標準管理規約(団地型) |
|||||||
標準管理規約(会計) |
標準管理規約(理事会) |
大規模修繕(請負契約) |
換気給湯設備 |
||||
標準管理規約(個人情報保護) |
会計(仕訳) |
マンション(構造) |
適正化法(管理業者) |
||||
標準管理規約(総会) |
会計(比較貸借対照表) |
マンション(室内環境) |
適正化法(マンション) |
||||
標準管理規約(管理) |
建物調査診断 |
マンション(計画) |
適正化法(マンション管理士) |
||||
標準管理規約(管理組合) |
建物防水 |
給水設備 |
適正化指針 |
||||
標準管理規約(総会) |
長期診断計画 |
排水設備 |
適正化法(マンション管理) |
問26
専用使用料等の取扱いに関する次の記述のうち、「マンション標準管理規約(団地型)及びマンション標準管理規約(団地型)コメント」(最終改正平成30年3月30 日 国住マ第60号)及び「マンション標準管理規約(複合用途型)及びマンション標準管理規約(複合用途型)コメント」(最終改正平成29年8月29日国住マ第33号)によれば、適切なものはどれか。
1
団地型マンションにおいて、団地敷地内の駐車場使用料は、その管理に要する費用に充てるほか、全体修繕積立金として積み立てる。
2
団地型マンションにおいて、団地内の各棟の1階に面する庭の専用使用料は、その管理に要する費用に充てるほか、団地建物所有者の土地の共有持分に応じて棟ごとに各棟修繕積立金として積み立てる。
3
規約に屋上テラスの専用使用料の徴収の定めがある複合用途型マンションにおいて、屋上テラスの専用使用料は、その管理に要する費用に充てるほか、住宅一部修繕積立金として積み立てる。
4 複合用途型マンションにおいて、店舗前面敷地の専用使用料は、その管理に要する費用に充てるほか、店舗一部修繕積立金として積み立てる。
≪解説≫
1
2 マンション標準管理規約(団地型)第31条に「駐車場使用料その他の土地及び共用部分等に係る使用料は、それらの管理に要する費用に充てるほか、団地建物所有者の土地の共有持分に応じて棟ごとに各棟修繕積立金として積み立てる」と規定されており選択肢は適切である。専用庭は団地建物所有者の土地の共有持分である
3 マンション標準管理規約(複合用途型)第33条に「駐車場使用料その他の敷地及び共用部分等に係る使用料は、それらの管理に要する費用に充てるほか、全体修繕積立金として積み立てる」と規定されており選択肢は適切でない。屋上テラスはその他の敷地及び共用部分等に含まれるので全体修繕積立金として積み立てる
4 マンション標準管理規約第142条に「一階に面する庭又は店舗前面敷地について専用使用権を有している者は、管理組合に専用使用料を納入しなければならない」と規定されている。また、「駐車場使用料その他の敷地及び共用部分等に係る使用料は、それらの管理に要する費用に充てるほか、全体修繕積立金として積み立てる」と規定されており選択肢は適切でない。店舗前面敷地はその他の敷地及び共用部分等に含まれるので全体修繕積立金として積み立てる。
問27
管理費及び修繕積立金の取扱いに関する次の記述のうち、標準管理規約によれば、適切でないものはいくつあるか。
ア 未収金の増加で管理費が不足するようになったが、修繕積立金に余裕があるので、その一部を管理費に充当した。
イ 管理費に余剰が生じたので、その余剰は、翌年度における管理費に充当した。
ウ 地震保険の保険料が以前より高額になってきたので、その支払に充てるため、修繕積立金を取り崩した。
エ 修繕工事を前提とする建物劣化診断費用の支払に充てるため、修繕積立金を取り崩した。
1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
≪解説≫
ア マンション標準管理規約第61条2項に「管理費等に不足を生じた場合には、管理組合は組合員に対して管理費等の負担割合に応じて、その都度必要な金額の負担を求めることができる」と規定されており選択肢は適切でない
イ マンション標準管理規約第61条1項に「収支決算の結果、管理費に余剰を生じた場合には、その余剰は翌年度における管理費に充当する」と規定されており選択肢は適切である
ウ マンション標準管理規約第27条5項に「共用部分等に係る火災保険料、地震保険料その他の損害保険料は管理費から充当する」と規定されており選択肢は適切でない。修繕積立金を取り崩すことはできない
エ マンション標準管理規約第32条関係に「修繕工事の前提としての劣化診断に要する経費の充当については、修繕工事の一環としての経費であることから、原則として修繕積立金から取り崩すこととなる」とコメントされており選択肢は適切である。修繕工事を前提とする建物劣化診断費用の支払に充てるため、修繕積立金を取り崩すことはできない。
≪答え≫
