問1 | 区分所有法(共用部分) | ||||||
問2 | 区分所有法(損害賠償) | 問8 | 区分所有法(義務違反) | 問14 | 民法(保証契約) | 問20 | 都市計画法(地域地区) |
問3 | 区分所有法(集会) | 問9 | 区分所有法・民法(建替え) | 問15 | 民法(売買契約) | 問21 | 建築基準法 |
問4 | 区分所有法(管理者) | 問10 | 区分所有法(建替え) | 問16 | 民法(賃貸契約) | 問22 | 水道法(簡易水道) |
問5 | 区分所有法(規約管) | 問11 | 被災マンション法(売却決議) | 問17 | 民法(配偶者居住権) | 問23 | 消防法(防火管理者) |
問6 | 区分所有法(管理組合法人) | 問12 |
|
問18 | 不動産登記法 | 問24 | 共同住宅に係る設計指針 |
問7 | 民法(相続) | 問13 | 民法(抵当権) | 問19 | 建替え円滑化法(敷地売却) | 問25 | 標準管理規約(賃借) |
問1 規約共用部分及び規約敷地に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 マンション内に、上層階専用、下層階専用の二基のエレベーターがあり、それぞれが一部共用部分である場合に、その大規模修繕については、区分所有者全員の規約で定め、清掃等の日常の管理や使用方法については、区分所有者全員の利害に関係しないものとしてそれぞれ上層階、下層階の区分所有者の規約で定めることができる。
2
一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものについての区分所有者全員の規約の設定、変更又は廃止は、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者の4分の3以上で、かつ、議決権の4分の3以上の賛成を要する。
3
未利用の規約敷地の一部について、特定の区分所有者に対して特に有利な条件で、かつ、排他的に使用収益をする権利を規約で設定する場合には、その集会の決議に当たり、他の区分所有者全員の承諾を得なければならない。
4 建物が所在する土地の一部が分割により建物が所在する土地以外の土地となったときは、規約に別段の定めがない限り、専有部分との分離処分が禁止される。
≪解説≫
共有関係 | 管理 | ||
全員の利害に関係する | 一部共有者 | 全員 | |
全員の利害に関係しない | 全体規約あり | 全員 | |
全体規約なし (一部共有者向け規格可) |
一部区分所有者 |
2
問2 甲マンション管理組合Aの組合員であるBが所有する住戸部分をCに賃貸していたところ、当該住戸の道路側の外壁タイルが自然に落下して、通行人Dが負傷した。この場合に関する次の記述のうち、民法(明治 29 年法律第 89 号)及び区分所有法の規定並びに判例によれば、誤っているものはどれか。
1 Dは、土地の工作物の設置又は保存の瑕疵によって損害を被ったとして、その工作物の共用部分の所有者である区分所有者全員に対して、その共有持分の範囲で分割債権として損害賠償請求することになる。
2
Cが、共用部分の維持管理に関与できる立場になく、損害の発生を防止するのに必要な注意を払う義務がない場合には、Dは、Cに対して損害賠償請求をすることはできない。
3 外壁タイルの落下原因が、大規模修繕工事において外壁タイル工事を実施した工事業者の施工不良にあっても、A及びAを構成する区分所有者全員が、Dに対して損害賠償責任を負うことになる。
4
甲マンションの建設当時から、建物としての基本的な安全性を欠いていることが原因である場合には、建物の建築を担った設計士、施工業者、工事監理者は、特段の事情がない限り、Dの損害について、それぞれ連帯して不法行為に基づく損害賠償責任を負うことになる。
≪解説≫
問3 総会の招集について説明した次の文章について、区分所有法の規定及び判例によれば、〔 ア 〕~〔 エ〕の中に入るべき用語の組合せとして、適切なものはどれか。
総会の招集通知においては、通常は、〔 ア 〕を示せば足りますが、〔 イ 〕など一定の重要事項を決議するには、そのほかに〔 ウ 〕をも通知するべきであるとされています(区分所有法第 35 条第5項)。その趣旨は、区分所有者の権利に重要な影響を及ぼす事項を決議する場合には、区分所有者が予め十分な検討をした上で総会に臨むことができるようにするほか、〔エ 〕も書面によって議決権を行使することができるようにして、議事の充実を図ろうとしたことにあると考えられます。そのような法の趣旨に照らせば、前記〔 ウ 〕は、事前に賛否の検討が可能な程度に議案の具体的内容を明らかにしたものである必要があるものと考えられます。
〔 ア 〕 〔 イ 〕 〔 ウ 〕 〔 エ 〕 1 会議の目的たる事項 規約の改正 議案の要領 総会に出席しない組合員 2 会議の目的たる事項 建替え 議決権行使の手続 利害関係人 3 議題 共用部分の変更 会議の目的たる事項 占有者 4 議案の要領 管理者の選任 議題 総会に出席しない組合員
1
2
3
4
≪解説≫
総会の招集通知においては、通常は、(会議の目的たる事項)を示せば足りるが、(規約の改正)など一定の重要事項を決議するには、そのほかに(議案の要領)も通知するべきであると規定されている(区分所有法第 35 条第5項)。その趣旨は、区分所有者の権利に重要な影響を及ぼす事項を決議する場合には、区分所有者が予め十分な検討をした上で総会に臨むことができるようにするほか、(総会に出席しない組合員)も書面によって議決権を行使することができるようにして、議事の充実を図ろうとしたことにあるとみなされる。そのような法の趣旨に照らせば、前記(議案の要領)は、事前に賛否の検討が可能な程度に議案の具体的内容を明らかにしたものである必要があるものと考えられる。
問4 区分所有する者が複数名である甲マンションにおいて、区分所有者Aが管理者である場合の管理者の立場等に関する次の記述のうち、区分所有法及び民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 Aは、やむを得ない事由があるときでなければ、管理者としての事務を第三者に委任することはできない。
2 Aは、管理者としての事務を処理するについて費用を要するときは、管理組合に対して事務処理費用の前払いを請求することができる。
3 Aは、甲マンションの敷地が区分所有者の共有又は準共有に属しない場合には、敷地に関して、これを保存し、集会の決議を実行し、並びに規約で定めた行為をする権限を有しない。
4 Aがその職務を行うため自己の過失なくして損害を受けたときは、Aは、委任の規定に従い、管理組合に対してその賠償を請求することができる。
