と⑤を合算して下記の通りとなる。従って、正答は3となる。

   (借方)

(貸方)

現金預金    20,000

 未収金   10,000

 

前受金   10,000

 


≪答え≫ 

 

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問35〕 甲マンション管理組合の理事会において、会計担当理事が平成22年度(平成22年4月1日~平成23年3月31日)決算の管理費会計の比較貸借対照表について行った次の説明のうち、収支報告書又は貸借対照表に関する説明として適切でないものは次のうちどれか。ただし、会計処理は発生主義の原則によるものとし、資金の範囲は、現金預金、未収金、未払金、前受金及び前払金とする。

 

1 現金預金が減少していますが、前受金が減少したこととは関係ありません。

2 平成22年度収支報告書の当期収支差額はプラスです。

3 未払金を減少させたことは、正味財産の増加とは関係ありません。

4 未払金や未収金を増減させることにより、現金預金を増減させることは可能です。

                    

比較貸借対照表 甲マンション管理組合  (管理費会計)               単位:千円

項目

22年度

21年度

増減

項目

22年度

21年度

増減

現金預金

1,800

1,900

-100

未払金

200

300

-100

未収金

  0

200

-200

前受金

700

1,000

-300

 

 

 

正味財産

900

800

100

1,800

2,100

-300

1,800

2,100

-300

 

≪解説≫ 

  

・選択肢1:一般的に言えば、前受金は次年度以降に計上する収入であるが当年度の実際の入金がありこの増減は現金預金項目の増減に影響があり設問は適切でない。本問で考察すれば、22年度は現金預金が10万円減少しているが、これは21度前受金が22年度振替処理の仕訳により少なくとも10万円減少している筈だが、22年度前受金は30万円減少しており振替処理で減少した額以上の前受金が発生しなかったことによる。つまり、現金預金と前受金はそれぞれ独立して計上する項目ではあるが相互に関連はある。 

・選択肢2:収支報告書と貸借対照表の各項目の相互関係が分かっていないと難しい。原則は下記で記憶しておく事。

 ① 収支報告書の次期繰越収支差額は貸借対照表の正味財産額と一致

 ② 収支報告書 次期繰越収支差額=当期収支差額+前期繰越収支差額

 当選択肢で当年度を22年度とすると

*①より「次期繰越収支差額は90万円」、「前期繰越収支差額は80万円」となる。

*②より「次期繰越収支差額(90万円)ー「前期繰越収支差額(80万円)」=当期収支差額(10万円)」 となり、22年度収支報告書の当期収支差額は10万円となり設問は適切である

 

・選択肢3:未払金(負債)を減少させれば、その分、現金預金(資産)も減少するので正味財産(資産ー負債)は増加しないので設問は適切である 

・選択肢4:未払金の減少は現金預金で支払っているので現金預金の減少となり、未収金の減少は未収金を受け取っているので現金預金が増加する。よって、未払金や未収金を増減させることにより現金預金を増減させることは可能であり設問は適切である

 

≪答え≫ 

   収支報告書や貸借対照表を見慣れていない人には難問である。各選択肢の設問は何を述べているのかわからないと思うので下記解説を繰り返し読んで理解に努めること。この種の問題は平成22年、平成23年、平成26年と出題されているが、最近は出題されていないのでそろそろ出題されるかも。

 
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問36〕 マンションの建物(鉄筋コンクリート造)の調査・診断に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか

 

1 外壁塗装の白亜化とは、エフロレッセンスと呼ばれ、下地のコンクリート中の石灰等が水に溶けて塗装の表面にしみ出したものである。

コンクリートのひび割れ、ひび割れ幅が0.3㎜以下であっても漏水や鉄筋腐食の原因となり得るので注意が必要である。

鉄筋のかぶり厚さの調査は、建物の耐久性(鉄筋の腐食の防止)、構造安全性(鉄筋とコンクリートの付着強度の確保)及び耐火性(鉄筋の温度上昇の防止)の診断を行うために重要である。