問28 管理組合の組合員の氏名等の情報提供及び提供された情報に基づき作成する組合員名簿の管理に関するマンション管理士の次の発言のうち、標準管理規約及び個人情報の保護に関する法律(平成 15 年法律第 57
号)によれば、適切なものはどれか。
1
数年前に区分所有者が亡くなって以降、遺産分割につき相続人間で争いが継続している場合には、区分所有権の帰属が確定するまでの間は、組合員の得喪の届出を求めることはできません。
2
組合員総数及び議決権総数の5分の1以上に当たる組合員の同意による総会招集を行うことを理由として組合員の一人から組合員名簿の閲覧請求があった場合、改めて組合員全員の同意を得るまでの間、その閲覧を拒否することができます。
3
大規模災害が発生してマンション内の組合員や居住者の生命や財産が失われるおそれがあり、直ちに自治体や関係機関による救助救援が必要なときであっても、管理組合は、組合員の同意を得なければ、自治体等の要請に基づき組合員名簿を提供することはできません。
4
管理組合は、組合員から提供された情報等に基づいて作成した組合員名簿について、当初の目的には掲げていなかった目的のためであっても、改めて組合員の同意が得られれば利用することができます。
1
2 マンション標準管理規約第64条に「理事長は、会計帳簿、什器備品台帳、組合員名簿及びその他の帳票類を作成して保管し、組合員又は利害関係人の理由を付した書面による請求があったときは、これらを閲覧させなければならない」と規定されており選択肢は適切でない。理事長の権限で閲覧をさせることができる
3 個人情報保護法第16条3項4に「国の機関若しくは地方公共団体又はその委託を受けた者が法令の定める事務を遂行することに対して協力する必要がある場合であって、本人の同意を得ることにより当該事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるときはあらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供することができる」と規定されており選択肢は適切でない。大規模災害が発生して組合員や居住者の生命や財産が失われるおそれがあり、直ちに自治体や関係機関による救助救援が必要なときであっては管理組合は、組合員の同意を得なにで自治体等の要請に基づき組合員名簿を提供することはできる
4 マンション標準管理規約第16条1項に「個人情報取扱事業者は、あらかじめ本人の同意を得ないで、前条の規定により特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて、個人情報を取り扱ってはならない」と規定されており選択肢は適切である。当初の目的には掲げていなかった目的のためであっても改めて組合員の同意が得られれば利用することができる。
≪答え≫
問29
管理組合の総会の議長に関する次の記述のうち、標準管理規約によれば、適切なものはどれか。
1
組合員が管理規約に定められた手続に従い総会の招集を請求したにもかかわらず、理事長が招集通知を発しない場合、当該組合員は臨時総会を招集することができるが、その臨時総会では、理事長が議長となることはできない。
2 監事が管理組合の業務の執行に係る不正を報告するために招集した臨時総会では、総会を招集した監事が総会の議長となる。
3 理事長が臨時総会を招集したが、臨時総会の当日に理事長に事故があって総会に出席できない場合には、副理事長が理事長を代理して総会の議長となる。
4
外部専門家が理事長となっている管理組合において、その外部専門家を役員に再任する議案を審議する通常総会では、総会の決議により理事長以外の議長を選任しなければならない。
1
2 マンション標準管理規約第41条3項に「監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況について不正があると認めるときは、臨時総会を招集することができる」と規定されており選択肢は適切でない。臨時総会では総会を招集した監事が総会の議長となるとまでは規定されていない
3 マンション標準管理規約第39条に「副理事長は、理事長を補佐し、理事長に事故があるときは、その職務を代理する」と規定されており選択肢は適切である
4 マンション標準管理規約第42条5項に「総会の議長は、理事長が務める」と規定されている。また同条項のコメントに「総会において、議長を選任する旨の定めをすることもできる」とコメントされているが、理事長以外の議長を選任しなければならないとは規定されていおり選択肢は適切でない
≪答え≫
問30
管理組合の書類等について閲覧請求があった場合の理事長の対応に関する次の記述のうち、標準管理規約によれば、適切でないものはいくつあるか。
ア 専有部分の賃借人から、総会議事録の閲覧請求があったが、理由を付した書面による請求ではなかったため、閲覧を認めなかった。
イ 組合員から、修繕工事の契約方法に疑問があるためとの理由を付した書面により、修繕工事請負契約書の閲覧請求があったので、閲覧を認めた。