問5 法人でない管理組合の規約の保管及び閲覧に関する次の記述のうち、区分所有法及び民法の規定並びに判例によれば、正しいものはいくつあるか。
ア
規約は、管理者がいる場合には管理者が、管理者がいない場合には、現に建物を使用している区分所有者又はその代理人の中から、規約又は集会の決議によって保管する者を定めて保管しなければならない。
イ 規約を保管する者は、建物内の見やすい場所に保管場所を掲示し、利害関係人の閲覧請求に対して、正当な理由なしに、規約の閲覧を拒んではならない。
ウ 区分所有権を第三者に譲渡して移転登記も済ませた者は、利害関係を有する閲覧請求権者には該当しない。
エ
規約を電磁的記録で作成・保管している場合は、当該電磁的記録に記録された情報の内容を紙面又は出力装置の映像面に表示する方法により表示したものを閲覧させる。
1 一つ
≪
イ 正しい。区分所有法に「規約の保管場所は、建物内の見やすい場所に掲示しなければならない。規約を保管する者は、利害関係人の請求があったときは、正当な理由がある場合を除いて、規約の閲覧を拒んではならない」
問6 甲マンション管理組合法人の解散事由に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
イ 分譲業者Aによる甲マンションの全区分所有権の買取り
ウ 甲マンション管理組合法人の破産手続開始決定
エ 集会における区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数決決議
1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
≪
管理組合法人は、区分所有法に「次の事由によって解散する」と規定されている(区分所有法第55条)。
一 建物(一部共用部分を共用すべき区分所有者で構成する管理組合法人にあっては、その共用部分)の全部の滅失
二 建物に専有部分がなくなったこと。
三 集会の決議(区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数決)
従って、肢ア、エが正しい。
問7 甲マンション 101 号室の所有者Aが死亡し、遺産分割協議によって同室は長男Cの単独所有とされた。同室についてはAが遺言でAと同居していた妻Bのために配偶者居住権を設定しており、Aが死亡した後にも、Bは、Cの承諾のもとに、配偶者居住権に基づいて同室の居住を継続している。この場合に関する次の記述のうち、区分所有法及び民法の規定並びに判例によれば、誤っているものはどれか。
1 Bは、会議の目的たる事項に利害関係を有していれば、甲マンションの集会に出席して意見を述べることができる。
2 甲マンションの集会で決議された規約のうち、建物又はその敷地若しくは附属施設の使用方法に当たらない事項に関する定めについては、Bにはその効力は及ばない。
3 Cは、101 号室に係る固定資産税を、納付期限が迫っていたため自ら納付したが、これについてはBに対して求償することができる。
4 Bが建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為を行っていた場合には、甲マンションの管理組合は、集会の決議によってBの配偶者居住権を消滅させることができる。
3
配偶者居住権を取得した配偶者は、建物の「通常の必要費」を負担することとされており、固定資産税などの公租公課はこの「通常の必要費」に含まれるので妻Bが負担する。民法1034条1項により長男Cが納付した場合はBに対して求償することができるので選択肢は正しい
4 Bは、Cの承諾のもとに配偶者居住権に基づいて居住を継続しているので、占有者に該当する。占有者が共同の利益に反する行為をした場合、区分所有者の全員は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の集会の決議に基づき訴えをもって占有者が占有する専有部分の使用又は収益を目的とする契約の解除及びその専有部分の引渡しを請求することができる。単に集会の決議のみでBの配偶者居住権を消滅させることはできないので選択肢は正しくない。なお、「被相続人の妻が建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為を行っていた場合には、管理組合は集会の決議によって妻の配偶者居住権を消滅させることができる」とは規定は区分所有法に規定されていない
≪答え≫ 正解は4
問8 マンションにおいて共同の利益に反する行為をした義務違反者に対する措置に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。
1 共同の利益に反する行為の停止の請求、専有部分の使用の禁止の請求、区分所有権の競売の請求及び占有者に対する専有部分の引渡し請求は、いずれも訴えをもってしなければならない
2
占有者が共同の利益に反する行為をした場合には、占有者に対して、専有部分の引渡しを請求することはできるが、その行為の停止を請求することはできない。
3
規約に定めがあれば、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会における決議を経ることなく、専有部分の使用の禁止の請求をすることができる。
4 区分所有権の競売の請求が認められた場合に、その判決に基づく競売の申立ては、その判決が確定した日から6月を経過したときは、することができない。
1 誤り。共同の利益に反する行為の停止の請求は訴訟を提起する場合は集会の決議によらなければならないが訴訟を提起しなくてもよい。専有部分の使用の禁止の請求、区分所有権の競売の請求及び占有者に対する専有部分の引渡し請求はいずれも訴えをもってしなければならない(
2 誤り。区分所有法に「区分所有者が共同の利益に反する行為をした場合又はその行為をするおそれがある場合には、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、区分所有者の共同の利益のため、その行為を停止し、その行為の結果を除去し、又はその行為を予防するため必要な措置を執ることを請求することができる」と規定されている(
3 誤り。区分所有法に「区分所有者の共同生活上の障害が著しく、前条第一項に規定する請求によってはその障害を除去して共用部分の利用の確保その他の区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難であるときは、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、集会の決議に基づき、訴えをもって、相当の期間の当該行為に係る区分所有者による専有部分の使用の禁止を請求することができる」と規定されている(