4 塗膜の調査において、クロスカット試験は、塗膜表面に格子状の切込み等を行って、塗膜の付着性を調査する。

 

≪解説≫

 

・選択肢1:白亜化(はくあか)とはチョーキングの訳で塗装面が劣化して白墨の粉のように白くなった状態をいうので設問は適切でない。なお、当選択肢設問記載の下地のコンクリート中の石灰等が水に溶けて塗装の表面にしみ出したもの」白華現象(エフロレッセンスと呼ばれ勘違いしない事。

 

・選択肢2:当選択肢の記載事項は適切であり設問は適切である

 

・選択肢3:当選択肢の記載事項は適切であり設問は適切である

 

・選択肢4:当選択肢の記載事項は適切であり設問は適切である。塗膜表面に格子状の切込み等を行い、クロスカット試験その部分にセロテープを強く圧着させ、一気に引き剥がし、碁盤目の状態を見て、塗膜の付着性を調査する。

 

≪答え≫ 

  マンションの建物の調査・診断に関する出題であり容易に正答を得られる。調査・診断方法はウエブで検索してどのようなものかを図や写真で確認しておく事。

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問37〕 マンションの建物の調査を行う場合の調査項目と使用する機器・道具等の組合せとして適切でないものはどれか

 

1  鉄筋のかぶり厚さ      電磁波レーダ

2  コンクリートのひび割れ幅    クラックスケール

3  コンクリートの中性化の深さ フェノールフタレイン溶液

4  タイルの浮き        リバウンドハンマー

 

≪解説≫ 

 

・選択肢1:選択肢設問の記載事項は適切であり設問は適切である電磁波レーダ法とはアンテナからコンクリート内部へマイクロ波を放射して、コンクリートと他の物質(鉄筋、配管、空洞など)から反射してきた時間を測定し、画像処理をすることによってはく離や空洞などの欠陥やコンクリート内部にある鉄筋や鋼材の位置を調べる方法

 

・選択肢2:当選択肢の記載事項は適切であり設問は適切である 

・選択肢3:当選択肢の記載事項は適切であり設問は適切である

 

・選択肢4:タイルの浮きはテストハンマーで調査するので設問は適切でないリバウンドハンマー(シュミットハンマー)はコンクリートの強度を調査する。

 

≪答え≫ 

  マンションの建物の調査・診断に関する出題であり容易に正答を得られる。調査・診断方法はウエブで検索してどのようなものかを図や写真で確認しておく事。

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問38〕 「長期修繕計画作成ガイドライン及び同コメント」(平成20年6月国土交通省公表)に関する次の記述のうち、適切なものはどれか

 

1 設備配管の修繕等において共用部分の修繕に伴って生じる専有部分の修繕工事は、長期修繕計画の対象に含まれない。

2 長期修繕計画の見直しは、大規模修繕工事の間隔に合わせて10年程度で実施することが望ましい。

3 長期修繕計画の作成(見直しを含む。)の推定修繕工事項目の設定は、建物及び設備の機能を新築時と同等水準に維持回復させる修繕工事を対象とし、免震工法等の耐震改修工事は対象としない。

4 修繕積立金の積立ては、計画期間に積み立てる修繕積立金の額を均等にする積立方式(均等積立方式)を基本とする。

≪解説≫ 

 

・選択肢1:長期修繕計画の対象の範囲はガイドラインの第2章第1節2の一に「単棟型のマンションの場合、管理規約に定めた組合管理部分である敷地、建物の共用部分及び附属施設(共用部分の修繕工事又は改修工事に伴って修繕工事が必要となる専有部分を含む。)を対象とすると規定されており、備配管の修繕等において共用部分の修繕に伴って生じる専有部分の修繕工事は長期修繕計画の対象に含まれるので設問は適切でない

 

