問1 |
区分所有法(一部共用部分) |
||||||
問2 |
区分所有法(管理者) |
問8 |
区分所有法(義務違反者) |
問14 |
民法(不法行為) |
問20 |
建築基準法(違反建築) |
問3 |
区分所有法(共用部分) |
問9 |
区分所有法(建替え) |
問15 |
民法(相続) |
問21 | 都市計画法 |
問4 |
区分所有法(規約) |
問10 |
被災区分所有法 |
問16 |
民法(債務不履行) |
問22 |
水道法(簡易専用水道) |
問5 |
区分所有法(集会) |
問11 |
区分所有法(団地) |
問17 |
不動産登記法 |
問23 |
消防法 |
問6 |
区分所有法(管理組合法人) |
問12 |
民法(契約不適合) |
問18 | 品確法 | 問24 | 大規模修繕(防犯) |
問7 |
区分所有法(管理組合法人) |
問13 |
民法(寄託) |
問19 | 建替え等円滑化法 | 問25 |
区分所有法(復旧) |
〔
1 区分所有者全員の規約で定めれば、共用部分の一部について、これを一部共用部分として、一部の区分所有者が管理するものとすることができる。
2 一部共用部分の管理は、区分所有者全員の規約に定めがあるものを除き、これを共用すべき区分所有者のみで行う。
3 一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものについての区分所有者全員の規約の設定は、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者の1/4を超える者が反対したときは、することができない。
4 一部共用部分の管理のうち、区分所有者全員の利害に関係するものについて、区分所有者全員で管理する場合は、その旨を区分所有者全員の規約で定めなければならない。
≪解説≫
・選択肢1:区分所有法第3条に「一部共用部分とは、一部の区分所有者のみの共用に供されるべきことが明らかな共用部分のことをいう」と規定されており当設問は正しくない。「明らかな」とは物理的状況をいいこれを規約で定めることではない
・選択肢2:区分所有法第16条に「一部共用部分の管理のうち、区分所有者全員の利害に関係するもの又は区分所有者全員の規約に定めがあるものは区分所有者全員で、その他のものはこれを共用すべき区分所有者のみで行う。」と規定されており当設問は正しくない。「区分所有者全員の利害に関係するもの」を除外していないので誤りである。条文は漏れなく全文を記憶しておく事
・選択肢3:区分所有法第31条第2項に「前条第二項に規定する事項(一部共用部分に関する事項)についての区分所有者全員の規約の設定、変更又は廃止は、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者の四分の一を超える者又はその議決権の四分の一を超える議決権を有する者が反対したときは、することができない」と規定されており当設問は正しい
・選択肢4:一部共用部分の管理のうち、区分所有者全員の利害に関係するものについては区分所有者全員で行うものであり、区分所有者全員の規約でその旨を定める必要がないので当設問は正しくない。区分所有法第16条の反対解釈
≪答え≫ 3
区分所有法の一部共用部分に関する出題である。基本的な知識を問う問題である。選択肢2及び選択肢4は注意の事。一部共用部分に関しては時々出題されるが法律の条文から解釈するより実際の場面をイメージして正答を求める方がよい
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〔問 2 〕 区分所有者の責任に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。ただし、規約に別段の定めはないものとする。
1 区分所有者は、管理者がその職務の範囲内において第三者との間にした行為につき、専有部分の床面積の割合に応じて責任を負う。
2 区分所有者は、共用部分の設置又は保存の瑕疵により生じた損害賠償責任につき、共用部分の持分の割合に応じて責任を負う。
3 区分所有者は、その共用部分を保存するため他の区分所有者の専有部分を使用し、その結果、当該他の区分所有者に損害を与えた場合には、その償金につき、共用部分の持分の割合に応じて支払の責任を負う。
4 区分所有者は、管理所有者が共用部分の管理に要した相当な費用及びそれとは別の管理所有者としての報酬につき、共用部分の持分の割合に応じて支払の責任を負う。
≪解説≫
・選択肢1:区分所有法第29条第1項に「管理者がその職務の範囲内において第三者との間にした行為につき区分所有者がその責めに任ずべき割合は、第十四条に定める割合(専有部分の床面積の割合)と同一の割合とする」と規定されており当設問は正しい
・選択肢2:区分所有法第19条に「各共有者は、規約に別段の定めがない限りその持分に応じて、共用部分の負担に任じ、共用部分から生ずる利益を収取する」と規定されており当設問は正しい
・選択肢3:区分所有法第6条第2項に「区分所有者は、その専有部分又は共用部分を保存し、又は改良するため必要な範囲内において、他の区分所有者の専有部分又は自己の所有に属しない共用部分の使用を請求することができる。この場合において、他の区分所有者が損害を受けたときは、その償金を支払わなければならない」と規定されており、また、償金の支払いに関しては選択肢2で説明した通り共用部分の持分の割合に応じて支払いの責任を負うことになるので当設問は正しい。共用部分を保存するための使用請求であれば、その償金の負担は区分所有者全員で共用部分の持分の割合に応じて負担すべきであるが専用部分を保存するための使用請求は損害を与えた区分所有者のみがが負担する
・選択肢4:管理所有者が共用部分の管理に要した相当な費用については区分所有法第20条第1項により区分所有者は、管理所有者が共用部分の管理に要した相当な費用につき、共用部分の持分の割合に応じて支払いの責任を負うことは正しいが、管理所有者としての報酬については規約に別段の定めがないので区分所有者に支払いの義務は生じないので当設問は誤っている
≪答え≫ 4
区分所有法での区分所有者の責任に関する出題である。いずれの選択肢も基本的な知識を問う問題であるが、選択肢はひっかけ問題であるので注意する事
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〔問 3 〕 区分所有者又は管理者からの請求に関する次の記述のうち、区分所有法及び民法の規定によれば、正しいものはどれか。ただし、別段の慣習はないものとする。
1 区分所有者は、自己の専有部分を保存するために必要な範囲において、他の区分所有者の専有部分の使用を請求することができるが、自己の専有部分を改良するためには、このような請求をすることはできない。
2 管理者は、共用部分並びにマンションの敷地及び共用部分以外の附属施設の保存のために、必要な範囲において、区分所有者の専有部分の使用を請求することができる。
3 区分所有者は、マンションの敷地の境界線から50㎝以上で1m未満の距離において、外壁に特定の専有部分を見通すことができる窓を設けようとする者に対して、その建築の中止を請求することができる。
4 他の土地の排水設備の閉塞(へいそく)によりマンションの敷地に損害が及び、又は及ぶおそれがあっても、管理者は、他の土地の所有者に障害を除去させ又は必要な予防工事をさせることはできない。
≪解説≫
・選択肢1:区分所有法第6条第2項に「区分所有者は、その専有部分又は共用部分を保存し、又は改良するため必要な範囲内において、他の区分所有者の専有部分又は自己の所有に属しない共用部分の使用を請求することができる」と規定されており当設問は正しくない。
・選択肢2:区分所有法第26条第1項に「管理者は、共用部分並びに当該建物の敷地及び附属施設を保存し、集会の決議を実行し、並びに規約で定めた行為をする権利を有し、義務を負う」と規定されており、また、第27条第2項に「第六条第二項(区分所有者の権利義務等)及び第二十条(管理所有者の権限)の規定は、前項の場合に準用する」と規定されており保存のため必要な範囲において区分所有者の専有部分の使用を請求することができるので当設問は正しい。