4 正しい。区分所有法に「その判決に基づく競売の申立ては、その判決が確定した日から六月を経過したときはすることができない」と規定されている(
≪コメント≫
区分所有法の「第七節 義務違反者に対する措置」をしっかり理解していれば正誤の判断は容易にできる。
3
問9
共用部分及び敷地の共有持分の割合が等しいA、B、C及びDの区分所有者からなるマンション(この問いにおいて「甲マンション」という。)が地震によって滅失した場合に関する次の記述のうち、区分所有法及び民法の規定によれば、正しいものの組合せはどれか。ただし、同地震は、被災マンション法に基づいて政令の指定を受けた大規模災害ではないものとする。
ア 甲マンションの全部が滅失した場合には、A、B、C及びDのいずれの者も、他の者に対し、甲マンションの敷地について、分割を請求することができる。
イ
甲マンションの滅失がその建物の価格の2分の1を超える部分に相当する部分の滅失である場合に、復旧に反対した区分所有者Aは、復旧に賛成した区分所有者の全員に対して、Aの建物及び敷地に関する権利を時価で買い取るべきことを請求することができるが、復旧に賛成した区分所有者のいずれか一人に対して請求することもできる。
ウ
甲マンションの滅失がその建物の価格の2分の1以下に相当する部分の滅失である場合において、共用部分の復旧は常に集会の決議によるものとし、区分所有者単独での共用部分の復旧は認めないとする旨の規約を設定することはできない。
エ
甲マンションの滅失がその建物の価格の2分の1以下に相当する部分の滅失である場合において、区分所有者Bが自己の専有部分の復旧の工事に着手するまでに復旧の決議があったときは、Bは、単独で専有部分の復旧をすることはできない。
1 アとイ
2 イとウ
3 ウとエ
4 エとア
ア 民法第256条1項の規定によりマンションの全部が滅失しているので区分所有法は適応されず民法が適応される。敷地は各共有者は自己の持分を自由に処分することができるので敷地の分割を請求することができるので
イ
ウ
エ
≪答え≫
問10
一筆の敷地上に、甲棟、乙棟及び丙棟があり、いずれの棟も専有部分のある建物である。また、敷地は区分所有者全員で共有している。この場合において、甲棟を取り壊し、かつ、従前の甲棟の所在地に新たに建物を建築すること(この問いにおいて「甲棟の建替え」という。)についての、団地管理組合の集会における建替え承認決議に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。ただし、甲棟の建替えは、他の棟の建替えに特別の影響を及ぼさないものとする。
1
団地管理組合の集会において建替え承認決議を行う場合には、団地管理組合の規約で別段の定めがある場合にも、規約で定められる議決権割合ではなく、敷地の持分の割合によって決議の成否が判定される。
2 甲棟の建替えを実施するためには、団地管理組合の集会において議決権の4分の3以上の多数による建替え承認決議を得なければならない。
3
団地管理組合の集会において建替え承認決議を行う場合には、集会を招集した者は、集会の会日より少なくとも1月前までに、団地内建物所有者に対し建替えに関する説明会を開催しなければならない。
4
甲棟の建替え決議が適法に成立したときには、甲棟の建替え決議において甲棟の区分所有者Aが建替えに反対をしていたとしても、その後の団地管理組合の集会における甲棟についての建替え承認決議においては、Aはこれに賛成する旨の議決権の行使をしたものとみなされる。
≪答え≫
≪コメント≫
肢3はちょっと迷う事項である。団地総会での建替え承認決議では事前の説明会は不要である。
問11 大規模な火災、震災その他の災害で政令で定めるものにより、その一部が滅失(区分所有法第 61 条第1項本文に規定する場合(小規模滅失)を除く。)したマンションの建物及びその敷地の売却の決議(この問いにおいて「売却決議」という。)に関する次の記述のうち、被災マンション法及び民法の規定によれば、誤っているものはどれか。ただし、マンションの敷地利用権は、数人で有する所有権その他の権利とする。
1 区分所有者は、区分所有者、議決権及び敷地利用権の持分の価格の各5分の4以上の多数による売却決議があれば、建物と敷地利用権の両方を売却することができる。
2 売却決議を行うための区分所有者集会の招集については、規約をもってしても、その発出から会日までの期間を2ヵ月間よりも短縮することはできない。
3 敷地利用権が土地の賃借権である場合にも、借地権設定者の同意を得ずに、建物及びその敷地の賃借権を売却することができる。
4 区分所有者集会において売却決議がなされても、専有部分の賃借権は当然には消滅しない。
1 正しい。区分所有建物の一部が滅失した場合、被災マンション法に「当該区分所有建物に係る敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利であるときは、区分所有者集会において、区分所有者、議決権及び当該敷地利用権の持分の価格の各五分の四以上の多数で、当該区分所有建物及びその敷地(これに関する権利を含む。)を売却する旨の決議をすることができる」と規定されている
2 正しい。被災マンション法に「売却決議を行うための区分所有者集会を招集するときは、当該区分所有者集会の会日より少なくとも二月前に発しなければならない」と規定されている(被災マンション法第9条4項)。「少なくとも二月前発する」とは「発出から会日までの期間を2ヵ月間よりも短縮することはできない」ことを意味している
3 誤り。民法に「賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができない」と規定されており、借地権設定者の同意を得ずに、建物及びその敷地の賃借権を売却することがない(民法第612条2項)
4 正しい。専有部分の賃借権は区分所有者(賃貸人)と賃借人との賃貸借契約によるものであり賃借権は当然には消滅しない。
問12
Aは、甲マンションの1室を所有し、Aの子Bと同室に居住しているが、BがAから代理権を与えられていないにもかかわらず、Aの実印を押捺した委任状を作成し、Aの代理人と称して同室を第三者Cに売却する契約を締結し、登記も移転した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
1 Bが作成したAの委任状を真正なものとCが信じ、かつ信じたことに過失がないときには、当該売買契約は有効である。
2 当該売買契約締結後に、Aが死亡し、BがAを単独で相続した場合、売買契約は相続とともに当然有効となる。