・選択肢2:ガイドライン第2章第1節10に「長期修繕計画は5年程度ごとに調査・診断を行い、その結果に基づいて見直すことが必要」と規定されており設問は適切でない

 

・選択肢3:ガイドライン第2章第1節2の二に「推定修繕工事は、建物及び設備の性能・機能を新築時と同等水準に維持、回復させる修繕工事を基本とする。また、区分所有者の要望など必要に応じて、建物及び設備の性能を向上させる改修工事を設定する」と規定されており、免震工法等の耐震改修工事も対象とできるので設問は適切でない 

・選択肢4:ガイドライン第3章第2節1に「繕積立金の積立ては、長期修繕計画の作成時点において、計画期間に積み立てる修繕積立金の額を均等にする均等積立方式基本とする」と規定されており設問は適切である

 

≪答え≫ 

  「長期修繕計画作成ガイドライン及び同コメント」(本問では「ガイドライン」と略す)に関する出題である。左記ガイドラインに目を通しておけば容易に正答を得られる

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問39〕 マンションの維持管理に関する次の記述のうち、適切なものはどれか

 

住宅金融支援機構の「マンションすまい・る債」(マンション修繕債券積立制度)を利用できる理組合の条件として、長期修繕計画が作成されていることや修繕積立金の滞納割合が10%以下であること等が挙げられている。

2 消防用設備等の点検における機器点検及び総合点検は、建築士又は建築物の昇降機以外の建築設備について国土交通大臣が定める資格を有する者(建築設備検査資格者)が実施しなければならない。

3 コンクリートの打継ぎ部や各種部材の接合部等のシーリング目地は、紫外線のほかに、地震、気温や日照等の影響を受けて劣化するので、必要に応じて打替を行う。

4 「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」において、長期優良住宅の認定を受けた住宅は、認定を受けた計画に基づくメンテナンスを実施し、その記録を電子計算機に備えられたファイル又は磁気ディスクに保存しなければならない。

 

≪解説≫

 

・選択肢1:当選択肢の設問に記載されている条件は「共用部分リフォーム融」で設けられている条件であり設問は適切でないマンションすまい・る」の利用条件下記の通り
 
1. 機構融資を利用し、共用部分の修繕工事を行うことを予定している管理組合であること
 2. 管理規約が定められていること
 3. 長期修繕計画の計画期間が20年以上であること
 4. 反社会的勢力と関係がないこと

・選択肢2:消防法第17条の3の3に「防火対象物の関係者は、当該防火対象物における防用設備等又は特殊消防用設備等について、定期に、当該防火対象物のうち政令で定めるものにあっては消防設備士免状の交付を受けている者又は総務省令で定める資格を有する者に点検させなければならない」と規定されており、国土交通大臣が定める資格を有する者が実施するのではないので設問は適切でない消防に関する事は総務省の管轄であること思い出せばよい。

 

・選択肢3:当選択肢の記載事項は適切であり設問は適切である 

・選択肢4:長期優良住宅の普及の促進に関する法律施行規則」第14条第2項に「一定事項が、電子計算機に備えられたファイル又は磁気ディスクに記録され、必要に応じ電子計算機その他の機器を用いて明確に紙面に表示されるときは、当該記録をもって法第十一条第一項の記録の作成及び保存に代えることができる」と規定されておりファイル又は磁気ディスクに保存しなければならない」とは規定されていないので設問は適切でない

 

≪答え≫ 

  大規模修繕に関する出題である。細かい事項について問われているが、ざっとみて明らかに適切な選択肢が見出せるので迷わず選択する事。

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問40〕 マンションにおける夏の節電対策に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか

 

1 照明のこまめな消灯や間引きにより照度を下げることは節電につながるが、エアコンの電源の頻繁なオンオフは消費電力の増加になるので注意が必要である。

2 明るさがほぼ同じ白熱電球、電球形蛍光ランプ及びLED電球について、白熱電球を電球形蛍光ランプに交換することは、電球形蛍光ランプをLED電球に交換することより節電効果が小さい。