・選択肢3:民法第234条第1項及び第2項に「建物を築造するには、境界線から五十センチメートル以上の距離を保たなければならない。この規定に違反して建築をしようとする者があるときは、隣地の所有者は、その建築を中止させ、又は変更させることができる」と規定されており、当設問では敷地の境界線から50㎝以上の距離を保つのでその建築の中止を請求することはできない。また、民法第234条第1項に「境界線から一メートル未満の距離において他人の宅地を見通すことのできる窓又は縁側を設ける者は、目隠しを付けなければならない」と規定されているが、外壁に特定の専有部分を見通すことができる窓を設けようとする者に対し建築中を請求する旨の規定はないので当設問は正しくない。
・選択肢4:民法第216条に「他の土地に貯水、排水又は引水のために設けられた工作物の破壊又は閉塞により、自己の土地に損害が及び、又は及ぶおそれがある場合には、その土地の所有者は、当該他の土地の所有者に、工作物の修繕若しくは障害の除去をさせ、又は必要があるときは予防工事をさせることができる」と規定されており、また、選択肢2で説明したように管理者は共有に属する敷地に関し保存行為をする権利を持つので当設問は正しくない。
≪答え≫ 2
区分所有法での管理者の権限等に関する出題である。マンションに住んでいる人なら常識的判断で容易に正答を得られる
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〔問 4 〕 次の集会に関する規約の定めのうち、区分所有法の規定によれば、その効力が生じないものはどれか。ただし、規約の定めは各区分所有者間の利害の衡平が図られているものとする。
1 管理者がないときは、区分所有者の1/6以上で議決権の1/6以上を有するものは、集会を招集することができる。
2 集会の招集の通知は、会日より少なくとも5日前に、会議の目的たる事項を示して、各区分所有者に発する。
3 区分所有法に集会の決議につき特別の定数が定められている事項を含めて、あらかじめ通知した事項以外の事項について、集会において決議することができる。
4 各区分所有者の議決権は、共用部分の持分の割合にかかわらず、同一の割合とする。
≪解説≫
・選択肢1:区分所有法第34条第3項に「区分所有者の五分の一以上で議決権の五分の一以上を有するものは、管理者に対し、会議の目的たる事項を示して、集会の招集を請求することができる。ただし、この定数は、規約で減ずることができる。」と規定されており当設問は効力が生じる。
・選択肢2:区分所有法第35条第1項に「集会の招集の通知は、会日より少なくとも一週間前に、会議の目的たる事項を示して、各区分所有者に発しなければならない。ただし、この期間は、規約で伸縮することができる。」と規定されており当設問は効力が生じる。
・選択肢3:区分所有法第37条第2項に「集会においては、あらかじめ通知した事項についてのみ、決議をすることができるが、この法律に集会の決議につき特別の定数が定められている事項を除いて、規約で別段の定めをすることを妨げない」と規定されており、設問には「特別の定数が定められている事項を含めて」とあるので当設問は効力が生じない。
・選択肢4:区分所有法第38条第2項に「各区分所有者の議決権は、規約に別段の定めがない限り、第十四条に定める割合(共有部分の持分割合)による」と規定されており当設問は効力が生じる。
≪答え≫ 3
区分所有法での管理者の権限等に関する出題である。マンションに住んでいる人なら常識的判断で容易に正答を得られる
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〔問 5 〕 電磁的記録又は電磁的方法に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。
1 議長は、規約又は集会の決議によらなくても、集会の議事について電磁的記録により議事録を作成することができる。
2 区分所有者は、規約又は集会の決議によらなくても、電磁的方法によって議決権を行使することができる。
3 管理者は、毎年1回一定の時期に行うべき管理者の事務に関する報告を、集会においてではなく、電磁的方法により行うことができる。
4 区分所有法により集会において決議すべき場合において、規約の定め又は集会の決議があれば、集会においてではなく、電磁的方法によって決議をすることができる。
≪解説≫
・選択肢1:区分所有法第42条第1項に「集会の議事については、議長は、書面又は電磁的記録により、議事録を作成しなければならない」と規定されており当設問は正しい。これはITが普及している昨今では当然のことである。
・選択肢2:区分所有法第39条第3項に「区分所有者は、規約又は集会の決議により、書面による議決権の行使に代えて、電磁的方法によって議決権を行使することができる」と規定されており当設問は正しくない。
・選択肢3:区分所有法第43条に「管理者は、集会において、毎年一回一定の時期に、その事務に関する報告をしなければならない」と規定されており当設問は正しくない。管理者には必ず集会を開催し区分所有者と対面で報告させるよう義務付けている。
・選択肢4:区分所有法第45条第1項に「この法律又は規約により集会において決議をすべき場合において、区分所有者全員の承諾があるときは、書面又は電磁的方法による決議をすることができる。」と規定されており当設問は正しくない。「区分所有者全員の承諾があるとき」と条件が付けられているので注意の事。区分所有者の中にはIT環境を利用していない人もいるので「規約の定め又は集会の決議があれば電磁的方法によって行うことができる」は無理がある
≪答え≫ 1
区分所有法の電磁的記録又は電磁的方法に関する出題である。電磁的方法をどのように利用するのかを知っていれば容易に正答を得られる
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〔問 6 〕 管理組合法人の理事に関する規約の定めについての次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。
1 理事が数人ある場合の管理組合法人の事務について、規約によって、理事の過半数ではなく、理事全員の合意で決する旨を定めることはできない。
2 理事が数人ある場合の管理組合法人を代表すべき理事の選定について、規約によって、理事の互選により選出する旨を定めることはできない。
3 理事が数人ある場合の理事の任期について、規約によって、半数の理事の任期を2年とし、残りの半数の理事の任期を3年とする旨を定めることはできない。
4 理事の行為の委任について、規約によって、理事は包括的に理事の行為を他人に委任することができる旨を定めることはできない。
≪解説≫
・選択肢1:区分所有法第49条第2項に「理事が数人ある場合において、規約に別段の定めがないときは、管理組合法人の事務は、理事の過半数で決する」と規定されており、「理事全員の合意で決する旨を定めることはできない」と規定することはできるので当設問は正しくない
・選択肢2:区分所有法第49条第5項に「規約若しくは集会の決議によって、管理組合法人を代表すべき理事を定め、若しくは数人の理事が共同して管理組合法人を代表すべきことを定め、又は規約の定めに基づき理事の互選によって管理組合法人を代表すべき理事を定めることを妨げない」と規定されており規約に当選択肢のように規定することはできるので当設問は正しくない。
・選択肢3:区分所有法第49条第6項に「理事の任期は、二年とする。ただし、規約で三年以内において別段の期間を定めたときは、その期間とする」と規定されており規約に当選択肢のように規定することはできるので当設問は正しくない
・選択肢4:区分所有法第49条の3に「理事は、規約又は集会の決議によって禁止されていないときに限り、特定の行為の代理を他人に委任することができる」と規定されており、「包括的に理事の行為を他人に委任することができる」とは規定されていないので当設問は正しい
≪答え≫ 4