3 Cが、マンションの同室をAC間の売買事情を知らないDに転売した場合、DがCの所有権登記を信じ、信じたことに過失もないときは、AはDに自らの権利を主張できない。
4
売買契約後にBに代理権がなかったことを知ったCが、Aに対し「7日以内に追認するかどうかを確答して欲しい」旨の催告をしたが、Aがその契約の内容を判断する能力があるにもかかわらず、その期間内に確答しなかったときは、その契約を追認したものとみなされる。
|
(同居)ーーーーーーーーC
| 売買契約
B
1 誤り。民法第113条1項7号で「代理権を有しない者が他人の代理人としてした契約は、本人がその追認をしなければ、本人に対してその効力を生じない」。また、代理権授与表示、権限外の行為、代理権消滅後のいずれの要件もみたさないから表見代理は成立せず当該売買契約は無効である。つまり、Bの行為は、無権代理行為である。したがって、本人Aが追認しない限り、AC間の契約は効力を生じない(【宅建過去問】(平成04年問03))。本設問の場合、無権代理人が委任状を偽造したとしても本人が代理権授与表示をしたことにはならず相手方がその委任状が真正ものと過信下としても表見代理は成立しない
2 正しい。民法第896条で「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない」と規定されており、売買契約締結後に、Aが死亡し、BがAを単独で相続した場合、売買契約は相続とともに当然有効となる
3 誤り。民法第177条で「不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない」と規定されているが、書類を偽造したBは全くの無権利者であり、DがCの所有権登記を信じたことに過失もないときでもAはDに対し自らの権利を主張できる。Dは民法でいう第三者ではない(民法177条)
4 誤り。民法第114条で「相手方は、本人に対し、相当の期間を定めて、その期間内に追認をするかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、本人がその期間内に確答をしないときは、追認を拒絶したものとみなす」と規定されている。Cが7日以内に追認するかどうかを確答して欲しい旨の催告をしたが、その期間内に確答しなかったときはその契約を追認したものとみなされない
売買契約で無権利者が関係するの解釈である。良問である
問13 Aが所有する甲マンション 201 号室には、AのBに対する債務を担保するためにBの抵当権が設定されている。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
1 Bの抵当権の効力は、Bの抵当権が設定された当時、既に 201 号室内に存在していた従物に及ぶ。
2 Bの抵当権について設定登記がされる前に、Cが、Aから 201 号室を賃借して同室の引渡しを受けていた場合において、Bの抵当権が実行されてDが同室を買い受け、Cに対して同室の明渡しを請求したときは、Cは、同室の賃借権を有することを理由にその請求を拒むことができる。
3 Bの抵当権が設定された後であっても、Aは、201 号室をEに賃貸し、Eから賃料を収取することができる。
4 201 号室にAのFに対する債務を担保するためにFの抵当権が設定された場合には、Bの抵当権とFの抵当権の順位は、抵当権設定契約の前後によって決まる。
1 民法第370条に「抵当権は、抵当地の上に存する建物を除き、その目的である不動産に付加して一体となっている物に及ぶ」と規定されており設問は正しい。なお、室内に存在していた従物は「建物に付加して一体となっている物」との判例があるので抵当権の効力は、Bの抵当権が設定された当時、既に室内に存在していた従物に及ぶ
2 民法第177条に「不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない」と規定されているが、Cの賃借権は、Bの抵当権設定登記がなされる前に引渡しという対抗要件を備えており、賃借権はBの抵当権に優先するのでCはAから買い受けたDに対して賃借権を有することを理由にその請求を拒むことができるので
3 民法の定めにより抵当権が設定された後であっても、抵当権設定者は、抵当物件を第三者に賃貸し賃料を収取することができる
4 民法第373条に「同一の不動産について数個の抵当権が設定されたときは、その抵当権の順位は、登記の前後による」と規定されており、抵当権の順位は、抵当権設定契約の前後によって決まる訳ではないので設問は誤り
問14 Aが所有する甲マンションの 301 号室をBに対して賃貸し、CがBの委託を受けてBのAに対する賃借人の債務についてAとの間で書面によって保証契約を締結した場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 AとCとの保証契約が令和元年5月1日に締結された場合、法人でないCが極度額を当該契約書面に記載せずに保証契約を締結したときは、その契約は有効である。
2 AとCとの保証契約が令和2年5月1日に締結された場合、法人であるCが極度額を当該契約書面に記載せずに保証契約を締結したときは、その契約は無効である。
3 AとCとの保証契約が令和2年5月1日に締結された場合、法人でないCが極度額を当該契約書面に記載せずに保証契約を締結したときは、その契約は無効である。
4 AとCとの保証契約が令和2年5月1日に有効に締結された場合、法人でないCがAに対してBの賃料支払状況に関する情報を求めたときは、Aは遅滞なくこれをCに提供しなければならない。
2 民法第465条の2に「一定の範囲に属する不特定の債務を主たる債務とする保証契約(以下「根保証契約」という。)であって保証人が法人でないもの(以下「個人根保証契約」という。)の保証人は、主たる債務の元本、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たる全てのもの及びその保証債務について約定された違約金又は損害賠償の額について、その全部に係る極度額を限度として、その履行をする責任を負う」と規定されている。、法人が極度額を当該契約書面に記載せずに保証契約を締結したとしてもその契約は有効なので
3 民法465条の2の第2項に「個人根保証契約は、前項に規定する極度額を定めなければ、その効力を生じない」と規定されており、法人でない保証人が極度額を当該契約書面に記載せずに保証契約を締結したとしてもその契約は無効なので