ウ
組合員から、役員活動費に係る会計処理を詳しく調べたいためとの理由を付した書面により、会計帳簿に加えこれに関連する領収書や請求書の閲覧請求があったが、会計帳簿のみの閲覧を認めた。
エ
組合員から、理事長を含む理事全員の解任を議題とする総会招集請求権行使のためとの理由を付した書面により、組合員名簿の閲覧請求があったが、閲覧を認めなかった。
1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
≪解説≫
≪答え≫
問31 災害や感染症拡大の影響などで管理組合の運営が困難となっている場合における次の記述のうち、区分所有法の規定及び標準管理規約によれば、適切でないものはどれか。
1
共用部分の応急的な修繕工事が必要となった場合、理事会も開催できないようなときには、理事長が単独の判断で工事を実施することができる旨を規約で定めることができる。
2 書面又は電磁的方法により理事全員の同意を得れば、理事長は、管理費等を長期にわたって滞納している区分所有者に対し、区分所有法第59条に基づき区分所有権及び敷地権に係る競売を申し立てることができる。
3 任期の満了により退任する役員は、総会が開催されて新役員が就任するまでの間は、引き続きその職務を行うことになる。
4
災害避難により連絡がつかない区分所有者Aの専有部分内で漏水事故が発生し、至急対応しなければ階下の専有部分等に重大な影響が生じるおそれがあるときは、理事長は、Aの専有部分内に立ち入ることができる。
1
2 マンション標準管理規約第60条4項に「理事長は、未納の管理費等及び使用料の請求に関して、理事会の決議により、管理組合を代表して、訴訟その他法的措置を追行することができる」と規定されているが、競売についてはマンション標準管理規約第47条3項に「第59条第1項(競売の請求)は総会で組合員総数の4分の3以上及び議決権総数の4分の3以上で決する」と規定されており選択肢は適切でない。理事全員の同意を得ても理事長は管理費等を長期にわたって滞納している区分所有者に対し競売を申し立てることができない。
3 マンション標準管理規約第36条3項に「任期の満了又は辞任によって退任する役員は、後任の役員が就任するまでの間引き続きその職務を行う」と規定されており選択肢は適切である
4 マンション標準管理規約第23条4項に「理事長は、災害、事故等が発生した場合であって、緊急に立ち入らないと共用部分等又は他の専有部分に対して物理的に又は機能上重大な影響を与えるおそれがあるときは、専有部分又は専用使用部分に自ら立ち入り、又は委任した者に立ち入らせることができる」と規定されており選択肢は適切である。災害避難により連絡がつかない区分所有者の専有部分内で漏水事故が発生し、至急対応しなければ階下の専有部分等に重大な影響が生じるおそれがあるときは、理事長は、当該区分所有者の専有部分内に立ち入ることができる。
問32 管理組合の総会において、総会を開催することに代えて、書面又は電磁的方法による決議(この問いにおいて「書面等による決議」という。)をしようとする場合に係る次の記述のうち、区分所有法及び標準管理規約によれば、適切でないものはどれか。ただし、当該管理組合の管理規約において、書面等による決議が可能である旨規定されているものとする。
1 規約により総会において決議をすべき場合において、組合員全員の承諾があるときは、書面等による決議をすることができる。
2 書面等による決議をすることの承諾を得た議案について、当該議案が可決されるためには、すべての組合員が賛成することが必要とされる。
3
規約により総会において決議すべき事項につき、組合員全員の書面等による合意があったときは、改めて決議を行わなくても、書面等による決議があったものとみなされる。
4 書面等による決議がなされた場合には、理事長は、各組合員から提出された書面等を保管し、組合員又は利害関係人の請求があれば、その書面等を閲覧に供しなければならない。
1
2 マンション標準管理規約第50条6項に「総会に関する規定は、書面又は電磁的方法による決議について準用する」と規定されており選択肢は適切でない。当該議案が可決されるためには、すべての組合員が賛成することが必要とされず普通決議や特別決議等に関する規定が適用される
3 マンション標準管理規約第50条3項に「規約により総会において決議すべきものとされた事項については、組合員の全員の書面又は電磁的方法による合意があったときは、書面又は電磁的方法による決議があったものとみなす」と規定されており選択肢は適切である