区分所有法の管理組合法人の理事に関する出題である。これも管理組合法人に関する規約をしっかり理解していれば容易に正答を得られる。
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〔問 7〕 震災によるマンションの修繕工事が予算を大幅にオーバーし多額の債務を負担することとなった管理組合法人の理事会でのA~Dの各理事の次の発言のうち、区分所有法及び民法の規定によれば、正しいものはどれか。ただし、規約に別段の定めはないものとする。
1 A理事「大変なことになりましたね。ただ、管理組合法人の場合は、法人としての責任ということになりますから、管理組合法人の総資産の有限責任の範囲での債務の負担ということになるでしょう。」
2 B理事「いいえ、もし管理組合法人の総資産でも弁済額に足りない場合には、我々区分所有者の個人財産をもって、専有部分の床面積の割合で分割された責任範囲で負担しなければならないですよ。」
3 C理事「いやいや、管理組合法人の場合は、総資産でも弁済額に足りない場合には、管理組合法人の解散ということになると思います。その場合は、区分所有者全員が連帯して債務を負担することになりますよ。」
4 D理事「結論には時間がかかりそうですね。私は、近々、専有部分を売って引っ越しすることが決まっています。買受人には、十分伝えておきますので、もし、区分所有者が負担すると決まっても、その時は区分所有者ではないはずの私には責任はありません。」
≪解説≫
・選択肢1:区分所有法第53条第1項に「管理組合法人の財産をもつてその債務を完済することができないときは、区分所有者は、(規約で別段の定めがない限り)専有部分の床面積の割合と同一の割合で、その債務の弁済の責めに任ずる」と規定されており、「管理組合法人の総資産の有限責任の範囲での債務の負担する」との規定はないので当設問は正しくない
・選択肢2:区分所有法第53条第1項(選択肢1に記載)にと規定されており当設問は正しい
・選択肢3:区分所有法第55条第1項に下記の通り管理組合法人の解散が規定されており、総資産でも弁済額に足りない場合には法人は解散できず存続するので当設問は正しくない
①建物の全部の滅失 ②建物に専有部分がなくなったこと ③集会の特別決議
・選択肢4:区分所有法第54条に「区分所有者の特定承継人は、その承継前に生じた管理組合法人の債務についても、その区分所有者が負う責任と同一の責任を負う」と規定されており前区分所有者も引き続き責任を負うので当設問は正しくない。前区分所有者と特定承継人の責任は不真正連帯の関係にある。これは常識で考えても当然のことである
≪答え≫ 2
区分所有法の管理組合法人に関する出題である。管理組合法人の債務に関して区分所有者が負う義務について正確に習得しておく事
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〔問 8〕 マンションにおける紛争を解決するための訴訟の当事者に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 外壁の瑕疵により区分所有者がこうむった損害に係るマンション業者に対する賠償請求の訴えについては、規約で定めれば、専有部分の賃借人が区分所有者のために、訴訟の原告となることができる。
2 共用部分たるピロティ部分に壁を設置して物置としていた区分所有者に対して当該壁の撤去とその部分の明渡しを求める訴えについては、集会において指定された区分所有者は、集会の決議により、訴訟の原告となることができる。
3 専用使用権のない敷地部分につき有料駐車場として賃貸した区分所有者に対する賃料相当額の不当利得の返還を求める訴えについては、管理者が区分所有者でない第三者であっても、集会の決議により、訴訟の原告となることができる。
4 管理組合法人と理事個人との売買契約に関する紛争については、監事が管理組合法人を代表して、管理組合法人の名において、訴訟を追行することができる。
≪解説≫
・選択肢1:区分所有法では専有部分の賃借人が区分所有者のために、訴訟の原告となることができる旨の規定はないので当設問は誤っている
・選択肢2:区分所有法第57条第3項に「管理者又は集会において指定された区分所有者は、集会の決議により、第一項の他の区分所有者の全員のために、前項に規定する訴訟を提起することができる」と規定されており当設問は正しい
・選択肢3:区分所有法第26条第4項及び第条第2項に「管理者は、規約又は集会の決議により、その職務に関し、区分所有者のために、損害保険契約に基づく保険金額並びに共用部分等について生じた損害賠償金及び不当利得による返還金の請求及び受領に関し原告又は被告となることができる」と規定されており当設問は正しい。なお、管理者には資格制限がないので区分所有者でない第三者であっても構わない
・選択肢4:区分所有法第51条に「管理組合法人と理事との利益が相反する事項については、監事が管理組合法人を代表する」と規定されており当設問は正しい。なお、標準管理規約の第38条第2項6号には「管理組合と理事長との利益が相反する事項については、理事長は、代表権を有しない。この場合においては、監事又は理事長以外の理事が管理組合を代表する」と規定されており、区分所有法と異なるので注意のこと
≪答え≫ 1
区分所有法の義務違反者に対する措置に関する出題である。これも該当する条文を理解していれば容易に正答を得られる。
〔問 9〕 建替え決議において、再建建物の敷地とすることができない土地は、区分所有法の規定によれば、次のうちどれか。
1 現在の建物の敷地(「甲地」という。以下この問いにおいて同じ。)の一部を売却し、残った土地
2 甲地の周囲の土地を購入して、甲地と新たに購入した土地を含む拡張された一体の土地
3 甲地と等価交換した甲地と同面積の隣接した土地
4 甲地の大部分を売却し、その代金で残った甲地に隣接する土地を購入し、甲地の残部と新たに購入した土地を含む一体の土地
≪解説≫
・選択肢1:甲地の一部の土地を含む土地であるから再建建物の敷地とすることができる
・選択肢2:甲地を含む土地であるから再建建物の敷地とすることができる
・選択肢3:甲地と全く重ならない土地であるから再建建物の敷地とすることができない
・選択肢4:甲地の一部の土地を含む土地であるから再建建物の敷地とすることができる
≪答え≫ 3
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〔問 10〕 大規模な火災、震災その他の災害で政令で定めるものにより区分所有建物の全部が滅失した場合における被災区分所有建物の再建に関する次の記述のうち、被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 議決権の1/5以上を有する敷地共有者等は、再建の集会を招集することができる。
2 再建の集会における敷地共有者等の各自の議決権は、敷地共有持分等の価格の割合による。
3 再建の集会における再建の決議は、敷地共有者等の議決権の3/4以上の多数でしなければならない。
4 再建の決議においては、新たに建築する建物の設計の概要、再建建物の建築に要する費用の概算額、費用の分担に関する事項及び再建建物の区分所有権の帰属に関する事項を定めなければならない。
≪解説≫
・選択肢1:被災者マンション法第3条第1項に当選択肢記載の通り規定されており当設問は正しい。なお本項は区分所有法第34条第3項が準用されている
・選択肢2:被災者マンション法第3条第1項に当選択肢記載の通り規定されており当設問は正しい。なお本項は区分所有法第38条が準用されている
・選択肢3:被災者マンション法第4条第1項に「敷地共有者等集会においては、敷地共有者等の議決権の五分の四以上の多数で、滅失した区分所有建物に係る建物の敷地若しくはその一部の土地又は当該建物の敷地の全部若しくは一部を含む土地に建物を建築する旨の決議(以下「再建決議」という。)をすることができる」と規定されており、設問にある3/4ではなく4/5が正しいので当設問は誤っている。
・選択肢4:被災者マンション法第4条第2項に「当選択肢記載の事項を定めなければならない」と規定されており当設問は正しい