4 民法第458条の2に「証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、保証人の請求があったときは、債権者は、保証人に対し、遅滞なく、主たる債務の元本及び主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たる全てのものについての不履行の有無並びにこれらの残額及びそのうち弁済期が到来しているものの額に関する情報を提供しなければならない」と規定されており、主たる債務者の賃料支払状況に関する情報を求めたときは債権者は遅滞なくこれをCに提供しなければならないので
問15 Aが、Bに対し、令和2年8月20日に中古マンションを売却し、Bが引渡しを受けた後に当該マンションの天井に雨漏りが発見された場合におけるAの責任に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。ただし、雨漏りにつきBの責めに帰すべき事由はなく、売買契約にAの責任についての特約はなかったものとする。
1 Bは、Aに対して、損害賠償請求をすることができ、また、契約の目的を達することができないときは契約解除をすることができるが、雨漏りの補修を請求することはできない。
2 Bが、Aに対して、雨漏りを発見した時から1年以内に損害額及びその根拠を示して損害賠償を請求しないときは、Bは損害賠償請求をすることができない。
3 Bが、Aに対して、相当の期間を定めて雨漏りを補修するよう催告をし、その期間内に補修がされない場合において、雨漏りの範囲や程度が売買契約及び取引上の社会通念に照らして軽微でないときは、Bは売買契約の解除をすることができる。
4 Bが、Aに対して、相当の期間を定めて雨漏りの補修の催告をし、その期間内に補修がされないときは、雨漏りについてAの責めに帰すべき事由がある場合に限り、Bは雨漏りの範囲や程度に応じて代金の減額を請求することができる。
≪答え≫ 3
問16 甲マンション 707
号室を所有するAは、同室をBに賃貸する旨の契約(この問いにおいて「本件賃貸借契約」という。)を結び、同室をBに引き渡すとともに、Bから敷金の交付を受けた。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
1 Bが交付した敷金は、本件賃貸借契約の存続中にBがAに対して負担する未払賃料債務だけでなく、本件賃貸借契約終了後、707
号室をAに明け渡すまでにBがAに対して負担する不法占拠を理由とする賃料相当額の損害賠償債務をも担保する。
2 本件賃貸借契約が終了し、AがBに対して 707
号室の明渡しを請求した場合には、Bは、Aに対し、敷金の返還との同時履行を主張して同室の明渡しを拒むことができる。
3 Bが賃料の支払を怠っていることから、AがBに対してその賃料の支払を請求した場合には、Bは、Aに対し、敷金をその賃料の弁済に充てることを請求することができる。
4 Aが 707号室をCに譲渡して所有権の移転登記をした後、本件賃貸借契約が終了して、同室がBからCに明け渡された場合には、Bは、Cに対し、敷金の返還請求権を行使することができない。
1 民法第622条の2の第1項に「賃貸人は、敷金を受け取っている場合において、次に掲げるときは、賃借人に対し、その受け取った敷金の額から賃貸借に基づいて生じた賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務の額を控除した残額を返還しなければならない」と規定されている。賃貸借契約の存続中に賃借人が賃貸人に対して負担する未払賃料債務だけでなく本件賃貸借契約終了後、室を賃貸人に明け渡すまでに賃借人が賃貸人に対して負担する不法占拠を理由とする賃料相当額の損害賠償債務をも担保するので
2 民法第622条第1項1号に「賃貸借が終了し、かつ、賃貸物の返還を受けたとき賃借人に対し敷金を返還しなければならない」と規定されており、賃貸借契約が終了し、賃貸人が賃借人に対して室の明渡しを請求した場合には賃借人は賃貸人に対し敷金の返還との同時履行を主張して同室の明渡しを拒むことができないので
3 民法第622条第2項に「賃貸人は、賃借人が賃貸借に基づいて生じた金銭の給付を目的とする債務を履行しないときは、敷金をその債務の弁済に充てることができる。この場合において、賃借人は、賃貸人に対し、敷金をその債務の弁済に充てることを請求することができない」と規定されて
4 民法第605条の2第4項に「賃貸人たる地位が譲受人に移転したときは、敷金の返還に係る債務は、譲受人が承継する」と規定されており、賃借人は新賃貸人に対し敷金の返還請求権を行使することがきるので
問17 甲マンションの 102 号室にAとBが同居し、AがBと同居したまま令和2年7月1日に死亡した場合における次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。ただし、AにはBのほかに相続人がいるものとする。
1 Aが配偶者Bに対し令和2年6月1日に配偶者居住権を遺贈した場合でも、甲マンションの 102 号室がAとBとの共有であったときには、Bは配偶者居住権を取得しない。
2 甲マンションの 102 号室がAの所有であり、BがAの配偶者であっても、配偶者居住権を遺産分割によってBが取得するものとされず、また、配偶者居住権が遺贈あるいは死因贈与の目的とされていない場合には、Bは配偶者居住権を取得しない。
3 甲マンションの 102 号室がAの所有であり、Aが配偶者Bに対し令和2年6月1日に配偶者居住権を遺贈した場合でも、BがAの内縁の配偶者であったときには、Bは配偶者居住権を取得しない。
4 甲マンションの102号室がAの所有であり、BがAの配偶者であっても、AがBに対し令和元年6月1日に配偶者居住権を遺贈あるいは死因贈与した場合には、配偶者居住権を遺産分割によってBが取得するものとされない限り、Bは配偶者居住権を取得しない。
1 民法第1028条第1項に「被相続人の配偶者は、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に居住していた場合において、配偶者居住権が遺贈の目的とされたときその居住していた建物の全部について無償で使用及び収益をする権利(「配偶者居住権」)を取得する」と規定されており、被相続人と配偶者との共有であったときでも配偶者は配偶者居住権を取得するので選択肢は誤っている
2 民法第1028条第1項に「被相続人の配偶者は、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に居住していた場合において、遺産の分割によって配偶者居住権を取得するものとされたとき又は、配偶者居住権が遺贈の目的とされたとき、その居住していた建物の全部について無償で使用及び収益をする権利(「配偶者居住権」)を取得する」と規定されている。Bが配偶者居住権を取得するには、遺産の分割によって配偶者居住権を取得するか、又は、配偶者居住権が遺贈の目的とされたときのいずれかに該当する必要があり設問ではBは配偶者居住権を取得しないので選択肢は正しい