熱伝導抵抗の大きい断熱材や建具等により、住宅の断熱性能を高め熱の出入りを減少させることは、節電に有効である。

4 ベランダにゴーヤ等の植物を植えたり、カーテンや障子を閉めて、日射による熱負荷を減少させることは、節電に有効である。

 

≪解説≫ 

  

・選択肢1::当選択肢の記載事項は適切であり設問は適切である 

・選択肢2:当選択肢の記載事項は適切であり設問は適切でない。ちなみに、照明が60W相当なら、白熱電球は約54W、電球形蛍光ランプは約13W、LED電球は約7.5Wであり、白熱電球を電球形蛍光ランプに交換する方が、節電効果が大きい

・選択肢3:当選択肢の記載事項は適切であり設問は適切である熱伝導抵抗とは固体や静止した流体中で、温度差によって熱が伝搬されてゆく場合の、熱の伝わりにくさを示す物性値であり物体の厚さを熱伝導率で除した値であり、断熱性能を高め熱の出入りを減少させることにより室内の気密性が高まり冷暖房の効果が高まる 

・選択肢4:当選択肢の記載事項は適切であり設問は適切である

 

≪答え≫ 

  マンションにおける夏の節電対策に関する出題である。落ち着いてよく読めば常識的判断で適切でない選択肢は容易に見出せる

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問41〕 マンションの建築構造に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか

 

1 ラーメン構造は、柱と梁をしっかり固定(剛接合)して建物の骨組みを構成し、荷重や外力に対応する構造形式である。

2 壁式構造は、壁や床等の面的な構造部材により荷重や外力に対応する構造形式で、中低層の建物に多く用いられる。

3 鋼(鉄骨)構造は、超高層建築物や大スパン構造物に適しているが、一般に、耐火被覆が必要となる。

4 鉄筋コンクリート構造は、引張強度は高いが圧縮強度は劣るコンクリートを圧縮強度が高い鉄筋によって補った構造形式である。

 

≪解説≫ 

 

・選択肢1:当選択肢の記載事項は適切であり設問は適切である 

・選択肢2:当選択肢の記載事項は適切であり設問は適切である 

・選択肢3:当選択肢の記載事項は適切であり設問は適切である 

・選択肢4:鉄筋コンクリート構造は、引張強度は低いが圧縮強度は高いコンクリートを圧縮強度は劣るが引張強度は高い鉄筋によって補った構造形式であり設問は適切でない

 

≪答え≫ 

 マンションの建築構造に関する出題であり、基本的知識を問う設問なので容易に正答を得られる。

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問42〕 次に掲げるア~エは、マンションに使用される建築材料である。これらの建築材料の熱伝導率(気乾状態)の小さなものから並べた1~4のうち、適切なものはどれか


ア 木材・合板
イ アルミニウム
ウ コンクリート
エ グラスウール保温板

  1 ア、ウ、エ、イ
2 ア、エ、イ、ウ
3 エ、ア、ウ、イ
4 エ、ア、イ、ウ

 

≪解説≫ 

   建築材料の熱伝導率とは熱の伝えやすさを表した値であり、熱伝導率の値が大きいほど移動する熱量が大きいことであり熱が伝わりやすいことになる。選択肢のうち

アルミニウムが、熱伝導率が一番高いので選択肢1、3が正答候補となる。

熱伝導率が一番低いのは選択肢1の木材・合板か、選択肢3のグラスウール保温板を判断することになるが「保温」と命名されているグラスウール保温板の方が、熱伝導率が低いとみなされる。従って、選択肢3が正答となる。根拠を示せば下記の通り。単位はW/(m・K) 

     グラスウール保温板(エ) : 0.04W/(m・K)

   木材・合板(ア)        : 0.14

   コンクリート(ウ)       : 1.