≪答え≫ 3
被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法(「被災者マンション法」と略す)に関する出題である。最近は地震などによる大規模災害が発生しており出題する可能性がある。ここは区分所有法の建替えや建替え等円滑化法と併せて学習しておく必要がある。なお、敷地共有者等集会に関する規定は被災者区分所有法第3条第1項に規定されているが、この条文は区分所有法の準用が大部分で長文になっている。
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〔問 11 〕 下図のとおり、専有部分のある建物であるA~D棟等がある場合において、区分所有法の規定によれば、団地関係(この問いにおいて、区分所有法第65条の団地建物所有者の団体をいう。)はいくつ成立するか。ただし、規約に別段の定めはないものとし、団地関係は重層して成立するものとする。
1 二つ
2 三つ
3 四つ
4 五つ
≪解説≫
区分所有法の団地関係成立に関する出題である。基本的な問題であるので「団地」が分かっていれば容易に正答を得られる。 団地関係が成立する要件は「①一団地内に数棟の建物があること ②その団地内の土地又は附属施設がそれらの建物の所有者の共有に属すること」である。
上記要件に当てはまるものは図で判断すると、「①A,Bの敷地 ②A,B,Cの立体駐車場 ③A,B,C,Dの連絡通路 ④C,Dの立体駐車場 ⑤B,C,Dのごみ収集所」の5つとなるので正解は4となる。図で確認する際、見落としのないよう注意すること。
≪答え≫ 4
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問12~問16は民法及び民法に関連する問題である。また、令和2年には民法が改正されているので該当する設問選択しコメントしてあるので注目のこと
〔問 12〕 甲マンション(管理者A)の1室は、マンション業者BからCに分譲され、1年後、Dに転売された。Dは譲受後すぐに入居したが、その際、BからCへの分譲時にすでに存在していた隠れた瑕疵を発見した。この場合に関する次の記述のうち、民法及び区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 その瑕疵が共用部分にあるか、専有部分にあるか不明であるときは、共用部分にあるものと推定して、AがBに対して瑕疵担保責任を追及することとなる。
2 その瑕疵が専有部分にあるときは、DはCに対し、CはBに対し、瑕疵担保責任を追及することとなる。
3 Dは、Cの特定承継人として、直接、Bに対し瑕疵担保責任を追及することはできない。
4 その瑕疵が共用部分にあるときでも、Aは、法律上当然には、Cを代理して、Bに対して瑕疵担保責任を追及することができない。
≪解説≫
・選択肢1:民法第562条第1項に「引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは、買主は、売主に対し、目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができる」と規定されているが、設問にある管理者Aとマンション業者Bは売買契約が締結されていないのでAはBに対して契約不適合責任を追及できず設問は誤っている
・選択肢2:民法第562条第1項で規定する
「契約不適合」は、引渡し時までに生じたものであればよいとされており、BからCへの分譲時にすでに契約不適合が存在していたのでDはCに対し、CはBに対し、契約不適合責任を追及することができるので設問は正しい。
・選択肢3:契約不適合責任は売買契約の買主Dの売主C対して追及できるので売主の前主Bに対しては追及できないので設問は正しい。DはCの特定承継人であるBに対し瑕疵担保責任を追及することはできない
・選択肢4:瑕疵が共用部分にあっても売主に瑕疵担保請求を追及できるのは買主である。また、管理者は代理権を授与されなければ、法律上当然には、買主Cを代理して、マンション業者Bに対して瑕疵担保責任を追及することができないし、買主Cはもはや区分所有者ではないので管理者AはCを代理することはできず当設問は正しい。
≪答え≫ 1
民法及び区分所有法の瑕疵担保責任に関する出題である。瑕疵担保責任を追及できる場合、できない場合を確認の事。売主の瑕疵担保責任は解く出題されるので学習しておく事。買主の善意・悪意により責任の追及が異なる。
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〔問 13〕 甲マンションの管理組合(区分所有法第3条に規定する区分所有者の団体をいう。以下同じ。)は、各戸の専有部分に立ち入り、専用使用権の設定されたベランダを修繕する予定であったが、301号室の区分所有者である一人住まいのAが、工事予定時期に長期に出張することになった。Aは、管理組合と協議し、301号室の鍵を出張期間中管理組合に預けることとした。この場合の預かったに関する次の記述のうち、民法及び区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。
1 Aが出張している間に、Aの友人であるBが管理組合事務所を訪れ、「301号室の鍵を貸してくれ。」と言ってきたときは、管理組合は、Aに確認するまでもなく、Bに鍵を貸与しなければならない。
2 ベランダの工事の最中、管理組合は、301号室の鍵を側溝に落とし紛失してしまったが、そのを無償で預かっているときは、管理組合は鍵の交換等に要する費用は負担しなくてよい。
3 工事の着手が遅れ、Aが出張から戻った後にベランダの工事を行うことになったときは、管理組合は、工事の便宜のため、Aに断ることなく合い鍵を作ることができる。
4 出張中に、AがCに301号室を譲渡した場合において、Cが鍵の返還を求めて訴えを提起した場合は、管理組合は、遅滞なくその事実をAに通知しなければならない。
≪解説≫
・選択肢1:民法第658条第1項に「受寄者は、寄託者の承諾を得なければ、寄託物を使用することができない」と規定されており設問は正しくない。したがって、Aの承諾なく勝手にAの友人Bに鍵を貸与することはできない
・選択肢2:民法第659条に「無報酬で寄託を受けたものは自己の財産に対するのと同一の注意をもって保管する義務を負う」と規定されており、鍵を側溝に落とし紛失してしまった事は受寄者の過失なので債務不履行責任を負い、鍵の交換等に要する費用は負担しなければならないので設問は正しくない。
・選択肢3:民法第658条第1項に「受寄者は、寄託者の承諾を得なければ、寄託物を使用することができない」と規定されているのでAの承諾がなければ合い鍵は作れないので設問は正しくない。
・選択肢4:民法第660条に「寄託物について権利を主張する第三者が受寄者に対して訴えを提起し、又は差押え、仮差押え若しくは仮処分をしたときは、受寄者は、遅滞なくその事実を寄託者に通知しなければならない」と規定されており設問は正しい。
≪答え≫ 4
民法の寄託に関する出題である。「無報酬で寄託を受けたものは自己の財産に対するのと同一の注意をもって保管する。」との規定を覚えておく事。
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〔問 14 〕 甲マンションの202号室の区分所有者Aは、202号室(Aが専用使用権を有するベランダを含む。)をBに賃貸している。B宅を訪れたBの知人Cが、ベランダの手すりにつかまったところ、手すりと一緒に落下して負傷した。手すりの落下の原因は、ベランダの留め金部分の支持力の不足によるものであった。この場合の損害賠償責任に関する次の記述のうち、民法及び区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 Aは、損害の発生を防止するのに必要な注意をしていたことを証明できなければ、土地工作物の占有者としての損害賠償責任を負う。
2 Bは、損害の発生を防止するのに必要な注意をしていたことを証明できなければ、土地工作物の占有者としての損害賠償責任を負う。