3 民法第1028条第1項では配偶者居住権を取得できるのは被相続人の配偶者とされており、内縁の妻は対象でないので配偶者居住権を取得できず
4 民法附則第10条2項に配偶者居住権は令和2年4月1日以降に開始する相続等から適用されるので令和元年6月1日に配偶者居住権を遺贈あるいは死因贈与した場合には、配偶者居住権を遺産分割によって配偶者が取得するものとされない限り配偶者は配偶者居住権を取得しないので選択肢は正しい
≪答え≫ 1
問18 区分建物の登記に関する次の記述のうち、不動産登記法(平成 16 年法律123 号)の規定によれば、正しいものはどれか。
1 共用部分である旨の登記がある区分建物について、共用部分である旨を定めた規約を廃止した後に当該区分建物の所有権を取得した者は、当該区分建物の表題部所有者の変更の登記の申請をしなければならない。
2 敷地権の登記のある区分建物について、敷地権の種類について変更があったときにする表題部の変更の登記の申請は、当該区分建物と同じ一棟の建物に属する他の区分建物についての表題部の変更の登記の申請と併せてしなければならない。
3 区分建物が表題登記のある区分建物でない建物に接続して新築された場合には、当該区分建物の所有者がする表題登記の申請は、表題登記のある建物についての表題部の変更の登記の申請と併せてしなければならない。
4 区分建物を新築して所有者となった法人が、建物の表題登記の申請をする前に合併により消滅したときは、当該法人の承継法人は、承継法人を表題部所有者とする当該建物についての表題登記の申請をしなければならない。
1 不動産登記法第51条第4項に「新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から1月以内に、表題登記を申請しなければならない」と規定されているので設問は正しくない。「建物が共用部分である旨」について変更の登記を申請しなければならず当該区分建物の「表題部所有者」の変更の登記の申請をするわけではない
2 不動産登記法第51条第6項に「建物が区分建物である場合において、敷地権について変更の登記がされたときは、登記官は、「職権」で、当該一棟の建物に属する他の区分建物について、当該登記事項に関する変更の登記をしなければならない」と規定されているので設問は正しくない。当該区分建物と同じ一棟の建物に属する他の区分建物についての表題部の変更の登記の申請と「併せて」するわけではない
3 不動産登記法第48条第1項に「表題登記がない建物に接続して区分建物が新築されて一棟の建物となった場合における当該区分建物についての表題登記の申請は、当該区分建物が属することとなった一棟の建物に属する他の区分建物についての表題登記の申請と併せてしなければならない」と規定されており設問は正しい。
4 不動産登記法第47条第2項に「区分建物である建物を新築した場合において、その所有者について相続その他の一般承継があったときは、相続人その他の一般承継人も、被承継人を表題部所有者とする当該建物についての表題登記を申請することができる」と規定されており承継人を表題部所有者とする表題登記の申請をするわけではないので設問は正しくない。
≪答え≫ 3
問19 マンション敷地売却組合(この問いにおいて「組合」という。)が実施するマンション敷地売却事業に関する次の記述のうち、マンションの建替え等の円滑化に関する法律(平成14年法律第78号)の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 組合には、役員として、理事3人以上及び監事2人以上を置く。また、役員として、理事長1人を置き、理事の互選により選任する。
2 組合は、その名称中にマンション敷地売却組合という文字を用いなければならない。
3 組合員の数が30人を超える場合は、総会に代わってその権限を行わせるために総代会を設けることができる。
4 組合員及び総代は、定款に特別の定めがある場合を除き、各1個の議決権及び選挙権を有する。
1 マンションの建替え等の円滑化に関する法律(以下、「マンションの建替え等円滑化法」という)第20条に「組合に、役員として、理事三人以上及び監事二人以上を置き、役員として、理事長一人を置き、理事の互選によりこれを定める」と規定されており設問は正しい
2 マンションの建替え等円滑化法第20条に「組合は、その名称中にマンション建替組合という文字を用いなければならない」と規定されており設問は正しい
3 マンションの建替え等円滑化法第31条に「組合員の数が五十人を超える組合は、総会に代わってその権限を行わせるために総代会を設けることができる」と規定されており30人を超える場合ではなく50人を超える場合なので設問は正しくない
4 マンションの建替え等円滑化法第33条1項に「組合員及び総代は、定款に特別の定めがある場合を除き、各一個の議決権及び選挙権を有する」と規定されており設問は正しい
≪答え≫ 3
問20 地域地区に関する次の記述のうち、都市計画法(昭和 43 年法律第 100 号)の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 準都市計画区域においては、都市計画に、用途地域を定めることができる。
2 市街化調整区域においては、都市計画に、特定用途制限地域を定めることができない。
3 第二種低層住居専用地域においては、都市計画に、特例容積率適用地区を定めることができる。
4 第一種住居地域においては、都市計画に、開発整備促進区を定めることができない。
1 都市計画法第8条2項に「準都市計画区域については、都市計画に用途地区を定めることができる」と規定されており選択肢は正しい
2 都市計画法第9条14号に「特別用途地区は、用途地域内の一定の地区における当該地区の特性にふさわしい土地利用の増進、環境の保護等の特別の目的の実現を図るため当該用途地域の指定を補完して定める地区とする」と規定されており、市街化調整区域は都市計画に特定用途制限地域を定めることができないので選択肢は正しい
3 都市計画法第9条15号に「特定用途制限地域は、用途地域が定められていない土地の区域(市街化調整区域を除く。)内において、その良好な環境の形成又は保持のため当該地域の特性に応じて合理的な土地利用が行われるよう、制限すべき特定の建築物等の用途の概要を定める地域とする」と規定されており、第二種低層住居専用地域は、都市計画に特例容積率適用地区を定めることができないので選択肢は正しくない