4 マンション標準管理規約第64条3に「理事長は規定により閲覧の対象とされる管理組合の財務・管理に関する情報については、組合員又は利害関係人の理由を付した書面又は電磁的方法による請求に基づき、当該請求をした者が求める情報を記入した書面を交付し、又は当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる」と規定されており選択肢は適切である。ただし、「書面等による決議がなされた場合、各組合員から提出された書面等を保管し、組合員又は利害関係人の請求があればその書面等を閲覧に供しなければならない」とまでは規定されていないが細則で定めれば可能となるので一概に適切でないとは言い切れない。
問33 理事会の運営に係る次の記述のうち、標準管理規約によれば、適切なものはいくつあるか。
ア
理事本人が理事会に出席できない場合に備え、規約に代理出席を認める旨を定めるとともに、総会において、それぞれの理事ごとに、理事の職務を代理するにふさわしい資質・能力を有するか否かを審議の上、その職務を代理する者を定めておくことができる。
イ
総会での決議に4分の3以上の賛成を必要とする総会提出議案についても、理事会で議案の提出を決議する場合は、出席理事の過半数の賛成があれば成立する。
ウ 管理組合と理事との間の利益相反取引に係る承認決議に際しては、当該理事を除く理事の過半数により決議する。
エ
専門委員会のメンバーは、理事会から指示された特定の課題の検討結果を理事会に対して具申することはできるが、理事会決議に加わることはできない。
1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
問34
甲マンション管理組合の2019年度(2019年4月1日~2020年3月31日)の会計に係る次の仕訳のうち、適切なものはどれか。ただし、会計処理は発生主義の原則によるものとする。
1 2018年度の貸借対照表に計上されていた修繕費の前払金10万円に関して、2019年度に行う予定であった修繕工事を中断し、2020 年度に修繕工事を再開し完了させることとした。
(借方) (貸方) 修繕費 100,000 前払金 100,000
2 2018 年度の貸借対照表に計上されていた管理費の未収金7万円のうち、4万円は 2019
年度に入金されたが、3万円はまだ入金されていない。
(借方) (貸方) 現金預金 40,000 管理費収入 70,000 未収金 30,000
3 2018 年度の貸借対照表に計上されていた 2019年4月分の管理費の前受金5万円の会計処理を 2019 年4月に行った。
(借方) |
|
(貸方) |
|||
管理費収入 |
50,000 |
|
前受金 |
50,000 |
|
4 2018年度の貸借対照表に計上されていた修繕費の未払金8万円に関して、2019年度に追加工事を発注したため1万円増額となり、2019年度に総額9万円を支払った。
|
|
(貸方) |
|||
未払金 |
80,000 |
|
現金預金 |
90,000 |
|
修繕費 |
10,000 |
|
|
|
|
1 不適切。2019年度に行う予定であった修繕工事が2020年度に延期されたのだから2019年度は何も仕訳を行う必要がない。
2 不適切。2019年度は未収金のうち、4万円が入金されたので2019年度の仕訳は下記の通り入金分のみすればよい。未収金の残り3万円は入金された次年度以降に仕訳をすればよい
(借方) |
|
(貸方) |
|||
現金預金 |
40,000 |
未収金 |
40,000 |
|
3 不適切。管理費収入は2019年4月分なので前受金から引き落とす。2019年4月分の仕訳は下記のようになる。
|
4 適切。2019年度に支払った現金9万円の内訳は未払金の8万円と追加工事費の1万円であるから2019年4月分の仕訳は下記のようになる。
|
|
(貸方) |
|||
未払金 |
80,000 |
|
現金預金 |
90,000 |
|
修繕費 |
10,000 |
|
|
|
|
問35 甲マンション管理組合の理事会(2020年4月開催)において、会計担当理事が2019年度(2019年4月1日~2020年3月31日)決算の管理費会計の比較貸借対照表について行った次の説明のうち、収支報告書又は貸借対照表に関する説明として適切でないものはどれか。ただし、会計処理は発生主義の原則によるものとし、資金の範囲は、現金預金、未収金、前払金、未払金及び前受金とする
比較貸借対照表
甲マンション管理組合 (単位:千円)
項 目 |
2019 年度 |
2018 年度 |
増減 |
項 目 |
2019 年度 |
2018 年度 |
増減 |
|
現金預金 |
800 |
700 |
100 |
未 払 金 |
80 |
120 |
-40 |
|
未 収 金 |
90 |
70 |
20 |
前 受 金 |
100 |
90 |
10 |
|
前 払 金 |
10 |
50 |
-40 |
正味財産 |
720 |
610 |
110 |
|
計 |
900 |
820 |
80 |
計 |
900 |
820 |
80 |
|
|
|
|
|
|
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|