3 甲マンションの管理組合は、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしていたことを証明できたときは、土地工作物の所有者に代わって損害賠償責任を負う。
4 甲マンションの区分所有者全員は、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしていたことを証明できたときは、土地工作物の所有者としての損害賠償責任を負う。
≪解説≫
・選択肢1:民法第717条第1項に「土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない」と規定されている。設問のAは所有者であるが、間接的に202号室を占有している間接占有者といえるのでAを占有者とすれば設問にある「損害の発生を防止するのに必要な注意をしていたことを証明できなければ、土地工作物の占有者としての損害賠償責任を負う」との設問は正しい
・選択肢2:選択肢1で説明した通りBは土地工作物の直接の占有者としての損害賠償責任を負うので設問は正しい。
・選択肢3:民法第11条第1項に「共用部分は、区分所有者全員の共有に属する」と規定されており管理組合が土地工作物の所有者に代わって責任を負うことはないので設問は誤っている。ただし、共用部分のベランダの所有者の団体(管理組合)が損害賠償責任を負うと考えられるので当選択肢は正解ともいえる
・選択肢4:選択肢3で説明した通り占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしていたことを証明できたときは、土地工作物の所有者としての損害賠償責任を負うので設問は正しい。
≪答え≫ 3
民法の不法行為に関する出題であるがここは頭をひねる設問である。工作物責任について占有者は過失責任を負うが、所有者は無過失責任を負うことを確認しておく事。本問は選択肢1と2及び選択肢3と4は主語が違うが設問本文は同一なので言葉の遊びのような設問である。選択肢2と4は明らかに正しいので選択肢1と3を比べてどちらを誤りとするのかと考えると正答を導きやすい。
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〔問 15 〕 甲マンションの405号室の区分所有者Aが死亡し、子B及びCが405号室を共同相続する場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。ただし、Aの遺言はないものとする。
1 B及びCの共有となった相続財産である405号室について、遺産分割の協議が調わないときは、B又はCは、その分割について、共有物分割の訴えを提起することとなる。
2 遺産分割の協議の結果、いったん405号室をB及びCの共有としたが、その後、Bの単独所有に変更し、CがBから代償金を受け取る場合は、再度の遺産分割の協議をしなければならない。
3 B及びCの共有となった相続財産である405号室について、Bが単独で相続し、Cに対して代償金を支払う遺産分割の方法は、調停又は審判の手続によらなければならない。
4 B及びCの遺産分割の協議中にCが405号室の共有持分権を第三者であるDに譲渡した場合、DがBとの405号室の共有関係解消のためにとるべき法的手続は、共有物分割の訴えの提起となる。
≪解説≫
・選択肢1:民法第907条第2項に「遺産の分割について、共同相続人間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、各共同相続人は、その分割を家庭裁判所に請求することができる」と規定されており、設問にある「共有物の分割の訴えの提起」とは異なるので設問は正しくない。
・選択肢2:民法第256条に「各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる」と規定されており、共有物をBの単独所有に変更しCがBから代償金を受け取る場合は共有物の分割の手続によることになるので設問は正しくない。
・選択肢3:民法第906条に「遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする」と規定されており、協議が調うときは調停又は審判の手続をとらずに協議分割の方法がとれるので設問は正しくない。
・選択肢4:民法第898条に「相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する」と規定されており、相続人以外の第三者が共有関係解消のためにとるべき手続きは「共有物分割の訴えの提起」となるので設問は正しい。
≪答え≫ 4
民法相続に関する出題である。遺産分割の方法には、「①現物を分割する(現物分割) ②遺産を売却し金銭に換えて分割する(換価分割) ③自己が遺産を取得する代償として他の相続人へ自己の金銭等を交付する(代償分割)」があることを記憶しておく事。
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〔問 16 〕 Aは甲マンションの201号室を所有しているが、同マンションでは、管理規約に基づいて、各区分所有者は総会の決議により定められている管理費を支払わなければならないとされている。ところがAは、この管理費を滞納している。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
1 Aの子B(40歳)が、滞納分の管理費額を管理組合の事務所に持参してきたので、理事長はこれを受領した。翌日、Aもこれを喜んでいる旨を管理組合に告げてきた。ところが、その後、AとBが仲違いし、Bは、管理組合に対してBが支払った管理費の返還を請求している。このとき、管理組合は返還に応じなくてよい。
2 Aが死亡し、Bが2分の1、C及びDがそれぞれ4分の1の割合で共同相続人となった。このとき、管理組合は、B、C及びDのいずれに対してもAが滞納している管理費の全額の支払を請求することができる。
3 Aは201号室を購入するにあたり、E銀行から融資を受け、同室にはE銀行のために抵当権が設定されその旨登記された。Aが融資金の返済を遅滞したため、E銀行はその抵当権に基づいて同室の競売手続をとった。この手続において、管理組合は滞納管理費分の金額について抵当権者に優先して配当を受けることができる。
4 管理組合は、1年前にAに支払を催促したが、それ以外には支払の催促等を行っていない。管理組合は、ついにAを相手取って滞納管理費の支払を求める訴えを提起したが、その訴訟において、Aは5年よりも前に発生した管理費債権については、すでに時効により消滅していると主張したが、10年以内に発生した管理費債権については支払請求が認められる。
≪解説≫
・選択肢1:民法第99条第1項に「代理人がその権限内において本人のためにすることを示してした意思表示は、本人に対して直接にその効力を生ずる」と規定されており、BはAの代理人として滞納分の管理費を支払いAもそれを認めているので管理費の弁済は有効である。その後、管理費の返還を求めてきたとしても管理組合は返還に応じる必要はなく設問は正しい
・選択肢2:民法第899条に「各共同相続人は、その相続分に応じて被相続人の権利義務を承継する」と規定されており、、Aの滞納額を各相続人の相続分に応じて分割した額の支払を請求することになるので設問は正しくない。滞納分についてBが2分の1、C及びDがそれぞれ4分の1の割合で負担する
・選択肢3:民法第369条第1項に「抵当権者は、債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する」と規定されているが、抵当権設定者は他の債権者(管理組合)に優先して配当を受けることができるので設問は正しくない。
また、滞納管理費については、区分所有法第9条第1項に「区分所有者は、共用部分、建物の敷地若しくは共用部分以外の建物の附属施設につき他の区分所有者に対して有する債権又は規約若しくは集会の決議に基づき他の区分所有者に対して有する債権について、債務者の区分所有権及び建物に備え付けた動産の上に先取特権を有する」と規定されている