4 都市計画法第12条5項4号に「劇場、店舗、飲食店その他これらに類する用途に供する大規模な建築物の整備による商業その他の業務の利便の増進を図るため、一体的かつ総合的な市街地の開発整備を実施すべき区域を開発整備促進区として都市計画に定めることができる」と規定されており、また、第二種住居地域、準住居地域若しくは工業地域が定められている土地の区域又は用途地域が定められていない土地の区域(市街化調整区域を除く)であり、第一種住居地域においては、開発整備促進区を定めることができないので開発整備促進区を定めることができないので選択肢は正しい
≪答え≫ 3
問21 建築基準法(昭和25年法律第201号)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 特定行政庁は、建築基準法令の規定に違反することが明らかな建築工事中の建築物については、当該建築物の建築主等に対して当該工事の施工の停止を命じなければならない。
2 幅が2.5mの共同住宅の階段で、けあげが10cm、かつ、踏面が25cmのものの中間には手すりを設けなければならない。
3 共同住宅の居住のための居室には、採光のための窓その他の開口部を設け、その採光に有効な部分の面積は、その居住の床面積に対して10分の1以上としなければならない。
4 高さ31mを超える共同住宅で、高さ31mを超える部分を階段室の用途に供するものには、非常用の昇降機を設ける必要はない。
1 建築基準法第9条第10項に「特定行政庁は、建築基準法令の規定又はこの法律の規定に基づく許可に付した条件に違反することが明らかな建築、修繕又は模様替の工事中の建築物については、緊急の必要があつて所定の手続によることができない場合に限り、これらの手続によらないで、当該建築物の建築主又は当該工事の請負人(請負工事の下請人を含む。)若しくは現場管理者に対して、当該工事の施工の停止を命ずることができる」と規定されており選択肢は正しくない。当該工事の施工の停止を命じなければならない訳ではない。
2 建築基準法施行令第25条に「階段の幅が3mをこえる場合においては、中間に手すりを設けなければならない」と規定されており選択肢は正しくない
3 建築基準法施行令第28条第1項に「住宅、学校、病院、診療所、寄宿舎、下宿その他...の居室には、採光のための窓その他の開口部を設け、その採光に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、住宅にあっては1/7以上としなければならない」と規定されており選択肢は正しくない。採光に有効な部分の面積は居住の床面積に対して10分の1以上ではない。
4 建築基準法施行令第129条の13の2に「高さ三十一メートルを超える部分を階段室、昇降機その他の建築設備の機械室、装飾塔、物見塔、屋窓その他これらに類する用途に供する建築物は非常用の昇降機の設置を要しない建築物である」と規定されており選択肢は正しい。高さ31mを超える共同住宅で、高さ31mを超える部分を階段室の用途に供するものには、非常用の昇降機を設ける必要はない。
≪答え≫ 4
問22 簡易専用水道に関する次の記述のうち、水道法(昭和32年法律第177号)の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 簡易専用水道は、貯水槽水道のうち、水道事業の用に供する水道から水の供給を受けるために設けられる水槽の有効容量の合計が10m3 を超えるものをいう。
2 簡易専用水道に係る検査項目の一つである給水栓における水質の検査では、臭気、味、色及び濁りに関する検査並びに残留塩素に関する検査を行い、異常が認められた場合は、翌日、改めて検査を行う。
3 市の区域にある簡易専用水道については、市長は簡易専用水道の管理が厚生労働省令で定める基準に適合しないと認めるときは、設置者に対して、期間を定めて、清掃その他の必要な措置を採るべき旨を指示することができる。
4 簡易専用水道の設置者は、定期に、地方公共団体の機関又は厚生労働大臣の登録を受けた者の検査を受けない場合、罰金に処せられる。
1 正しい。簡易専用水道は水道法に「水道事業の用に供する水道及び専用水道以外の水道であつて、水道事業の用に供する水道から供給を受ける水のみを水源とするものをいう」と定義されている(水道法第3条)。
2 誤り。「簡易専用水道の設置者は、厚生労働省令で定める基準に従い、その水道を管理しなければならない」と定義されている(水道法第34条2項)。また、厚生労働省告示に「水質の検査では、臭気、味、色及び濁りに関する検査並びに残留塩素に関する検査を行う」と指示されている(厚生労働省告示262号)。ただし、「異常が認められた場合は、翌日、改めて検査を行う」とまでは指示されていない
3 正しい。水道法に「都道府県知事(又は市長)は専用水道又は簡易専用水道の設置者が、所定の規定に基づく指示に従わない場合において、給水を継続させることが当該水道の利用者の利益を阻害すると認めるときは、その指示に係る事項を履行するまでの間、当該水道による給水を停止すべきことを命ずることができる」と規定されている(水道法第37条)
4 正しい。水道法に「簡易専用水道の設置者は、当該簡易専用水道の管理について、厚生労働省令の定めるところにより、定期に、地方公共団体の機関又は厚生労働大臣の登録を受けた者の検査を受けなければならない」と規定されている(水道法第34条の2)。また、左記規定に違反した者は百万円以下の罰金に処すると規定されている(水道法第54条の8)
問23 共同住宅の管理について権原を有する者(この問いにおいて「管理権原者」という。)、防火管理者等に関する次の記述のうち、消防法(昭和 23 年法律第号)の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 高さ31mを超える共同住宅で、その管理について権原が分かれているもののうち消防長又は消防署長が指定するものの管理権原者は、当該建築物の全体について防火管理上必要な業務を統括する防火管理者を協議して定めなければならない。
2 防火管理者は、消防計画を作成し、所轄消防長又は消防署長に届け出るとともに、これに基づいて消火、通報及び避難の訓練等を定期的に実施しなければならない。
3 防火管理者は、共同住宅の廊下、階段、避難口その他の避難上必要な施設について避難の支障になる物件が放置され、又はみだりに存置されないように管理し、かつ、防火戸についてその閉鎖の支障になる物件が放置され、又はみだりに存置されないように管理しなければならない。
4 延べ面積が1,000m2以上の共同住宅のうち、消防長又は消防署長が火災予防上必要があると認めて指定するものの関係者は、当該共同住宅における消防用設備等について、機器点検は6ヵ月に1回、総合点検は1年に1回、消防設備士免状の交付を受けている者又は総務省令で定める資格を有する者に実施させなければならない。
