イソギンチャク選びも慎重に


さて、イソギンチャクも選んでる場合ではない。

たしかに、迷うほどの種類と量を扱ってるショップは少ない。
しかし、カクレクマノミ以上に選ばないといけない。
なにしろ、種類から選ばねばならいのである・・・。
イソギンチャクもいろいろ
イソギンチャクにだって、いろいろな種類がいます。

どれでもいい、なんて事はありません。
今回の場合、カクレクマノミと相性が良くなくてはいけません。
そう、カクレクマノミはイソギンチャクならなんでも良いというわけではないのです。

さて、どんな種類があるのでしょう。
ショップで見掛ける代表的なものをリストにしてみました。相性はあくまでもカクレクマノミでの場合です。
なお、相性と難易度はショップや飼育経験者からの聞き取り、飼育経験から総合的に判断してます。おそらくは異論もあるでしょう。参考意見程度で見ていただければよいかと。
おなまえ どんな感じ? 相性 難易度
シライトイソギンチャク ショップでは一番目にする種類。一見白く綺麗だが、長期飼育はやや難しい。 ×
ロングテンタクルアネモネ(俗称 L.T) これもショップではよく見る。「ファインディング・ニモ」でマリーンが手に入れた家に似てるが別物。 ×
サンゴイソギンチャク あまりショップでは見掛けない。触手が膨らんだ姿はしぼんだ風船のよう。
タマイタダキイソギンチャク 比較的よく見る。綺麗な個体が多い気がする。サンゴイソギンチャクとは同種論もあるらしいがよくわからない。
ハタゴイソギンチャク やや品薄で、状態も悪いのが多い気が。餌をやりすぎると大きくなる。毒性も強い。
イボハタゴイソギンチャク 比較的よく見る。毒性が強い。大きい個体も多い。
センジュイソギンチャク 比較的よく見る。やや細長い触手。

個々の詳細な情報は他のサイトにいくらでもあるので検索して探して欲しい。
特に"Y's Aquarium."は必見である。

どれで行きましょう!?
ズバリ、本命ハタゴイソギンチャク、対抗サンゴイソギンチャクorタマイタダキイソギンチャク。

話が終わってしまうな。

まあ、ごく一般的にカクレクマノミと相性が良いと言われている3種かと。
ハタゴイソギンチャクが一番相性が良いと思うものの、残念ながら状態の良いものがやや入手困難。岩にガッチリ貼り付いてるので、薬品などでの強引な採種が多いと聞く。元々は丈夫な方だと思うのだが・・・。また、こいつは大きくなるので、小型水槽では大型化しない飼育方法を考えた方がよい。60cm水槽でも苦しいサイズまで成長するので要注意。
サンゴイソギンチャクorタマイタダキイソギンチャクは状態の良いハタゴを探すよりは容易に入手できそう。どちらも大きさではハタゴほどは大きくならないと思う。経験的には差を感じないのだが、ハタゴより飼育し易いという情報もある。
何故自然界では共生してるセンジュイソギンチャクが外れてるかというと、私は飼育がやや難しいと思いこんでるので、今回は外しました。

安い価格と真っ白な姿に惹かれてシライトイソギンチャクを買ってしまうパターンがある。たしかに見た目は良いのだが、とにかく長生きしないのである。採種時の問題もあるが、褐虫藻がほとんど無いような白い個体は給餌が必要。ここで失敗することも多いようである。また、肝心のカクレクマノミが気に入らない可能性が高い。これでは本末転倒である。なんにしても、購入はお勧めしない。
とか言いながら、わが家も最初に来たイソギンチャクはシライトであった。
シライトイソギンチャク
やや膨らみ気味。
とにかく安くて綺麗なのでついつい買ってしまうが、給餌は必須かなぁ。わが家では3ヶ月以上飼育できたことがなかった。
ハタゴイソギンチャク
相性バッチリなのだがとにかく状態の良いものが少ないらしい。

見極める
魚は泳ぎ方だとか、太り方だとかで判断しやすいが、イソギンチャクははたして何を見るべきか?

まず、色が濃い個体を選ぶこと。それはつまり褐虫藻が多いから。
そして定着している個体を選ぶ。水に漂ってるものは避けたい。
また、元気だと触手をユラユラと自ら動かしていること。
全体がダラ〜ンとしていかにもダレてる感じのものも弱っているのでパス。まして消化器官をさらけ出してる個体は絶対買うべからず。

大きさについてはあまりにも巨大化した個体は避けよう。それ以上成長する可能性もあるし、水槽サイズ、カクレクマノミとの見た目のバランスも考えたい。

採種地で丈夫さが変わる
出来れば国内採種のものを選びたい。理由はカクレクマノミ選び同様、長時間の輸送は弱らせるから。
残念ながら輸入物が多く、この点では地元ショップでの購入では妥協せざるを得ないかもしれない。
採種方法は国による規制の有無、種類による採種方法の違いなどがあり、薬品などを使わない採種を行える国のものは丈夫らしい。
・・・なんなんだ、「薬品などを使わない採種を行える」って。
イソギンチャクの多くはサンゴなどの岩に貼り付いている。当然、剥がれまいと抵抗するので、強引に引き剥がすと裂けてしまう。そこで、その土台の岩ごと採ってしまう方法もあるのだが、これをやるとサンゴ礁を痛める事になり、国によっては規制がかかっているらしい。そこで薬品や高濃度の塩水を吹きかけ、イソギンチャクが嫌がって剥がれやすくなったのを採種してる、らしい。
サンゴの保護を考えれば、薬品などを使用した採種の方が良さそうだが、状態の悪いイソギンチャクを何度も買うなら、丈夫なのを長く飼った方がトータルでは海に優しい気もする。突き詰めれば「採らない買わない」に行き着くだけなので、この辺にしよう。
イソギンチャクの養殖が可能になる時代が早く来ることを祈りたい。

なんで「らしい」の連発かというと、私は採種など見たことがない。詳しい情報を知っている方がいたらぜひ教えて欲しい。


良いイソギンチャクと出逢えました?

次はイソギンチャクの水槽デビューです
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