・選択肢4:民法第166条第1項に「債権は、債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき時効によって消滅する」と規定されており、。従って、Aが消滅時効の援用をすればでEは5年よりも前に発生した管理費債権については消滅時効は成立し請求できないので10年以内に発生した管理費債権すべてについて支払請求が認められないので設問は正しくない
≪答え≫ 1
民法の債権に関する出題である。常識的判断で正しいものを特定することができる。選択肢2に関しては厄介な問題である。
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〔問 17 〕 不動産の登記情報の提供に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 当該不動産の利害関係者でない者は、不動産の所有権や所有権以外の権利についての登記事項証明書の交付を請求することができない。
2 不動産の所有権や所有権以外の権利について、現に効力を有する主要な情報のみを知るには、登記事項証明書の現在事項証明書や登記事項要約書の交付請求の方法によることができる。
3 登記事項証明書には交付年月日や登記官の認証文の記載があるが、登記事項要約書には交付年月日や登記官の認証文は記載されない。
4 登記事項証明書は、送付の方法により交付を請求することができるが、登記事項要約書は、送付の方法により交付を請求することができない。
≪解説≫
・選択肢1:不動産登記法第119条に「何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記記録に記録されている事項の全部又は一部を証明した書面(以下「登記事項証明書」という。)の交付を請求することができる」と規定されており設問は誤っている。
・選択肢2:登記事項証明書の記載事項は不動産登記法第196条第1項2号に「登記記録に記録されている事項のうち現に効力を有するもの。と規定されており、また、登記事項要約書の記載事項は不動産登記規則第198条第1項に「登記事項要約書は、現に効力を有するもののうち主要な事項を記載して作成するものとする。」と規定されており併せて設問は正しい。
・選択肢3:「登記事項証明書には交付年月日や登記官の認証文の記載があるが、登記事項要約書には交付年月日や登記官の認証文は記載されない」ので設問は正しい。なお、登記事項要約書は閲覧に代わるもので登記記録の確認をする文書であり登記官の認証までは求められていない。一度、経験すれば確認できることである。
・選択肢4:登記事項証明書は不動産登記規則第197条第6項に「登記事項証明書の交付は、請求人の申出により、送付の方法によりすることができる」と規定されており、また、登記事項要約書は「送付の方法により交付を請求することはできない」と規定されていないので設問は正しい。
≪答え≫ 1
不動産登記法及び不動産登記規則の登記情報の提供に関する出題である。不動産登記規則の細かい手続きを知らなくても不動産登記法を少しでも勉強していれば誤っている設問は容易に特定できる
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〔問 18 〕 新築住宅の売買において、住宅の構造耐力上主要な部分等の隠れた瑕疵(この問いにおいて「瑕疵」という。)があった場合に関する次の記述のうち、民法及び住宅の品質確保の促進等に関する法律(この問いにおいて「品確法」という。)の規定並びに判例によれば、正しいものはどれか。
1 品確法の対象となる新築住宅の売主の瑕疵担保責任の特例は、住宅の売買契約のみではなく、贈与契約にも準用される。
2 品確法により瑕疵担保責任を負う期間が引渡しから10年間であるとされた場合において、買主が当該建物を他に売り渡し建物の所有権を喪失したときでも、10年間の残存期間に限り、買主は、瑕疵担保責任を追及することができる。
3 品確法による売主の瑕疵担保責任は、買主に引き渡した時から10年間に限り負うものとされるから、買主が、瑕疵が存在したことを理由に契約に要素の錯誤があり無効であるとの主張も、この期間にしなければならない。
4 定められた権利行使期間内に瑕疵担保責任を追及するには、期間内に訴訟提起をするか、内容証明郵便により瑕疵担保責任を追及する旨を通知しなければならない。
≪解説≫
・選択肢1:品確法第95条第1項に「新築住宅の売買契約においては、売主は、買主に引き渡した時(当該新築住宅が住宅新築請負契約に基づき請負人から当該売主に引き渡されたものである場合にあっては、その引渡しの時)から十年間、住宅の構造耐力上主要な部分等の隠れた瑕疵について、担保の責任を負う。」規定されており、贈与契約にも準用されるとの規定はないので設問は正しくない。
・選択肢2:品確法第条第95条第1項に「新築住宅の売買契約においては、売主は、買主に引き渡した時から十年間、住宅の構造耐力上主要な部分等の隠れた瑕疵について、担保の責任を負う。」規定されており、これは買主の地位に基づく権利なので買主が所有権を喪失した場合でも存続し、10年間の残存期間内は買主であった者は瑕疵担保責任を追及できるので設問は正しい
・選択肢3:判例により「契約の要素に錯誤を来している場合には、民法瑕疵担保の規定は排除される。」とありこれから推測すると設問は正しくない。つまり無効の主張は原則として期限の制限はなくいつでもできる
・選択肢4:民法第570条により瑕疵担保責任を追及する手段は当選択肢設問による方法に限定されないので設問は正しくない。例えば、口頭や私信による方法でも構わない
≪答え≫ 2
民法及び品確法の瑕疵担保責任に関する出題である。品確法はとにかく民法に関する設問は慎重に判断を要する。民法の改正では「隠れた瑕疵」があるという要件を目的物の種類、品質 に関して「契約の内容に適合しない」ものに改められ、また、旧民法では瑕疵担保責任の追及は、買主が瑕疵を知ってから1年以内の権利行使が必要とされていたが、改正民法では「買主は、契約に適合しないことを知ってから1年以内にその旨の通知が必要」と緩和されている。ただし、民法改正に伴い品確法は改正されていない。なお、当設問の正誤には関係がない
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〔問 19〕 マンション建替組合(この問いにおいて「建替組合」という。)が施行するマンション建替事業における権利変換計画に関する次の記述のうち、マンションの建替えの円滑化等に関する法律の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 建替組合は、権利変換計画の認可を申請しようとするときは、権利変換計画について、あらかじめ、総会の議決を経るとともに組合員以外の施行マンション又はその敷地について権利を有する者の同意を得なければならない。
2 建替組合は、権利変換計画について施行マンションの借家権を有する者から同意を得られないときは、同意を得られない理由及びその権利に関し損害を与えないようにするための措置を記載した書面を添えて、権利変換計画の認可を申請することができる。
3 建替組合において、権利変換計画について総会の議決があったときは、建替組合は、当該議決に賛成しなかった組合員に対し、当該議決があった日から2月以内に、区分所有権及び敷地利用権を時価で売り渡すべきことを請求することができる。
4 権利変換期日において、権利変換計画の定めるところに従い、施行マンションの敷地利用権は失われ、施行再建マンションの敷地利用権は新たに当該敷地利用権を与えられるべき者が取得する。
≪解説≫
・選択肢1:建替え等円滑化法第57条第2項に「施行者(建替え組合)は権利変換計画の認可を申請しようとするときは、権利変換計画について、あらかじめ、総会の議決を経るとともに施行マンション又はその敷地について権利を有する者(組合員を除く。)及び隣接施行敷地がある場合における当該隣接施行敷地について権利を有する者の同意を得なければならない」と規定されており設問は正しい