|
1 2019 年度収支報告書に計上されている当期収支差額は、110千円のプラスでした。
2 未払金の額が前年度より40千円減少していますが、これは現金預金が 100 千円増加した要因の一つになっています。
3 2019年度収支報告書に計上されている前期繰越収支差額は、610千円です。
4 2020年3月に発生した管理費の滞納額については、2019年度の収支報告書の管理費収入に計上されるとともに、貸借対照表上は未収金に計上されています。
≪解説≫
問36 マンションの建物の調査・診断に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
1 調査・診断のレベルにおける簡易診断とは、現状把握、本調査・診断の要否の判断を目的とした予備調査・診断のことである。
2 調査・診断のレベルにおける詳細診断とは、劣化の要因を特定し、修繕工事の要否や内容等を判断する目的で行う2次診断及び3次診断のことである。
3 2次診断で行われる非破壊試験とは、被検体である材料あるいは製品の材質や形状、寸法に変化を与えないで、その健全性を調べる試験のことである。
4 3次診断で行われる局部破壊試験には、鉄筋のはつり出し、コンクリートのコア抜き試験や配管の抜管試験などがある。
≪解説≫
1 不適切。現状把握、本調査・診断の要否の判断を目的とした予備調査・診断は1次診断のことである。簡易診断はマンションの建物設備の現状について簡易に診断するものである
2 適切。劣化の要因を特定し、修繕工事の要否や内容等を判断する目的で行う2次診断及び3次診断のことを詳細診断という
3 適切。非破壊試験とは、被検体である材料あるいは製品の材質や形状、寸法に変化を与えないで、その健全性を調べる試験のことである。
4 適切。局部破壊試験には、鉄筋のはつり出し、コンクリートのコア抜き試験や配管の抜管試験などがある
問37 マンションの建物の防水に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
1 メンブレン防水の調査・診断では、竣工図で、防水材料、工法、納まりを確認し、漏水箇所の有無及び防水材料の劣化状況等の調査結果と照合して、漏水の原因や今後の耐久性を推定する。
2 室内への漏水は、屋根周辺からだけでなく、外壁やサッシまわりからの漏水の場合もある。
3 シーリング材の劣化症状であるチョーキングとは、シーリング材が収縮し、くびれる現象をいう。
4 シーリングの早期の剥離や破断の原因には、当初施工時のプライマー不良やシーリング厚さ不足等の施工不良がある。
≪解説≫
1 適切。メンブレン防水の調査・診断では、竣 工図で、防水材料、工法、納まりを確認し、漏水箇所の有無及び防水材料の劣化状況等の調査結果と照合して、漏水の原因や今後の耐久性を推定する。
2 適切。室内への漏水は、屋根周辺からだけでなく、外壁やサッシまわりからの漏水の場合もある。
3 不適切。
4 適切。シーリングの早期の剥離や破断の原因には、当初施工時のプライマー(下塗り用塗料)不良やシーリング厚さ不足等の施工不良がある。
問38 期修繕計画の見直しに関する次の記述のうち、「長期修繕計画作成ガイドライン及び同コメント」(平成 20 年6月国土交通省公表)によれば、適切なものはどれか。
1 長期修繕計画は、10 年程度ごとに見直すことが必要である。
2 長期修繕計画の見直しに当たっては、入居率、賃貸化率、修繕積立金滞納率を考慮する。
3 長期修繕計画を見直すときには、外壁の塗装や屋上防水などを行う大規模修繕工事が2回含まれる期間以上の計画期間とする。
4 修繕周期は、既存マンションの場合、マンションの仕様、立地条件のほか、建物及び設備の劣化状況等の調査・診断の結果等に基づいて設定するため、経済性は考慮しない。
≪解説≫ 正解 3
1 不適切。長期修繕計画作成ガイドラインに「長期修繕計画は、5年程度ごとに見直すことが必要である」と規定されている(長期修繕計画作成ガイドライン第3章第1節10)。10年程度ごとの見直しではない。
2 不適切。長期修繕計画の見直しに当たっては、建物及び設備の劣化の状況
3 適切。「外壁の塗装や屋上防水などを行う大規模修繕工事の周期が12年程度ですので、見直し時には、これが2回含まれる期間以上とします」とコメントされている(長期修繕計画作成ガイドライン第3章第1節5のコメント)
4 不適切。長期修繕計画作成ガイドラインに「修繕周期は、新築マンションの場合、推定修繕工事項目ごとに、マンションの仕様、立地条件等を考慮して設定します。また、既存マンションの場合、さらに建物及び設備の劣化状況等の調査・診断の結果等に基づいて設定します。設定に当たっては、経済性等を考慮し、推定修繕工事の集約等を検討します」と規定されている(長期修繕計画作成ガイドライン第3章第1節7)。経済性は考慮する。