   アルミニウム(イ)      : 210

 

≪答え≫ 

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問43〕 マンションの飲料用の給水設備に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか

 

1 給水立て主管から各住戸へ配水する分岐管には、他の給水系統へ影響を与えることなく専有部分の給水管の更新工事ができるように止水弁を設ける。

2 受水槽の点検用マンホールは、有効内径50㎝以の大きさとする。

3 20階以上のマンションの給水系統において給水圧力が高い場合には、中間水槽や減圧弁を用いてゾーニングを行い、給水圧力を調整する。

4 受水槽の点検用マンホール面は、受水槽上面より10㎝以上立ち上げる。

 

≪解説≫  

 

・選択肢1:当選択肢の記載事項は適切であり設問は適切である止水弁は給水管の途中に設置し給水を制限、抑止する弁である

 

・選択肢2:「受水槽の点検用マンホールは、有効内径60㎝以上の大きさとする」とされており設問は適切でない 

・選択肢3:当選択肢の記載事項は適切であり設問は適切である 

・選択肢4:当選択肢の記載事項は適切であり設問は適切である

 

≪答え≫

   給水設備に関する出題である。ここは細かい数値について問われているが、「マンション管理の知識第4編第2章第2節1給水設備」に詳細が記載されているので参照の事。以下の解説はこのマニュアル記載事項を根拠とする。

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問44〕 マンションの排水設備に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

 

1 雨水排水ますは、直接土砂が下水道等へ流れ込まないように、ます内に泥だめを設ける構造とする。

2 トラップは、排水管中の臭気の逆流や害虫の侵入を防ぐために設置されるが、二重トラップとならないように設置し、容易に掃除ができる構造とする。

3 20階以上のマンションの排水立て管には、管内を定期的に清掃するために、10階程度の間隔で掃除口を設置する。

敷地内において雨水排水管と生活排水用の排水横主管を接続する場合には、臭気が雨水系統へ逆流しないように、トラップ機能を有する排水ますを設置する

 

≪解説≫ 

 

・選択肢1:当選択肢の記載事項は適切であり設問は適切である

 

・選択肢2:当選択肢の記載事項は適切であり設問は適切である。

 

・選択肢3:排水立て管には、最上階または屋上、最下階及び3階以内の中間階または15m以内ごとに掃除口を設けることが望ましいとの平成13年国交省告示にあり設問は適切でない。当選択肢設問にある「10階程度の間隔で掃除口を設置する。」では間隔が長すぎるので適切でないと判断しても差し支えない。 

・選択肢4:当選択肢の記載事項は適切であり設問は適切である。

 

≪答え≫ 

  排水設備に関する出題である。ここも「マンション管理の知識第4編第2章第2節2排水・通気設備」に詳細が記載されているので参照の事。

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45〕 マンションの設備の清掃及び保守点検に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

 

1 高圧洗浄法による排水管の清掃は、付着物で閉塞した排水管内に水を送り、圧縮空気を放出してその衝撃で付着物を除去する。

2 消防用設備の点検において、消防機関へ通報する火災報知設備は、外観や機能の点検を行う機器点検を、6ヵ月に1回実する。

3 エレベーターの保守契約におけるPOG契約は、消耗部品付き契約のことで、定期点検及び管理仕様範囲内での消耗品の交換を含んでいる。

4 飲料用の受水槽は、周囲4面と上下2面の外面6面のすべてについて点検ができるように設置する。

 

≪解説≫ 

 

・選択肢1:高圧洗浄法は「マンション管理の知識第4編第2章第2節2排水・給水設備」に「高圧ポンプを装備した高圧洗浄車、ホース、ノズル等からなり、高圧の水を噴射し、噴射力で管内の汚れや付着物を除去する記載されており、当選択肢設問にある「排水管内に水を送り、圧縮空気を放出してその衝撃で付着物を除去する」方法ではないので設問は適切でない。他にワイヤ方法ウォターラム法がある。