・選択肢2:建替え等円滑化法第57条第3項に「区分所有権等以外の権利を有する者から同意を得られないときは、その同意を得られない理由及び同意を得られない者の権利に関し損害を与えないようにするための措置を記載した書面を添えて、権利変換計画の認可を申請することができる」と規定されているが設問は誤っている。ここで「区分所有権等以外の権利を有する者」とは同法第45条第3項により「区分所有権、敷地利用権、敷地の所有権及び借地権並びに借家権以外の権利を有する者」のことを言うので借家権を有する者は含まれないので同意を得る必要がある。ひっかけである
・選択肢3:建替え等円滑化法第64条第1項に「建替組合において、権利変換計画について総会の議決があったときは、組合は、当該議決があった日から二月以内に、当該議決に賛成しなかった組合員に対し、区分所有権及び敷地利用権を時価で売り渡すべきことを請求することができる」と規定されており設問は正しい
・選択肢4:建替え等円滑化法第70条第1項に「権利変換期日において、権利変換計画の定めるところに従い、施行マンションの敷地利用権は失われ、施行再建マンションの敷地利用権は新たに当該敷地利用権を与えられるべき者が取得する」と規定されており設問は正しい
≪答え≫ 2
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〔
問 20〕 違反建築物等に対する措置に関する次の記述のうち、建築基準法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 特定行政庁は、建築基準法令の規定に違反することが明らかな建築工事中の建築物については、緊急の必要があって通知、意見の聴取等の手続きによることができない場合に限って、これらの手続きによらないで、建築主、工事請負人又は工事現場管理者に対して工事の施工の停止を命ずることができる。
2 緊急の必要があり、特定行政庁より仮の使用禁止又は使用制限を受けた者は、当該命令を受けた日以後いつでも、特定行政庁に対して公開による意見の聴取を行うことを請求することができる。
3 特定行政庁は、違反建築物の除却を命じようとする場合において、過失がなくて当該建築物の除却を命ぜられるべき者を確知できず、かつ違反の放置が著しく公益に反すると認められるときは、その者の負担において当該建築物を除却することができる。
4 特定行政庁は、一定の建築物の敷地、構造、建築設備又は用途が、公益上著しく支障があると認める場合においては、当該建築物の所在地の市町村の議会の同意を得た場合に限り、当該建築物の所有者、管理者又は占有者に対して、相当の猶予期限を付けて、当該建築物の除却等の措置を命ずることができる。
≪解説≫
・選択肢1:建築基準法第9条第10項に「
特定行政庁は、建築基準法令の規定又はこの法律の規定に基づく許可に付した条件に違反することが明らかな建築、修繕又は模様替の工事中の建築物については、緊急の必要があって第二項から第六項までに定める手続によることができない場合に限り、これらの手続によらないで、当該建築物の建築主又は当該工事の請負人(請負工事の下請人を含む。)若しくは現場管理者に対して、当該工事の施工の停止を命ずることができる。この場合において、これらの者が当該工事の現場にいないときは、当該工事に従事する者に対して、当該工事に係る作業の停止を命ずることができる」と規定されており設問は正しい
・選択肢2:建築基準法第9条第8項に「緊急の必要があり、特定行政庁より仮の使用禁止又は使用制限を受けた者は命令を受けた者は、その命令を受けた日から
三日以内に、特定行政庁に対して公開による意見の聴取を行うことを請求することができる。ただし、意見の聴取は、その請求があつた日から五日以内に行わなければならない」と規定されており、「いつでも」ではなく「3日以内に」なので設問は誤っている
・選択肢3:建築基準法第9条第11項に「特定行政庁は違反建築物の除去を命じる場合、過失がなくてその措置を命ぜられるべき者を確知することができず、かつ、その違反を放置することが著しく公益に反すると認められるときは、その者の負担において、その措置を自ら行い、又はその命じた者若しくは委任した者に行わせることができる」と規定されており
設問は正しい。
・選択肢4:建築基準法第11条第1項に「
特定行政庁は、建築物の敷地、構造、建築設備又は用途が公益上著しく支障があると認める場合、当該建築物の所在地の市町村の議会の同意を得た場合に限り、当該建築物の所有者、管理者又は占有者に対して、相当の猶予期限を付けて、当該建築物の除却、移転、修繕、模様替、使用禁止又は使用制限を命ずることができる」と規定されており設問は正しい
≪答え≫
2
建築基準法の違反建築物等に関する出題である。建築基準法は毎年1題出題されるのでマークしておく事。
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〔問 21〕 地域地区に関する次の記述のうち、都市計画法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 準住居地域は、道路の沿道としての地域の特性にふさわしい業務の利便の増進を図りつつ、これと調和した住居の環境を保護するため定める地域である。
2 防火地域又は準防火地域は、市街地における火災の危険を防除するため定める地域である。
3 準都市計画区域については、都市計画に、高度地区を定めることができるが、高度利用地区を定めることはできない。
4 特定用途制限地域は、用途地域のうち、その良好な環境の形成又は保持のため当該地域の特性に応じて合理的な土地利用が行われるよう、制限すべき特定の建築物等の用途の概要を定める地域である。
≪解説≫
・選択肢1:都市計画法第9条第7項に「準住居地域
は、道路の沿道としての地域の特性にふさわしい業務の利便の増進を図りつつ、これと調和した住居の環境を保護するため定める地域とする」と規定されており設問は正しい
・選択肢2:都市計画法第9条第20項に「防火地域又は準防火地域は、市街地における火災の危険を防除するため定める地域とする」と規定されており
設問は正しい
・選択肢3:都市計画法第8条第2項に「準都市計画区域
については、都市計画に高度地区を定めることができるが、高度利用地区を定めることはできない」と規定されており設問は正しい
・選択肢4:都市計画法第9条第14項に「
特定用途制限地域は、用途地域が定められていない土地の区域(市街化調整区域を除く。)内において、その良好な環境の形成又は保持のため当該地域の特性に応じて合理的な土地利用が行われるよう、制限すべき特定の建築物等の用途の概要を定める地域とする」と規定されており、用途地域では定められないので設問は誤っている
≪答え≫ 4
都市計画法の地区計画に関する出題である。都市計画法も毎年出題されるのでマークしておく事。本問は都市計画法を一通り勉強しておけば容易に正答を得られる。選択肢4の特定用途制限地域はよく調査しておく事
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〔
問 22〕 簡易専用水道に関する次の記述のうち、水道法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 簡易専用水道の貯水槽は定期的に掃除を行う必要があり、その間隔は1年以内であれば短くてもかまわない。
2 簡易専用水道の水の色や臭いに異常を認めた時は、水質基準に関する省令の表に掲げる50の水質基準項目のうち、必要なものについて検査を行う必要がある。
3 簡易専用水道の管理についての検査は、設置者の義務ではあるが、当該義務に違反した場合の罰則はない。
4 簡易専用水道の検査の登録を受けた検査機関は、検査を行うことを求められた場合は、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、検査を行わなければならない。
≪解説≫
・選択肢1:水道施行規則第55条1号に「簡易専用水道の貯水槽の掃除を一年以内ごとに一回、定期に、行うこと」と規定されており、間隔は短くても構わないので
設問は正しい。