問39 マンションの大規模修繕工事における工事請負契約の締結に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
1 工事請負契約の締結は、発注者である管理組合と選定された施工会社との間で行うが、マンション管理適正化法に定める基幹業務を管理会社に委託している場合は、当該管理会社と施工会社との間で行う。
2 工事請負契約書には、工事対象物件の所在地、工事内容、工期、工事代金、工事代金の支払い方法等の事項が記載される。
3 工事請負契約約款とは、工事請負契約に基づいて、発注者、工事請負者がそれぞれの立場で履行すべき事項を詳細に定めたものである。
4 工事請負契約上引き渡すべき図書とした工事保証書は、工事請負者と建築塗料等の材料製造会社との連名により作成される場合がある。
≪解説≫ 正解 1
1 不適切。標準委託契約書に「本マンションの管理に関する業務を、マンション管理組合は基幹業務を含む管理事務をマンション管理会社に委託する」と規定されている(標準委託契約書第1条、第2条)。基幹業務を管理会社に委託する場合は当該管理会社と管理組合との間で別途、直接委託契約を行う。
2 適切。工事請負契約書には、工事対象物件の所在地、工事内容、工期、工事代金、工事代金の支払い方法等の事項が記載される。
3 適切。工事請負契約約款とは、工事請負契約に基づいて、発注者、工事請負者がそれぞれの立場で履行すべき事項を詳細に定めたものである。
4 適切。工事請負契約上引き渡すべき工事保証書は、工事請負者と建築塗料等の材料製造会社との連名により作成される場合がある
問40 マンションの構造に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
1 建築基準法によれば、建築物の基礎及び基礎ぐいは、主要構造部に含まれる。
2 免震装置には、建築物に伝わる地震の揺れを和らげる機能と揺れのエネルギーを減衰させる機能がある。
3 ラーメン構造において耐力壁を設ける場合は、その耐力壁は、柱や梁と構造的に一体となるようにする。
4 建築基準法において、建築物に作用する固定荷重のうち、屋根、床、壁等の建築物の部分については、部分別に定められた数値により計算することができる。
≪解説≫
1 不適切。建築基準法に「主要構造部 壁、柱、床、はり、屋根又は階段をいう」と規定されている(建築基準法第2条5項)。建築物の基礎及び基礎ぐいは構造耐力上主要な部分に含まれる
2 適切。免震装置には、建築物に伝わる地震の揺れを和らげる機能(アイソレータ)と揺れのエネルギーを減衰させる機能(ダンパー)がある。
3 適切。ラーメン構造において耐力壁を設ける場合は、その耐力壁は、柱や梁と構造的に一体となるようにする
4 適切。建築基準法施行令第84条により屋根、床、壁等の建築物の部分については、部分別に定められた数値により計算することができる。
問41 マンションの室内環境に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
1 窓サッシの遮音性能については、JIS(日本産業規格)で定められるT値が大きいほど、遮音性能が高い。
2 建築材料の熱の伝わりにくさを示す熱伝導抵抗(熱抵抗)は、熱伝導率の逆数に材料の厚さを掛けることで求めることができる。
3 換気計画上、居室と一体的に換気を行う廊下は、建築基準法のシックハウス対策に関わる内装仕上げ制限の対象となる。
4 建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(平成 27 年法律第 53 号)において、住宅に関する建築物エネルギー消費性能基準は、設備機器などの一次エネルギー消費量を評価する基準である。
≪解説≫
1 適切。窓サッシの遮音性能はJIS(日本産業規格)で定められておりT値が大きいほど遮音性能が高い。
2 適切。熱伝導抵抗(熱抵抗)は、熱伝導率の逆数に材料の厚さを掛けることで求めることができる。
3 適切。建築基準法に「居室を有する建築物は、その居室内において政令で定める化学物質の発散による衛生上の支障がないよう、建築材料及び換気設備について政令で定める技術的基準に適合するものとしなければならない。「トイレ」「廊下」が換気対策上の換気経路となっている場合は居室としてみなす」と規定されている(建築基準法第28条の2)
4 不適切。1次エネルギー消費量だけでなく外皮性能も含む
1
問42 マンションを計画する手法に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
1 コーポラティブハウスは、組合を結成した人たちが共同して住宅を取得する方式のことをいう。
2 コンバージョンとは、既存のマンションにおいて居住性能の向上を目的に改修することをいう。
3 スケルトン・インフィル住宅は、建物各部の耐用年数や利用形態の違いを考慮して、スケルトンとインフィルを分離して計画する。