 

・選択肢2:当選択肢の記載事項は適切であり設問は適切である

 

・選択肢3:当選択肢の記載事項は適切であり設問は適切である

 

・選択肢4:当選択肢の記載事項は適切であり設問は適切である

 

≪答え≫ 

  給排水設備やエレベーター設備等に関する出題である。選択肢1を除いて他の選択肢の設問は基本的なことなので適・不適の判断は容易にできる。 

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   問46~問50はマンション管理適正化法及びこれに関連する区分所有法からの出題である。ここは出題範囲が限られており簡単な設問なので全問につき正答が望まれる。


 

問46〕 マンションに関する次の記述のうち、マンション管理適正化法及び区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか

 

1 全戸が事務所又は店舗の用に供されている専有部分のある建物は、マンションではない。

2 一部共用部分のみを管理する区分所有法第3条の団体は、マンション管理適正化法上の管理組合ではない。

3 規約が定められていない区分所有法第3条の団体は、マンション管理適正化法上の管理組合ではない。

4 マンションに現に居住している者がすべて賃借人である場合は、当該マンションにはマンション管理適正化法上の管理組合は存在しない。

 

≪解説≫ 

 

・選択肢1:マンション管理適正化法第2条1号イに「二以上の区分所有者が存する建物で人の居住の用に供する専有部分のあるもの並びにその敷地及び附属施設」と規定されており、全戸が事務所又は店舗の用に供されている専有部分のある建物はマンションでないので設問は正しい 

・選択肢2:マンション管理適正化法第2条3号に「ンションの管理を行う区分所有法第三条に規定する団体は管理組合である」と規定されており、また、区分所有法第3条に「部共用部分をそれらの区分所有者が管理するときも同様とする」と規定されており、併せて、設問は正しくない

 

・選択肢3:マンション管理適正化法第2条3号に「マンションの管理を行う区分所有法第三条に規定する団体は管理組合である」と規定されており、規約が定められていなくても管理組合なので設問は正しくない 

・選択肢4:マンションの居住者がすべて賃借人でも当該マンションに2人以上の区分所有者が存在すればマンション管理適正化法上のマンションは存在するので設問は正しくない

 

≪答え≫ 

  マンション管理適正化法のマンションの定義に関する出題である。基本設問である。

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問47〕 マンション管理士に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法の規定によれば、正しいものはどれか

 

マンション管理士試験に合格した者は、合格した日から5年以内でなければ国土交通大臣の登録を受け、マンション管理士の名称を用いて、その業務を行うことができない。

マンション管理士は、マンション管理士の信用を傷つけるような行為をした場合には、30万円以下の罰金に処せられる。

3 マンション管理適正化法以外の法律に違反したとして罰金の刑に処せられた者は、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過しなければ、マンション管理士の登録を受けることができない。

マンション管理士は、住所又は本籍を変更したときは、遅滞なく、その旨を国土交通大臣に届けなければならず、その場合においては、当該届出にマンション管理士登録証を添えて提出し、その訂正を受けなければならない。

 

≪解説≫

 

・選択肢1:マンション管理適正化法第6条に「マンション管理士試験に合格した者は、マンション管理士となる資格を有する」と規定されており、また、同法第2条第5項に「マンション管理士は国土交通大臣の登録を受ければ、マンション管理士の名称を用いて、専門的知識をもって、管理組合の運営その他マンションの管理に関し、管理組合の管理者等又はマンションの区分所有者等の相談に応じ、助言、指導その他の援助を行う業務を行うことができる」と規定されているが、登録は任意であり義務ではないので設問は正しくない

 

・選択肢2:マンション管理適正化法第40条に「マンション管理士は、マンション管理士の信用を傷つけるような行為をしてはならない」と規定されているが、この規定に違反しても罰金に処せられることはないので設問は正しくない。なお、マンション管理士が秘密保持義務に違反したときは1年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せられる

 