1 正しい。消防法に「高層建築物(高さ三十一メートルを超える建築物)その他政令で定める防火対象物で、その管理について権原が分かれているもの又は地下街でその管理について権原が分かれているもののうち消防長若しくは消防署長が指定するものの管理について権原を有する者は、政令で定める資格を有する者のうちからこれらの防火対象物の全体について防火管理上必要な業務を統括する防火管理者を協議して定めなければならない(消防法第8条の2)
2 正しい。「防火管理者は当該防火対象物について消防計画の作成、当該消防計画に基づく消火、通報及び避難の訓練の実施、消防の用に供する設備、消防用水又は消火活動上必要な施設の点検及び整備、火気の使用又は取扱いに関する監督、避難又は防火上必要な構造及び設備の維持管理並びに収容人員の管理その他防火管理上必要な業務を行わせなければならない」と規定されている(消防法第8条)
3 誤り。消防法に「学校、病院、工場、事業場、興行場、百貨店、旅館、飲食店、地下街、複合用途防火対象物その他の防火対象物で政令で定めるものの管理について権原を有する者は、当該防火対象物の廊下、階段、避難口その他の避難上必要な施設について避難の支障になる物件が放置され、又はみだりに存置されないように管理し、かつ、防火戸についてその閉鎖の支障になる物件が放置され、又はみだりに存置されないように管
理しなければならない」と規定されている(消防法第8条の2の4)。これらは防火管理者が管理することは求められていない。
4 正しい。消防法に「防火対象物の関係者は、当該防火対象物における消防用設備等又は特殊消防用設備等について、総務省令で定めるところにより、定期に、当該防火対象物のうち政令で定めるものにあっては消防設備士免状の交付を受けている者又は総務省令で定める資格を有する者に点検させ、その他のものにあつては自ら点検し、その結果を消防長又は消防署長に報告しなければならない。」と規定されている(消防法第17条の3の3)。なお、延べ面積が1,000m2以上の共同住宅の機器点検は6ヵ月に1回、総合点検は1年に1回行う事が定められている(消防庁告示第9号)
問24 「共同住宅に係る防犯上の留意事項及び防犯に配慮した共同住宅に係る設計指針について」(最終改正平成 18 年4月 20 日 国住生第 19 号)によれば、新築住宅建設に係る設計指針に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
1 共用玄関には、玄関扉を設置することが望ましい。また、玄関扉を設置する場合には、外部から建物内部が見えないようにするとともに、オートロックシステムを導入することが望ましい。
2 共用廊下・共用階段の照明設備は、極端な明暗が生じないよう配慮しつつ、床面において概ね 20 ルクス以上の平均水平面照度を確保することができるものとする。
3 ゴミ置場は、道路等からの見通しが確保された位置に配置する。また、住棟と別棟とする場合は、住棟等への延焼のおそれのない位置に配置する。
4 通路(道路に準ずるものを除く。以下同じ。)は、道路等、共用玄関又は居室の窓等からの見通しが確保された位置に配置する。また、周囲環境、夜間等の時間帯による利用状況及び管理体制等を踏まえて、道路等、共用玄関、屋外駐車場等を結ぶ特定の通路に動線が集中するように配置することが望ましい。
1 誤り。共同住宅に係る防犯上の留意事項及び防犯に配慮した共同住宅に係る設計指針(以下「指針」という)に「共用玄関には、玄関扉を設置することが望ましい。また、玄関扉を設置する場合には、扉の内外を相互に見通せる構造とするとともに、オートロックシステムを導入することが望ましい」(指針第2(1))イ)
2 正しい。指針に「共用廊下・共用階段の照明設備は、極端な明暗が生じないよう配慮しつつ、床面において概ね20ルクス以上の平均水平面照度を確保することができるものとする。」と規定されている(指針第4 2(6)イ)
3 正しい。指針に「ゴミ置場は、道路等からの見通しが確保された位置に配置する。また、住棟と別棟とする場合は、住棟等への延焼のおそれのない位置に配置する」と規定されている(指針第4 1(12)イ)
4 正しい。指針に「通路(道路に準ずるものを除く。以下同じ。)は、道路等、共用玄関又は居室の窓等からの見通しが確保された位置に配置する。また、周辺環境、夜間等の時間帯による利用状況及び管理体制等を踏まえて、道路等、共用玄関、屋外駐車場等を結ぶ特定の通路に動線が集中するように配置することが望ましい。」と規定されている(指針第3 2(9)ア)
問25 専有部分の賃借人に関する次の記述のうち、標準管理規約によれば、適切でないものはどれか。
1 組合員が総会で代理人により議決権を行使する場合において、その住戸の賃借人は、当該代理人の範囲には含まれない。
2 組合員は、専有部分の賃貸をする場合には、組合員が管理組合と駐車場使用契約を締結し自らが使用している駐車場を、引き続きその賃借人に使用させることはできない。
3 組合員は、専有部分の賃貸をする場合には、規約及び使用細則に定める事項を賃借人に遵守させる旨の誓約書を管理組合に提出しなければならない。
4 賃借人は、会議の目的につき利害関係を有するときは、総会に出席して意見を述べることができる。この場合において、当該賃借人はあらかじめ理事長にその旨を通知しなければならない。
1 標準管理規約第46条5に「組合員が代理人により議決権を行使しようとする場合において、その代理人は、その組合員の配偶者、一親等の親族
2 標準管理規約第15条3項に「区分所有者がその所有する専有部分を、他の区分所有者又は第三者に譲渡又は貸与したときは、その区分所有者の駐車場使用契約は効力を失う」と規定されており設問は正しい。組合員が管理組合と駐車場使用契約を締結し自らが使用している駐車場を、引き続きその賃借人に使用させることはできない
3 標準管理規約第19条2項に「区分所有者は、その貸与に係る契約にこの規約及び使用細則に定める事項を遵守する旨の条項を定めるとともに、契約の相手方にこの規約及び使用細則に定める事項を遵守する旨の誓約書を管理組合に提出させなければならない」と規定されており設問は正しくない。誓約書を管理組合に提出するのは相手方(賃借人)である
4 標準管理規約第45条2項に「区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的につき利害関係を有する場合には、総会に出席して意見を述べることができる。この場合において、総会に出席して意見を述べようとする者は、あらかじめ理事長にその旨を通知しなければならない」と規定されており設問は正しい