4 長期優良住宅の普及の促進に関する法律(平成 20 年法律第 87 号)による長期優良住宅は、構造及び設備の変更の容易性や維持保全の容易性などのほか、住宅の省エネルギー性能やバリアフリーなどの確保が求められる。
≪解説≫
1 適切。コーポラティブハウスは組合を結成した人たちが共同して住宅を取得する方式のことをいう。
2 不適切。コンバージョンとは「既存の建物を用途変更して再生させることで、例えば、賃貸事務所を集合住宅に用途変更することなど。
3 適切。スケルトン・インフィル住宅は建物各部の耐用年数や利用形態の違いを考慮して、スケルトンとインフィルを分離して計画する。
4 適切。長期優良住宅の普及の促進に関する法律に「長期優良住宅は構造及び設備の変更の容易性や維持保全の容易性などのほか、住宅の省エネルギー性能やバリアフリーなどの確保が求められる」とされている。
問43 マンションの給水設備に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
1 給水設備の計画において、居住者1人当たりの1日の使用水量を 250リットルとした。
2 水道直結増圧方式における給水立て管の頂部に、吸排気弁を設けた。
3 高置水槽方式の給水方式における高置水槽の有効容量を、マンション全体の1日の使用水量の2分の1程度に設定した。
4 飲料用水槽の震災対策として、水槽からの給水分岐部に緊急遮断弁を設けた。
≪解説≫
1 適切。給水設備の計画において居住者1人当たりの1日の使用水量は200~350リットルで計算する。1日の使用水量を 250リットルとしたことは適切である。
2 適切。水道直結増圧方式における給水立て管の頂部に吸排気弁を設けることは適切である。
3 不適切。高置水槽の有効容量は1日の使用水量の10分の1程度を、受水槽の有効容量は1日の使用水量の2分の1程度を目安に計画する。高置水槽の有効容量をマンション全体の1日の使用水量の2分の1程度に設定したことは適切でない。
4 適切。飲料用水槽の震災対策として、水槽からの給水分岐部に緊急遮断弁を設けることは適切である。
マンションの排水設備に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
1 高層のマンションにおいて、10 階間隔程度で通気立て管と排水立て管を接続する結合通気管は、下層階で生じた正圧及び上層階で生じた負圧の両方の緩和に効果がある。
2 高層のマンションの排水立て管では、3階以内ごと又は15m以内ごとに管内清掃用の掃除口を設置することが望ましい。
3 敷地内に埋設する排水横管の管径が150mmの場合、延長が18mを超えない範囲に、保守点検及び清掃を容易にするための排水ますを設置する。
4 排水立て管に用いる排水・通気用耐火二層管は、配管用炭素鋼鋼管を繊維モルタルで被覆したものである。
1 適切。排水立て管内の圧力変動を緩和し、空気の流通を円滑にするために、排水立て管から分岐して立ち上げ、通気立て管に接続した逃し通気管である。
2 適切。排水立て管では3階以内ごと又は15m以内ごとに管内清掃用の掃除口を設置することは適切である。
3 適切。排水横管の管径が150mmの場合、延長が18mを超えない範囲に、保守点検及び清掃を容易にするための排水ますを設置するのは適切である
4 不適切。排水・通気用耐火二層管は
問45マンションの換気設備及び給湯設備に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
1 ガス機器を使用する台所に設置する換気扇の必要換気量は、設置されているガス機器の燃料消費量に比例する。
2 熱交換型換気扇は、室内から排気する空気の熱を回収し、屋外から給気する空気に熱を伝えることで熱損失を少なくさせた第二種機械換気設備である。
3 家庭用燃料電池は、都市ガス等から水素を作り、それと空気中の酸素を反応させて電気を作るとともに、その反応時の排熱を利用して給湯用の温水を作る設備機器である。
4 ガス給湯器の能力表示には「号」が一般に用いられ、1号は流量1ℓ/min の水の温度を 25℃上昇させる能力をいう。
≪答え≫
3
4
問46 マンション管理業者に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法の規定によれば、誤っているものはいくつあるか。
ア マンション管理業を営もうとする者は、国土交通省に備えるマンション管理業者登録簿に登録を受けなければならず、その登録の有効期間は5年である。
イ マンション管理業者は、その事務所ごとに、事務所の規模を考慮して国土交通省令で定める数の成年者である専任の管理業務主任者を置かなければならないが、人の居住の用に供する独立部分が5以下であるマンションの管理組合からの委託を受けて行う管理事務のみを業務とする事務所については、この限りでない。
ウ マンション管理業者は、自己の名義をもって、他人にマンション管理業を営ませることができる。