・選択肢3:マンション管理適正化法第30条第1項3号に「マンション管理適正化法の規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者はマンション管理士の登録を受けることができない」と規定されており、当選択肢設問にあるマンション管理適正化法以外の法律に違反したとして罰金の刑に処せられた者はマンション管理士の登録を受けることができるので設問は正しくない。なお、マンション管理適正化法以外の法律に違反し禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者はマンション管理士の登録を受けることができない

 

・選択肢4:マンション管理適正化法第32条第2項等に「マンション管理士は住所・本籍を変更があったときは、遅滞なく、その旨を国土交通大臣に届けなければならず、その場合においては、当該届出にマンション管理士登録証を添えて提出し、その訂正を受けなければならない」と規定されており設問は正しい

 

 ≪答え≫ 

  マンション管理適正化法のマンション管理士に関する出題である。基本設問である

 

 

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問48〕 管理業務主任者に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法の規定によれば、誤っているものはどれか

 

1 管理業務主任者とは、マンション管理適正化法第60条第1項に規定する管理業務主任者証の交付を受けた者をいう。

2 管理業務主任者は、転職によりその業務に従事していたマンション管理業者に変更があったときは、遅滞なく、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。

3 管理業務主任者は、国土交通大臣より事務の禁止処分を受けたときは、速やかに、管理業務主任者証を国土交通大臣に提出しなければならない。

4 管理業務主任者は、5年ごとに、国土交通大臣の登録を受けた者が国土交通省令で定めるところにより行う講習を受けなければならない。

 

≪解説≫

  

・選択肢1:マンション管理適正化法第2条9号に「管理業務主任者はマンション管理適正化法第6条第1項に規定する管理業務主任者証の交付を受けた者をいう」と規定されており設問は正しい 

・選択肢2:マンション管理適正化法第62条第1項等に「管理業務主任者は、転職によりその業務に従事していたマンション管理業者に変更があったときは、遅滞なく、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない」と規定されており設問は正しい 

・選択肢3:マンション管理適正化法第60条第5項に「管理業務主任者は、国土交通大臣より事務の禁止処分を受けたときは、速やかに、管理業務主任者証を国土交通大臣に提出しなければならない」と規定されており設問は正しい

・選択肢4:マンション管理適正化法講習の受講は管理業務主任者証の交付を受けようとする場合には必要であるが5年ごとに講習を受ける義務はないので設問は正しくない5年ごとに講習を受ける義務があるのはマンション管理士である

 

≪答え≫ 

  マンション管理適正化法の管理業務主任者に関する出題である。選択肢4のマンション管理適正化法の講習についてマンション管理士と管理業務主任者とでは異なることに注意の事

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問49〕 マンション管理業者に課せられている義務に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法の規定によれば、正しいものはどれか

 

1 マンション管理業者は、管理組合から委託を受けた管理事務のうち、当該管理組合の会計の収入及び支出の調定に関する事務の一部を、当該マンション管理業者とは別のマンション管理業者に再委託することはできない。

2 マンション管理業者は、管理組合から委託を受けた管理事務について、帳簿を作成し、各事業年度の末日をもって閉鎖し、閉鎖後5年間当該帳簿を保存しなければならない。

3 マンション管理業者は、自己の業務又は財産の状況を記載した書類を管理事務の委託を受けた管理組合の事務室に備え置き、業務の関係者の求めに応じ、閲覧させなければならない。

4 マンション管理業者は、裁判において証人尋問を受けた際であっても、その業務に関して知り得た秘密について証言してはならない。

 

≪解説≫

  

・選択肢1:マンション管理適正化法第74条に「マンション管理業者は、管理組合から委託を受けた管理事務のうち基幹事務については、これを一括して他人に委託してはならない」と規定されており設問は正しくない

 