・選択肢2:水道法施行規則第55条3号に「給水栓における水の色、濁り、臭い、味その他の状態により供給する水に異常を認めたときは、水質基準に関する省令の表に掲げる51の水質基準項目(平成26年4月1日改正の省令)のうち必要なものについて検査を行うこと」規定されており設問は正しい。
・選択肢3:水道法第34条の2第2項に「簡易専用水道の設置者は、当該簡易専用水道の管理について、定期に、地方公共団体の機関又は厚生労働大臣の登録を受けた者の検査を受けなければならない」と規定されており、また、同法第54条8号に「当該義務に違反した者は、百万円以下の罰金に処する」と規定されており、併せて設問は誤っている。
・選択肢4:水道法第34条の3に「簡易水道の検査の登録検査機関は、簡易専用水道の管理の検査を行うことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、簡易専用水道の管理の検査を行わなければならない」と規定されており設問は正しい。
≪答え≫ 3
水道法及び水道施行規則の簡易専用水道に関する出題である。水道に関する出題も毎年のようにあり特に簡易専用水道に集中しているので十分マークの事。
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〔
問 23〕 地階のない4階建てのマンションにおける消防法第17条第1項に規定する消防用設備等の設置の義務に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 延べ面積が500㎡以上のものには、自動火災報知設備を設置しなければならない。
2 延べ面積が1,000㎡以上のものには、連結送水管を設置しなければならない。
3 延べ面積が1,500㎡以上のものには、屋外消火栓設備を設置しなければならない。
4 延べ面積が2,000㎡以上のものには、排煙設備を設置しなければならない。
≪解説≫
・選択肢1(自動火災報知機):「延べ面積が500㎡以上のものには、自動火災報知設備を設置しなければならない」ので設問は正しい。
・選択肢2(連結送水管):①地階を除く階数が5以上で述べ面積が6,000㎡以上又は②地階を除く階数が7以上のマンションには連結送水管を設置しなければならない。当設問では地階のない4階建てのマンションは①、②いずれにも該当しないので設問は正しくない。
・選択肢3(屋外消火栓):「床面積(地階を除く階数が一であるものにあっては一階の床面積を、地階を除く階数が二以上であるものにあっては一階及び二階の部分の床面積の合計をいう。)が、耐火建築物にあっては九千平方メートル以上、準耐火建築物にあっては六千平方メートル以上、その他の建築物にあっては三千平方メートル以上のものについて設置するものとする」と規定されており、これらのいずれにも該当しないので設問は正しくない。
・選択肢4(排煙装置):マンションには設置義務がないので当設問は設問は正しくない。
≪答え≫ 1
消防法の防用設備等の設置の義務に関する出題である。数値の妥当性が問われているが数値を列挙されるとどれが正しいが迷うことになる。数値は正確に暗記しておく事。
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〔問 24〕 甲マンションの管理組合から、改修計画において、防犯性を向上させる上で留意すべきことに関する相談を受けたマンション管理士の発言として適切でないものは、次のうちどれか。
1 改修を計画するにあたっては、監視性の確保、領域性の強化、接近の抑制、被害対象の強化・回避という4つの基本原則を踏まえることが重要です。
2 マンションの防犯性の向上のあり方の一つとして監視性を確保するためには、住棟内の共用部分等は必要に応じて防犯カメラを設置することも企画されるべきです。
3 防犯カメラを設置すれば、共用部分の照明設備の照度不足を補完することができます。
4 エレベーターのかご内の照明設備は、床面において概ね50ルクス以上の平均水平面照度を確保するとともに、かご内に防犯カメラを設置することが望まれます。
≪解説≫
・選択肢1:「
防犯に配慮した共同住宅に係る設計指針」(第2-2)に「改修を計画するにあたっては、監視性の確保、領域性の強化、接近の抑制、被害対象の強化・回避という4つの基本原則を踏まえることが重要である」と規定されており設問は適切である。
・選択肢2:「防犯に配慮した共同住宅に係る設計指針」(第3-2(11)ア)に当選択肢設問に記載された事項が規定されており当設問は設問は適切である。
・選択肢3:「防犯に配慮した共同住宅に係る設計指針」(第3-2(11)イ)に防犯カメラについて規定されているが、防犯カメラを設置すれば、共用部分の照明設備の照度不足を補完するものではないので当設問は設問は適切でない。
・選択肢4:「防犯に配慮した共同住宅に係る設計指針」(第3-2(5)エ)に「エレベーターのかご内の照明設備は、床面において概ね50ルクス以上の平均水平面照度を確保するとともに、かご内に防犯カメラを設置することが望まれる。」と規定されており当設問は設問は適切である。
≪答え≫ 3
大規模修繕の防犯に関する出題である。常識の範囲で容易に正答を得られる。
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〔問 25
〕 地震によるマンションの被害の復旧等を検討する緊急の理事会における理事長の説明について、区分所有法の規定によれば、誤っているものは、次のうちどれか。ただし、規約に別段の定めはないものとし、管理費の支出については総会から理事会に付託されているものとする。
1 高置水槽の支柱が破損し傾いて給水できなくなりました。本日の理事会で決議し、管理費の経常的な補修費を使って工事業者に発注し、早急に修理することとします。
2 敷地内の排水管が土砂で詰まりましたが、区分所有者Aさんが自分で土砂を取り除きました。多少の費用はかかったようですが、理事会には事前に連絡がなかったので、管理組合では負担しません。
3 敷地上のアスファルト舗装の歩道に亀裂が入りましたが、この際、歩道を彩色レンガ舗装に変更したいと考えております。これは理事会だけではできないので、次回、総会に諮ることとします。
4 建物や共用設備の被害状況の調査、安全点検を早急に実施する必要があります。本日の理事会で決議し、管理費の予備費を使って専門業者に依頼して調査・点検を実施いたします。
≪解説≫
・選択肢1:区分所有法第26条第1項に「管理者は、共用部分並びに当該建物の敷地及び附属施設を保存し、集会の決議を実行し、並びに規約で定めた行為をする権利を有し、義務を負う」と規定されており当設問は正しい。なお、設問で「管理費の支出については総会から理事会に付託されている。」とされており、理事会で決議し管理費の経常的な補修費を使って工事業者に発注し早急に修理することは設問は正しい。
・選択肢2:区分所有法第19条に「各共有者は、規約に別段の定めがない限りその持分に応じて、共用部分の負担に任じる」と規定されており、区分所有者Aが自費で土砂を取り除いた場合は他の区分所有者は持分に応じて費用の負担をする必要があるので
設問は誤っている。
・選択肢3:当選択肢の設問にあるような共有地の変更は重大変更に当たるので区分所有法第21条の規定により集会の特別決議が必要となるので設問は正しい。
・選択肢4:建物や共用設備の被害状況の調査、安全点検は共用部分の保存行為に当たるので理事会で決議し、管理費の予備費を使って専門業者に依頼することができるので設問は正しい。
≪答え≫ 2
区分所有法の地震によるマンションの被害の復旧等を検討する緊急の理事会に関する出題である。なお、設問にある理事や理事長は区分所有法では定義はないので標準管理規約で定める理事や理事長(管理者)を前提として解説する。なお、本問にあるような災害等により総会の開催が困難である場合の応急的な修繕工事等の理事会の対応は平成28年3月改正の標準管理規約の第54条に規定が追加されたので参照しておく事
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