エ マンション管理業者は、事務所の所在地に変更があったときは、その日から三十日以内に、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
≪解説≫
ウ
問47 マンションに関する次の記述のうち、マンション管理適正化法の規定によれば、正しいものはどれか。
1 木造で2階建て以下の建物は、マンションに該当しない。
2 マンションとは、2以上の区分所有者がいる建物のことであり、その敷地や附属施設は含まれない。
3 2以上の区分所有者がいる建物において、人の居住の用に供する専有部分がすべて長期間空室となって使用されていないときは、その期間はマンションに該当しない。
4 2以上の区分所有者がいる建物において、人の居住の用に供する専有部分のすべてを賃貸しているときであっても、その建物はマンションに該当する。
問48 マンション管理士に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
ア マンション管理士は、3年ごとに、国土交通大臣の登録を受けた者が行う講習を受けなければならない。
イ マンション管理士は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た秘密を漏らした場合は、国土交通大臣により、その登録を取り消され、又は期間を定めてマンション管理士の名称の使用の停止を命じられる場合がある。
ウ マンション管理士が、国土交通大臣により、その登録を取り消された場合は、その通知を受けた日から起算して 10 日以内に、登録証を国土交通大臣(指定登録機関が登録の実施に関する事務を行う場合は指定登録機関)に返納しなければならない。
エ マンション管理士の登録を取り消された者は、取り消された日から1年を経過しなければ、その登録を受けることができない。
1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
≪解説≫
≪答え≫
問49 次の記述は、「マンションの管理の適正化に関する指針」(最終改正平成28
年3月 14 日 国土交通省告示第 490 号)において定められている「マンションの管理の適正化の基本的方向」に関するものであるが、適切なものはいくつあるか。
ア マンションの管理の主体は、マンションの区分所有者等で構成される管理組合であり、管理組合は、マンションの区分所有者等の意見が十分に反映されるよう、また、長期的な見通しを持って、適正な運営を行うことが重要である。
イ 管理組合を構成するマンションの区分所有者等は、管理組合の一員としての役割を十分確認して、管理組合の運営に関心を持ち、積極的に参加する等、その役割を適切に果たすよう努める必要がある。
ウ マンションの管理は、専門的な知識や信頼を必要とすることが多いため、管理組合は、問題に応じ、マンション管理士等専門的知識を有する者の支援を得ながら、主体性をもって適切な対応をするよう心がけることが重要である。
エ マンションの状況によっては、外部の専門家が、管理組合の管理者等又は役員に就任することも考えられるが、その場合には、マンションの区分所有者等が当該管理者等又は役員の選任や業務の監視等を適正に行うとともに、監視・監督の強化のための措置等を講じることにより適正な業務運営を担保することが重要である。
1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
≪答え≫ 4
問50 マンションの管理に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
ア マンション管理業者の更新の登録を受けようとする者は、登録の有効期間満了の日の90日前から30日前までの間に登録申請書を提出しなければならない。
イ マンション管理士は、国土交通大臣(指定登録機関が登録の実施に関する事務を行う場合は指定登録機関)の登録を受け、マンション管理士の名称を用いて、専門的知識をもって、管理組合の運営その他マンションの管理に関し、管理組合の管理者等又はマンションの区分所有者等の相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うことを業務とする者をいう。
ウ 管理事務とは、マンションの管理に関する事務であって、管理組合の会計の収入及び支出の調定及び出納並びにマンション(専有部分を含む。)の維持又は修繕に関する企画又は実施の調整を内容とする基幹事務を含むものをいう。
エ 管理業務主任者が、マンション管理適正化法第 72 条第1項に基づく重要事項の説明をするときは、説明の相手方に対し、必ず管理業務主任者証を提示しなければならない。
1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
≪解説≫
ア
イ
ウ
エ
≪答え≫