・選択肢2: マンション管理適正化法第75条等に「管理組合から委託を受けた管理事務について、帳簿を作成し、各事業年度の末日をもって閉鎖し、閉鎖後5年間当該帳簿を保存しなければならない」と規定されており設問は正しい

 

・選択肢3:マンション管理適正化法第79条第項に「マンション管理業者は、当該マンション管理業者の業務及び財産の状況を記載した書類をその事務所ごとに備え置き、その業務に係る関係者の求めに応じ、これを閲覧させなければならない」と規定されており設問は正くない自己の業務又は財産の状況を記載した書類を管理事務の委託を受けた管理組合の事務室に備え置くのではない

・選択肢4:マンション管理適正化法第80条に「マンション管理業者は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。マンション管理業者でなくなった後においても、同様とする」規定されているが、当選択肢設問にあるように裁判において証人尋問を受けた際は正当な理由に相当するので知り得た秘密について証言することはできるので設問は正しくない

 

≪答え≫ 

 

 マンション管理適正化法のマンション管理業者に関する出題である。ひっかけがあるので注意して問をよく読むこと

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問50〕 マンション管理業者Aは、管理者等が置かれている甲マンション管理組合及び管理者等が置かれていない乙マンション管理組合と管理受託契約を締結している。この場合におけるAの管理事務の報告に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法の規定によれば、正しいものはどれか

 

1 Aは、甲に管理事務に関する報告を行うときは、管理事務報告書を作成し、管理業務主任者をして、これを管理者等に交付して説明をさせなければならない。

2 Aは、乙の区分所有者等に対し、管理業務主任者をして、管理事務に関する報告をしなければならないが、管理事務報告書を作成し、マンションの区分所有者等に閲覧させれば、この説明会の開催を省略することができる。

3 Aは、甲から管理事務の委託を受けた場合、マンション管理業者の事業年度終了後、遅滞なく、当該管理者等に対し、管理業務主任者をして、当該管理事務に関する報告をさせなければならない。

4 Aは、乙から委託を受けた管理事務に関する報告の説明会開催日の1週間前までに、開催日時及び場所並びに管理事務報告書の概要を記した書面を乙の区分所有者等の見やすい場所に掲示しなければならない。

 

 

≪解説≫

 

・選択肢1:マンション管理適正化法第77条第1項に「マンション管理業者は、管理事務の委託を受けた管理組合に管理者等が置かれているときは、定期に、当該管理者等に対し、管理業務主任者をして、当該管理事務に関する報告をさせなければならない」と規定されており設問は正しい

 

・選択肢2:マンション管理適正化法第77条第2項に「マンション管理業者は、管理事務の委託を受けた管理組合に管理者等が置かれていないときは、定期に、説明会を開催し、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等に対し、管理業務主任者をして、当該管理事務に関する報告をさせなければならない」と規定されており、説明会を省略することができなので設問は正しくない

・選択肢3:マンション管理適正化法第88条に「マンション管理業者は、管理者等が置かれている管理組合へ管理事務に関する報告を行うときは、管理事務を委託した管理組合の事業年度終了後、遅滞なく、当該期間における管理受託契約に係るマンションの管理の状況について一定事項を記載した管理事務報告書を作成し、管理業務主任者をして、これを管理者等に交付して説明をさせなければならない」と規定されており設問正しくない。当選択肢設問にある「マンション管理業者の事業年度終了後」は誤りで正しくは「管理事務を委託した管理組合の事業年度終了後」でありひっかけである

 

・選択肢4:マンション管理適正化法施行規則第89条第3項にマンション管理業者は、前項の説明会の開催日の一週間前までに説明会の開催の日時及び場所について、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等の見やすい場所に掲示しなければならない」と規定されているが掲示に関して当選択肢設問にある管理事務報告書の概要を記した書面」は規定されておらず設問は正しくない


 

≪答え≫ 1

 

 マンション管理適正化法のマンション管理業者の管理事務の報告に関する出題である。かなり細かい問なので落ち着いて問題を読み解く事

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